軍事航空、ISR、 無人機、サイバー、宇宙、安全保障、最新技術....防衛産業、軍事航空、軍用機、防衛関連宇宙開発等の最新技術動向を海外メディアからご紹介します。民間航空のニュースは「ターミナル1」をご覧ください。航空事故関連はT4へどうぞ。無断転載を禁じます。YouTubeでご利用の際はあらかじめご連絡ください。
2011年4月18日月曜日
イージスシステムが弾道弾迎撃テストに成功
Aegis Completes Successful Intercept Test
aviationweek.com Apr 18, 2011
4月15日にハワイ沖でロッキード・マーティンのイージス弾道ミサイル防衛(BMD)システムが中距離弾道弾(IRBM)の追尾、破壊に成功した裏には遠隔地のAN/TPY-2レーダーからのデータを利用していたこと同社が確認したことで判明した。
1.イージスBMDシステムがIRBM迎撃に成功し、しかも遠隔地からの発射の迎撃に成功したことで、イージスBMDで遠隔地のセンサーを活用し、可能なかぎり発射初期段階で迎撃できることが実証された。
2.今回の実験で発射されたのはスタンダードミサイル-3一発で、リアルタイム情報を遠隔地のセンサーからまず得た後、艦載SPY-1レーダーが接近する弾道ミサイル目標を補足したことが同社から発表された。
3.米海軍に取りBMD任務はその重要性をましている。計画していたDDG-1000ズムワルト級を中止しDDG-51アーレイ・バーク級駆逐艦に高性能BMD装備を搭載すること決定をしたばかりでもある。ロッキード・マーティンはBMDと艦隊防空を同時に実施できるイージスシステムのアップグレードを実施している。
4.実験に参加したDDG-77オケインは、第一世代のイージスBMD装備でミサイル防衛庁(MDA)、海軍、ロッキード・マーティンによる実験に成功した。このシステムでは弾道ミサイルの最終飛行段階で自艦防衛が可能であり、米海軍により2008年に運用が承認されている。
5.今回の実験で証明されたのは欧州の段階別適応アプローチ(EPAA)案の第一段階部分であり、この構想はオバマ大統領が2009年9月に発表したもの。
6. 実験に使用されたIRBMはマーシャル諸島クウェジェリン環礁のレーガンテスト施設から発射され、太平洋上空を北東に飛行した。発射後にウェーキ島に前進配備のAN/TPY-2Xバンド移動可能レーダーがミサイルを発見し追尾した。
7.このレーダーが弾道情報を指揮命令戦闘運営通信(C2BMC)システムに提供し、目標データを処理した後に遠方にいるオケインに通信している。IRBMミサイルが軌道上を飛行している間に同艦のAN/SPY-1が同ミサイルを発見補足した。
8.同艦のイージスBMD兵装システムから目標捕捉データがSM-3ブロックIAミサイルにアップリンクされ、同ミサイルは火器管制の計算解に従い飛行を続け弾道部分を放出し、目標を補足したことで弾道弾の進路を変更し、運動エネルギーで同弾道弾を破壊した。■
2011年4月16日土曜日
MDA ミサイル早期警戒衛星の新しい方向性
MDA Drops Target-Acquisition From Next Sats
aviationweek.com Apr 14, 2011
コロラド・スプリングス発 米国ミサイル防衛庁(MDA)は目標捕捉センサーを今後開発する新型ミサイル追跡衛星に搭載しない予定。これはシステムの合理化および予算節約のため。
次世代宇宙配備ミサイル追跡システムは現在実証中のノースロップグラマン製宇宙追跡監視システム(STSS)よりも簡易な構成になるとMDAは説明している。
今回の決定はジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)の提言を受けた形で、APLはこれから開発する精密追跡宇宙システム(PTSS)の設計開発で中心的な存在。
軌道上のノースロップグラマン衛星は二機で以前あった宇宙配備赤外線低軌道探知システムから生まれたもので、目標捕捉および追跡用の各センサーを搭載している。この二つで弾道ミサイルの発射を「誕生から死まで」探知する能力を実証済みだ。捕捉センサーはミサイルの高温排気を探知する設計で、追跡センサーは弾道飛行の中間段階で低温の弾道先端部を追跡することができる。
PTSSにMDAは目標捕捉センサーを搭載し、追跡能力だけの衛星とする設計を採用する。この理由は衛星の構造を簡略化し、リスク低減と製造費用の節約となるためだ。
PTSSではセンサーの操作制御にネットワーク機能が加わる。STSSでは衛星搭載の目標捕捉センサーにより自動的に探査を開始するところが、PTSSは静止軌道上のミサイル警戒衛星からの信号により目標の探査を開始するのだろう。STSS衛星も今後のPTSS衛星もともに低軌道周回衛星である。
今回の仕様は一部業界関係者には驚きを持って受け止められた。ペンタゴンはコスト節減の意味ではむしろ既存衛星の設計をもとにSTSS宇宙機を調達するとみられていたためだ。
今回の決定でノースロップグラマンによるSTSS衛星の安易なコピー版売り込みの方向性は否定されることになる。
APLの調査研究で最終仕様が決まることになるが、3月にMDAはAPLとともにPTSSのシステム要求内容検討を行なっている。
APLから6社に再委託契約が示され、最終設計の内容を構成することになるが、調達・生産計画は未確定だ。この6社とはロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップグラマン、レイセオン、ボールエアロスペース、オービタルサイエンシズの各社。.
最終的にMDAが期待するのは9機ないし12機の衛星調達契約を2014年度予算で取り交わすことだ。PTSS予算で2012年度予算に要求しているのは今後5年分で12億ドルほど。
aviationweek.com Apr 14, 2011
コロラド・スプリングス発 米国ミサイル防衛庁(MDA)は目標捕捉センサーを今後開発する新型ミサイル追跡衛星に搭載しない予定。これはシステムの合理化および予算節約のため。
次世代宇宙配備ミサイル追跡システムは現在実証中のノースロップグラマン製宇宙追跡監視システム(STSS)よりも簡易な構成になるとMDAは説明している。
今回の決定はジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)の提言を受けた形で、APLはこれから開発する精密追跡宇宙システム(PTSS)の設計開発で中心的な存在。
軌道上のノースロップグラマン衛星は二機で以前あった宇宙配備赤外線低軌道探知システムから生まれたもので、目標捕捉および追跡用の各センサーを搭載している。この二つで弾道ミサイルの発射を「誕生から死まで」探知する能力を実証済みだ。捕捉センサーはミサイルの高温排気を探知する設計で、追跡センサーは弾道飛行の中間段階で低温の弾道先端部を追跡することができる。
PTSSにMDAは目標捕捉センサーを搭載し、追跡能力だけの衛星とする設計を採用する。この理由は衛星の構造を簡略化し、リスク低減と製造費用の節約となるためだ。
PTSSではセンサーの操作制御にネットワーク機能が加わる。STSSでは衛星搭載の目標捕捉センサーにより自動的に探査を開始するところが、PTSSは静止軌道上のミサイル警戒衛星からの信号により目標の探査を開始するのだろう。STSS衛星も今後のPTSS衛星もともに低軌道周回衛星である。
今回の仕様は一部業界関係者には驚きを持って受け止められた。ペンタゴンはコスト節減の意味ではむしろ既存衛星の設計をもとにSTSS宇宙機を調達するとみられていたためだ。
今回の決定でノースロップグラマンによるSTSS衛星の安易なコピー版売り込みの方向性は否定されることになる。
APLの調査研究で最終仕様が決まることになるが、3月にMDAはAPLとともにPTSSのシステム要求内容検討を行なっている。
APLから6社に再委託契約が示され、最終設計の内容を構成することになるが、調達・生産計画は未確定だ。この6社とはロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップグラマン、レイセオン、ボールエアロスペース、オービタルサイエンシズの各社。.
最終的にMDAが期待するのは9機ないし12機の衛星調達契約を2014年度予算で取り交わすことだ。PTSS予算で2012年度予算に要求しているのは今後5年分で12億ドルほど。
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