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コロナウィルスは自然発生ではない。武漢研究所起源説が証明されて困るのはだれか。バイデンも結局トランプ路線を進まざるを得ず、やはりトランプの主張が真実だったのか。

  

 

日本人はともすれば戦争でさえ、自然災害の変種ととらえる傾向がありますが、中国が関与した生物兵器の漏出あるいは意図的な拡散であれば、これはもう第三次世界大戦です。発生が発覚した2019年が開戦年であり、同時にPRCの終焉の始まりだったのかもしれません。わが国にも議論を封じている勢力がありますが、これから夜も眠れなくなる日が来るのが楽しみです。WHOは廃止になるかもしれません。



COVID-19 Cells

COVID-19 Cells. Image: Creative Commons.

 

 

ロナウィルスをめぐり科学研究界、政治指導層さらに主流メディアが起源を問う議論を封じてきたが、その努力が失敗に向かいつつある。

 

わずか数週間前までは武漢ウイルス研究所がウイルスの起源と主張すれば根拠のない陰謀説と一蹴されたものだ。トランプ大統領がこの説を繰り返したが、人種差別だと非難の対象となった。「実験室漏出」仮説を真剣に取り上げていたメディアはFox News、National ReviewAmerican Conservativeとごく少数で、それぞれ批判、非難され、黙殺されてきた。トランプ政権も同様の扱いを受けた。フェイスブックはじめソーシャルメディアで実験室起源説はすべて「偽情報」扱いで投稿できない扱いとなった。「集団思考」でおどろくほど頭が麻痺した好例だ。

 

だが、証拠が次々と出ており、ウィルスが自然発生と言えなくなってきた。疾病管理センターはじめ複数筋からウイルスが人為的に生まれた可能性は否定できないと従来の見解を変える発言が出ている。決定打となったのは五月末にバイデン政権がコロナウィルス起源を探る総合的調査を命じたことで、同政権の姿勢を180度変更した。同政権はトランプ政権が始めた調査活動を中止させていた。

 

こうした進展が米国の中華人民共和国(PRC)政策を大きく変化してしまった可能性がある。実験室仮説が真実だと判明すれば、反中タカ派は当然ながら米国は報復すべきと主張するだろう。危機状況の初期から保守派メディアは中国政府の透明性の欠如がパンデミックを起こしたと批判していた。

 

コロナウイルスは中国が世界にまき散らした生物兵器と主張する右派もあらわれた。そこまで過激にならなくても、責任がPRCにあるとの主張で武漢研究所の封じ込め体制の緩さに批判が集まっていた。マイク・ポンペイオ国務長官は2020年5月に「コロナウィルスが武漢の研究施設から始まった証拠は多数ある」と述べていた。

 

米国内の対中世論はコヴィッド流行が始まったことで大きく悪化し、同時に香港の民主運動弾圧を見て、今や敵意さえ示している。そこに武漢研究所が今回の出発点だとの証拠が出れば、さらに悪い状況になるのは必至だ。実際に今回の流行は偶発的に発生したのではなく、意図をもって米国他西側諸国を生物兵器で攻撃したとの疑惑が見え隠れしている。

 

そうなるとバイデン政権は中国へ強硬姿勢を示せとの圧力を受けることになる。中国へ宥和的姿勢を示し、協力関係を回復することでトランプ政権時との違いを示すはずだったのに、ますます「小型トランプ」の様相を示してきた。台湾、南シナ海、貿易と各問題でバイデン政権の対中姿勢は厳しさを増している。今回の大流行が中国の実験施設から始まったものと考えることでホワイトハウスはさらに強硬かつ対決に向かう政策を取らざるを得なくなる。このため米中関係の緊張は極めて危険な水準に入りかねない。

 

議会内のバイデンに近い勢力や主流メディアは一転して厳しい批判に直面しそうだ。議論をもみ消し、さらにコビッド大量流行でPRC政府に責任はないと主張してきたのが実はとんでもない誤算だったとどんでん返しになる。批判勢力はトランプ政権にただ反対するだけだった大統領選挙戦そのものに誤りがあったと指摘してくるだろう。トランプは中国政府との財政的つながりなど極悪非道な動機があったと指摘していた。このままだと新しいマッカーシズムさえ登場しそうだ。

 

米中関係にどんな影響が出ようと、今回のパンデミック起源の完全かつ客観的な調査が不可欠だ。今回の事件は科学界とあわせニュース報道に痛い教訓となる。イデオロギーや政局判断をもとに結論を急ぎすぎると、困った事態、破滅的な結果がその後生まれる。今回のような動きは決して繰り返してはいけない。■

 


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What Happens if the Coronavirus Wuhan Lab Leak Thesis Is True?

ByTed Galen Carpenter

 

Ted Galen Carpenter, a senior fellow in defense and foreign policy studies at the Cato Institute, is the author of 12 books and more than 900 articles on international affairs.

 


コメント

  1. ぼたんのちから2021年6月5日 13:33

    問題は、武漢肺炎ウイルスが武漢ウイルス研究所(WIV)起源のものであることは当然として、これから何が起こるかでなく、今何が起こっているかでなかろうか。
    ウイルスWIV起源のトランプの主張に対し、一斉に否定し、非難を浴びせていた、いわゆる「リベラル」で、ディープステートの強い影響下にある主要メディアが、宗旨替えをしたかのようにWIV起源を主張するようになった。このような報道は米国の反中姿勢を高め、新たな制裁を求めることになる。
    ディープステートは、主要メディア、GAFA等を総動員して反トランプキャンペーンを行い、選挙不正まで行ってトランプを落選させ、中国ビジネスの利益を守ろうとしていたにも関わらずだ。
    結局のところ、米国は、増長した中国の抑え込みを徹底し、習一派を見限る方針に転換したのではなかろうか。ウイルスの中国起源の報道は、習への責任追及となる。
    バイデンは、トランプが行った対中経済制裁の多くを維持し、さらに厳しい金融制裁まで行うことになるだろう。そうなれば中国へのドルの流れは滞り、外貨負債の多い中国企業は行き詰まり、デフォルトが起き、中国経済は停滞し、瀕死の状態になりかねない。
    そうなれば中国ビジネスでCCPが裏書きした利益を上げてきた米国の親中金融エリートは、多額の損失を被ることになるかもしれない。これはトランプの言う、親中グローバリストからなるディープステートの崩壊に繋がるかもしれない。いや、むしろディープステート内の方針転換による暗闘であるかもしれず、親中派が駆逐され、新たな構造を模索する動きになるだろう。
    バイデンは、ウイルスのWIV起源の確証を、それがあったとしても差し当たり公表せず、疑いのまま中国を継続的に脅す方を選ぶだろう。もし、公表すれば、中国の責任と賠償を求めざるを得なくなり、中国はウイルスのWIV起源を頑なに否定するものの、重過ぎる負担となり、国内対策として冒険的な姿勢を強め、戦争危機になりかねない。米国は、この状況を避けると思われる。
    しかし、米国の歴史を見れば、近代の対外戦争の多くが民主党政権下で開始されており、バイデンもまた戦争のハードルが低いかもしれず、米軍の先制攻撃もあるかもしれない。

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