中国軍装甲兵員輸送車がロシアで行われた国際陸軍競技会に登場した。
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台湾をめぐる緊張はここにきて高まりを見せており、米関係者は中国の何らかの動きに警戒を強めている。
警戒対象に中国による直接侵攻があり、中国の軍事行動は活発になっている
だが台湾、米国は侵攻以外の事態も警戒している。中国が台湾を海上封鎖する事態だ。
台湾海峡の地政学的緊張度は現時点で世界最高レベルといってよい。
昨年から自治体制を維持する台湾へ中国は非難を強めてきた。中国は台湾を地方反逆勢力とみなしている。
中国軍の実弾演習はいずれも台湾を想定しており、中国軍は海峡中間線を超え台湾防空識別圏への侵入回数で記録更新している。
米国は台湾海峡に艦船を通過させる作戦を1月のジョー・バイデン大統領就任後に少なくとも5回実施しており、都度中国が抗議している。日本は米国と並び台湾への支援を表明し、オーストラリアも侵攻が実現した場合の支援策を検討中と伝えられる。
いずれも中国軍の侵攻作戦が発生した場合に軍がどう備え、阻止するか、どう対応するかに焦点をあてている。一方で重要な脅威への関心が欠けている。台湾を封鎖する作戦だ。
統合封鎖作戦とは
中国本土のアモイから3マイル足らず先に台湾の金門島がある。
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台湾侵攻作戦がどんな形になるのか見えてこないが、実行されれば極めて厳しくかつ多大な犠牲を伴う事態が攻守双方に発生するのはほぼ確実だろう。また中国に侵攻作戦を実施する能力があるのかについて議論がある。
昨年の台湾国防部の結論では中国は全面侵攻を実施する能力はまだないとある。ペンタゴンの中国軍事力レポート最新版では侵攻作戦は「中国軍事力に相当の負担」を生み、「重大な政治軍事リスク」が中国に生まれるとある。
だが中国が台湾封鎖を実施する能力を有することを認めている点で共通する。封鎖作戦はペンタゴンが「統合封鎖作戦」と呼び、台湾の海空通商路および海軍活動のみならず情報ネットワークも遮断する想定だ。
「封鎖により上陸作戦を回避し、広範囲の侵攻作戦が実現する」と東アジア担当情報官を務めたロニー・ヘンリーは2月に米中経済安全保障検討委員会で述べている。
統合封鎖作戦では「大規模ミサイル攻撃さらに台湾から遠方の島しょ部分の占拠もありうる」とし、ペンタゴンは南シナ海のプラタス諸島等を想定している。
住民が暮らす金門島、馬祖島の侵攻も中国軍は実行可能とペンタゴンは見ている。
封鎖作戦の厳しい影響
封鎖の結果は悲惨なものとなる。台湾がいつまでもつか誰も予測できない。
有事になれば台湾の重要資源がどれだけの期間で使い尽くされるかの検討作業はなく、救援部隊がいつ到着するかの検討もないとヘンリーは述べている。ヘンリーは国防情報部で中国アナリストの経験がある。
「封鎖下の台湾を維持すべく、どんな物資がどれだけ必要か、また台湾国内の食料飲料水補給物資その他の生産が有事にどれだけ確保できるかの評価作業結果はありません」とヘンリーは同委員会で述べていた。
外界から遮断された台湾は軍事、民生ともに急速な資源不足に直面するだろう。
だが封鎖の突破は相当困難となる。中国の海軍力は世界最大規模となっており、艦艇は新鋭艦が多く装備は近代化されているとペンタゴンは評価している。
中国海軍、空軍の航空戦力は域内で最大規模で、戦闘機爆撃機攻撃機が850貴も東部南部戦区に配備されている。ペンタゴンは「中国空軍力は急速に西側に追い付きつつある」と見る。
水上艦艇、航空機に加え中国は潜水艦60隻を展開する能力があり、ペンタゴンは台湾が完全に対空対艦ミサイルの射程に入ると想定している。
中国はフォークランド戦などこれまでの戦役を詳しく調査しており、海上補給活動が極めて困難になることがわかっている。
全面的な上陸作戦を撃退できても封鎖の恐れは残る。
「上陸作戦で多大な損耗が発生し、空海の装備を喪失しても中国は封鎖作戦を継続できる。米軍が救援物資を届けることができても量はごくわずかだろう」(ヘンリー)
台湾の備えは
200ミリ自走砲が台湾南部の演習で実弾発射を行った。May 30, 2019.
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侵攻作戦なしでの封鎖は可能性が低いとはいえ、封鎖だけとなったシナリオに世界がどう反応するかは定かではない。
台湾と米国の相互防衛条約は機能停止中だが、台湾の離島部分は対象に入っておらず、周辺部が侵攻あるいは封鎖された場合、台湾への支援が行われるか不明だ。
専門家は台湾と米国は中国に相当の犠牲を与えるシナリオを作る必要があるとみている。たとえば装備近代化や非公式なものも含め同盟各国の準備態勢を進めることがあり、整備には数年かかるものがあるが、比較的早く開始できる内容もある。
「中国による侵攻を遅らせる最善の策は台湾の準備態勢を強化することで中実施した場合の危険度を中国なかんずく習近平に認識させることだ」とProject 2049を主宰するイアン・イーストンが本誌に語った。
中国山東省での中ロ合同演習で中国の揚陸作戦用戦車部隊が上陸作戦を展開した。 August 24, 2005. China Photos/Getty Images
台湾にとって当面の優先事項はあらゆる物資の備蓄で、食料、飲料水、軍事装備品すべてだ。特に重要なのがミサイル部隊だ。米製ミサイルは台湾製装備品で不可能な部分を補う効果を生む。
次に重要なのが予備部隊を十分な規模かつ高い能力のまま維持することだ。紙の上では台湾に予備役2百万名があるが、うち有効なのは770千名といわれ、しかも訓練は二年おき5-7週間に過ぎない。
台湾は2024年までに訓練期間を延ばす予定で、試行もはじめている。
「この効果は大きい。大規模かつ練度が高く、動員可能な予備部隊が生まれる」とイーストンは評価。「有事の際に台湾に優位性が生まれるが、現時点では存在していない」
米側の準備はいかにあるべきか
台湾に最も親密な米国が準備態勢の整備、抑止力の実現で手助けが可能だ。
米軍事チームや高官が台湾を訪れることがたびたびあるが、最高位の軍事専門家が訪台したことはない。域内米軍部隊の司令官として有事に重要決定を下せる人材だ。
「有事に米大統領に電話し、状況を説明でき、大統領に正しい理解を導くタイプの人材が台湾を一度も訪問せず、台湾の現状を理解していなくてつとまるのか」とイーストンは説明。
タミー・ダックワース、ダン・サリバン、クリス・クーンズの上院議員三名が台北松山空港に到着した。June 6, 2021. Central News Agency/Pool via REUTERS
米国は高官を台湾へ送り、現実をよりよく理解させ、支援の意図を明確に伝えるべきだ。台湾を大規模演習に加えるのもよい。リムパック演習も選択肢のひとつだ。
軍事支援顧問団を台湾で再整備する選択肢もある。軍事顧問が訓練と連絡役を兼ね、米台の軍事的つながりを確実にできる。
とはいえこうした動きにはリスクも生まれる。中国は米国の台湾向けの動きに毎回のように抗議の声を上げている。北京から見ればいわゆる一つの中国方針の違反と映るからで、ワシントンは北京を正式承認しつつ、台北との密接な関係の維持のバランスをうまくとる必要があるのだ。
中国による侵攻に台湾をよりよく準備させれば北京の逆鱗にふれ、米国が「戦略的あいまいさ」を放棄し、台湾防衛に真剣になっていること理解されかねない。米関係者は北京は行動に移らざるを得なくなる事態を危惧している。■
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Taiwan and the US Also Face Risk of China Blockading Taiwan
An invasion isn't the only threat from China that Taiwan and the US have to worry about
Benjamin Brimelow
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