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中国による斬首作戦に台湾はどう対応するのか

中国に台湾を武力侵攻する意図があるのは明白ですが、日本国内の報道しか見ない人はそんな事態を想定もしていないのでしょうね。しかし、台湾はしっかりと備えているようです。PLAが本当に斬首作戦を実施すれば国際社会はすべて中国の敵となるでしょう。 How Taiwan Defends Itself From Decapitation Strikes  台湾は斬首作戦にこう備えている Marines and special troops guard the president  海兵隊と特殊部隊が総統を警護する WIB LAND May 17, 2018 Robert Beckhusen China60 Taiwan6 WIB LAND May 17, 2018 Robert Beckhusen https://warisboring.com/how-taiwan-defends-itself-from-decapitation-strikes/ 軍 事用語で「斬首」攻撃というと対象国の指導層を開戦直後に狙い、敵の軍事政治上のリーダーを排除することである。台湾を対象に中国には各種の攻撃方法があり、台湾は脆弱である。 一見発生の可能性がないように聞こえるが、台湾はこの可能性を深刻にとらえ、斬首作戦への防御を「絶対防衛」教義の最優先事項にしている。中国にはこの作戦に備えている節があり、台湾に圧力をかけている。2015年には中国軍は内蒙古に台湾総統府そっくりの施設を作り演習を実施している。 台湾軍にとっては中国が台湾政体を標的にしている中でどんな対策をとっても安心できず、中華民国第66海兵旅団を台北に駐留させ、うち同旅団所属の一個大隊が軍事大学校内に配置されている。 この大隊が台湾国防省が2017年に博愛特区(総統宮殿や政府省庁含む)の防備に当たるものとして発表した部隊と同一なのか不明だ。台湾政府は詳細発表はしていないが、同年7月に斬首作戦への対抗措置演習を公開していた。第66旅団はおよそ3,500名でM-41ウォーカーブルドッグ戦車、M-113装甲兵員輸送車を保有。 軍事大学校内に配備される大隊は総統護衛の予備部隊なのだろう。 「(特区内の)大隊には総統排除あるいは無能力化のたくらみに対応する目的があり、

F-15は第五世代機をこうして撃墜する----イーグルはいつまで世界最高の戦闘機の座を守れるか

日本のF-15は改修を受けた機材と受けていない機材が混在していますが、米空軍のC型は大きな改修を受けていないようですね。ただしスクランブル回数など日本の機材は酷使されていますので構造強化策は待ったなしなのでは。それにしても長期間の供用に耐える余裕を持たせたF-15の原設計にはすばらしいものがありますね。 How an Old F-15 Just Might Kill Russia's New Stealth Su-57 in a 'Dogfight'  旧型F-15でもロシア新型ステルス機Su-57を「ドッグファイト」で撃破可能 Dave Majumdar May 18, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/how-old-f-15-just-might-kill-russias-new-stealth-su-57-25893?page=show ボ ーイング F-15Cは世界最高の制空戦闘機と称賛され、104機撃墜しながら一機も撃墜されていないとの一方的な戦果を誇さすがの同機も供用期間が終わりに近づいているが、それでも有能な戦闘機であることに変わりはない。 米空軍はイーグル改修を先送りにしており、機材を今後も供用する方針が決まってから電子戦能力向上を行うとしている。ただしF-15Cを2020年代以降も供用するためには機体構造の大幅改修が必要であると空軍も認識しているが優先順位が高い事業に予算ねん出のためF-15C保有を断念する必要があると見ている。ただしF-15Eストライクイーグルは今後も供用を続ける。 しかしながら当面の間、F-15Cは空軍の制空戦闘機勢力の半数を占める存在のままだ。と言うのは ロッキード・マーティン F-22Aラプターの配備数が予定の半数以下で終わったためだ。今後は新型の侵攻型制空戦闘機(PCA)をF-15CやF-22に代わる主力機として2030年代配備を想定するが、ロシアや中国も新型第五世代機の配備を進めているのは事実でスホイSu-57(PAK FA)はその例だ。 Su-57に新型エンジンが搭載されると速力、操縦性、ステルス、電子戦能力のいずれでも第四世代戦闘機に手ごわい存在になる。だが米空軍も黙って待つ気は

V-280ティルトローター新型機のテストを順調に進めるベル

  Bell V-280 Valor Conducts First Cruise Mode Test Flight as Program Advances ベルV-280ヴァラーが初の巡航モードテストを実施。テストは順調に進展中 May 16 2018 By Tom Demerly https://theaviationist.com/2018/05/16/bell-v-280-valor-conducts-first-cruise-mode-test-flight-as-program-advances/ ベ ル のV-280ヴァラー軽量ティルトローター機がティルトローターによる水平飛行を初めて実施した。速力は190ノット(約350キロ)に達した。 V-280は中型戦術ティルトローター機として米陸軍が目指す共用多用途技術実証機 (JMR-TD) での採択を目指す。JMR-TDは陸軍がその先にねらう次世代垂直離着陸機(FVL)に繋がり、現行の回転翼機5機種の後継機となる。V-280ヴァラーはJMR-中型攻撃多用途ヘリコプターとしてUH-60ブラックホークとAH-64アパッチ攻撃ヘリの後継機として提案されている。 ベルV-280は最大速度280ノット(約520キロ)といわれ、「V-280」の名称はそこから来ている。UH-60の最高速度が192ノットなので相当早くなり、海面上最大速度が305ノット(560キロ)のMV-22オスプレイに相当する。 V-280は14名までの武装兵を搭乗員4名(飛行要員2名、銃手・ロードマスター2名)で運ぶほか、攻撃ヘリの機能も実現し、各種兵装を搭載する。高温高地飛行条件「ハイアンドホット」は回転翼機には厳しい環境だがV-280はこの条件に最適化されている。 外観上はV-22オスプレイに似るが、V-280のエンジンは固定式でティルトローターの重心が移動する。このためV-280はエンジン単発でも運航可能だ。だがV-22ではエンジンナセル左右が垂直飛行から水平飛行への切り替え時に回転する仕組みで各エンジンは完全に独立しながら、複雑なギアボックスで連結されているので片方のエンジンで飛行可能となる。 V-280の主翼は一枚構造の複合材になっているのがユニークな点だ (Photo: Bell

北朝鮮を一隻で壊滅可能なオハイオ級ミサイル原潜の現況と今後

北朝鮮が本来の不良ぶりを堂々と示すようになり、米国も軍事オプションが現実になる事態を想定しているようですが、姿の見えないミサイル原潜とくにSSGNを使っての北朝鮮軍事目標の同時攻撃の可能性が増えるのではないでしょうか。SSBNも一次攻撃に投入可能と言うのはちょっと驚きですが。 The Navy Has 1 Nuclear Missile Submarine That Could Destroy North Korea 一隻で北朝鮮を壊滅可能な米海軍核ミサイル潜水艦   Sebastien Roblin May 16, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-navy-has-1-nuclear-missile-submarine-could-destroy-north-25848?page=show 広 島、長崎への原爆投下から9年後に封切られた映画「ゴジラ」は深海から目覚めた怪物が日本を襲う筋書きだったが、火を噴く爬虫類よりも恐ろしい怪物がその後登場した。現実の野獣が同時に海中に登場しそれぞれ複数都市の破壊能力を秘めていた。米海軍用語で「ブーマー」と呼ぶ弾道ミサイル潜水艦部隊のことだ。 現在海中に潜むのはオハイオ級弾道ミサイル潜水艦14隻で米国の核兵器の半分以上を搭載している。 オハイオ級各艦は人類史上最大の破壊兵器を搭載している。各艦が24発のトライデントII潜水艦発射弾道ミサイル(SLBMs)を海中発射し最大7千マイル以上先の標的を攻撃できる。 トライデントIIが大気圏再突入すると速度は最大マッハ24で独立再突入体8つに分離し、各100から475キロトンの弾頭になる。オハイオ級潜水艦一隻が全弾発射すればわずか一分間で最高192発の核弾頭で24都市が地図の上から消えることになる。まさに黙示録級の悪夢の兵器だ。 このオハイオ級に一番近い存在がロシアが一隻だけ温存するタイフーン級潜水艦で、艦体は大きく24本の弾道ミサイル発射管を有する。中国、ロシア、インド、英国、フランスの各国が弾道ミサイル潜水艦複数を運用し搭載ミサイルはそれぞれ異なるが、先進国の主要都市なら数隻で完全に破壊できる。 一国をまるまる破壊可能なこのような怪物の存在はどう正当化で

在韓米軍の撤退、縮小は可能なのだろうか

日本にとっても状況に踊らされない冷徹な地政学的思考が必要です。冷戦が終わるのかどうかは別としていつも考えたくない事態も考えておく必要があり、北朝鮮が存続し続ける事態が現実になる可能性も受け入れなければなりません。(これは以前も指摘しています。悪の体制でも受け入れるかは道徳の問題ではありません)その一方で北朝鮮指導部はこうした思考を叩き込まれていますので平和ボケした日本がだまされないように思考を鍛える必要があると思いませんか。   Could America Pull Troops Out of South Korea If It Wanted? 在韓米軍の撤退は可能なのか Ramon Marks May 11, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-skeptics/could-america-pull-troops-out-south-korea-if-it-wanted-25786?page=show 世 界はひたすら待ち続け見守ろうとしている。強硬な制裁措置、瀬戸際外交、核の「レッドボタン」の脅かしが金正恩による核兵器放棄につながるのかを。少なくともこうした米政策が金正恩とトランプ大統領の頂上会談に繋がったことは確かなようだ。 前例はある。核兵器開発を自主的に放棄した国がある。南アフリカ、ブラジルだがそれぞれ民主政体が生まれたのが核放棄の引き金となったのであり、外交包囲を受け制裁の恐怖から放棄したわけではない。ソ連解体でウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンも核兵器を放棄したが、すべてロシアへ返却している。(ウクライナはこの決定を今になって後悔しているはずだ) 一方でイランに対しては厳しい目が向けられている。合意事項では10年間凍結とあり、核兵器開発を永遠に断念させる内容ではない。米国が合意から脱退すると発表したことでイランが核兵器開発を目指すのか断念するかが見えにくくなっている。 開戦は選択肢に残ったままだが、いったん戦闘となれば壊滅的被害が発生すると承知する米政府があえてこの選択肢をとるとは思えない。歴史では戦闘で核兵器廃絶を目指した例は少ない。2002年に米国はサダム・フセインのイラクに核含む大量破壊兵器廃棄を求めたものの結局同国内に対象兵器はなかったと判明した。

そして豪潜水艦選定の決め手は国内産業維持に向けたフランス流の美辞麗句だった

なるほど選定の決め手は潜水艦そのものよりも弱体化を恐れるオーストラリア産業基盤の強化にあったわけですか。(オーストラリアではすでに自動車産業は全部撤退していると記憶)しかしこれは防衛上は禍根を残す決定になりそうですね。一方で、産業政策はお手の物だったはずの日本ですが、そうりゅう級売込みではフランスほど踏み込んだ構想を提示できなかったようですね。この事案から日本が何を学んだかが次回問われそうですね。 Australian government releases Naval Group submarine industry plan Naval Groupによる潜水艦産業構想を 豪政府が公表 オーストラリア政府が次世代潜水艦建造に関連した国内産業基盤整備構想を公表した。同国はショートフィン・バラクーダ級潜水艦12隻の建造を狙っている。Source: Naval Group Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Industry 13 May 2018 http://www.janes.com/article/80037/australian-government-releases-naval-group-submarine-industry-plan この記事のポイント フランス造船企業からオーストラリア国内に「オーストラリア主権のもとかつ長期にわたる」産業基盤を構築すると提案 事業案は技術移転、雇用創出、輸出、運用訓練を想定 オ ーストラリア政府がフランス造船企業Naval Groupが提出した次世代潜水艦12隻の王立オーストラリア海軍(RAN)向け建造計画案を公表した。 これまでは極秘扱いだったが、野党政治家レックス・パトリック上院議員に対抗する形で国防相マリーズ・ペインMarise Payneが5月10日に公表した。同議員は総額500億オーストラリアドル(380億米ドル)の同事業にもかかわらず政府が現地参画を強く求めていないと批判していた。 Naval Group(旧DCNS)が選定されたのは2016年のことでバラクーダ級攻撃型原子力潜水艦を通常動力に改造する構想だ。オーストラリア産業界向け構想(AIP)を発表したペイン国防相は今回発表の文書が出

これがフランスの新型原潜バラクーダ級だ

いまだにオーストラリアがまだ実艦が存在しないバラクーダ級改を採用した理由がわかりませんが、艦の大きさが決め手だったのでしょうか。よくわかりません。 France Is Building a New Nuclear Powered Submarine. Here Is What It Can Do.  フランスが建造中の新型原子力潜水艦の能力は? Zachary Keck May 12, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/france-building-new-nuclear-powered-submarine-here-what-it-25808?page=show フ ランスが攻撃型原子力潜水艦を追加発注した。 国防大臣フローレンス・パルリ が主催 した5月2日の大臣間投資会合を受けて、フランス政府はバラクーダ級原子力攻撃型潜水艦の5号艦発注を発表した。この前にフランス海軍参謀総長クリストフ・プラザック大将が議会で昨年10月に5号艦の発注が近づいていると発言していた。 さらに2019-2025年にかけての国防予算原案が2018年2月に発表され、その中でバラクーダ級6隻の建造予算の言及があった。艦名はシュフランSuffren、 デュゲイ=トルーアン Duguay-Trouin 、トゥールヴィル Tourville 、デュプティ=トゥアール Dupetit-Thouars 、デュケーヌ Duquesne 、ド・グラース De Grasse と決まっており、 一号艦のシュフランは2020年に海軍へ引き渡し予定だ。 パラクーダ級の建艦工程は1998年に始まったと国防関連データベースGlobal Securityが特記している。建艦に向けた設計作業はその四年後の2002年に始まり、2006年にフランス国防省が国営艦船建造企業DCN(その後DCNSに、さらに今日はNaval Groupへ社名変更)に79億ユーロ(93億ドル)で発注された。原子力関連部分はArevaが担当する。原子炉はフランス海軍の原子力空母シャルル・ドゴールの炉を原型とするが、フランスは高濃縮ウラニウムを使わず民生市場で核燃料を調達する。 バラクーダ級では原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN) ル