No $ For New B-52 Engines Til 2020; Nuke Modernization Moves Ahead: Gen. Rand
B-52エンジン換装の予算がつくのは2020年まで無理、核近代化は前進とランド大将
B-52H Stratofortress
- ロビン・ランド大将Gen. Robin Randは米空軍の爆撃機、ミサイル部門のボスで老朽化進むB-52のエンジン換装を本当に望んでいる。空軍は関心を有する企業を招きに二日にわたり情報公開セッションを行うが、ボーイングとロールズロイスがすでに受注目指し動きはじめている。だがランド大将はAssociation of Old Crows主催の会議に集まった記者に早くても2020年まで予算のめどがつかないと述べた。
- 76機残るB-52Hのエンジン交換実施は当然その後になる。空軍は新型B-21爆撃機やICBMの更新を控えており、海軍にもミサイル潜水艦の建造事業がある。
Gen. Robin Rand
- B-52エンジン換装は「検討課題であり進めたいが、長官の前では口ごもらざるを得ない」
- つまり「エンジン換装の決断に今までになく近くなっている」が「それだけ事態が切迫しておりB-52を今後も供用するならエンジン換装が必要だ」とする。
- この点で後押しする企画が技術公開日で、実際は12月12日13日の二日間ルイジアナのバークスデイル空軍基地が会場だ。公式案内では空軍が民間から情報を求める企画で正式提案を受けつける意図はなく、調達を決めるわけでもないが、空軍が求める契約の大枠がわかるはずだ。
- 業界は大いに興奮しており、ボーイングは8月に5分半の動画をYouTubeに掲載し、同社のエンジン換装案を広報した。9月にはロールズロイス役員トム・ハートマンがFlightGlobalで「急いで対応する」と述べていた。
- だが実際はそうではない。「FY20年度計画の選択肢の一部にすぎない」とランド大将は言う。複雑な予算手続きで議会が2018年度の支出法案作りに取り組んでおり政権は2019年度予算要求案をまとめ来年初めに提出する。エンジン換装はその後になるとランド大将は明言している。「まだ決定されておらず、あるとすれば20年早々だろう」
- 航空業界に造詣が深いアナリストのリチャード・アボウラフィアRichard Aboulafiaはエンジン換装に懐疑的だ。「たしかに名案だが、それはこれまで30年の間に限ってのことで実施は困難だろう」とするが、ペンタゴンの予算作業を考えると実施はきびしいのか。
- 「問題はエンジン換装で節約できるのはO&M勘定(燃料、部品予算)なのに出どころは調達勘定になっていること」とアボウラフィアは述べている。「O&Mの節約分が調達費を上回るがそれぞれで相殺するわけではない。O&M節約分で調達予算が助かるわけではないのですが、DoDはこれに固執していますね」
- 「このためエンジン換装はなかなか実現していない。例外はKC-135とC-5Aだけです。後者のTF39は本当に面倒なエンジンで稼働率が低いうえにスペアパーツが入手しにくくなってますからね」
GBSD次期ICBM整備
- B-52の次に2020年度予算ではランド大将のグローバル打撃群段はもう一つ大事な決定が必要だ。ICBMでボーイング、ノースロップ・グラマンのどちらを選定しミニットマンIIIミサイルの後継機種を実現するかだ。(8月に両社とも3億ドル超の技術成熟化リスク低減契約を交付されているがロッキードがこの段階で落とされた) 地上配備戦略抑止力(GBSD)となる同事業の最終規模はペンタゴンの費用解析事業評価(CAPE)室によれば少なくとも850億ドルになるという。
Minuteman III in silo
- これはミサイル本体だけで済む問題ではないとランド大将は報道陣に語った。GBSDは「本体の保全方法、指揮命令方法他大幅に変更を伴う。ただし契約企業の仕事のやり方で異なってくるので今の段階でこうなるとは簡単に言えない」
ALCMあらためLRSOスタンドオフミサイル
- 他方で1980年代製の空中発射巡航ミサイル(ALCM)の交替が進んでいる。8月には「概算9億ドル」で試作品の長距離スタンドオフ(LRSO)ミサイルの製作契約をロッキード・マーティン、レイセオンの各社に交付している。最終選考は2022年の予定だ。ただ核兵器嫌いの民主党議員が事業をつぶさないかぎりLRSOはB-52、B-2および開発中のB-21が運用するはずだ。
B-21
- B-21は最低でも100機を単価550百万ドルで調達する。この野心的ともいえるコスト目標のため通常の調達手続きではなく空軍迅速戦力整備室(RCO)が進めており、事業規模の大きさのためRCO職員が多数B-21に向けられている。
- B-21はグローバル打撃軍団最大の謎である。空軍がノースロップ・グラマンに契約交付して二年以上になるが、極端までの極秘扱いで、制式名とニックネームのみB-21レイダーとして意図的に不明確なCGI図と公表されたただけだ。空軍は同機は無人機運用も可能とし、大量の爆弾搭載能力があり、核兵器運用も後日可能となるだろう。また搭載内容をモジュラー化し、ISR、電子戦に使い分ける。会議ではランド大将が電子戦について語っていたので記者はEW能力がB-21に搭載され敵の高度対空装備を突破できるとのうわさについて聞いてみた。大将は詳細に触れず基本的な考え方についてのみ語った。
B-21 Raider artist rendering
- 「B-21はシステムをファミリー構造にしている」とし、単一の機体にはならないとランド大将は述べた。「具体的な性能についてここでは話せない」としながら「B-21は厳しい状況でも十分に活躍できる機体になる」と後で記者団に語ってくれた。
- 「センサー中心の機体となるだろう」とレーダー他の装置が兵装同様に重要になり、F-35共用打撃戦闘機と似てくると述べ、「長距離打撃機となりスタンドオフ攻撃と敵地侵入能力を実現する」とし、敵対空装備の有効範囲外から長距離巡航ミサイルを発射するか、防空網をかいくぐりステルス性能と電子欺瞞能力を発揮するのだろう。
- いわゆる接近阻止領域拒否の防衛体制がロシアや中国で整備が進んでいるが、B-21はその弱点を探し出す。「A2/ADを通過不可能な壁のようにいう人がいるが、実はA2/ADはチーズの塊、スイスチーズで、穴がいっぱいあるんですよ』■
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