スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

★シンガポール空軍で唯一不足している分野は...戦闘機ではなく....

東南アジアでずば抜けた軍事力を有するシンガポールの空軍力で唯一不足しているのが海上哨戒能力だという指摘で、なんとなくP-8の採用を期待する論調ですが、同国が導入するのはビジネスジェットを改装した機材になるのではないでしょうか。P-1の選択は期待できないでしょうが、商戦には日本も参加すべきでしょう。空軍力というと戦闘機ばかりに目が向かいがちですが、状況に応じてバランスの取れた視点が必要ですね。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Opinion: Singapore Air Force’s Missing Puzzle Piece Feb 15, 2016  Richard Aboulafia | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/opinion-singapore-air-force-s-missing-puzzle-piece 軍事航空で必要な能力を整備するのは簡単ではない。大部分の国が予算の制約や更新が必要な機材が多数あることで苦労している。シンガポールの場合は独特な能力ギャップがあり短期間で大幅な手を打つ必要がある。 人口は6百万人に満たず、およそ20マイルx10マイルの島に集中しているシンガポールだが、世界有数の空軍力を保持し、国力以上の威力を発揮できる。シンガポール共和国空軍 (RSAF)はF-15SG60機とF-16C/D40機を保有し、旧型だがF-5も若干数ある。F-35国際開発にSCP安全保障協力国として関与しており、域内でいち早く同機を導入しそうだ。戦闘機には強力な空中早期警戒 (AEW) 能力が裏付けとなる。従来の ノースロップ・グラマン E-2Cに代わり ガルフストリーム 550をもとにした新型機にEltaのEL/W-2085機体一体型AEW装備を積む。 シンガポールは軍の巨大ショッピングモールにたとえられる。しかし同国が強力な軍備を保有するのは理解できる。シンガポールの国民一人当たり所得は米国を

★シリアへの地上軍展開でサウジアラビアはシリアの「流砂」で立ち往生しないか

日本からは今一理解が難しい中東情勢ですが、ここまで深刻になっている問題をどう解決するのか、答えはむき出しの暴力しかないのではないかと思います。平定後は民生復興にもっと努力が必要ですが、一度難民化した百万オーダーの住民を元に戻すためにも相当の努力が必要ですね。そうなると地上兵力の投入が避けて通れず、盟主を自任するサウジアラビア中心のアラブ軍だけで事に当たれるのか、米軍はじめとする西側軍事機構がどれだけ効果的な介入を実施できるかにかかっているのではないでしょうか。それにしてもここでもロシアの介入をむざむざと許したオバマ政権の失点が悔やまれますね。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Syria: 'Quicksand' for Saudi Forces? By Awad Mustafa and Aaron Mehta, Defense News 10:03 a.m. EST February 14, 2016 http://www.defensenews.com/story/war-in-syria/2016/02/14/syria-quicksand-saudi-forces/80282096/ ( DUBAI and BRUSSELS — 米国に湾岸アラブ同盟各国からシリアでの有志連合軍活動への貢献拡大を約束する声が届いたが、現在展開中のアラブ各国によるイエメン介入を見る限り実効性が疑わしく見えてくる。 氏名不詳のサウジ政府関係者が今月初めに15万名を湾岸協力協議会に参加するスーダン、エジプト、ヨルダンの部隊をトルコ国内からシリアへ侵攻させると述べていたが有志連合軍に参加中の少なくとも二か国から否定されている。 ヨルダン政府関係者はトルコあるいはアラブ主導によるシリア侵攻には参加しないが、国連決議が出て西側部隊も参加の上ロシアが調整するなら話は別と述べている。 「ヨルダンにシリア派兵の意向はないが、英米が中心となれば別個考える」と上記関係者は匿名を条件に述べている。「イラク、シリアとは550キ

★米空軍>第六世代戦闘機は海軍とは別個の機体になる(参謀次長)

F-22やF-35の次に登場する戦闘機は現在の戦闘機と外観も変わっているかもしれませんし、高エネルギー兵器を搭載するため多大な発電容量も必要ですから機体寸法も大きくなっている可能性もあります。そうなると空軍は相当先を見越した機体開発が可能ですが、海軍は空母運用を前提にしますからそんな大型機では運用できないと考えるでしょう。ともあれ、少しずつ情報が出てきた第六世代機とは相当技術的に進んだ存在の想定のようです。F-15やF-16も2040年代まで供用する案もあるようなので、ドッグファイトは既存機にまかせて、6th Genが過日提唱されたBattle Planeに大化けする可能性もあるでしょう。その前身としてArsenal Plane構想は要注目ですね。一方でF-35で各軍共通機材の開発では相当ストレスが空軍に高まっていたようですね。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- Sixth-Gen Fighter Likely Won’t Be Common Across Services, Air Force General Says Lara Seligman and Phillip Swarts, Defense News, Military Times  6:29 p.m. EST February 12, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense-news/2016/02/12/sixth-gen-fighter-likely-wont-common-across-services-air-force-general-says/80307248/ WASHINGTON — 各軍共通の機材としてF-35開発を進めた方法論とは反対に第六世代戦闘機は米空軍と海軍で共通要素のない機体になりそうだと空軍トップが語っている。 次世代戦闘機が各軍で別個の機体になりそうなのは空軍と海軍のミッション要求内容が異なることになりそうなためとジェイムズ・「マイク」・ホームズ中将(空軍参謀次長、

中国の南シナ海進出>西沙諸島でのヘリコプター基地造成でヴィエトナムとの対立招く

後世の歴史解釈ではオバマ政権が中国の拡張政策に有効な手を打たなかったことがその後の世界秩序の崩壊につながる遠因となったといわれかねませんね。中国の価値観は全くゆがんだ構造になっているので、既成事実の積み重ねを黙認していくことがいかに危険か世界は思い知らされることになるでしょう。戦争をおこさずに支配を強める、自分たちの都合のよい世界を作る、という中国の発想にどう対抗するのか、今必要なのは戦略です。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- China Reclaimed Land for South China Sea Anti-Submarine Helicopter Base Near Vietnam By: Sam LaGrone February 15, 2016 2:56 PM http://news.usni.org/2016/02/15/china-reclaimed-land-for-south-china-sea-anti-submarine-helicopter-base-near-vietnam PLAN Chinese Z-18F Anti-Submarine Helicopter 最新の衛星画像解析から人民解放軍が南シナ海でヘリコプター基地を造成中で対潜作戦(ASW)の拠点に使用される可能性が浮かび上がってきた。 画像は最初にニュース専用ウェブサイトThe Diplomatが公開したもので、ASWヘリコプター基地に転用可能な大規模埋め立て工事がダンカン島(ヴェトナム沿岸からおよそ200マイル)で進行中と示している。同島は領有権を巡り紛糾中のパラセル諸島にある。 基地が完成すれば「中国のASW能力が南シナ海で増強される象徴となり、一連のヘリコプター基地や燃料補給拠点が域内に完成すれば域内のほぼ全域が作戦範囲になる」とヴィクター・ロバート・リーが分析している。 「各基地を中継すればASWヘリコプターは燃料の制約から自由に、また艦船の収容能力からも自由になり連続かつ切れ目のない対潜監視対応能力が手に入る」 さらに分析

★★航空自衛隊の戦力整備方針はこのままでいいのか

X-2公開で事情をよく知らないマスメディアなど大騒ぎしていますが、さすがアナリストの視点は冷徹ですね。いよいよ日本も国産開発にこだわる姿勢を捨てて費用対効果、リスク低減効果を大上段に国際共同開発に進むのか、いくらお金をかけても国内産業基盤整備を貫くのか方向を決めなければいけない時期にきているのでしょう。(これは航空関係だけの話ではありませんが)皆さんはどう思われますか ---------------------------------------------------------------------- Japan Faces Challenging Choices for Cash-Strapped Air Force By Paul Kallender-Umezu, Defense News 11 a.m. EST February 14, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/show-daily/singapore-air-show/2016/02/14/japan-faces-challenging-choices-cash-strapped-air-force/80083926/ TOKYO — 航空自衛隊へ懸念が高まっている。第五世代機導入を少数にとどめ大部分がF-2とF-15で構成する第四世代機のまま、相互運用性がない機種を開発していいのかという声だ。 現状の予算では航空自衛隊はF-35をわずか42機しかも年間数機のペースで調達するが、貴重な財源を旧式機の改修に割り振っている。今年の航空自衛隊の調達はF-35を6機、F-2の近代化改修はデジタル通信装置をつける11機にとどまる。 鳴り物入りで公開に踏み切った第五世代機X-2心神ステルス実証機および海上自衛隊のDDHいずも級ヘリコプター空母への短距離離陸垂直着陸F-35Bの導入可能性は航空自衛隊が分かれ道にきていること、より実効性のある戦力整備が課題であることを示す。しかし実施できるのか。 Tealグループ副社長のリチャード・アブラフィアは予算制約、費用とF-2に将来がないことから、航空自衛隊が想定するシナリオではF-35追加調達とF-15改修の可能性が一番高いとみる。日本が新型

中国の軍拡でアジア太平洋の軍備調達は急成長中(日本、韓国、シンガポール等)

ちょっと事実錯誤の部分もありますが、中国の周辺国がおしなべて軍事装備の整備に動いているのは事実です。 ---------------------------------------- Asian Procurement Takes Cue From Chinese Modernization By Wendell Minnick, Defense News 11:50 a.m. EST February 13, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/show-daily/singapore-air-show/2016/02/13/asian-procurement-takes-cue-chinese-modernization/79869500/ (Photo: Greg Baker/AFP via Getty Images) TAIWAN — 中国の進める装備近代化がアジア各国の防衛装備調達を動機づけている。中国は第五世代戦闘機を開発する一方でロシアからSu-35を導入し、国産空母を建造し、弾道ミサイル軍の戦力拡大に向かい、南シナ海の支配を狙い、台湾進攻と日本が実効支配する尖閣諸島の占拠をほのめかしている。 「中国が南シナ海の軍事化に走り、日本への敵意をあらわにするのを横目で見る各国が防衛装備を追加調達して強力で強圧的な中国に対する保険を考えるのは当然でしょう」と語るのはリチャード・ビッツィンガー(シンガポールのラジャラトナム国際研究校の主任研究員)だ。 中国は伝統的に数の威力を求めてきたが、ここにきて技術面でも域内主要国と肩を並べるようになってきたと指摘するのはダグラス・バリー(ロンドンの国際戦略問題研究所の主任研究員)だ。 「成都J-10、瀋陽J-11にロシア製Su-35がそろえば2020年代に十分通用する戦闘機の基盤が完成します。域内の各国空軍は対抗上高性能機材に投資するのか、スタンドオフ兵器への依存を高めるのか選択を迫られるでしょう」(バリー) 中国のたくらみ以外に北朝鮮がミサイル・核兵器の開発で常軌を逸した脅かしに直面する各国の反応はさまざまで、韓国、台湾、シンガポールがF-16の耐用年数延長改修に向かう一方、国産戦闘機開発に韓国がKF-Xで日本が

無人飛行船でミサイル防衛まで期待するJLENSは再稼働に向かっているとNORADが発表

After Blimp's Wild Ride, JLENS Program Will Fly Again, NORAD Says By Jen Judson, Defense News  4:10 p.m. EST February 11, 2016 http://www.defensenews.com/story/breaking-news/2016/02/11/runaway-blimp-jlens-program-fly-again-norad/80241204/ (Photo: Senior Airman Tiffany DeNault/US Air Force) WASHINGTON — 共用陸上攻撃・ 巡航ミサイル防衛用空中ネットセンサーシステムJoint Land Attack Cruise Missile Defense Elevated Netted Sensor System (JLENS)はメリーランドで制御不能となり、係留用ケーブルをひきずったままペンシルバニア方向へ漂流する事件を昨年秋に発生させたが、運用試験は再開に向かうようだ。 事故調査の報告書がまとまり、関係機関の間でJLENSは再開の調整にはいった。火器管制用飛行船の新造追加、人員訓練、提言内容の実施の他予算の増額が必要と北米防空司令部(NORAD)および米北方軍の報道官べス・スミス少佐がDefense Newsに述べている。 JLENSはメリーランド州アバディーンの実験施設で係留から外れ、ペンシルベニアへ漂流した。途中の送電線を係留ロープが切断し広範囲で停電が発生している。追跡にF-16が2機発進し、ペンシルバニア州内の移動を見守った。途中で内部の気体が漏れはじめ高度を下げ、最終的にゆっくりと着地した。州軍が発砲し、飛行船を完全にしぼませた。 JLENSは レイセオン が製作し、火器管制用と測定用の飛行船二機で構成し、三年間の運用実験に入っていた。 同システムは多数の小舟艇や移動体を追跡するとともに巡航ミサイル探知も行う構想で、ヴァージニア州ノーフォークからボストンまで一度に「見る」能力がある。米陸軍は現在の二機以上を導入するのか、メリーランドでずっと係留したままにするのかを演習で決めるはずだった。 陸軍戦闘即応センター