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金正恩斬首作戦で生じる望ましくない結果4例

世界の指導者の中で暗殺が公然と話題になるのは金正恩くらいでしょう。斬首作戦が実行に移されるかはわかりませんが、北朝鮮の「清算」は大変です。本当に面倒な事態です。では金正恩にどう退場していただくのかが課題ですね。 4 Reasons Why Assassinating Kim Jong-Un Could Become a Total Disaster 金正恩の暗殺がまずい結果を生む四つの理由 Zachary Keck December 3, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/4-reasons-why-assassinating-kim-jong-un-could-become-total-23467?page=show 北 朝鮮はICBMテストで再び国際社会を人質にとった。韓国の反応が注目されていないが、北朝鮮への先制攻撃能力を整備を「キルチェーン」戦略で進めている。関連してソウルは北朝鮮指導部の斬首攻撃の能力も整備し金正恩含む指導層の暗殺をめざしている。  斬首攻撃で一番大事な質問が抜けている。その後どうなるのか。韓国は金正恩が攻撃に向かう前に食い止めるのが斬首作戦の目的とするが、北朝鮮がこの脅威で自制するとは思えない。斬首攻撃が成功した場合に多様な影響がうまれるが一部でも検討する価値はある。 1.総合戦 北朝鮮は世界有数の閉鎖社会で判らないことが多数ある。その一つが軍事指揮命令系統で、上層部がどれだけ忠誠なのかも不明だ。軍は金正恩が抹殺されても士気喪失せず国家のために戦うのではないか。  軍エリート層は現行の政治体制から恩恵を受けており、生まれてからすぐ始まる思想教育で金一族への忠誠を叩き込まれており、金正恩が死亡しても変わらない。さらに国が攻撃を受けて上層部が消滅しても軍指導部が淡々と攻撃計画を実行に移すだけだろう。  ソウル攻撃がその一部で一千万ちかくの住民に砲弾数万発の雨をふらせる。また米軍基地へのミサイル攻撃もある。一部は生物化学兵器となろう。また韓国のみならず米国への核ミサイル攻撃もありうる。これは斬首作戦への報復として攻撃を仕掛けた結果、国内に侵攻があった場合だ。 2. 内戦の勃発 金正恩は鉄の統制で統治している。だが突如

B-52エンジン換装は2020年以降に先送り、その他米空軍主要戦略事業の概況

No $ For New B-52 Engines Til 2020; Nuke Modernization Moves Ahead: Gen. Rand B-52エンジン換装の予算がつくのは2020年まで無理、核近代化は前進とランド大将 B-52H Stratofortress By SYDNEY J. FREEDBERG JR. on November 30, 2017 at 5:09 PM https://breakingdefense.com/2017/11/no-for-new-b-52-engines-til-2020-gen-rand ロビン・ランド大将 Gen. Robin Rand は米空軍の爆撃機、ミサイル部門のボスで老朽化進むB-52のエンジン換装を本当に望んでいる。空軍は関心を有する企業を招きに二日にわたり情報公開セッションを行うが、 ボーイング と ロールズロイス がすでに受注目指し動きはじめている。だがランド大将は Association of Old Crows 主催の会議に集まった記者に早くても2020年まで予算のめどがつかないと述べた。 76機残るB-52Hのエンジン交換実施は当然その後になる。空軍は新型B-21爆撃機やICBMの更新を控えており、海軍にもミサイル潜水艦の建造事業がある。 Gen. Robin Rand B-52エンジン換装は「検討課題であり進めたいが、長官の前では口ごもらざるを得ない」 つまり「エンジン換装の決断に今までになく近くなっている」が「それだけ事態が切迫しておりB-52を今後も供用するならエンジン換装が必要だ」とする。 この点で後押しする企画が技術公開日で、実際は12月12日13日の二日間ルイジアナのバークスデイル空軍基地が会場だ。公式案内では空軍が民間から情報を求める企画で正式提案を受けつける意図はなく、調達を決めるわけでもないが、空軍が求める契約の大枠がわかるはずだ。 業界は大いに興奮しており、ボーイングは8月に5分半の動画をYouTubeに掲載し、同社のエンジン換装案を広報した。9月にはロールズロイス役員トム・ハートマンがFlightGlobalで「急いで対応する」と述べていた。 だが実際はそうではない。「FY20年度

韓国にラプター6機が展開中

Six US F-22 stealth fighter jets arrive in S. Korea for joint air drills 韓国にF-2編隊2六機が到着し、共同演習に参加する (Yonhap) By Yonhap  Published : Dec 2, 2017 - 15:25 Updated : Dec 3, 2017 - 10:08 http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20171202000061 F- 22ラプター戦闘機6機が翌週の空軍演習に参加するため12月2日韓国に到着した。北朝鮮への力の誇示の意味もある。 韓国上空をF-22が6機同時に飛び回るのはこれが初となる。 ヴィジラントエースVigilant Ace 演習は12月4日から8日にかけ展開される。米軍のF-35A、F-35B、F-16Cの他にB-1B爆撃機も参加する。韓国空軍はF-15K、KF-16、F-5を参加させ、合計230機が8基地から展開する規模になる。 両国は北朝鮮の核施設、ミサイル施設、移動式ミサイル起立発射機の模擬攻撃を行う。 米韓両国は10月に米戦略機材の定期巡回配備で北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗すると合意している。 北朝鮮は両国の共同演習を侵攻作戦のリハーサルであり挑発行為だと毎回非難し、これに対し両国は防衛的な性質の演習だと主張している。■

中国が北朝鮮侵攻する日が来るのか

  Would China Invade North Korea? 中国は北朝鮮に侵攻するのか   Kyle Mizokami December 1, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/would-china-invade-north-korea-23451?page=show 朝 鮮半島で軍事行動が論じられる中、話題に出てこない国は中国だ。中華人民共和国は予測不可能で悪名高い隣国と880マイルにわたり国境線で接しており、強大な軍部隊で国境の安全はなにがあっても確保する姿勢だ。軍事行動が現実になるとすれば北京の選択肢、軍事力行使の選択肢はなんだろうか。 北朝鮮は中国にはありがたい存在でもあり面倒な存在でもある。朝鮮民主人民共和国は米国等に公然と敵意を示す独立国だ。同国の兵力は中国の抑止力となる。このため中朝国境の南に構える政権は米勢力圏にことごとく反発し自国防衛体制を整えている。 状況は完ぺきとはいいがたい。北朝鮮はずっと中国の属国だったが両国のつながりはここにきて悪化している。火のつくような平壌の反米論調と核兵器開発が米国を挑発し、米中間の大きな争点になっている。北朝鮮の目に余る国際規範違反は中国政府の忍耐力を試している。 中国が北朝鮮への介入準備に入ったとのうわさが絶えない。北政権崩壊後か北が中国に深刻な脅威になった場合を想定している。その準備内容は北京政府以外には知りようがないが、シナリオは紹介できる。一つ確かなことがある。中国が北朝鮮に入った時点で金正恩あるいは後継者はそのまま残ることはできない。 可能性があるシナリオは北政権崩壊後に中国が北朝鮮に進軍することだ。軍事クーデターやシリアのような反乱の勃発でも現政権は転覆される。しかも急速に。これが発生すると、国内食糧配給が止まり、難民が国外脱出を試みるだろう。韓国との国境は要塞化されており、ロシア国境は遠く、中国国境越えが一番楽だ。 中国政府は国内治安維持に強迫観念を持ち、難民が数百万単位で中国北部に入るのは許容できない。中国の観点では難民は北朝鮮国境を超えない方がいい。政権崩壊の場合は人民解放軍(PLA)の北方軍区の三個軍団が南進する。選択肢として北朝鮮を緩衝地帯にしても、政治経

記録 アルゼンチン潜水艦からの最後の交信内容

尻切れトンボの内容ですがご容赦ください。捜索はまだ続いており、艦体は発見されていません。爆発がなぜ起こったのか解明が必要です。スノーケルから海水が入るとは荒天だったので安定する潜航のまま航行中に大波をかぶったのでしょうか。乗員の冥福を祈ります。 Water Entered Missing Argentine Sub Through Snorkel Before Detected Explosion  海中爆発音の探知前に消息不明アルゼンチン潜水艦のスノーケルから海水侵入していた ARA San Juan   By: Ben Werner November 29, 2017 4:53 PM https://news.usni.org/2017/11/29/water-entered-missing-argentine-sub-snorkel-detected-explosion アルゼンチン海軍本部が行方不明の潜水艦ARA サンフアンの最後の交信記録を発表した。同国政府の要望に対応し各国が救難部隊を派遣中。 11月15日午前12時30分ごろ、サンフアン艦長よりスノーケルから海水が艦内に入ったと海軍本部に衛星電話で連絡してきた。海水で前方区画のバッテリーがショートし、スパークで火災か煙が充満したとのアルゼンチン海軍発表を国内ニュース専門局が伝えている。CNNがこの発表文を英語翻訳している。「海水が空気取り入れ口から第三バッテリー部門に入り回路ショートを発生させバッテリー設置場所から火災が発生。艦首外側バッテリーが使用不能となり、現在は回路が分断状態で潜航中。乗組員に関し報告事項なし。連絡を続ける」 艦長は不良バッテリーを分離したと報告しており、サンファンは後部バッテリーで潜航を続けたとアルゼンチン海軍は伝えている。サンファンはドイツ製TR-1700型潜水艦でディーゼル電気推進式だ。潜航時はバッテリーで推進する。 11月15日午前6時:艦長は衛星通話と同じ内容を電文で伝えてきた。これはアルゼンチン海軍の標準規則によるもの。 午前7時30分: アルゼンチン海軍が同艦最後の通信を受信し艦長からサンファンは引き続き同じ針路で航行中と伝えてきた。 午前10時31分: サンファンの推定位置とほぼ同じ地点で海中爆発音が検知さ

新型電子戦機J-16Dは全方位航空優勢を目指す中国の動きの象徴だ

  China's New J-16D Aircraft Might Have a Terrifying New Military Capability  中国の新型J-16Dの強力な能力は要注意 Sebastien Roblin November 30, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/chinas-new-j-16d-aircraft-might-have-terrifying-new-military-23427?page=show 米 海軍のEA-18Gグラウラー電子攻撃機はジャミング任務に特化した数少ない機材のひとつでジャミングに加え友軍機に向けられるミサイルを誘導するレーダーの破壊も行うはずだ。このミッションはSEAD(敵防空網制圧)と呼ばれる。今日の空軍作戦で味方の損耗を防げるかはSEADの成否にかかっているといってよい。 グラウラーはF-18スーパーホーネット戦闘機から派生し、以前の電子戦機より高速で操縦性、兵装も強化しており、援護する友軍機の速度に追随でき敵防空網に従来より接近できる 中国空軍は海外の役に立つ考えを堂々とコピーしておきながら「中国の特性」を加味したと述べることが多い。そのため自分たちもグラウラーを作っても不思議ではない。 問題の機体は複座の瀋陽J-16 Red Eagle 攻撃戦闘機で、これもロシアのスホイSu-30MKKフランカーのコピーだ。ロシア原型からエイビオニクスが改良されアクティブ電子スキャンアレイレーダー(AESA)の搭載が特徴だ。中国は信頼性高いジェットエンジン国産化に依然苦労しているが、電子製品では成功しており、民生技術を流用しているのだろう。 J-16DのDは電子の頭文字で初飛行は2015年12月18日だった。 J-16Dは30mm機関砲、赤外線センサーを外し、ドッグファイトは想定外だ。かわりにアンテナ多数と機体一体型電子戦アレイがついた。レドームは高性能AESAレーダー搭載を想定しているのだろう。重要なのは翼端に付いた電子戦用ポッドでEA-18GグラウラーのALQ-218電子支援ポッドと類似している。レーダー周波数を解明し、発信源をつきとめるのが役割だ。この情報をジャミングにも使い、

Su-30SM1戦闘機が登場、スホイ優勢の構図は崩れそうもないですね

  Russia's New Sukhoi Su-30SM1 Fighter: Could It Crush America's Best Fighters? ロシアの新型スホイSu-30SM1戦闘機は米国の最強戦闘機に勝てるのか。 Dave Majumdar November 28, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/russias-new-sukhoi-su-30sm1-fighter-could-it-crush-americas-23390 ロ シアが スホイ Su-30SMフランカーHの開発を完了し、エイビオニクスと兵装類を改良している。 Su-30SM1と呼称され、シリア作戦の戦訓を盛り込んでいるとロシア紙イズベスチアが伝えている。 記事によれば 合同航空機企業 傘下の イルクート がSu-30SM1を生産中ですでに数機が完成しているという。ただし国防産業筋は The National Interest にイルクーツク工場内に一機しかないと述べている。 Su-30SM1は兵装搭載装備を見直して精密誘導兵器のKAB-250やХ-59МК2対地攻撃ミサイルを搭載とイズベスチア記事は述べている。KAB-250はロシア版の小口径爆弾(250ポンド)でGPS/GLONASS補正付き完成誘導あるいはレーザー誘導式だ。 Х-59МК2 はX-59対艦ミサイルを対地攻撃用にしたものだが、対艦能力を維持しているか不明だ。 イズベスチア記事はエイビオニクスの改良に触れているが、詳細は不明。おそらく、センサー装備、通信機器が以前は弱点だったので改良されたのだろう。 Su-30SMで改良が進むこと自体が驚きだ。ロシア空軍はシリア作戦で多くの戦訓を学んでいるはずでSu-35フランカーEやSu-34フルバック爆撃機に生かされている。 今年中にSu-30SMは17機が納入予定でSu-35SやSu-34とロシア空軍の主力機となり、さらにSu-57PAK-SAが加わりそうだ。■ Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest . You can follow h

速報 北朝鮮新型ICBMファソン-15の性能予想

The New Hwasong-15 ICBM: A Significant Improvement That May be Ready as Early as 2018 新型ICBMファソン-15は相当の改良点が加わり2018年に実戦化されそうだ BY: MICHAEL ELLEMAN NOVEMBER 30, 2017 http://www.38north.org/2017/11/melleman113017/ 北 朝鮮公開の映像画像を見るとファソン-15は以前のファソン-14の改良型とのちがいがわかる。ファソン-15はファソン-14から相当大型化され計算値では新型ミサイルは大型核兵器を米本土まで到達する能力がある。ファソン-15のサイズならおとりなど対抗装備で米国の国家ミサイル防衛(NMD)を無効にできるだろう。ファソン-15の性能・信頼性を確かめるにはまだ発射テスト数回が必要だが、防護の仕組みができていれば大気圏再突入の過酷な条件に弾頭部も耐えられるだろう。 ファソン-15は二段式液体燃料ICBMで、写真を見ると第一段にはエンジン二基がついており外観はファソン-14と似ている。ファソン-15はソ連時代開発のRD-251と酷似していることから推力は80トン程度の可能性がある。ミサイル質量が40トンから50トンと見られるので妥当な規模だ。二段目の構造がよくわからないが、大きさからみてファソン-14ちり50パーセント増の推進剤を搭載していだろう。合わせると控えめにみてもファソン-15の運搬能力はペイロード1トンでも米本土各地に到達可能なようだ。北朝鮮の核弾頭が700キロを下回る重量なのは確実で、もっと軽い可能性もある。 今回のミサイルには新型制御機構がついており以前より操作が簡単かつ効果的になった。スカッドを原型としたミサイルはジェット弁でブースト段階の制御を行っていた。ファソン-12、-14は小型エンジン四基を主推力室に平行に取付け制御していた。北朝鮮技術陣はファソン-15の主エンジンを回転台座に乗せ各エンジンの方向を変えて排気ガスで制御する仕組みを実現した。 二段目がよくわからない。可能性が高いのはソ連R-27ミサイルの小型エンジン四基を使っていることだろう。この事から二段目の出力が低いことが想像されるが、米本土を狙うミサイ

70年使ってきたボフォース40mm砲を最後に使うAC-130

The USAF Is Rebuilding World War II-Era 40mm Shells for its AC-130U Gunship 米空軍が第二次大戦時と同じ40mm砲弾をAC-130Uガンシップ用に再生産させる The service is the last user of the Bofors cannon in the US military and has had to go hunting for more ammunition.  空軍がボフォース砲最後のユーザーになり砲弾探しに苦労する CLEMENS VASTERS VIA WIKIMEDIA BY JOSEPH TREVITHICK NOVEMBER 29, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/16523/the-usaf-is-rebuilding-world-war-ii-era-40mm-shells-for-its-ac-130u-gunships 米 空軍が第二次大戦中の40mm機関砲の砲弾数万発を調達する。AC-130UスプーキーII用だ。同装備は兵站上の悪夢になり空軍は使用停止の予定だったが、旧式とは言えあまりにも効果があり引き続き稼働させている。 2017年11月、米空軍は第780試験装備飛行隊(フロリダ州エグリン空軍基地)が改良版40mm高性能弾PGU-9D/Bのテストを開始したと発表。新型弾は信管を変え安全度を増した。真鍮製薬きょうには製造年が1944年のものもある。 空軍は旧式弾およそ80千発を新仕様に転換する予定だ。780飛行隊が作業工程を開発した。空軍特殊軍団(AFSOC)がAC-130ガンシップ全機を運用しており、U型以外に新しいAC-130WスティンガーIIと開発中AC-130Jゴーストライダーも含む。 この事からAC-130Uと搭載する40mm ボフォース 砲の有益さが分かる。空軍公式記録によれば第四特殊作戦飛行隊配属の四機だけで2013年11月から2014年6月にかけ4,000戦闘時間投入され機体と乗員はのべ1,175日も戦闘地区を飛んだ。 2017年10月に第四飛行隊のAC-130Uの一機コールサイン・スプーキー43の乗員が空軍殊勲賞を2