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米空軍の実験:高速飛行で燃料消費量を抑える?

 

原油価格が落ち着いている現状でも省エネは大事な課題です。
今回の記事で言う高速飛行がどの程度なのか触れていませんが、本当にこの通りならいいことずくめなのですがね。これができるのも空中給油機を展開できる米空軍ならではなのでしょう。

Could flying faster save the Air Force fuel?

高速飛行で米空軍は燃料消費を抑えられる?

Two F-22 Raptors prepare to take off during an Air Force Operational Energy mission at Joint Base Elmendorf-Richardson in Anchorage, Alaska, Aug. 13, 2017. The aircraft were part of a demonstration to assess if flying at an increased speed consumes less fuel while saving precious flight hours. (U.S. Air Force photo by Corrie Poland)
Two F-22 Raptors prepare to take off during an Air Force Operational Energy mission at Joint Base Elmendorf-Richardson in Anchorage, Alaska, Aug. 13, 2017. The aircraft were part of a demonstration to assess if flying at an increased speed consumes less fuel while saving precious flight hours. (U.S. Air Force photo by Corrie Poland)

By Corrie Poland, Air Force Operational Energy / Published December 04, 2017

JOINT BASE ELMENDORF-RICHARDSON, Alaska (AFNS) -- 日曜日朝のアンカレッジ郊外でハワイ州軍所属の戦闘機パイロットがエルメンドーフ-リチャードソン共用基地に集まり当日の運航ブリーフィングを受けている。三週間にわたるレッドフラッグアラスカ演習が終わったばかりだ。

  1. コーヒーをすすりながら担当官の説明に耳を傾け、パイロットたちは当日のミッションは簡単ながらユニークなものと理解した。空軍運用エネルギー事業Air Force Operational Energy Programの支援としてF-22の六機はパールハーバー-ヒッカム共用基地からアラスカに移動し、途中KC-10エクステンダー給油機二機の支援を受けた。2017年8月13日のことで、飛行速度を増やすと運航中のエネルギー消費の最適化につながるかを見極める目的があった。
  2. 「資源の保全は重要」と編隊隊長ダン・トンプソン大尉が述べる。「良い訓練が戦闘能力の確保には絶対必要で、資源や時間の有効活用で訓練効率があがるのです」
  3. 高速飛行で燃料消費が下がるとは常識に反するようだが、第618航空作戦センターが2014年に提唱し、高速飛行で燃料消費量が減り飛行時間が短縮されるとの主張には実証が必要だった。
  4. そこでF-22飛行隊に空中給油機を付けて高速飛行させた。別の飛行隊には標準飛行速度を守らせた。5時間に及ぶフライトで研究陣はデータ多数を集め結果を比較対照した。高速飛行部隊は飛行時間を1割短縮し次回のミッションでは燃料注入量を6%減らした。
  5. 「この形なら運用コストと合わせてもっと大事な時間を節約でき、大切な実戦や訓練にあてることができる」
  6. 米政府で空軍は年間50億ドルもの支出をする最大の燃料消費機関で、省エネを図りながらミッションを成功させようとしている。次の段階はこの手法を戦闘機部隊全体にひろげることだ。
  7. 「運用時の燃料消費を効率化して投入機数を最大にしながら予算を節約すれば納税者にも朗報だ」と航空戦闘軍団司令部のラッセル・ジョンソン中佐が説明している。
  8. 空軍運用エネルギー改善事業のミッションは既存の壁を空軍の持つ人員、情報、画期的な考え方を投入してトップクラスの成果を出す解決策を空軍組織全体に応用することを目指している。くわしくは以下を参照されたい。www.safie.hq.af.mil/OpEnergy/ あるいは www.Facebook.com/AirForceEnergy.

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