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2月8日の東シナ海上空米海軍P-3CとPLA機の異常接近事案の続報

今回の事件は意図的なものではなかったということのようです。しかしこれから南シナ海(東シナ海も)上空での予期せぬ事態は発生するでしょう。 Pentagon Reviewing ‘Unsafe’ Military Aircraft Encounter Over South China Sea By: Sam LaGrone February 10, 2017 2:46 PM https://news.usni.org/2017/02/10/pentagon-reviewing-unsafe-military-aircraft-encounter-south-china-sea 米海軍P-3C。哨戒飛行隊(VP)4所属。USSコール(DDG-67)上空を飛行している。US Navy photo. 人民解放軍機と米海軍機との間で南シナ海上空で発生した飛行中の危険な遭遇事案はペンタゴンが検証中だ。 2月8日に発生したのはP-3Cと中国空軍KJ-200の異常接近で、米太平洋軍は「危険」な状況と判断して以下声明を発表している。「米海軍所属P-3Cは通常のミッションを国際法に従って実行中だった」「国防総省と米太平洋軍は中国軍との危険接近を常に憂慮している」 ペンタゴンはこの事案を検証中だと報道官ゲイリー・ロス中佐がUSNI Newsに10日述べている。 人民解放軍のKJ-200。2015年。 Japan MoD Photo 「両者とも艦船航空機の安全運行を維持しようと相当努力している。中国軍との連絡チャンネルはすでに確立されており、軍事海洋協議合意の仕組みもその一例」「国防総省は本件を外交・軍事チャンネルを介して中国側に提起したい」 KJ-200とは「人民解放軍空軍と海軍航空隊PLANの双方が空からの監視用に供用している」とDefense Newsが伝えている。 「今回の機体がどちらの所属か不明だが、PLANのKJ-200は海南島から運用されており、今回の事件の現場スカボロー礁から530マイルの地点だ」 PLA所属機との間でこれまでに発生した事案では中国機が乱暴な操縦を米偵察機に行っている点が今回と異なる。たとえば2014年にはPLA戦闘機がP-8Aポセイドンに嫌がらせをしているが、今回は不注意が原

日曜日はのんびりと:CIA機密解除文書「ロシアジョーク集」をお楽しみください

今回は趣向が違う記事です。こちらのユーモアのセンスが試されるので原文をのせておきます。もっとうまく訳せる方はコメントください。ソ連時代は過去の物といっても住んでいるのは同じ人達ですからロシアではこんな言い回しをするのかということですね。ややわかりにくいジョークもありますが。sarcastic joke というのでしょうか。 The CIA just declassified these 11 Russian jokes about the Soviet Union By Blake Stilwell Feb 9, 2017 3:42:01 pm http://www.wearethemighty.com/articles/the-cia-just-declassified-these-11-russian-jokes-about-the-soviet-union 2017年1月にCIAが機密解除し公開したのはソ連時代に収集した文書だ。その中にロシア人自身によるソ連体制のジョーク集がある。 表題を「DDCI向けソ連ジョーク集」(DDCIとは中央情報局副局長の略)としミハイル・ゴルバチョフが題材になっているので1980年代のものとわかる。レーニンからブレジネフまで歴代のソ連指導者が対象なのも驚きだ。 鉄のカーテンの裏側にこんな陽気さがあったとは興味深い。ロシア国民は宣伝とは違い実は共産主義体制を嫌っていたということか。 「そんな形のユーモアはよくないな、ワシリー」 1. A worker standing in a liquor line says, “I have had enough, save my place, I am going to shoot Gorbachev.” Two hours later he returns to claim his place in line. His friends ask, “Did you get him?” “No,” he replied. “The line there was even longer than the line here.” ある労働者が酒販売店の行列に立って言う。「我慢できん。場所を取っておいてくれ。ゴルバチョフを撃ってくる」二時間経過し、

★★米海軍の将来戦力構成でCSBAが抜本的改革案を提言

どこでも海軍は保守的な組織で思考方法もともすれ固まりがちです(以前は大艦巨砲主義、今は巨大空母第一主義でしょうか)トランプ政権で これまでの縮み志向から一気に拡大するチャンスが来た米海軍ですが戦力編成に悩んでいるようです。そこでシンクタンクCSBAが思い切った提言を議会に提出したようです。果たして海軍の本流思考にはどう受け止められるのでしょうか。 Big Wars, Small Ships: CSBA’s Alternative Navy By SYDNEY J. FREEDBERG JR. o n February 09, 2017 at 12:16 PM http://breakingdefense.com/2017/02/big-wars-small-ships-csbas-alternative-navy/ CSBAはスウェーデンのヴィスビ級に類似したコルベット艦40隻の導入を提言。 WASHINGTON: 米海軍には小規模艦船を多数整備した大規模艦隊が必要なのであり、戦力構造検討結果とは違う形にすべきだと議会委託の戦略予算評価センター(CSBA)が独自の検討内容を発表した。 CSBAも海軍には対テロ作戦やプレゼンス示威から大規模戦闘の抑止任務(必要なら戦闘する)への切り替えが必要だとの米海軍の主張では同じだ。ともに攻撃潜水艦を現行55隻から66隻に増やし、ミサイル潜水艦12隻の整備が必要とまでは共通している。ただしCSBA提言では水上艦艇で内容が大きく異なっており、内容は上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン議員の私案に近い。 「戦闘部隊」を構成できるのが大型艦だけと定義すると、CSBA案は340隻で海軍案(355隻)より僅かに少ない。(現在の戦闘部隊は274隻で構成)だが小排水量の哨戒艇まで入れると海軍案の368隻に対し、CSBA案は382隻になる。DARPAが開発中のシーハンターのような無人艦艇も入れるとCSBA構想は更に増えて462隻になる。海軍案ではこの種の艦艇はまったく入っていない。 分野別でCSBA提言ではいろいろな違いがある。 航空母艦 :海軍CSBAともに原子力空母12隻が必要だと一致している(現在は11隻)が、CSBAはスーパー空母をより小型の通常動力「軽空母」(CVL)10隻で補完

速報 南シナ海で米海軍機に中国空軍機が異常接近

2月10日のヘッドラインニュース:T2 注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください 速報 南シナ海で米海軍P-3Cが中国KJ-200と異常接近 CNNは2月8日にスカボロー礁付近で米海軍機と人民解放軍空軍KJ-200早期警戒機が1,000フィート以内に接近する「危険な」状態が発生したと国防関係者の発言を伝えている。オライオンは進路を変更し、衝突を避けたという。米中軍用機の空中接近事例はここに来て減っていた。 http://edition.cnn.com/2017/02/09/politics/us-china-aircraft-unsafe-encounter/index.html

B-52エンジン換装構想の結論が間もなく出そう

米空軍が考える方法のひとつに民間にエンジン換装費用全額を一旦負担させ、空軍は節減効果相当の金額を毎年払い戻すという案があるようですが、果たしてうまくいくのでしょうか。 US Air Force glides toward B-52 engine replacement plan By: Valerie Insinna, February 6, 2017 (Photo Credit: Staff Sgt. Benjamin Gonsier/U.S. Air Force ) http://www.defensenews.com/articles/us-air-force-glides-toward-b-52-engine-replacement-plan WASHINGTON — 長年に渡り供用中のB-52爆撃機のエンジンを換装すべきかで米空軍が結論を出す段階に近づいてきた。 ここ二年間で空軍グローバル打撃軍団はエンジンメーカー各社ならびに金融業界とB-52の プラットアンドホイットニー TF33エンジンハ基換装案に可能性があるか検討してきた。評価結果で新エンジンへ投資すれば長期的な節約効果が燃料費・保守整備費ともに生まれるのは明白だが、空軍調達部門は資金手当て方法の検討が終わっていないとB-52ウェポンシステムチームのジェイムズ・ノエツェル次長が明らかにしている。 「実現に近づいています。意味ある事業になるでしょう」とノエツェルは1月に語っている。 時は熟してきた。政治上も財務上も。エンジン換装議論が再燃したのは今年始めにTF33マイノット空軍基地所属のB-52が訓練飛行中にエンジンを喪失したためだ。前空軍長官デボラ・リー・ジェイムズは事故を重大なエンジン不良としつつ、AFGCC司令官ロビン・ランド大将とともにTF33エンジン全体の問題ではないとしていた。 空軍による2016年度に予算手当できなかった事業にはエンジン換装が高優先順位と位置づけられており、10百万ドルが検討用に追加されている。 「今年は方針を決定すべきです」と ボーイング で爆撃機事業を担当するスコット・オートハウトは言う。「財政が厳しい中で事業の成立は予算がつけられるか、あるいは別の資金手当方法があるのかにかかっています。今年いっぱい議論が続くので

2月10日(金)のヘッドラインニュース

2月10日のヘッドラインニュース:T2 注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください 先制攻撃シナリオを盛り込む次回米韓合同演習 Key Resolveおよび Foal Eagle演習が来月にあるが、北朝鮮への先制攻撃が内容に入っていることがわかった。4D戦略として探知、防御、撹乱、破壊を北朝鮮の核・ミサイル施設を目標に攻撃が迫っている状況を想定する。図上演習ではTHAADによるミサイル迎撃もシミュレートする。 https://www.arirang.com/News/News_View.asp?nseq=200643 米軍トップ:ラッカ、モスルの陥落は半年以内に実現 対ISIS作戦を率いるタウンゼンド中将はモスル西部の解放作戦は数日以内に始まると言明。ISISが首都とするラッカについて日程は明らかにしないが、すでに封鎖作戦が始まっているという。ラッカ作戦はシリアを支援するロシアと別にトルコの存在がああい状況は複雑だ。 http://www.military.com/daily-news/2017/02/08/raqqa-mosul-fall-six-months-top-us-commander.html パラセル諸島の実効支配を強める中国 Asia Maritime Transparency Initiativeによると中国はウッディ島に配備したHQ-9対空ミサイルをそのまま残していることが判明した。その他、ウッディ島含むパラセル諸島で中国が占拠している20箇所の装備強化が続いている。建築資材搬入が確認され、建屋を拡充する兆候が見られる。 https://amti.csis.org/paracels-beijings-other-buildup/ F-16の供用は2050年まで続くのか 米空軍はF-16用構造部品の供給契約企業を公募中。飛行時間を6千時間延長する効果を見込む。年間300時間の飛行を想定すれば20年間の稼働期間延長に相当する。空軍はもともとF-35Aの導入でF-16も全機退役を想定していたが、同機を稼働せざるを得ない状況にある。主翼、機体表面を交換するSLEP改修で飛行延長は可能だが、はたして今後もF-16が有効に活躍でき

★2040年の世界:中国から首位を奪う国は日本だ

ちょっと歯切れの悪い論調でもあるのですが、フリードマンの前著では中国を100年後の大国としてはまったく想定しなかったことを思い出す必要があります。海洋大国としての日本の将来についてはもっと楽観的になって良いのではないでしょうか。そのためにも国内に残るしがらみをひとつひとつ検討して本当に維持する価値があるか見極める必要があります。保守とはなんでも昔通りに守ることにこだわることではないはずです。皆さんはどう思いますか。 Asia's superpower in 2040 won't be China George Friedman and Jacob Shapiro, Mauldin Economics Feb. 7, 2017, 8:11 PM http://www.businessinsider.com/japan-will-be-asias-superpower-in-2040-2017-2 日本が2040年までに東アジアの主導権を握る大国に上り詰める。これがGeopolitical Futures(GPF)による物議をかもす予測の一部だ。 GPFが中国に消極的なことはよく知られている。またこの見方に同意しない向きがあるだろうが、当社の理由付けには納得してもらえると思う。中国はこれから深刻な問題に直面し、中国共産党の支配力が衰える。 日本が超大国になる可能性は一見少ない。人口は中国の十分の一にすぎず、高齢化しつつ減少中だ。日本の負債総額は対国内総生産比で229%にのぼる。 そんな日本があと25年もすると東アジア最大国になるとはどういうことだろうか。 出発点は日中両国の経済構造の違いだ。 分析を進めると両国の強み弱みがはっきりとし、当社の予測が一層正確に見えてくる。 中国経済を地域別に見ると 下の地図では中国は4地帯に分け、それぞれのGDP構成比を示した。データは中国国家統計局のものである。中国はこの区分で各地方の経済動向を把握する。(数字が政治的思惑で操作されている可能性が高いことを忘れてはならない) Mauldin Economics この地図から中国経済のいびつさと弱点が見える。 東部の沿海地方が中国経済の半分以上に相当