ここがポイント:韓国が原子力潜水艦を運用しても北朝鮮の核・非核戦力を阻止できない。
もし隣国が北朝鮮なら強力な陸軍、空軍に強力な兵装を搭載し、ミサイル防衛の整備も必要になる。
原子力潜水艦で外洋を航行させても無用だ。敵は首都から30マイル先に布陣しているのだ。
にもかかわらず、南朝鮮は原子力潜水艦導入を真剣に検討している。南朝鮮海軍は検討チームで原子力潜水艦開発を研究しているのを認めている。
「長期的に原子力潜水艦導入を捉え、専用チームを立ち上げている」と海軍当局は議会で答弁したと聯合通信が伝えている。
現時点でプロジェクトは構想段階のようだ。「専用チームがあるからといってすぐにでも導入を目指しているわけではない。何も決定されているわけではない」「主に情報収集だ」と海軍関係者が述べている。
原子力潜水艦取得が話題に上るのは今回が初めてではない。2003年に南朝鮮はメディアにこの件が漏れて、検討を棚上げした。「その後2017年に国防部が民間機関を通じて研究をし、軍は改めて導入の必要を意識した」と聯合通信にある。
南朝鮮は通常型潜水艦建造計画を進めている。2018年にKSS-III級潜水艦(3,700トン)の一号艦が進水し、同級は9隻建造し、巡航ミサイルや弾道ミサイルを搭載する。「軍は3,000トンの張保皐Chang Bo Go-III級を原子力推進化する案を推すとの見方がある」と聯合通信は伝え、「2031年までに同級の国産建造を始めるべくプロジェクトが立ち上がっておrい、早ければ今年にもシステム開発が始まる」
だが疑問は残ったままだ。南朝鮮に原子力潜水艦が必要な理由とは何なのか。国の威厳が一つの答えだ。だが米オハイオ級は19千トンの大きさで建造費維持費も高額にもかかわらず、KSS-IIIのような大気非依存型艦よりノイズが大きいのが事実だ。
南朝鮮が対処すべき脅威は北朝鮮の核兵器だろう。弾道ミサイル、さらに大量の戦車部隊や特殊部隊が控え、さらにソウルを「火の海」に一変させる長距離砲やロケットが隠されている。原子力潜水艦ではこのいずれも阻止不可能だ。たとえ弾道ミサイルを搭載したとしても。
だが、南朝鮮は原子力潜水艦が抑止力を生むと考えている節がある。原潜は海洋奥深くに長期間潜み、北朝鮮がDMZを突破し侵攻してくれば、潜水艦からミサイルを発射し報復攻撃を加える。おそらくもっと重要なのは、米国に依存せず南朝鮮が独自に運用することだろう。
だがこの用途で原子力潜水艦が必要になる理由とは何か。イスラエルの通常型ドルフィン級潜水艦は核搭載巡航ミサイルを搭載しているといわれる。紅海から東地中海に展開すればイランも攻撃範囲に入る。南朝鮮海軍でも通常型潜水艦で日本海からピョンヤン攻撃は可能だ。
そうなると最終的な疑問はこれだ。北朝鮮を米韓の強力な軍事力で食い止められないのであれば、米国の核兵器体系でも抑止できないのなら、南朝鮮の原子力潜水艦一隻で抑止効果が期待できるはずがないのではないか。
北朝鮮は南の最大の敵ながら、潜在的な敵はこれ以外にもある。日本と南朝鮮の緊張はここにきて高まっており、日本の哨戒機と南朝鮮海軍の駆逐艦で発生した事件もあった。南朝鮮潜水艦の弾道ミサイルは日本に照準を合わせるのではないか。あるいは日本経済を圧迫すべく通商路を襲撃するのかもしれない。
両国間の軍事衝突が発生するとは思えないが、ミサイル搭載の南朝鮮原子力潜水艦が実現すれば、北朝鮮より日本にとって不愉快な装備になりそうだ。■
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Does South Korea Really Need Nuclear Submarines?
June 10, 2021 Topic: Submarines Region: Asia Blog Brand: The Reboot Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldNuclear Submarines
by Michael Peck
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.
This article first appeared in October 2019.
Image: U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Shaun Griffin
韓国の原子力潜水艦を欲しがる行為は、日本にとって決して不利益でないかもしれない。原子力潜水艦を製造するには、最低でも5000億円前後の巨額な費用が必要となるだろう。これだけの費用をかけると、無理して軍事費を増大している韓国の他の装備がおろそかになるのは間違いないだろう。
返信削除原子力潜水艦が、全て目標通り作られたとしても、米原潜より性能は低く、海自の対処は、そのために力を割くことになるにしても、それほど難しくないだろう。
記事のように、韓国は、主敵の想定を間違え、日本の軍備に対抗して追いつき、追い越すことを目標にしている。しかも韓国の軍事戦略は、自国の置かれている状況を見ず、国家的精神的自慰行為に基づく。これは慰安婦や徴用工等の、韓国だけが踊る問題の延長線上にある。この危険な状況の行き着く先は、北朝鮮の侵攻を招くことになるだろう。
不思議なことに、韓国は、北朝鮮に独力で対抗できると考えず、また、北朝鮮が侵攻しないと考えているようだ。北朝鮮の侵攻時、日米が救援するかの確証が薄れつつあることを韓国自身が認識しないことは、朝鮮戦争の悲劇的過程を再度迎えることになる可能性が高いと言うことだろう。
ところで、記事の「日本の哨戒機と南朝鮮海軍の駆逐艦で発生した事件」の真相は、韓国の北朝鮮への資金受渡しの現場をP-1が目撃したと思われる。この資金は、米北会談の見返りに文が金に約束した金である。韓国海軍等と北朝鮮のスパイ船の会合がお見通しであったと言うことであり、P-1は、低空飛行して会合地点にいきなり現れたのだろう。