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11月発生のシリア上空米露軍用機危機一髪の事態の続報

  • 11月に発生した米ロ軍用機のシリア上空での危険な事態の続報です。やはりF-22は複数で同地を飛行していたようです。しかし米露双方の言い分が食い違っています。果たして真相は?


Did U.S. F-22s Almost Shoot Down Russian Aircraft over Syria? 

シリアでF-22はロシア機を撃墜する寸前だったのか


December 12, 2017


米露軍用機がシリア上空で衝突寸前だったようだ。
  • 重要なのは機材が米F-22とロシアのSu-35だったことだ。
  • トップクラスの米露ジェット機同士のドッグファイトを期待する側には申し訳ないが、交戦は実際には発生していない。
  • 米国はシリア機を撃墜したことがあり、トルコもロシア機を撃墜しているが、米ロ双方は警戒しながら まだ衝突は発生していない。
  • ただしニューヨークタイムズによればロシア機が米機に危険なほど接近飛行する事案がシリア東部で数回発生しているという。
  • 「ある事例では米A-10攻撃機の二機編隊がユーフラテス川東部を飛行中にロシアSu-24フェンサーが300フィートまで接近し衝突寸前だった。両機が時速350マイル以上で飛行していたので文字通りぎりぎりだったといえる。「A-10編隊がロシア機と衝突回避したが、ロシア機はユーフラテス川西部を飛行する決まりになっていた。その他ロシア機がぎりぎりの接近飛行したり地上部隊上空を30分にわたり飛行するなど緊張を高めて墜落の危険を招く事態が発生していると米側は指摘している」(ニューヨークタイムズ)
  • ではF-22事案に話を戻すと該当Su-24は米支援を受ける地上部隊の上空を三回にわたり通過飛行していたとタイムズは述べている。「その時点でF-22編隊のパイロットがフェンサーに五回にわたり交信を試みたが、Su-24の行動が米機材に危険な行為と解釈されていればF-22編隊は正当防衛として実弾発射の権利を行使していたはずと米空軍関係者が述べている」
  • 米側はロシアを合意違反と非難した。両国はユーフラテス川のそれぞれ片側を飛行する取り決めだが、ロシア機はその線を越えて飛行してきたと米側が指摘する。
  • ロシアによる事情説明がこれと異なるのは驚くべきことではない。「米F-22一機がロシアSu-25攻撃機編隊のデーイシュ拠点攻撃を邪魔してきた。これはユーフラテス川西側の出来事で11月23日のことだった」とロシア国防省報道官が説明している。「F-22は熱フレアを発射し、さらにエアブレーキを作動させて機体制御しようとし、まるで空戦のようだった」
  • またロシア軍も以下発表している。「ロシア多用途高性能戦闘機Su-35Sの登場で米戦闘機は危険行為を中止しイラク空域に逃げ帰った」
  • いいかえれば、脅威と直接判定しないものの、米関係者は米支援を受ける集団がシリアでロシア機攻撃を受ければそのロシア機を打ち落とす権利があると言っており、ロシアはシリア領空内の米軍機がそもそもそこを飛行することが違反(シリア政府がロシア機の運用を認めるのとは別)だといていることになる。つまり米軍機を撃墜しても合法的だと主張したいのだろう。
  • また興味深いのは「多機能高性能の」Su-35がF-22一機を追い払ったと述べている点だ。つまりロシアは米軍機がロシア精鋭機を見て逃げ出したと言っている。
  • そのような表現は外交的にふさわしくなく国家声明文としていかがなものか。まるでチキンゲームの前哨戦のように聞こえ、通常はこのゲームでは共倒れになるのが普通だ。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
Image: Wikimedia Commons / Aleksandr Markin

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