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訪日直前、カーター国防長官が見る太平洋への展望

カーター長官が日本、韓国をまず訪問することの意義を考えたいですね。なんといっても日本と韓国がきくしゃくすることは防衛体制上マイナスなので中を取り持ちたいということでしょうか。またTPPにも言及し、経済も含めた統合的な国力を視野に入れていることがわかります。カーター長官自身は技術の意味を理解できる人のようなので今後が期待できます。 SecDef Carter Reasserts US Pacific Vision By Aaron Mehta 4:02 p.m. EDT April 6, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/2015/04/06/carter-pacific-pivot-japan-korea/25369219/ (Photo: US Department of Defense) WASHINGTON — アラビア湾岸地区や欧州で現実的な課題が残っているが、それでも太平洋がアメリカの未来を決める場所とアシュトン・カーター国防長官が6日に述べた。 アジア太平洋地区に焦点をあわせた初の政策演説でカーター長官は昨年の中東湾岸地区、欧州での出来事があったがアジアに軸足を移す政策自体に変更はないとアリゾナ州立大に集まった聴衆に述べ、太平洋再重視は長官が直接監督する課題と語った。 カーターはさらに将来の安全保障に影響を与える「場所と出来事を考える」のが課題とし、将来の中心地は太平洋との見方を示した。 長官の発言は就任後初の太平洋地区歴訪に出発する前のタイミングで出たもの。 4月8日-9日は日本、その後韓国を2日間訪問する。最後にの米太平洋軍司令部(ホノルル)を4月11日訪問する。 今回の演説はカーターが太平洋の戦略的課題にペンタゴンを取り組ませるロードマップを示した。 その中には新技術の重視が含まれ、長距離打撃爆撃機や新型対艦巡航ミサイルの開発が典型例となる。両事業ともアジアの地理的条件を考慮し長距離の有効範囲を実現する。また現時点の技術ではF-35共用打撃戦闘機を順調に本格生産することが課題だ。 しかしながらカーターがより重視するのは各国との関係だ。アジア各地で「奇跡のような迅速な発展」が見られたのは「米国の一環

★アラブ首長国連邦に謎の新基地が突如出現

ここまでわかってしまうと各国の防衛当局がグーグルアースに警戒心を抱くのは理解できますね。これだけの基地があっという間に完成するのも、用地取得の工程がおもいっきり省略できるアラブ首長国連邦ならではの展開なのかもしれません。 UAE’s Mysterious Airbase Apr 2, 2015  by Tony Osborne in Ares http://aviationweek.com/blog/uae-s-mysterious-airbase グーグルアースの画像で名称不明の謎の空軍基地がオマーン、サウジアラビアに近いアラブ首長国連邦の砂漠地帯で見つかった。 名称不明の空軍基地の近況  Credit: Google Earth コンクリート滑走路が一本あるだけだった飛行場が急速に拡張されている。当初の滑走路一本は3,000メートル級並行滑走路二本になった。駐機エプロンが建設済みあるいは建設中である。 拡張前の姿  Credit: Google Earth UAE軍がこの基地を戦闘機作戦用に準備していることは明瞭で、滑走路両端には拘束ケーブルを装備し、緊急着陸に備え、南西のランプには太陽光から機体を守る遮光シェルター10個が視認され、各シェルターには戦闘機が2機ずつ格納できる。 戦闘機用遮光シェルターが南西にあるランプ上で視認できる  Credit: Google Earth 増設中の駐機場の規模はかなり広く、基地北側で建設中だ。長さ1,000メートル幅400メートルとグーグルアース付属の測定ツールでわかる。ランプは米空軍のアルウデイド空軍基地 Al-Udeid air base (カタール)より若干狭いがグーグルアースで一見するとKC-135やB-1サイズの大型機が40機50機駐機できる広さはある。 この新基地がサウジ主導で実施中の決着の嵐作戦Operation Decisive Stormでイエメンのフーシ勢力Houthi rebels の空爆実施に使われる可能性は十分ある。 基地が遠隔地にあることが重要だ。UAEで一番近い入植地はアル・キスAl Khisだが50マイルは離れている。UAEはかねてから軍事施設の脆弱度とともに空軍基地の数が少ないことを懸念いs

着々と進むイスラエルのミサイル防衛システム開発の現状

イスラエルのミサイル防衛システムは相手方の発射する単純なロケットから弾道ミサイルまで多層的な対応を目指しているのが特徴です。米国も共同開発することで成果の一部を利用しようとしているのですね。 Israel Declares Successful Stunner Intercept Tests By Barbara Opall-Rome 3:49 p.m. EDT April 1, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2015/04/01/israel-declares-successful-stunner-intercept-tests/70769932/ (Photo: Israel Defense Ministry) TEL AVIV — イスラエルのミサイル防衛機構(IMDO)が4月1日に開発中のスタナー Stunner ミサイルの三回目の迎撃テストに成功したと発表した。 スタナーは国営 ラファエル と レイセオン の共同開発で米・イスラエルで資金を分担し、イスラエルが進める David's Sling 自動防衛システムの一部となる。 「数日間の連続テストのデータ評価から完全成功と言える」とIMDO長官ヤイヤ・ラマティ Yair Ramati が発表した。 ラマティは各テストは長距離ロケットおよび短距離ミサイルを想定した目標を相手に実施したと明らかにした。それぞれDavid's Slingの想定脅威である。 またIMDOは米ミサイル防衛庁が今年中に第四回テストを予定していると明らかにし、その後イスラエル空軍が初期作戦能力獲得宣言をする。 イスラエルは David's Sling をアイアンドームに次ぐ自動防衛手段として配備する意向で、カチューシャやグラッドといったロケット弾への迎撃はアイアンドームで有効性が実証されている。 David's Sling はこれに対してアロー2の下の位置づけだ。アロー2はスカッドやシハッド級の戦術弾道ミサイル迎撃用。 高高度迎撃ミサイルアロー3が米イスラエル共同で完成すればイスラエルは高高度でも自動防衛体制を整備して核弾頭搭載弾道ミサイルの迎撃が大気

★大変悩ましい次期長距離爆撃機開発企業の選定(米空軍)

一方が採択されれば他方は業界に生き残れないとは厳しい状況です。極秘予算の話も後半に出てきますがなんとか高度技術を散逸させない配慮が求められます。日本の産業政策をあれだけ批判していた米国が自ら防衛産業の基盤維持を図る政策を展開せざるを得ないとはなんとも皮肉な話です。LRS-Bという呼び方がLRSBに変わっていることに注目です。2020年というのはもうすぐですが、予算上は大変な時期になりそうです。 Tough Choices For DoD On Long Range Strike Bomber By COLIN CLARK on April 02, 2015 at 4:30 AM http://www.google.com/url?q=http%3A%2F%2Fbreakingdefense.com%2F2015%2F04%2Ftough-choices-for-dod-on-long-range-strike-bomber%2F&sa=D&sntz=1&usg=AFQjCNFtu8Wwj6GdolQddRXQuYFE2ImCIQ ノースロップ・グラマンのLRSB概念図 WASHINGTON:   でペンタゴンは あと数ヶ月で長距離打撃爆撃機(LRSB)の契約企業を選定するが、興味深い結果になるだろう。ボーイング=ロッキード・マーティンが選定されるとロッキードが高性能ステルス機の設計をほぼ独占することになる。逆の場合だとノースロップ・グラマンがステルス爆撃機を独占する。 結果は米国の産業基盤にも重大な影響を与えるが、問題が山積していた空中給油機選定の比ではない。 「この十年間で新型戦闘航空機の開発契約は皆無だったが、これからの十年も同様だろう」とリチャード・アボウラフィア( Teal Group の航空宇宙分野主任アナリスト)がフォーブス誌で解説している。「言い換えればLRS-Bに絡むは大手三社のうち、次の戦闘航空機開発に生き残れるのは二社だけだ。ロッキード・マーティンはF-35のおかげで心配の必要はない。残る二社は今回受注できなければ業界に残れなくなる。つまり2030年ごろに就役予定の次世代戦闘機開発の競合に参入できない。」 ロッキード=ボーイングのLRSB概念図 ボーイング主導のチー

新型中国商級原子力潜水艦は要注意 特殊作戦部隊用小型潜航艇を搭載

中国の特殊部隊が想定する任務がNavy Sealと同様とは思えませんが、ハードウェアが整備されているということはミッション想定があり、訓練も進んでいることを意味します。今後の選択肢として小規模のエリート部隊による強襲、撤収が加われば中国海軍=党も活用範囲が広がりますね。近隣諸国の我々には歓迎できないことですが。 New Chinese Nuclear Sub Design Includes Special Operations Mini-Sub By: Sam LaGrone March 25, 2015 6:11 PM http://news.usni.org/2015/03/25/new-chinese-nuclear-sub-design-includes-special-operations-mini-s ub タイプ93-T 商級原子力攻撃潜水艦の想像図 最新鋭の中国原子力潜水艦はミニ潜航艇を搭載し、特殊部隊(SOF)運用が前提のようだ。 . この艦はタイプ93T 商級 ShangでSOF用潜航艇の収納場所が特徴だ。3月17日付けの国営参考消息 Reference NewsではSEAL運用の米海軍潜水艦と同等としている。. 火曜日には Jane’s Defence Weekly が英語版ではじめて報道しているが、参考消息は米海軍のSEAL運搬移動機SEAL Delivery Vehicles (SDV)用とは異なり、商級潜水艦改良型の格納容器は潜航艇の船体3分の2を格納すると説明。 「そのためSDVへの移送は潜水艦が潜行中は容易ではない。特殊部隊要員は潜水艦へはヘリコプターで移動しているのが写真でわかる」とJane'sは報道している。 ロサンジェルス級攻撃潜水艦USSダラス艦上に搭載されたNavy Seal移送機. US Navy Photo 今回の中国報道で運搬艇の説明は、これまでの中国の艦船設計の特徴と共通している、と U.S. Naval Institute’s Combat Fleets of the World 編者エリック・ワーサイムは説明している。「中国は西側の艦船設計を参考にしつつ我が方の潜水艦活用方法を研究し、自国の運用を実現している」とUSNI

サウジ主導のイエメン空爆、決着の嵐作戦、で何が起こっているのか

この空爆作戦は名称はおろか、どんな機種が参加しているのかまではとても国内では報道されていないので様子を知るには貴重な内容ではないでしょうか。 Operation Decisive Storm -- Air Power Over Yemen Mar 31, 2015  by Tony Osborne in Ares http://aviationweek.com/blog/operation-decisive-storm-air-power-over-yemen サウジアラビア 主導で中東、アフリカ諸国が参加した大規模な作戦が始まっており、 イエメン のフーシ反乱勢力 Houthi rebels を空爆している。作戦名 Decisive Storm 決着の嵐の現状をお伝えする。 フーシがイエメン政府を転覆させ大統領アブド・ラブー・マンスール・ハディAbd Rabbuh Mansur Hadi はアデンに避難を迫られたが、サウジ主導の多国籍軍が空爆で同国への介入を開始した。 決着の嵐作戦は3月26日開始され、近年でも例のない各国機材の集結が見られる。湾岸協議会加盟国ではオマーン以外の各国が参加しており、さらにモロッコ、エジプト、スーダンとヨルダンが機材を派遣している。 サウジアラビア他隣国がフーシがアラビア半島南部で拡大することを看過できなくなっためだ。 サウジアラビアは100機を派遣しており、サウジ王立空軍 (RSAF)のF-15Sストライクイーグルの一機が3月28日に機体に技術上の問題が発生しアデン湾に墜落したが乗員2名は脱出し米海軍が救助している。 Credit: Tony Osborne - Aviation Week バーレーン はF-16 を8機から12機の間で派遣し、 カタール は12機保有のミラージュ2000のうち10機を参加させている。 アラブ首長国連邦 は30機、 モロッコ と ヨルダン は各6機のF-16を派遣している。ヨルダンの参加が注目を集めるのは同国がすでに イラク 、 シリア でISISへの大規模作戦を実施中のためだ。報道では クウェート もF/A-18を15機派遣している。 エジプト の派遣規模は不明だが、隣国の スーダン の参加は予想外といってよく、スホイSu-24フェ

スコーピオンでまだ成約はないが楽観的なテキストロン CAS,T-X,海外採用の可能性

スコーピオンは言ってみれば常識破りの機体であり、既存の機種ヒエラルキーと無関係の期待でもあるので導入したくても一線が超えられずに結局今まで誰も購入していないのでしょう。機体に加えて支援システムもパッケージにして長期間の経済的な運用をうりものにしてみたらどうでしょうね。T-Xへの採用は難しいと見ていますが、どうなりますやら。 Textron Eyes Scorpion CAS, T-X Missions By Aaron Mehta 3:49 p.m. EDT March 31, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2015/03/31/textron-scorpion-cas-tx-first-customer/70678136/ (Photo: Textron AirLand) WASHINGTON — テキストロン・エアランド  Textron AirLand のスコーピオンは正式採用がまだないが、ISRと軽攻撃を想定した同機の将来に同社は楽観的だ。 同社社長ビル・アンダーソン Bill Andersonは3月の取材時に機体を「公表18ヶ月でまだ成約がないが、社として同機を全面的に支援している」と語っていた。 「販売に大いに自信がある。予算は確保ずみで開発をここで中止する理由は見当たらない」 スコーピオンがあらためて注目されたのはホーク・カーライル大将(米航空戦闘軍団司令官)が同機が近接航空支援(CAS)機材に最適と発言したためだ。 「ローエンドのCAS機材を模索する中で、飛行時間あたり費用が妥当ということで同機に注目し、検討をしている」 アンダーソンはカーライル大将発言に勇気づけられ、スコーピオンで実施可能なミッション各種のデータを米空軍に提供しており、中にCASも含まれている。 「最初から想定している機能です。空対地攻撃ミッションで同機が有する多機能ISR性能と地上部隊との交信能力で難なく実施可能です」(アンダーソン) スコーピオンの設計思想はペイロードの柔軟選択で、六ケ所のハードポイントに各1,700ポンドを搭載できる。同社は各種の兵装搭載を想定し、小口径弾から誘導ロケット弾まで運用できる。