日本周辺には数千年の歴史があると豪語するとても民主的とは言えない国家がありますが、そうした「古い」国が軽蔑する「歴史が浅い」米国が今や最古の民主国家であり、その民主主義を支えてきたのが米陸軍であることは事実です。
共同演習イーガーライオン’19で第4師団第29野砲連隊がM109A6パラディンをヨルダンで発射した。イーガーライオンは多国間訓練で毎年開催されており、各国の戦力強化とならび知見の交換が目的だ。 (U.S. Army photo by Spc. Angel Ruszkiewicz)
第二回大陸会議が決議をとった1775年6月14日当時、これで陸上部隊の基礎が生まれたとの認識はなかった。だがその米陸軍は設立246年を迎えた。
会議参加者は「直ちに熟達した小銃中隊6個をペンシルヴェニアに、2個をヴァージニアに発足させる」との決議を採択した。各隊は「隊長、尉官3名、軍曹4名、伍長4名、太鼓手あるいはラッパ兵1名、兵卒68名で構成すべし」とした。
「各中隊はボストン近郊の部隊に合流し、軽歩兵として軍司令官の命令に従うものとする」
現在の中隊は大尉の指揮下で80名から150名規模となっている。
発足したばかりの国家に独立戦争が同年4月19日にレキシントン、コンコードで勃発し、危険な事態が生まれ、6月に陸上部隊が発足し、ニューハンプシャー、コネティカット、マサチューセッツ、ロードアイランドで民兵がボストンの英部隊を封鎖していたが、ニューイングランドには兵員、補給物資が必要だった。大陸会議は小規模部隊をボストンに送った。
この6個中隊が大陸軍の基礎となり、ここから米陸軍が生まれた。大陸会議は翌日、ジョージ・ワシントンを陸軍司令官に任命し、のちの初代大統領になった。
246年にわたり米陸軍は米国史で重要な役割を担ってきた。陸軍の任務は戦闘を勝ち抜き国を防衛することにある。
陸軍が本格的戦役にあたると、陸軍旗にはストリーマーと呼ぶ細いリボンが都度追加される。今日の陸軍旗にはストリーマー190本がつく。ここには1944年6月のノーマンディ戦から1900年に居住民救援に駆け付けた北京の戦いも含む。
ストリーマーは一切れの布にすぎないが、陸軍従軍者には計り知れない意味がある。ストリーマーは献身、犠牲、勇気の象徴だ。
国民多数が陸軍で犠牲となり勇気を示した。ジョージ・ワシントン以外に独立戦争では「モリー・ピッチャー」の別名で知られるメアリー・ヘイズがいたいし、第一次大戦ではアルヴィン・ヨーク、第二次大戦ではオーディ・マーフィーがいた。
このうち、モリー・ピッチャーは前線に水を運び、夫のいる部隊を助けた。ヨークはヨーク軍曹として知られ、35門のドイツ機関銃陣地を襲い、25名を排除し132名を捕虜にした。
マーフィーは19歳で立った一時間でフランス戦線のドイツ軍中隊をまるまる捕獲したが、弾薬の尽きた状態で敵の反攻を受けた。
その他数えきれない数の男女が各戦役に加わった。中には功績が認められるまで時間がかかったものもいる。第二次大戦でヴァーノン・ベイカー中尉はイタリア戦線で戦ったが、名誉勲章の授与は1997年になった。黒人部隊にいたためだろう。
ベイカーは部隊の前進を阻んだ敵機関銃陣地を撃破したあと、敵観測所を襲撃した。その後、自らを盾に負傷兵を敵銃火から退避させた。
陸軍は平時にも任務を果たしている。直近ではCOVID-19でのワクチン接種の実施、ワクチン開発を民間共同で進めたワープスピード作戦、入院施設を追加構築し、テスト施設を運営した。
陸軍特に州軍は自然災害発生時に出動し、2005年のハリケーン・カトリーナ後の救難活動に従事した。
陸軍は簡明かつ短い下令で知られる。カトリーナの際には現場指揮官ラッセル・ホノレ中将は第82空挺師団指揮官に「貴官の任務は空港の修復でありニューオーリンズの修復である」と述べていた。この伝統で陸軍はこれまでも任務を達成してきた。
陸軍は社会発展でも貢献してきた。1948年7月26日にハリー・S・トルーマン大統領は軍内部の人種差別禁止を命じる大統領令に署名し、米国民の社会進出と機会創出を促進した。
1944年の復員兵援護法により大学で学び、住宅取得できたものは数百万人に上った。軍役を終えた市民は従軍経験がないものよりも社会活動への参加率が高い傾向がある。
米陸軍なしの米国は想像がつかない。246年にわたり、アメリカ国民が享受する自由の防護、防衛で中心の役割を演じてきた。兵士を見かけたら、彼、彼女に誕生日のお祝いを伝えてもらいたい。■
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Happy Birthday, U.S. Army (Still Unstoppable at 246 Years Old)
Thomas W. Spoehr, a retired Army lieutenant general, is director of the Center for National Defense at The Heritage Foundation.
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