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★★3Dプリンターを戦場に持ち込んだ米海兵隊の利用方法

海兵隊総監ロバート・B・ネラー大将(右)が3Dプリンターの作動状況を見ている。 中央軍任務地にて。 June 18, 2017. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Samantha K. Braun) Marines Send 3D Printers to Combat Zone to Fix Gear Faster 米海兵隊が戦闘地帯に3Dプリンターを持ち込み装備修理を迅速に進めている  POSTED BY: HOPE HODGE SECK JULY 5, 2017 https://www.defensetech.org/2017/07/05/marines-send-3d-printers-combat-zone-fix-gear-faster/ 各国共同でイスラム国戦闘員集団と対決する戦闘も三年になり、最前線は厳しい環境に置かれている。イラク、アフガニスタンとはちがい大規模な前線基地や大部隊はともに姿が見当たらない。この環境で米海兵隊が3Dプリンターを現場に持ち込み、新技術で補給活動を加速化し故障した装備を早く現場に戻そうとしている。 「3Dプリンターを戦闘地帯で使うのは海兵隊が初めてでしょう」とハワード・マロット中佐が述べる。海兵隊で付加製造、3Dプリントの実施で先端を走る中佐がMilitary.com取材に答えている。「特殊部隊ではプリンターを使っていますが、扱ったのは技術専門職でした。海兵隊は海兵隊員がプリンターを使っており、運用しながら訓練も行っています」 海兵隊関係者はプリンター設置先や設置数については語ってくれないが、マロット中佐は卓上サイズのマシンが中東各地に配備されており、海兵隊危機対応タスクフォースが使っていると紹介してくれた。ただし戦線の背後地に配備しているという。各軍も3Dプリント技術の軍事応用を模索しているが、海兵隊が同技術導入に一番熱心で実戦部隊の一般隊員にまで使用させている。2016年9月の海兵隊内メッセージで各部隊指揮官には運用中装備の修理部品製造で3Dプリント技術利用が認められた。 マロット中佐によればこれまで3-Dプリンター40台が導入されており、需要は伸びる一方で今年秋には60ないし70台に増えると見ている。 戦闘地帯でプリンタ

★★中国が開発成功したと自称するポンプジェット推進で潜水艦戦が一変する?

ポンプジェットは日本が受注に失敗したオーストラリア案件でも話題に出ましたね。今のところ日本では採用の動きがないようですが、この分野に詳しい方のコメントをお願いします。 Did China Just Create the "Holy Grail" Of Submarine Technologies? 中国は潜水艦技術の「至高の目標」を実現したのか   Dave Majumdar July 6, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/did-china-just-create-the-holy-grail-submarine-technologies-21436 中国人民解放軍海軍(PLAN)が電動ポンプジェット推進方式潜水艦技術の開発に成功したと発表している。事実なら西側の潜水艦より静寂な潜航が実現することになる。 従来型のプロペラ式推進では機械的に駆動軸で回転力を得ているが、中国が新開発したと主張する縁推進方式では電動モーターを推進器側板に組み込む。 「縁推進方式ポンプジェットには円形電動モーターを側板内部に取り付ており、弁ローターを回転させてポンプジェットの空洞を作り推進力を得る」とサウスチャイナモーニングスターが報じている。 駆動軸がない潜水艦は静かになる。その分探知が難しくなる。中国は新型推進方式はキャビテーションを減らし、音響特性で探知されにくいと主張している。 PLANのMa Weiming少将が「研究チームが世界をリードする技術を実現し、次世代原子力潜水艦に搭載する」と同紙で述べている。「我が国の技術は米国を凌駕し、米国より先に同技術を完成させた」と述べたと同紙は伝えた。 同少将は新型ポンプジェットはPLANの次期原子力潜水艦に搭載するとし、095型攻撃潜水艦、096型弾道ミサイル潜水艦を想定している。しかしながらPLANから新型艦がこの技術を搭載するとの発表はまだ出ていない。 米海軍はポンプジェット式推進技術をロサンジェルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級の攻撃型潜水艦に搭載している。計画中のコロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦にも採用する。コロンビア級では統合発電推進方式で永久磁石により駆動軸を回

北朝鮮ICBM初発射の分析と浮かび上がった課題

失敗を回避すべく最大限の配慮で初のICBM発射に成功し、責任者は命を失うことはなかったようです。記事が指摘するように初の発射で即兵器運用にはならないとしても、まさしく時間の問題になったようです。北朝鮮は自滅へのスイッチを入れたことになるのか、まだわかりませんが、終わりの始まりであることは明らかです。日本としては中距離弾道ミサイル多数があることに引き続き注意していく必要があります。 (Photo: Rodong Sinmun) North Korea Finally Tests an ICBM 北朝鮮がついにICBM実験に踏み切った BY: JOHN SCHILLING JULY 5, 2017 http://www.38north.org/2017/07/jschilling070517/ 米国では独立記念日は壮大な花火ショーで祝うことが多いが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射テストは想定外だ。だが金正恩がそれを実施し独立記念日祝いと言うが心配の種を増やしてくれた。北朝鮮中央通信が発射の映像を公開し、最大高度2,802キロまで達してから933キロ離れた海面に39分後に落下したとする。日米韓各国政府が発射の事実を認め、おおよその性能を確認した。事実なら米本土まで到達するミサイルになる。ここまで早く実現するとは予想していなかった。 ただしこのミサイルが実際に米本土を正確かつ信頼性高く攻撃可能な兵器になるまでは一二年はかかりそうだ。とくに有事の際の発射の想定が必要だ。とりあえずは確実性に欠ける脅威対象だ。だが不確実でも米本土へ脅威が生まれ抑止力になるし、今回の脅威に対応した外交政治上の意味がすぐにでもあらわれるはずだ。 興味を惹かれるのはロシア国防省が最大高度はわずか510キロだったと発表したことだ。米太平洋軍の第一報では最大高度を2,500キロとしそこから射程距離を5,500キロと推定しICBMに分類した。初期報道で数字に不一致が見られるが、一番正確な数字がどれなのか判断できない。確かなことはいえないが、確実性が不足していることを考慮しても、高度2,500キロ超、飛翔時間37分超は正しいと言える。 最近の北朝鮮長距離ミサイルテスト同様に今回も「ロフテッド」軌道で近隣国を飛び越す飛翔を防ぎながら、高性能を試したとみられる。デ

★★北朝鮮の動向を知りたければコブラボールをネットで追跡すればよい

ここまでちゃんとフォローしている人がいるんですね。すごいですね。でももっとすごいのはこれだけの機材装備を維持し、事前情報で警戒飛行をさせている米軍の存在ですね。ここまでの装備を自前で運用するより米軍に便宜を提供し情報をわけてもらうほうが実際的なのでしょうね。しかし日本もできるところからISR能力(機材プラス情報分析)を充実させていくべきでしょうね。   Wanna Know If A New North Korean Missile Test Is About To Take Place? Look For This U.S. Aircraft Online… 北朝鮮ミサイル実験の実施は米軍機の動きをオンラインで調べればよい  Jul 04 2017 By David Cenciotti https://theaviationist.com/2017/07/04/wanna-know-if-a-new-north-korean-missile-test-is-about-to-take-place-look-for-this-u-s-aircraft-online/ 米RC-135Sコブラボールがミサイル発射の最終段階で弾道ミサイルを追尾する様子をオンラインで見られる。 7月4日早朝北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に初めて成功した。 ICBMはHwasong火星-14とされ、高度2,802キロに達したと国営朝鮮中央テレビ(KCTV)が伝えている。ミサイル発射地点はPanghyon 方峴で朝鮮半島から東方向に930キロ飛翔した。 今回の発射も前回同様に米軍が監視し、空中、地上、海上の核装備を動員した。 米空軍はRC-135Sコブラボールミサイル追跡機を動員した。オファット空軍基地(ネブラスカ州オマハ郊外)所属の動機は第45偵察飛行隊が運用し弾道ミサイルの搭載する再突入体や弾頭の最終段階での追跡に投入される。強力なレーダーをコックピットすぐ後ろの機体右側に搭載している。また観測窓も右側にあり、赤外線や可視スペクトラムカメラで飛翔の最終段階での弾頭部分を記録する。コブラボールの右主翼は低反射性黒色塗料で包み撮影効果を上げている。 嘉手納を離陸するコブラボール May 31,

7月5日米韓両国がミサイル発射で北朝鮮ICBM発射に対抗

半島情勢がエスカレーションしてきました。ただし、この反応はどうなんでしょう。牙を見せたということでは意味があるとは思いますが。前日のミサイル発射を実施した北朝鮮は独立記念日を狙った確信犯であり、米軍の対応がこの程度と見て嘲笑するでしょうが、長い(短い?)導火線に自ら火をつけてしまったのではないでしょうか。同国が地図上から消える日が近づいてきたと思います。北朝鮮労働者を受け入れている国はまだあちこちにあるようです。 2017年7月5日、M270多連装ロケット発射装置でMGM-140陸軍戦術ミサイルを日本海に向けて発射する韓国-米国合同第二師団隷下第210野戦火砲旅団第18野戦砲撃連隊第一大隊。米韓両国は5日に合同演習を実施し北朝鮮のICBM発射テストに対応した。 U.S. ARMY PHOTO US, S. Korea fire missiles in warning to North 米韓両国がミサイル発射で北朝鮮へ警告  By KIM GAMEL | STARS AND STRIPESPublished: July 4, 2017 https://www.stripes.com/news/pacific/us-s-korea-fire-missiles-in-warning-to-north-1.476664#.WVw2lIjyjcs SEOUL, South Korea – 米韓両国は7月5日ミサイル数発を警告発射し、北朝鮮の大陸間弾道弾発射に対応した。 レックス・ティラーソン国務長官が同日北朝鮮が打ち上げたミサイルをICBMであると確認したのを受けて発射されたもの。長官は米国、同盟国、協力国のみならず域内、世界規模で脅威が増加したと指摘。 米太平洋軍は初期評価で中距離弾道弾としていた。 第8陸軍の公式声明では両軍は韓国東沿岸沖合にミサイルを撃ち込んだと発表。 今回の発射は異例の形で、北朝鮮が前日発射したミサイルに直接関連させ「北朝鮮による安定に害を与え非合法の7月4日の行動に対抗するもの」としている。 米軍は特定の出来事に言及することを通常は避けており、合同軍事演習は防御を旨とすると主張してきた。 第8軍によると米陸軍の戦術ミサイルと韓国のHyunmoo(玄武)ミサイル

北朝鮮がICBM発射成功と発表、SM-3で日本は守れるのか

  北朝鮮がICBMを完成させたといっていますが、今の段階ではアラスカに辛うじて飛ぶ程度でしょう。それでも米ミサイル防衛体制がいよいよ本土防衛を重視する方向に切り替えを迫られかねず、日本のミサイル防衛体制が一層注目されそうですね。 Can America's SM-3 Missile Protect Japan from North Korea?   SM-3ミサイルで北朝鮮脅威から日本を守れるか   Sebastien Roblin July 3, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/can-americas-sm-3-missile-protect-japan-north-korea-21405?page=show 日本の自衛隊は通常の軍隊ではない。第二次大戦後の憲法で海外で戦闘行為を禁じているためだ。とはいえ日本が北朝鮮から脅かされるのは国内に米軍基地を抱えるためだが、そもそもは1998年にテポドン-1ミサイルが日本領空を横切り飛翔したことが出発点だ。 その後も北朝鮮はミサイルテストを繰り返し、本日も行った。北朝鮮は米西海岸を直撃できる大陸間弾道弾の完成に向け作業中だが、すでに日本は北朝鮮の中距離弾道ミサイル(IRBM)の射程に入っている。発射後10分で日本本土を直撃するはずだ。 日本は独自の対抗策で北朝鮮ミサイルに対応している。PAC-3ペイトリオットミサイル地対空ミサイル部隊6個を展開し、駆逐艦4隻に長距離SM-3ミサイルを搭載している。ただしいずれも高速で高高度飛翔するIRBMに有効対応できるか未実証だ。マッハ4で飛ぶPAC-3の有効射程はわずか30キロで局地防衛手段でしかない。 そこでSM-3の新型超長距離型を 三菱重工 と レイセオン が共同開発中であり、IRBM発射後の加速段階や中間飛翔段階で迎撃を狙う。ただし残念ながら同ミサイルは迎撃テスト二回目で失敗し、弾道ミサイル防衛体制が未完成だと露呈している。それでも日本は陸上運用でSM-3を導入しミサイル艦を補おうとしている。 スタンダードミサイル3は別名RIM-161で米海軍の駆逐艦巡洋艦でミサイル防衛ミッションの手段となっている。各艦は洋上の機動発射台となりイージス戦

中国に愛想をつかしてきたトランプ大統領の次の手は?

習近平が訪米で示した対応力・応用力のなさは驚くべきで、内弁慶タイプの指導者かと思ったほどでしたが、北朝鮮を巡り各方面の国内要素をはかりにかけて身動きが取れなくなっているのか、一度は約束しても最初から実施するつもりはないという確信犯なのでしょう。トランプ大統領もビジネス経験から中国人との付き合い方は体得しているはず。今後は現実を重視したアプローチに双方が収れんしていくでしょう。   Trump Cools on China 中国に冷静になってきたトランプ The Trump administration is losing patience with Beijing and adopting a tougher policy. トランプ政権は北京に忍耐を失い、強硬政策をとりつつある   June 30, 2017 http://nationalinterest.org/feature/trump-cools-china-21396?page=show トランプ政権が中国に忍耐心を失いつつある。先週は鉄鋼製品へ関税適用をちらつかせ北京へ衝突姿勢を示した。当初の対中国姿勢と真逆で、中国をパートナーととらえ北朝鮮問題の解決をめざすアプローチは過去のものとなった。 大統領選中のトランプは中国に厳しい姿勢だった。2016年5月のインディアナ州選挙集会では対中貿易赤字に触れ「このまま中国に勝手にさせておけない」と述べている。選挙運動中のトランプは当選の暁には中国を出し抜くと述べていた。「抜け目なく立ち回れば中国に勝てるはず」と2015年7月にサウスカロライナで述べていた。 大統領に就任するとトランプは北京と対立するより協調を優先した観があった。4月初めの習近平主席との会談後、トランプは北朝鮮問題、貿易問題共に一緒に解決できると楽観視していた。前向きな言葉と裏腹に選挙運動中の厳しい提言は棚に上げて、中国との協調関係作りを優先した。中国を通貨操作国と批判せずに北朝鮮問題で同国の支持取り付けを優先した。 北朝鮮問題解決を中国に期待すること自体が大きな賭けだ。中国は北朝鮮に実効力のある圧力をかけることに乗り気ではない。なぜなら北朝鮮現政権の存続に中国にとって戦略的な意味があるためだ。エリック・ゴメス(ケイト―研究所の国防外交政