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中国を意識したアジア太平洋地域内の国防支出は今後五年で55%成長

        U.S. Asian Allies Raise Regional Stakes With Military Spending By Michael Fabey Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek. com July 22, 2013 米国がアジア太平洋重視へ方向転換する中、親米かつ同盟関係にある域内各国が大規模な軍事装備投資を実施し、特に調達および研究開発分野の支出が目立つ。 オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、パキスタン、シンガポール、韓国、台湾、タイの各国合計で1.4兆ドルを2013年から18年にかけ支出する予定で、2008年から12年までの合計が9,195億ドル相当だったので55%増加になる。これは Aviation Week Intelligence Network (AWIN) によるデータ分析であきらかになったもので、データは Avascent Analytics (ワシントンに本拠を持つ世界規模の防衛計画の市場調査オンラインキットを提供する企業)が提供した。 ペンタゴンおよび米海軍の高官は米軍の「太平洋への方向転換」 “Pacific pivot” の原動力には域内各国との条約および協力関係だという。 だが米国自体が同地域で新たに建設する拠点は比較的小規模であり、 AWIN/Avascen t分析から同地域内の同盟各国はずっと大規模な自国軍の拡張を計画中と判明した。 同地域に米国が軍事的な利害を感じるようになったのは中国が軍事力を近代化し、同地域内で抱える数々の領土問題で自国流の解決を模索している流れと一致している。 緊張は高い。「中国は神経質になっている。自国が包囲されていると感じている」とシャングリラ対話で主要な役目を果たしたアジア国際戦略研究所 International Institute for Strategic Studies-Asia (IISS) (シンガポール)のウィリアム・チュン  William Choong  は語る。 チュンによれば米国のプレゼンスが増えれば、とくに同地域で中国と対立する小国を勇気付けて、数々の「ホットな」争点で誤った安全保障感覚を

ミサイル防衛テスト失敗で予定が狂うMDA

Latest U.S. Missile Defense Test An Embarrassing Failure By Amy Butler abutler@aviationweek.com Source: AWIN First aviationweek.com July 08, 2013 Credit: MDA ミサイル迎撃実験が5年間で三度目の失敗に終わり、2008年12月の迎撃成功後はうだつのあがらないテスト結果が連続している。 今回のテストは7月5日に実施、地上配備迎撃ミサイルがヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォーニア州)から発射された。その標的は太平洋クワジャリン環礁から発射された。ミサイル防衛庁は迎撃が成立しなかったと発表したのみで詳細については口をつぐんでいる。 同庁から迎撃ミサイル(Orbital Sciences のブースター使用)が予定軌道に乗ったのか、大気圏内破壊体Exoatmospheric Kill Vehicle (EKV) (レイセオン製、直接衝突して弾頭を破壊する)を実際に使用したのかについて発表がない。さらに今回のテストで目標ミサイルがレーダーや光学センサーを妨害する対抗措置を作動させたかについても言及がない。今回の結果については議会と国務省にまず報告するという。 今回の失敗はチャック・ヘイゲル国防長官にはばつの悪い結果になった。同長官はそもそも北朝鮮による2月の第三回核実験に対抗し地上配備中間段階防衛Ground-Based Midcourse Defense (GMD)システムのテストを急がせていたのだ。テストにより「有事対応の自信増大」をするはずだったとMDA長官ジェイムズ・シリング海軍中将MDA Director Vice Adm. James Syring tは5月に上院で説明していた。米国には飛来する実しあるを迎撃する手段があることを誇示し、北朝鮮が進めようとする核ICBM能力開発を抑止するねらいがあったのだ。さらに今回の試験ではGMD迎撃手段の基本形を試す目的もあった。きわめて手順どおりのテストとして北朝鮮やイランに米国の能力を示すはずだった。 シリング長官にとっても昨11月に就任後初の見せ場となるはずで、GMDでもボーイングが2011年に35億ドルで契約を勝ち取

イタリアFACO竣工式は見送り。生産は7月18日開始

Ceremony Canceled As Italian F-35 Final Assembly Facility Starts Ops By Amy Butler abutler@aviationweek.com, Anthony Osborne tony.osborne@aviationweek.com Source: AWIN First aviationweek.com July 12, 2013 イタリアで竣工したF-35向け最終組立点検施設 (FACO)の開所式が同国の政治事情により開催先送りになった。 当初の予定ではイタリア空軍、国防省高官、産業界幹部、米空軍クリストファー・ボグデン中将(ペンタゴンで同機開発を統括)が出席する予定だったが、7月18日開催予定だった。 ただしアレニア・アエルマッキとロッキード・マーティン両社は同機を巡りイタリア政界で対立がめだったことからひと目を引く開所式の実施を見送ったもの。 イタリア議会では6月26日に議決し、予定どおり90機の支出を承認したが、予定変更は都度議会の承認を必要とするとの付帯動議も可決。これは同機導入に異議を唱えた反対派への妥協策だ。同機の価格高騰と開発遅延からユーロファイター・タイフーンの導入を押す向きがあった。 イタリア国防省は今回の決議を勝利ととらえ、計画推進に勢いが得られたと理解。しかし反対派は米国外では初のFACO竣工祝賀会企画に騒ぎ立てていた。 米伊両国の産業界、政府関係者によると開所式はあくまでも「延期」扱い。しかし、F-35計画の推進を承認した議会決議に異を唱える向きを考慮して実施は実質上断念されているという。 式典そのものはなくなったが、最終組立作業は予定通り7月18日に開始されれう。FACOはイタリア北部のカメリ空軍基地Cameri Air Base にあり、機体各部が電子式接合調整システムElectronic Mate and Alignment Systemに投入される。 イタリア政府は同施設への投資によりイタリア産業界がF-35のハイテクに触れることができるべくリスクをとる決定をしている。実際には機体生産よりも長期間に渡る同機の保守点検に投じられる金額のほうが高くなる。 FACOはメンテナンス、修理、オーバーホールも行う施設だ。

UCASが空母着艦に成功-新たな歴史の創造

History Is Made As UCAS Lands On U.S. Carrier By Amy Butler abutler@aviationweek.com Source: AWIN First aviationweek.com July 10, 2013 Credit: Amy Butler 米海軍の無人戦闘航空機システム(UCAS)実証機の2号機が航空史上に一ページを加えた。7月10日に航空母艦USS George H.W. Bushに拘束フックで着艦に成功した。場所はヴァージニア州ノーフォークの沖合い。 中国はじめ無人ステルス機の開発進む中、今回の着艦成功で米国技術の優位性が確立したと、海軍長官レイ・メイバスNavy Secretary Ray Mabus が艦上で着艦直後に開いた記者会見で発言。 同機は着艦を二回実施し、最初は三番ワイヤーを予定通り捉えている。二回目はカタパルトで発艦し、二番ワイヤーをこれも予定通り捉えた。パタクセントリバー海軍航空基地から発進している。 一回目の着艦の前に同機は艦上のLSO着艦システム運営者からゴーアラウンドを指示され、LSOはデジタル機器で指示を伝え、UCASのシステムソフトウェアが指示を受領し、機内に伝えた。 一点異常が発生したのはUCASオペレーターが同機の制御を甲板運用オペレーターに移管しようとした時点だった。甲板運用オペレーターは腕につけた制御端末で同機を格納庫までタキシー移動させようとした。一回目で無事移管が完了したことを示す青灯がつかなかった。赤が点灯し、移管が成立しなかったと表示したのだ。この移管手続きは機体を格納庫内で動かすために必要だ。甲板の要員が即座に予備端末に切り替えて青灯がつき、カタパルト発艦の準備を進めた。 拘束着艦の成功は大きな成果で、実証のうち難易度が最も高いテストだ。初のカタパルト発艦は5月に実施していたがその後も発艦、タッチアンドゴーを繰り返し実施していた。 これに比べると着艦は複雑だ。同機の自律飛行ソフトウェアと精密誘導装置が海上の母艦のたてゆれを把握する必要があるためだ。誘導装置により同機は正確な自機の位置を母艦と対照しながら認識して着艦に備える。 艦上運用は7月16日までの予定で、関係者はもう一回は最

米海軍向け次世代ジャマー開発はレイセオンが契約社に

Raytheon To Develop U.S. Navy's Next Generation Jammer By Graham Warwick graham.warwick@aviationweek.com Source: AWIN First July 08, 2013 Credit: Boeing レイセオン が次世代ジャマー Next Generation Jammer (NGJ) ポッドの開発企業として選定された。NGJは    ALQ-99戦術ジャミングシステムと交代し米海軍のボーイングEA-18Gグラウラー電子攻撃機に搭載される。 契約規模は279.4百万ドルで技術開発(TD)フェーズ22ヶ月となっている。NGJの運用開始は2020年予定で、ジャミングで柔軟性と精密度を向上し、広帯域を拡大して脅威作動範囲を広げる。 レイセオンは他の三社とともに工期33ヶ月の技術成熟化フェーズに参加していた。他社は BAEシステムズ 、 ITT エクセリス ITT Exelis 、 ノースロップ・グラマン だが、国防総省の契約公表では今回入札したのは三社のみだったという。 TDフェーズでレイセオンは「NGJの基本ブロックとなる重要技術を設計製造する」と海軍航空システムズ本部は説明している。システム完成後はEA-18Gに搭載し54ヶ月にわたり技術生産開発フェーズに入る。 レイセオンは契約交付の事実を確認するとともに「現在のみならず将来のニーズにもこたえる革新的で次世代のソリューション」を提供すると発表している。今回入札した各社ともNGJポッドの設計はアクティブ電子スキャンアレイ方式のジャマーアンテナを元にしたもの。■

F-35実戦化はさらに遅れる 何が問題なのか。どうしたらいいのか考えましょう

きわめて深刻なF-35開発の進捗状況です。何度も当方が主張しているように西側各国はこれだけ問題の多い機体に今後の防衛を託す決定をすでにしてしまっていますので、早急に際決断をする必要があると思います。それが計画の打ち切りなのか、新型機の開発なのか、はまだわかりませんが、仮にこのまま開発を進めるとしても抜本的な開発体制の見直し、として各国が単に発注分の引渡しをふんぞり返って待つのではなく、得意分野を共有しながらロッキードの開発をもっと現実的に支援する必要があるのではないでしょうか。なお、面白いので原文の読者のコメントを追加しています。 More F-35 Delays Predicted By Bill Sweetman Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com July 01, 2013 本来なら現時点で初期作戦能力獲得を実現しているはずのF-35統合打撃戦闘機の開発でペンタゴンが工程表 integrated master schedule (IMS) を作り直してから2年たらずで、この改訂版も実現が怪しくなっていることが国防総省の武器装備試験のトップから明らかになった。 海兵隊が目指す限定つき初期作戦能力獲得の目標期日に間に合わせるためのソフトウェア自体が8ヶ月遅れになっていると、マイケル・ギルモア(ペンタゴンの運用テスト評価部長 Michael Gilmore, director of operational test and evaluation (DOT&E) が上院軍事歳出小委員会で6月19日に明らかにしている。レーダーや電子光学系システムの問題により兵装統合が遅れ、そもそも設定してた時間余裕を食いつぶしたという。バフェット振動と亜音速での機体制御 wing-drop が「作戦能力(IOC)獲得上の懸念で残っている」とのこと。 何がソフトウェア開発を遅らせているのか。プログラムのテストで追加が発生しているためだ。その原因はギルモア部長によるとヘルメット搭載ディスプレイシステムhelmet-mounted display system (HMDS) の回帰テストで、変更内容が問題を発生させないことを確認する回帰テストだけで2013年中に

インド初の国産空母の進水近づく

India’s First Indigenous Aircraft Carrier Near Completion By Jay Menon Source: Aviation Week & Space Technology July 01, 2013 Credit: Indian Defense Ministry 海軍力拡張を目指すインド初の国産航空母艦indigenous aircraft carrier (IAC) の進水は8月になりそうだ。 海上公試はその10ヵ月後とインド政府高官は発言。それでもINSヴィクラントVikrant (同国が運用した初の空母の艦名を継承)とすでに命名されているIACの艦隊編入は5年後の見込みだ。建造はコチンで進水は8月12日を予定し、その後作業を続け2014年6月に艦体は完成する。 海軍への引渡しは2018年1月までに行う。排水量は45,000トンで建造費は50億ドル。契約交付の2007年から工期は6年以上かかっている。IACの当初の艦隊編入は2014年の予定だったが、ロシア製鋼板の不足、ギアボックスの技術問題当で遅延したもの。 旧ロシア海軍のキエフ級空母アドミラル・ゴルシコフはINSヴィクラマディチャVikramaditya(45,000トン)として公試中であり近日中に就役中の唯一の空母INSヴイラット Viratに加わる予定。 インド洋におけるインド海軍力の整備は海賊対策の上でも有益とインドの国防研究研究所 Institute for Defense Studies and Analysesは見ている。■