F-15EXがフロリダ州のエグリン空軍基地で地上誘導を受けている。March 11, 2021. (Samuel King Jr./U.S. Air Force)
米空軍がまとめた2022年度調達で予算復活希望の装備品リストは総額42億ドルで、うち14億ドルがボーイングF-15EXの追加調達12機にあてられ、老朽化したF-15C/D機材の穴埋めを期待している。
F-15EX調達予算が増額され、一体型燃料タンク24基の導入も含まれており、空軍の装備品リストで最上段に乗った。空軍はリストを議会に6月1日送付し、Defense Newsが入手した。
とはいえ、最大の驚きはF-35共用打撃戦闘機の追加調達希望が皆無なことだ。
予算手当てが必要な優先調達リストが各軍から議会に送られると、議員はリストを参照し予算修正を行う。とくに高額な艦艇や航空機が対象となることが多い。
これまで空軍はロッキード・マーティンF-35の調達を優先し、追加調達を模索してきた。しかし、FY22ではこの動きはなく、2020年代中ごろのブロック4改修を待つことを空軍関係者はほのめかしている。
逆に空軍作成リストではF-35の運用維持に360百万ドルを計上している。そのうち175百万ドルはF135エンジンのパワーモジュール20基用で、「機体稼働率を下げている」状況の改善を狙うもの、と空軍は正当性を主張している。
空軍はFY22で200機あまりの機材退役を想定しており、A-10ウォートホグ42機、F-16C/D47機、F-15C/D48機があることから、F-15EX調達を議会がさらに上乗せする可能性がある。
FY22予算で空軍が要求するF-15EXは12機、F-35は48機。
優先リストでつぎに大きい動きは825百万ドルを兵装システム維持や予備部品調達に充てて機材の運行を維持しようとするものだ。
具体的には37百万ドルで、特殊燃料の調達を含めたU-2の運行維持、U-2とT-38練習機の整備保守、ミッション立案セルの契約を延長する。さらに37百万ドルでEC-37コンパスコール用予備エンジン5基を生産終了前に確保する。EC-37はEC-130Hコンパスコール電子戦機材の後継機種だ。
リストでは377百万ドルで指揮統制用装備の強化をめざし、三次元現地展開長距離レーダーThree Dimensional Expeditionary Long-Range Radar事業を加速化させつつ、戦場空中通信中継Battlefield Airborne Communications Node 機材の調達、運用、維持を強化する。
リストには適応型エンジン開発に57百万ドルが計上され、ジェネラルエレクトリック、プラット&ホイットニーの両社が試作エンジンを完成させる。
希望リストにはインフラ関係に10億ドルをあて、うち736百万ドルで基地等の構築を進める。■
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US Air Force wish list includes more F-15EX jets but no F-35s The Air
By: Valerie Insinna
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