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F-15EXイーグルIIのテスト開発の最新状況。ネリスAFBで運用テストを展開。注目されるデジタル機体制御とEPAWS。

  第40飛行テスト飛行隊の F-15EXイーグルIIがネリス空軍基地で離陸準備に 入っている。 Oct. 20, 2021. (William R. Lewis/Air Force)     米 空軍がF-15EXイーグルII戦闘機による一週間にわたる運用テストを終了した。   空軍は10月18日から25日までの会期でネリス空軍基地(ネヴァダ州)でF-15EXの本格的テストを開始した。この二機が完成済みの唯一の機体でF-15C、F-15Eとテストに投入された。   テストパイロットのケビン・ハンド少佐によればテストではEXと従来型の性能の違い、とくにフライバイワイヤによるデジタル飛行制御を試している。   空軍はEXが搭載する電子戦装備イーグル・パッシブ/アクティブ警報機体生存システムEPAWSも試した。   「EPAWSは次世代の電子攻撃防御装備でEXとストライクイーグルで開発試用が進んでおり、近い将来に実用化される」とハンド少佐は解説している。「これにより高度の脅威対象や防御態勢でも機体を防御しながら妨害を行えるようになる」   空軍の運用テスト評価センター第六分遣隊がF-15EXの初期運用テスト評価を行っている。   対象の二機はテイルナンバー001は3月、002は4月にエグリン基地に到着していた。テスト評価センターでF-15を担当するケネス・ジュール中佐からはネリスの空対空、空対地訓練空域でテストを実施することで各装備の機能ぶりの評価に役立つ正確なデータが入手できると述べた。   パイロット部隊はテスト飛行に集中しているとジュール中佐は述べ、遭遇する事態の理解が必ずしも正しくないことがある。   「パイロットが機体が期待通りの機能を示していると理解してもその背後を深堀すると実際には計器などが違う状況を示していたということがよくある。計器関係の技術陣の助けを借りて実際に何が発生したのか解明することがよくある」(ジュール)   フィードバックを提供するのに加え、データを精査して潜在的な問題をつきとめ、解決策を絞り込むことがあるとジュールは説明してくれた。   ネリスでのテスト前に各機は開発テストを受け、性能諸元と安全性で確認を受けた。5月にはノーザンエッジ演習でアラスカに飛び、GPS、レーダー他のシステムが妨害を受けた環境でも作動するかを試した。   ネリス

バイデンも覆せなかったトランプの遺産F-15EX。イーグルIIは戦術機材の中でどう位置づけられるのか。最終生産規模が見えてこないが、ボーイングは今後も事業量を確保している。

  F-15EX rendering Boeing illustration   民 主党のジョー・バイデン大統領は就任にあたり、先任大統領の決定多数を覆すと誓っていたが、共和党のドナルド・トランプ大統領時代に始まったたF-15EX調達は全面的に進展している。   Tealグループ副社長のリチャード・アブラフィアは「トランプの置き土産がF-15調達の復活だ」と述べる。   イーグルIIの名称がついたEX型はC型の後継機種の位置づけだが最終調達規模はまだ見えてこない。   ボーイング は空軍から12億ドルでロット1契約の交付を昨年受けた。さらに期限機数を特定しない229億ドル契約もある。空軍はこの契約で最大200機調達に向かうとボーイングは解説している。   イーグルIIにはフライバイワイヤ機体制御、高性能コックピット装備、BAEシステムズ製AN/ALQ-250イーグルパッシブアクティブ警告生存装備を電子戦に備え搭載している。   特に兵装搭載量が大幅強化され、全長22フィート重量7千ポンドの極超音速ミサイルも運用可能となった。ボーイングは高度50千フィートでマッハ2飛行可能とする。   同機はペンタゴンがめざすDevSecOps構想の先駆けとなる。これはソフトウェアのアジャイル開発を目指し、オープンミッションシステム想定の機体構成とデジタルエンジニアリングがあいまって従来より迅速かつ平易に性能改修が実現できたとボーイングは説明している。   空軍は同機にスカイボーグ事業で開発する無人ウィングマンをつける予定だ。「スカイボーグ担当部門とは毎週ミーティングを行っており、こちらには短期での実証実現を求めてきた」「有人無人機のチームとしてF-15EXがまずこれを実現する」とボーイングは説明。     トランプ政権が同機の調達を求めたのは2020年度からである。空軍上層部には第五世代機調達に集中したいとの意向があったが、その後イーグルII調達を求める意見に変わった。   議会は2020年度8機、2021年度12機の調達予算を承認した。バイデン政権の2022年度予算では12機を上乗せするとある。   ボーイングは政権交代があったが同機調達の方向に変化がなかったことに驚く様子がない。   「最初はトランプの事業だとしていたが、政争とは無関係にあくまでも要求性能の実現をめざしDoD

米空軍の22年度予算要求で、F-35追加調達希望がゼロに。かわってF-15EXは追加調達。これまでの流れと一変していることに注目。

      F-15EXがフロリダ州のエグリン空軍基地で地上誘導を受けている。March 11, 2021. (Samuel King Jr./U.S. Air Force)   米 空軍がまとめた2022年度調達で予算復活希望の装備品リストは総額42億ドルで、うち14億ドルが ボーイング F-15EXの追加調達12機にあてられ、老朽化したF-15C/D機材の穴埋めを期待している。   F-15EX調達予算が増額され、一体型燃料タンク24基の導入も含まれており、空軍の装備品リストで最上段に乗った。空軍はリストを議会に6月1日送付し、Defense Newsが入手した。   とはいえ、最大の驚きはF-35共用打撃戦闘機の追加調達希望が皆無なことだ。   予算手当てが必要な優先調達リストが各軍から議会に送られると、議員はリストを参照し予算修正を行う。とくに高額な艦艇や航空機が対象となることが多い。   これまで空軍は ロッキード・マーティン F-35の調達を優先し、追加調達を模索してきた。しかし、FY22ではこの動きはなく、2020年代中ごろのブロック4改修を待つことを空軍関係者はほのめかしている。   逆に空軍作成リストではF-35の運用維持に360百万ドルを計上している。そのうち175百万ドルはF135エンジンのパワーモジュール20基用で、「機体稼働率を下げている」状況の改善を狙うもの、と空軍は正当性を主張している。   空軍はFY22で200機あまりの機材退役を想定しており、A-10ウォートホグ42機、F-16C/D47機、F-15C/D48機があることから、F-15EX調達を議会がさらに上乗せする可能性がある。   FY22予算で空軍が要求するF-15EXは12機、F-35は48機。   優先リストでつぎに大きい動きは825百万ドルを兵装システム維持や予備部品調達に充てて機材の運行を維持しようとするものだ。   具体的には37百万ドルで、特殊燃料の調達を含めたU-2の運行維持、U-2とT-38練習機の整備保守、ミッション立案セルの契約を延長する。さらに37百万ドルでEC-37コンパスコール用予備エンジン5基を生産終了前に確保する。EC-37はEC-130Hコンパスコール電子戦機材の後継機種だ。   リストでは377百万ドルで指揮統制用装備の強化をめざし、三次元現

F-15EXをアラスカのノーザンエッジ演習に投入したところ、判明した事実----ステルス性能の欠如は最初から分かっている.....F-15EXならではの性能をどこに見つけるのか

  米 空軍は新規生産のF-15EXイーグルIIの受領を今年3月から始めており、アラスカで今月行われた大規模演習に早速投入した。引き渡し済みF-15EXは二機のみで、両機とも演習に参加した。 演習にはノーザンエッジ21の名称がつき、F-15EX各機がF-15Cに加わり、またF-22ラプターやF-35共用打撃戦闘機も投入されたほか、F-15Eストライクイーグルとも飛んだ。F-15EXは同規模同水準のアグレッサー部隊と交戦した。 ノーザンエッジ21演習でアラスカのエルメンドーフ共用基地に集まった第53航空団、第96試験航空団の F-15、ストライクイーグル (U.S. Air Force photo) 第53飛行団のライアン・メッサー大佐は「ノーザンエッジは運用能力を試す重要な機会となった。超大国間の戦闘を想定し、複雑な条件で相互運用能力を運用してテストデータを提供する数少ない機会となった」と述べた。 最新の第四世代機となったF-15EXの実際の性能は空軍から公表されていないが、4月から5月にかけ展開した同演習でF-15EXは敵機を撃墜しつつ、シミュレーションながら撃墜もされたことを認めている。 狙いはF-15EXに空対空交戦を制圧する能力があり、中国を想定した互角の相手側との戦闘に投入できるかを見ることではなかった。つまり、新型F-15の役割は敵の第四世代機だけでなく、ステルス機も相手にすることにあるようだ。 第84試験評価飛行隊のジョン・オリア中佐は「大規模演習で自軍に被害がなければ、敵の脅威に対応できる学習効果が生まれる」と語る。 オリア中佐はF-15EXが撃墜された今回の演習の状況に関し詳細は語っていないが、新型第四世代機で対応できない脅威についてわずかながら輪郭がうかがえる。イーグルIIは相当の長距離からの攻撃で被害を受けたようだ。この原因としてステルス性能の欠如があり、容易な標的になったのだろう。その通りなら、F-15EXだけが脆弱なわけではない。 「このような環境では青軍の『被撃墜』はほとんどが視界外からの攻撃によるものとなる」(オリア中佐) F-15EX (U.S Air Force photo by 1st Lt Savanah Bray) ステルス性の欠如のためF-15EXは視程外から攻撃を受けやすく、レーダー探知されミサイルを先に発射された。ミサイ

F-15EXは「兵装大量搭載トラック」となり、新型超長距離AAMも搭載可能となる。中国、ロシアが開発中の長距離AAMへの対抗を急ぐ。

THE WAR ZONE U.S. AIR FORCE / U.S. DEPARTMENT OF DEFENSE VIA FLIGHTGLOBAL.COM   米 空軍の新型長距離空対空ミサイル搭載に F-15EXイーグルII戦闘機が最有力候補になった。米軍の空対空ミサイルとして長距離交戦兵器 Long Range Engagement Weapon ,   LREWが数年前に登場したものの(少なくとも一般の目から)姿を消して以来の新型だ。 新型ミサイルの詳細を初めて伝えたのは Air Force Magazine で、空軍から2022年度予算要求用の内部資料を入手した。空軍は400機もの旧型機を退役させ、300機近くの新型機を導入しようとしており、次世代制空機材(NGAD)のほか、F-16後継機の「完全新型」多用途戦闘機(MR-X)が登場する。 U.S. AIR FORCE F-35A がAIM-120 AMRAAM をメキシコ湾上空で試射した。空軍はさらなる長距離ミサイルを話題にしている 。   興味深いことに同資料では無人の「大型...空対空兵器をF-15EXに搭載可能」とあり、イーグルIIを「大型兵装トラック」と評している。これまでF-15EXで運用する最大の空対空兵器としては標準型AIM-120高性能中距離空対空ミサイルAMRAAMがあった。空軍は同ミサイルの性能を引き上げてきたが、明らかに開発の余地がなくなりつつある。 F-15EXの兵装搭載量の大きさはかねてから知られているが、極超音速ミサイル含む空対地兵装の想定だった。AGM-183A空中発射迅速反応兵器ARRWがF-15EX搭載になるといわれている。 U.S. AIR FORCE AGM-183A ARRW のテスト用がB-52H爆撃機にに搭載された。F-15EXでもこれを搭載する案がある。   そこで、F-15EXに新たな兵装が搭載され、地上のみならず空中の敵を撃破することになる。いずれの場合でもF-15EXが飛ぶ空域は制空権確保が困難ではない、あるいは敵の接近阻止領域拒否の圏外となるはずだ。 ここで興味を引くのは空軍が海軍と共同で新型AAM開発にすでに着手していることが判明しており、AIM-120AMRAAMを超える射程を実現するのがAIM-260はAMRAAMと同程度の寸法になるといわれてき