Why Boeing Hasn’t Been Flying Its Two T-X Trainers
ボーイングのT-X練習機提案二機が最近飛行していないのはなぜ
Boeing
ボーイングが沈黙を破り、完成済みT-X提案機材二機が
ここ数か月飛行していない理由を述べている。
- 同社はAerospace Dailyに「単なる宣伝飛行には関心がない」としT-Xの飛行データはすでに提出済みと述べた。
- 2016年9月から2017年4月にかけボーイングは盛んに宣伝戦を展開しておりボーイングのT-X(BT-X)のセントルイス工場でのロールアウトからはじまっていた。一号機が2016年12月20日に初飛行し、二号機も今年4月24日に初飛行した。
- だがそれ以来同社は飛行運用の宣伝はしておらず、最終組立て場所がセントルイスになるとだけ発表していた。最終選定されればトライアンフ・エアロスペース・ストラクチャアズが主翼、垂直尾翼、水平尾翼部を、スウェーデンのSaabが生産ハブだが地元産業界が9割の生産をすることになる。
- だが機体は外部に持ち出されていない。空軍協会によるワシントン会合(9月)で実物大模型を展示しただけだ。
- 提案競争の告示から1年が経過する中でボーイングはどうするつもりなのか尋ねたくなるのは当然だろう。
- 現行の練習機は1960年代のノースロップT-38にかわる350機総額163億ドルの更新機材の争いはボーイング、ロッキード・マーティン、レオナルドDRSの三社が競い合っている。ボーイングはSaabと組み、完全新型機BTXを提案。ロッキード、レオナルドDRSはともに既存機の改装版を提示しており、韓国航空宇宙工業のT-50を元にしたT-50AとレオナルドM346が原型のT-100だ。
- その中で唯一の完全新型機を押すボーイングは他社より実証項目が多い。だが初飛行から一年も経過するが、BTX二機の飛行回数、テスト累計時間は不明だ。ボーイングは最後の飛行について発表せず、確認もしていない。
- ボーイング機材はFAAに実験機N371TX、N382TXとして登録しているが飛行追跡データは入手できない。ボーイングから同機の画像、映像、報道発表がここにきて一切出ていない。
- だが同社によれば必要に応じ飛行させる体制とし、不必要な飛行はさせない、とボーイング・ミリタリーエアクラフトの広報係は12月8日に述べている。
- 空軍評価部門から評価事前通告が三社には届けられている。また最終選定時期が7か月遅れ7月になったとの通知も届いている。
- ボーイングはフライトテストデータが必要であれば飛行させるとしているが、飛行時間を集積する必要は他に見当たらないとしている。
- 5月の報道陣向けイベントでボーイング関係者の口から二機は「生産型と同一」とし、ボーイングが受注すれば技術面、生産面で詰めるとの発言が出た。
- 機体は契約交付されれば「数か月」で政府主導のシステム要求審査を経て飛行可能となる。
- フライトテストデータはボーイングが計器満載した一号機で集めており、政府に提出済みで性能要求との比較検証を待つというのが同社の姿勢だ。
- 飛行展示はなく、機体も政府に提出の必要はない。
- BTXはボーイングのパイロットが操縦した。テストが最高潮に達した時点で一日三回四回と飛んでいた。同社はメディアやVIP向け体験飛行展示も検討したが今は予定はないようだ。ただし説明はない。
- 他方でロッキードのT-50Aは文字通り飛び回っており、サウスカロライナ州グリーンビルから二機の飛行を2016年11月に開始し100回以上飛行をしている。
- 昨年は報道記者数名を体験搭乗させており最新がFox & Friends Firstのホストの一人、ロブ・シュミットだ。
- ロッキードがFox & Friends Firstを狙ったのはドナルド・トランプ大統領が同番組をいつも視聴しているからだ。T-50Aはアンドリュース共用基地の上空を展示飛行しトランプ大統領も当日基地を訪れていた。
- T-50Aの原型は1990年代のT-50で世界各地で150機超が飛んでいる。
- レオナルドのT-100はまだ米本土に姿を現していないが選定されればアラバマ州タスカギーで生産されそうだ。同社はイタリアで飛行可能な機体二機を使いアピールしていたが現在はM346に集中している。
- M346はポーランド、シンガポール、UAE、イスラエルで戦闘機パイロット養成に使われ、60機程度が供用中だ。
- ボーイングはSaabと共同でT-X競作に加わり、設計案を検討していた。両社はコンセプトから実機完成まで36か月しかかけていない。
- ボーイング・ディフェンススペース&セキュリティの社長兼CEOリーアン・カレットLeanne CaretはT-X先端パイロット訓練機をJ-Stars再整備、地上配備戦略抑止力(ICBM)、MQ-25スティングレイ、の他極秘「ダークワールド」案件と並ぶ5大事業の一つと位置付ける。ただしカレットによればT-Xは「必死になって勝ち取る」案件ではなく「受注獲得可能」案件だ。■
コメント これではボーイングはやる気がないと言われてもおかしくないですね。あるいはよほど自信があるのか。このままならロッキードの勝利となり、韓国は大喜びしそうですが、ぬか喜びになるのか。来年7月まではまだ長いレースです。ボーイングの受注に終わりそうな気もしますがいかがでしょうか。
空自の練習機も米軍と同じのに変わる可能性も高いと思うし、ボーイングには頑張ってほしいとこなのですが・・・あ、サイト読みやすくなってうれしいです。
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