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歴史に残る機体⑧ メッサーシュミットBf 110「駆逐機」はコンセプト陳腐化の体現

Nazi Germany's Failed Menace in the Air: The Bf 110 'Destroyer' A smart design that quickly went out of date. Michael Peck July 29, 2016 http://nationalinterest.org/feature/nazi-germanys-failed-menace-the-air-the-bf-110-destroyer-17185 1930年代中頃のナチ・ドイツには一つ問題があった。双発中型爆撃機ハインケルHe-111などの行動半径が1,500マイルほどであるのに対し、単発戦闘機のメッサーシュミットBf-109は400マイルの行動半径しかなかった。(大戦中に燃料増槽を付ける) 1939年以前の航空力信奉者は「爆撃機は必ず敵防空網を突破できる」と信じていたが、ドイツは爆撃機にま離陸から帰投まで護衛の必要を感じていた。 解決策がメッセーシュミットBf-110、双発戦闘機で外観は小型爆撃機そのものだった。航続距離1,500マイルを初期型で実現し、単発戦闘機より重装備で機関砲4門、機関銃4丁までを搭載し前方を射撃したほか、後部機銃一丁で背後の敵機を排除する構想だった。当時としては画期的な時速350マイルを実現したBf-110は第二次大戦初期の戦闘機の大部分より高速だった。 だが戦闘機の設計ではすべてが代償なしに手に入るわけではない。燃料をそれだけ搭載するため機体は大型化し大重量となった。大型で重い機体にはエンジン二基とプロペラ二組が必要となるのでこれも重量増になった。その結果、Bf 110の重量は4トンとBf 109の二倍以上になった。 この大型戦闘機は駆逐機と呼ばれ、ドイツが重視した重戦闘機の象徴となった。搭乗員はドイツ空軍でエリート扱いで1確かに939年まではその地位にふさわしかった。相手が時速230マイルのポーランド複葉機や護衛なしの英軍爆撃機だったためだ。 そこにバトルオブブリテンが始まる。1940年夏までドイツ空軍は地上部隊支援がほとんどでポーランド、フランスで防備の薄い敵相手にBf 109の援護範囲で十分だった。戦略爆撃任務として英国内陸部へフランス

☆中国空母三番艦からカタパルト方式を採用か

なるほどスキージャンプ方式では機材を空中に送り出すのに時間がかかって仕方ありませんし、カタパルト方式にはかなわないと判断したようですね。ただ各艦が異なる仕様となると運用上面倒ですね。空母建造が二隻で終わるかどうかですが、後続艦が初期三隻の運用経験から決定的な仕様になるはずで、そう考えると中国の空母で文法が完成するのはもう少し先のようですね。 China's third aircraft carrier likely to be fitted with catapults Andrew Tate, London - IHS Jane's Defence Weekly 04 August 2016 http://www.janes.com/article/62780/china-s-third-aircraft-carrier-likely-to-be-fitted-with-catapults 001A型空母の建造中写真からスキージャンプ方式を採用し、短距離陸運用を狙っているのががわかる。. Source: Via sinodefenceforum.com 中国国内のフォーラムに出た写真から湖北省武漢にある空母実物大模型が改修を受けたと判明した。 改修の背景には国産初の空母001A型一号艦(大連で建造中)と次号艦002型とで相違点があるようだ。 実物大模型ではスキージャンプが取り外され、今後建造される三号艦がカタパルトを搭載するとの観測を強めている。 空母三番艦の建造は江南造船Jiangnanの長興島造船所Changxingdao shipyardで行うと予想されるが現在まで船体建造が始まった様子はなく、モジュラー部の製造が始まっているとの観測がある。 艦載戦闘機J-15の運用を支援するHuangdicun空軍基地でカタパルト施設の建設が2015年に始まったのが衛星画像で確認されている。これもカタパルト発艦、拘束フック着艦方式の運用が次期空母に採用される証拠だという。 同空軍基地に蒸気動力方式と電磁式のカタパルトが据え付けられている。両方式から最終案を絞り込むt、まだ結論が出ていないようだ。 大連で建造中の001A型空母の非公式写真を見ると一番艦遼寧と同様のスキージャンプがわかる。

★★生産再開するTu-160M2ブラックジャックのここに注目

THE BUZZ What Makes Russia’s New Tu-160M2 Blackjack Supersonic Bomber Special Dave Majumdar August 4, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/what-makes-russias-new-tu-160m2-blackjack-supersonic-bomber-17252 ロシアの新型ツボレフTu-160M2ブラックジャック超音速戦略爆撃機が2018年末に初飛行する見込みで、本格生産が2021年に始まる。原型たるブラックジャックは少数生産のままソ連崩壊の1991年で生産終了していた。 「 Tu-160M2初号機は2018年末に初飛行し 、 本生産は2021年開始の見込み』とヴィクトール・ボンダレフ上級大将が国営通信RIAノーヴォスティで語っている 。 今回の大日程はこれまでのロシア政府発表と微妙に異なり、以前は初飛行2019年、本生産開始は2023年としていた。現下の経済情勢でロシア政府が予算を確保したことから同機がロシア戦略爆撃機の中核とみなされていることがわかる。 Tu-160M2は全く別の機体と言ってよい。新型機のミッションシステムは更新されエンジンはクズネツォフNK-32アフターバーナー付きターボファンの性能改修型だ。ロシアは同型機をおよそ50機調達するとしているが、原型のTu-160が16機あり、これも改修を受けるかは不明。 ロシア空軍の用兵思想は米空軍と異なり、敵防空網突破を大々的に行うことは想定していない。Tu-160はマッハ2でスタンドオフ兵器の発射地点へ急行する。ステルス性は重視されていない。 だがTu-160M2は長く供用中のTu-95ベアを更新機体にならないようだ。両機種は今後も併用される。「B-52HとB-1Bのように共存するでしょう」とマイケル・カフマン(CNAコーポレーション、ロシア軍事問題研究員)は述べる。「それぞれ代替できない機種で、Tu-160がTu-95の後継機種という説には納得できませんね」 そうなるとB-52同様にTu-95も今後も長く供用されそうだ。「Tu-95の完全退役は20年ほど先でしょう。パイ

防衛白書への中国の反応は「人民海上戦」への呼びかけ

  Japan Warns China Over 'Territorial Aggression' Agence France-Presse 11:01 a.m. EDT August 2, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/international/asia-pacific/2016/08/02/south-china-sea-japan-islands/87949994/ (Photo: Petty Officer 2nd Class Jonathan Husman, U.S. Navy) TOKYO —意図せぬ軍事衝突の引き金を引くリスクを中国が増やしているとの防衛情勢を日本が評価する一方で中国政府からは「海上人民戦争」の準備を進めよとの発言が出ている。 日本がこのたび公表した防衛白書では中国について「自己主張を強める傾向が続く」とし、その行動は「意図しない結果を招く危険な振る舞いがある」とする。 中国が南シナ海で広範な領海主張をし、人工島を建設し、軍事作戦の構えまで見せる中で域内各国との対立が深まるのは国際社会も看過できない。 中国政府は国連制度の一部たる仲裁法廷で自らの主張を却下され、、法廷判断を尊重するよう圧力を受けている。 白書では中国は「自国の一方的な要求を求めるばかりで妥協の余地を示していない」とし、「既成事実で現状を無理やり変えようとしている」と表現。そのうえで中国に判決に従うよう求めるが、当の中国は茶番だと結果を拒絶している。 中国国営メディア新華社は常万全国防相が「人民海上戦」の準備を急ぎ、海上脅威へ対抗し、主権を守れと発言したと伝えている。 国家主権の擁護と領土防衛のため軍、警察、人民を総動員すべきだと同国防相は浙江省視察中に発言している。ただし脅威の出どころについては通信社は解説していない。 米国が問題の海域で海軍哨戒活動を今後も続けると公言し、航行の自由原則を掲げるのも中国の神経を逆なでしている。 白書では東シナ海での中国の活動が増加していることに日本も警戒心をあらわにしている。両国は尖閣諸島をめぐる主権主張で対立しており、中国は釣魚諸島と呼称している。 「尖閣諸島近海での中国活動が強

★航空戦闘軍団「F-35AはISIS戦に投入まもなく可能」

米空軍はF-35AのIOC獲得で浮かれていますが、ソフトウェアの整備が追いついておらず機能は制限があるのでは。このまま投入するとしたら中東が一番好適なのでしょうが、中国を睨む太平洋地区では張り子のトラでは。初期段階で発生するトラブルにどう対応するかで今後の運用が決定づけられるはずです。実戦投入の結果に注目です。 Air Force: F-35 May Soon Attack ISIS KRIS OSBORN 2:26 AM http://www.scout.com/military/warrior/story/1692143-air-force-f-35-may-soon-attack-isis F-35はいつISIS攻撃に出撃するのか。前線司令部の要請さえあれば空軍上層部は「いつでも可」だという。 米空軍のF-35Aが作戦投入可能となった。イラク・シリアでISISを攻撃し、バルト海沿岸国でロシアへの抑止力として、あるいは太平洋で戦力の一部として投入されるのはまもなくと空軍上層部は語っている。 「空軍は世界規模で兵力運用をしています。中東にF-35の派遣を検討中です。現地司令官が求めてきたら、迅速に応じます」とハーバート・J・『ホーク』カーライル大将(航空戦闘軍団司令官)が報道陣に語った。 ISIS空爆に投入できる。米主導の連合軍はシリア、イラク上空で航空優勢を確立しており、F-35はレーザー誘導方式の対地攻撃兵器運用能力があり、GPS誘導方式の共用直接攻撃弾JDAMも投下できる。精密、レーザー誘導空対地兵器には通常爆弾を精密誘導ミサイルに改装したペイブウェイIIもある。F-35ではこの運用テストも成功裏に終わっている。 カーライル大将はF-35配備には中東、欧州に加え太平洋も可能との見方を紹介し、空軍が呼ぶ「戦域安全保障パッケージ」“Theater Security Packages”の一部になるという。 「必要が生じれば四隻程度の小規模部隊を迅速にホットスポットへ送ります。戦闘航空部隊も同じ考えです。F-35Aの初出動がTSPで実現する可能性もあります」と航空戦闘軍団報道官のベンジャミン・ニューウェルがScout Warriorに語った。 カーライルはF-22派遣前にF-35が欧州他の戦略拠点に

★★RANDが予測する米中戦の壊滅的結果

ここにきて米中開戦想定の記事が米側に増えています。中国国内ではなぜかKFCが襲撃を受けたりと民衆はアメリカへの反発を短絡的に示す一方、解放軍は動きを示していません。中国軍は共産党の機関であり、一部が言うような軍の暴走は考えにくいです。党の指示で機能する組織です。その共産党は今後100年の統治を想定しているはずで、今回の法廷決定を無視するのも大計に立った計画をしているからでしょう。西側が短絡的な動きを示せば北京の思う壺では。 New Report Details Why a War between China and America Would be Catastrophic Dave Majumdar August 1, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/new-report-details-why-war-between-china-america-would-be-17210 米中両国が開戦すれば両国に相当の被害が発生するが、今開戦となれば中国の損失の方が大きい。ただし中国が進める接近阻止領域拒否(A2/AD)整備で、中国有利が2025年に生まれる。それでも中国は米側より相当大きな被害を被るとRANDコーポレーションの最新研究成果が述べている。勝者は誰なのかあいまいになるのは軍事衝突は終わりなき人命損失へ悪化していくからだ。 「米側の軍事優位性が減少する中で作戦案が実現するか米国にも自信がなくなる」とこのたび出た報告書( David C. Gompert , Astrid Cevallos and Cristina L. Garafola )にある。「中国の交戦能力、特にA2ADが強化されると米国は主導権を握れず、中国防衛網の突破が困難になり、決定的な勝利は得られなくなる」 中国と開戦となれば戦場は海空が舞台となりそうだが、サイバーおよび宇宙装備が大きな意味を有すると報告書は述べる。RANDは通常戦のままと予測している。「両国とも部隊を広範囲に配備し相互に捕捉追跡し攻撃する能力が高いので西太平洋全体が戦闘地帯になり重大な経済的影響が発生する。」「核兵器使用は考えにくい。損害が極度に多い通常戦でも両陣営ともに核兵器の先制使用による放射能のリスクを恐れ

北朝鮮がノドンミサイルを発射し、秋田沖に着弾させた狙いは何か

暴走が止まらない北朝鮮ですが、制裁措置に効果がないことは明らかです。もっと効果のある対策が出てくると思いますが、当面何ができるでしょう。ミサイルの効果を否定するTHAADやPAC3の体制強化がひとつ。さらに都知事戦候補の一人が言っていたようにパチンコを規制することも本当に有効なら実施すべきです。日本が同国の資金源になってはならないでしょう。 Latest North Korea missile launch lands near Japan waters, alarms Tokyo SEOUL | BY JU-MIN PARK AND JAMES PEARSON http://www.reuters.com/article/us-northkorea-missile-idUSKCN10D2Q8 北朝鮮は3日弾道ミサイル発射し、一発が日本の経済専管水域内あるいはその外側に着弾し、国連安全保障理事会決議を再度破った。 ミサイル本体は日本の排他的経済水域内に落下したと日本の防衛省関係者は述べ、域内の緊張がさらに高まる。 発射されたのはノドン中距離弾道ミサイルのようで、1,000キロ飛翔したと韓国参謀本部は発表。 安倍晋三首相はミサイル発射は日本への「深刻な脅威」で日本政府は「強く抗議する」と述べ、追加発射に備え自衛隊を警戒態勢に置いた。 米国務省報道官は発射を非難し、「国際社会からの対応措置が一層強化される結果になるだけ」と述べた。 米戦略軍からはミサイルは二発探知し、うち一発は発射直後に爆発したと発表があった。 日本海まで到達したミサイルは日本時間午前7:50で平壌南西にある黄海南道South Hwanghae から発射されたと韓国統合参謀本部が発表した。 この発射で北朝鮮に「隣接国を広範囲で直接攻撃する狙いがある」のは明らかで「韓国では港湾、空港等が標的になる」と同本部は述べた。 今月後半に米韓両国が大規模な毎年恒例の演習を行う。演習自体は防衛的な性格で挑発の意図はないとしているが、北朝鮮は演習の度に抗議するのが通例で、侵攻の事前準備だとする。 7月19日には北朝鮮は東海岸から弾道ミサイル3発を発射し500キロから600キロを飛翔させた。 また米韓両国は高性能最終段階高高度地域防衛THAAD