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イラン核兵力の実現でイスラエルの核抑止力に対する「あいまい方針」は大きく変化するのだろうか。

  Israel Dolphin-Class Submarine 今 月初め、イスラエル政府関係者は、イランの核兵器開発を阻止するために全力を尽くすと警告した。 ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、必要であれば、核開発を阻止するためイスラエルは行動すると述べた。▼このコメントは、国連の核監視団がイランの核開発プログラムに関する2つの調査を打ち切ったというニュースに続いて発表された。▼さらに、欧州諸国は最近、イランの核開発をめぐるウィーン交渉を復活させるようバイデン米大統領に要請しているが、エルサレムはこの交渉に激しく反対している。▼イスラエルとイランは40年以上にわたり影の戦争を続けており、イスラエルは最大の敵であるイランの核開発計画をレッドラインとみなしている。▼イスラエルは自国の核開発疑惑を秘匿しているが、大量破壊兵器を保有していると広く信じられている。 核開発 1948年にイスラエルが建国され、ダヴィド・ベン・グリオン首相は、敵対する隣国から国の新しい国境を守ることに固執していた。▼その頃、イスラエル国防軍科学部隊のヘメド・ギメル部隊が、ネゲヴの初期地質調査を開始した。▼その後10年余り、同部隊は原子力の研究を続けた。▼1960年代、イスラエルはフランスの航空宇宙企業ダッソーと共同で弾道ミサイル「ジェリコ」計画を策定した。▼結局、フランスは撤退したが、イスラエルは独自に2段式固体燃料ミサイル「ジェリコ1」を生産した。▼1973年のヨム・キプール戦争では、ジェリコミサイルが厳戒態勢に置かれたと伝えられている。▼シナイ砂漠やゴラン高原での奇襲を防げず、核兵器が搭載されたとする専門家が多い。▼しかし、紛争が進むにつれて、イスラエルは敵軍とうまく戦うことができるようになった。 ジェリコミサイルのスペックと性能 ジェリコ1号の射程は約500キロメートルで、ネゲブからエジプトやシリアを攻撃できた。▼戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)が詳述するように、ジェリコ1号は「全長13.4m、直径0.8m、発射重量6,700kg」で、2段式固体推進エンジンを使用し、鉄道の平台や発射車両からの運用が可能であった。▼ジェリコは最大650kgのペイロードを搭載でき、450kgの高爆発弾頭、20kTの核弾頭、または化学

イスラエルがF-15EX(イーグルII)導入へ。米国に正式要請を発出。

  F-15EXがイスラエル空軍で使用された場合のイメージ図。(写真:ボーイング) イ スラエル国防省は、イーグルIIを25機取得したいとする要請書(LoR)を米国政府に送ったと報じられている。  長年の遅延の後、イスラエルはついに最新型F-15EXイーグルIIを手に入れるかもしれない。業界関係者の話を引用したBreaking DefenseとThe Jerusalem Postによると、イスラエル国防省はアメリカ政府に公式要請書を送り、対外軍事売却(FMS)の承認に向けたプロセスを開始したとある。  イスラエル政府は、F-35とF-15の増強が最優先課題とされた2020年に、F-15EXに関心を示していた。しかし、政情不安と予算問題でF-15の契約は遅れ、F-35の増産契約だけ確定していた。LoRでは25機のF-15EXが記述されており、イスラエルではF-15IA(Israel Advanced)と呼ばれることになるが、最大50機がFMSで要求される可能性があるとされている。  イスラエルは新造機とともに、F-15Eストライクイーグルのイスラエル仕様機F-15Iラーム25機をF-15EXと同様のエイビオニクス構成に改修することも要求している。イスラエル空軍はF-15A/B/C/Dを50機保有しているが、アップグレードには含まれない。Breaking Defenseによると、F-15IAの最短納品は2028年、F-15Iのアップグレードのスケジュールは不明だ。  2020年以降、イスラエル空軍は、イランの核施設など強化目標の破壊のために、大量の兵装を運搬できるF-15で増強が急務だと表明していた。実際、F-35とF-15の必要性は、将来の戦闘シナリオと、目標が高度な防空システムに守られているイランを攻撃する潜在的な必要性に基づいたものだ。そのようなシナリオでは、防空システムを無力化するためF-35を何波も投入し、核施設攻撃にF-15を投入することになるだろう。  イランがロシアとの関係を強化し、イランがより新しく、より高度な装備を手に入れる可能性があるため、イスラエルは新型戦闘機の必要性を緊急に考慮するかもしれない。イランは近いうちに新型戦闘機Su-35SフランカーEをはじめ、未指定の防空システム、ミサイルシステム、ヘリコプターを受け取るかもしれない。地対空ミサイル

ペイトリオットがウクライナへ。では、イスラエルのアイアンドームの提供は? 一筋縄ではいかないイスラエルの事情でカギとなるのはイランだ。

      ジ ョー・バイデン米大統領とウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は水曜日に会談し、決意と結束の明確なメッセージをクレムリンに送った。会談はまた、ウクライナでの残忍な戦争を支援するためにロシアに武器を提供してきたイラン政権にも重要なメッセージを伝えた。  ゼレンスキーの訪問中、バイデンは米政策で特に重要な変更を1つ発表した。ロシアの無人偵察機、ミサイル、空爆からウクライナの空を守るために、米国はペイトリオット防空システムを送付する。  ある意味で、この動きはイスラエルにスポットライトを当てることにもなる。イスラエルは、ロケットやミサイル、UAVなどを90%以上の確率で迎撃する、最高級兵器システム「アイアンドーム」の提供をウクライナに拒否した。ウクライナ当局は、大統領府、外務省、国防省、在イスラエル・ウクライナ大使館から公式要請を出し、これらのシステム入手を強く求めてきた。  イスラエルが拒否している理由はいくつかある。まず、最も重要なことは、イスラエルは、もし自国システムが配備された場合、戦場でロシアに捕獲されるとの正当な懸念を抱いている。そこからイランに送られ、解析されるのはほぼ確実だ。分析から、イランの代理人とイスラエルが対峙する戦場において、イランがこれらのシステムへの対抗手段を見出すことができる。そうなれば、ヒズボラやハマス、パレスチナのイスラム聖戦は、将来イスラエルに有利となる。イスラエルの前政権は、このようなリスクは負いたくないと明言した。新政府もおそらく同じことを言うだろう。  第二に、イスラエル国防軍は自国防衛のためにより多くのシステムと迎撃ミサイルを獲得することが緊急に必要であると評価しているため、イスラエルはこれらのシステムを他の場所に送ることに躊躇している。ヒズボラとハマスの武器庫は、イスラエルがイランの武器密輸を阻止することにほぼ成功しているが、密輸は増加の一途をたどっている。必要な数のシステムと迎撃ミサイルの生産には時間がかかり、ウクライナ輸出でスケジュールが後退する可能性もある。  第三に、ウクライナ軍に「アイアンドーム」を運用させる訓練に時間がかかるため、短期的にはウクライナの役には立たない。成功率を考えれば、ウクライナが同システムを欲しがる理由は理解できる。しかし、ペイトリオットの方がウクライナ軍の訓練は簡単だろう

イラン核武装を絶対容認できないイスラエルが次にとる行動とは。イスラエルの戦略文化とは。

F-35I Adir. Image Credit: IDF Air Force.   戦 略的文化の枠組みは、厳しい議論を経て、いまも健在である。グレイの戦略的文化を文脈として採用すれば、イラン核協定の可能性に向けた現在のイスラエルのアプローチが生きた適用例となる。イスラエルのヤイール・ラピドYair Lapid首相が最近の国連総会で述べた声明に示されている。「核兵器を持てば、イランはそれを使うだろう...わが国はわれわれを滅ぼそうとする勢力に対し手ぶらではいられない。今日のユダヤ人には国家がある」。 この発言はイスラエルの戦略文化の特徴を反映している。すなわち、脅威の具体化を防ぐこと、脅威評価において敵の能力と意図を収束させること、ホロコーストを念頭に置き「二度と起こさせない」アプローチ、すべて失敗した場合の独自の軍事行動への依存、例外主義などだ。 米国はイスラエルと同様、イラン核武装を阻止することをめざしている。しかし、そのための手段については、イスラエルと考えが異なる。これは安全保障上の利害の違いであると同時に、戦略文化の衝突でもある。 イスラエルの戦略文化を理解することが、イスラエルの政策、戦略、作戦を理解する上で非常に重要なのだ。 核協定とイスラエルの戦略文化 イスラエルはイランとの新たな核合意に署名することを思いとどまるよう、主に欧米諸国に質の高い情報に裏打ちされた公開キャンペーンを展開している。首相、国防相、モサド長官、国家安全保障顧問など、イスラエル高官は最近、このキャンペーン推進のため相次いで訪米している。 また、イスラエルは米国との協力関係を強化し、万が一協定が結ばれても、イランに対する行動の自由を保持すると強調している。イランへの秘密行動もイスラエルによるものとされている。さらに、イスラエルはイランに包括的に関与しようと、イランの悪意ある活動を公にし続けており、イランの地域的影響力に対抗した「影の戦争」を展開しているとされる。 イスラエル首相は、先ほどの国連総会での演説で、「イラン政権が核兵器を持てば、それを使うだろう」と主張した。これは、敵対国の能力と意図を収斂させようとするイスラエルの傾向を反映している。この傾向は、1979 年の時点でブースが述べており、民族中心主義が脅威評価における能力の過大 評価を招く可能性があると主張している。 その

ドイツがイスラエル製アロー3ミサイル迎撃システムを導入へ。欧州共同ミサイル防衛へ発展の可能性も。ロシアのウクライナ侵攻でドイツも大幅国防強化へ動いている。

  U.S. MISSILE DEFENSE AGENCY   ドイツはイスラエル製弾道ミサイル防衛システム「アロー3」の最初の導入国になりそうだ       ロ シアがウクライナを侵攻したことで、ドイツは軍備の大規模な見直しとして、イスラエル製ミサイル防衛システム「アロー3」を選択したとの報道が相次いでいる。成約すれば、西ヨーロッパにユニークな対弾道ミサイル能力が生まれ、アロー3の初の輸出販売ともなり、ドイツとイスラエルの軍事関係が強固になる。   今週初め、ベルリンを訪問したイスラエルのラピド首相 Yair Lapidは、ドイツが イスラエル航空宇宙産業 (IAI)のアロー3を購入する交渉中であることを確認したが、購入数や価格に言及しなかった。報道では、約20億ドルの潜在的な価格が取り沙汰されている。   ラピド首相は、ドイツのオラフ・ショルツ首相との共同記者会見で、「イスラエルは...主に防空分野で、ドイツの新しい防衛力構築の一翼を担いたい」と発言した。同首相は、イスラエルは「ドイツの安全、ヨーロッパの安全、そして自由民主主義国の自衛能力に全面的にコミットしている」と付け加えた。   ショルツ首相は、ドイツは地上配備の防空体制の強化を検討しており、「そのためにイスラエルと協力することに非常に熱心だ」と述べた。ドイツ首相は、アロー3について、「非常に効果的な製品 」と評価した。   これと別に、匿名ドイツ政府筋はロイターに、「アロー3を購入する計画はあるが、何も署名されていない」と述べた。ラピド首相は、ドイツ向け売却があったとしても、「将来的に可能な取引」だとも述べている。ブルームバーグも、ベルリンがイスラエル製装備品を「購入への予備決定」を行ったと報じている。   実際、2019年当時、イスラエル政府関係者は、特定の国名は出さなかったものの、アロー3輸出の可能性を口にしていた。イスラエル・ミサイル防衛機構の関係者は記者団に対し、「アロー3システムの海外輸出の可能性に関心がある」と述べた。しかし、その後、欧州の安全保障環境が大きく変化したことは明らかだ。   IAIは ボーイング とともに、2008年から米国政府から多額の資金援助とその他の支援を受け、アロー3開発を続けてきた。アラスカでの実射試験など、開発・試験も継続的に行われている。アロー3は2017年1月に

イラン核合意再開に備え、準備を怠らないイスラエルの動き。

  2021年5月14日、イスラエルのスデロットで、ガザ地区国境付近で砲兵部隊を準備するイスラエル軍部隊。 (Amir Levy/Getty Images) イスラエル当局は発言こそ慎重だが、JCPOAが再び実現した場合に備え、対イラン軍事オプションを多数準備している イラン、欧州、米国間で核合意再開に向けた合意が近づいてきた兆候が見られる中、イスラエルは予想通り動揺し、対応策としてテヘランに対する軍事行動も視野に入れていると示唆している。 イスラエル指導部は、バイデン政権が共同包括行動計画(JCPOA)を復活させようとしているのを公に批判しないよう注意してきたが、エルサレムが合意復活に反対していることは、この1年間で多くの兆候があった。 イスラエルは、ブリュッセル、ワシントン、テヘランの間で結ばれたいかなる協定にも拘束されるとは思っていないとも明らかにしている。その裏で、イランはJCPOA復帰で得る利益を受け取る資格を失うべきだとエルサレムが考えている、イランの不誠実な行動を示す情報を繰り返しワシントンに伝えてきた。 JCPOA枠組み案の詳細は先週、イラン反対派がロンドンで運営するウェブサイト「イラン・インターナショナル」がリークした。イラン・インターナショナルによれば、流出した報告書には、イランの核交渉責任者アリ・バゲリ・カーニAli Bagheri-Kaniが、イランが米国から受け取ったと主張する「譲歩」に関する発言疑惑が含まれている。しかし、その内容は、イランがJCPOAを遵守するために何をすることに合意したかには触れていない。 この話し合いを止める最後の努力に写るものとして、イスラエルの国家安全保障顧問エヤル・フラタ Eyal Hulataが今週ワシントンに滞在し、米国防当局者と会談し、イスラエルが「イランの核詐欺」と呼ぶものの詳細を共有しようと試みている。(フラタとアントニー・ブリンケン国務長官の会談は、スケジュール調整で直前にキャンセルされたと伝えられている)。 説明は、バイデン政権によるJCPOA 2.0推進について、国防と情報機関がどう感じているかを要約している。特に、ホワイトハウスは、イラン協定を破棄したトランプの決定を覆すことに固執しているので、イスラエルからの情報は無視したという感覚である。 「我々は、テヘランが継続的に嘘をついており、新協