冷戦時に戻るような話ですが現実の脅威の前には仕方ありませんね。ロシア、中国共に地理的に外洋進出が簡単でないのが救いでしょうか。北朝鮮だけに目を奪われずにグローバルに見ていく必要がありますね。
The US is reviving a Cold War-era base in Iceland to keep an eye on a new generation of Russian submarines
- アイスランドの冷戦時の基地を再稼働しロシアの新世代潜水艦への監視を強化する米国
米海軍P-8ポセイドン。2014年4月16日、パース(オーストラリア)を離陸しマレーシア航空MH370便の捜索に参加した。Getty Images
アイスランドでペンタゴンが冷戦時の航空基地の再稼働をめざしている。ロシアの新世代潜水艦が北大西洋に進出を強めるのを米国は警戒する。
- 2018年度国防予算に14.4百万ドルを盛り込みケフラヴィック海軍基地の格納庫を再整備しP-8ポセイドン偵察哨戒機に利用させる。
- 新型ロシア潜水艦は原潜、通常型含め「GIUKギャップ」と呼ばれるグリーンランド、アイスランド、英国の間を移動することが多くなってきた。ロシア北方艦隊が大西洋に抜けるルートだ。
- 米国は監視偵察機の巡回配備を来年から増やすことでアイスランドと合意した。
- NATO加盟国間にロシア新型潜水艦の探知能力に不安が生まれている。新型ロシア潜水艦が静粛航行で大洋に移動している。NATO関係者は20年間にわたるアフリカでの海賊対策と中東での支援活動で冷戦時より対潜能力が低下したと認めている。
- 1990年代の低迷を経てウラジミール・プーチン大統領は2000年代から軍の抜本的再生に乗り出し、その結果出現した新型潜水艦は静粛で威力が増し、航続距離も伸びている。
- ロシア潜水艦部隊は「ソ連崩壊以後で最良の状態に」なっているとマイケル・コフマンMichael Kofman(海軍研究センター、ロシア軍専門家)が述べる。「演習、訓練、即応性に力を入れている」
- 現在のロシア潜水艦部隊は50隻ほどど冷戦時の400隻に比べればわずかだが、大幅に技術が改良され、米潜水艦の水準に肩を並べたと専門家は見る。「今は量より質を重視しています」とメイガス・ノーデンマンMagnus Nordenman(大西洋協議会)も言う。
- 国防情報局は今年初めに公開したロシア軍評価で新型原子力弾道ミサイル潜水艦の「数千キロ先から核弾頭をどこにでも投下できる戦略機能でロシア海軍は海外海軍の中でトップクラスに入る」とまとめていた。
- そのロシアの誇りがヤーセン級原子力誘導ミサイル潜水艦でカリブル巡航ミサイル32発を搭載する。正確な射程距離は不明だが、ロシアはシリアにカリブルを700マイル先から発射した。二隻が供用中であと8隻が建造中だ。
- 11月末に英国第一海軍卿サー・フィリップ・ジョーンズ大将Adm. Sir Philip Jonesが西側が享受した海軍力の優勢が消えつつあり、ロシアが英海軍を本国海域でも翻弄していると発言した。「北大西洋でロシア潜水艦の活発な活動が普通のことになったのは明らか」
ヤーセン級Severodvinsk Wikimedia Commons
- フランス、ドイツ、ギリシア、イタリア、スペイン、トルコの各国は今夏に新型対潜機の開発で合意形成した。対潜艦船が冷戦後に減少して対潜機材がもっと必要だ。
- 対潜戦(ASW)は主にフリゲートの役目でNATO加盟国のフリゲートは1990年代初頭の100隻が50隻程度に減少している。
- そのギャップを埋める一助として米海軍が2020年代を目標に新型フリゲート20隻の建造に動いている。先月は民間企業に二年以内に建造でき、防空、対潜の任務をこなす事業案の提示をもとめたばかりだ。
- ロシアは地理的条件で大洋への移動を阻まれており、バルト諸国やポーランドが自国の勢力圏から離れ黒海の港湾を失い外洋に出るのはソ連時代より難易度が高い。
- 西側と武力衝突になればロシアのバルティック艦隊、黒海艦隊はNATOに動きを封じられそうだ。「そのため北方艦隊に兵力投射任務が与えられ、大西洋進出を進める」とノーデンマンが説明している。
- ステルス性を高めてきた潜水艦部隊が米監視線をすり抜けて米国東海岸に出現していることが米側の懸念になっている。
- 「米海軍にはロシア潜水艦の探知追尾が課題です」とコフマンが述べる。「アイスランドがカギです」とノーデンマンも言う。第二次大戦中に米対潜部隊はアイスランドでドイツUボート狼群を狩り立てるのに同島を安全な本拠地として使用した。同島がふたたび重要になってきた。
- 「アイスランドは不沈空母です。大西洋の真ん中で各種機種を運用できます」(ノーデンマン)■
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