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主張: ISIS打倒戦略を考える

対ISIS戦役は予想よりも長くなる、シリア空爆と簡単に言うが、防空システムが一応作動している同国はイラクとは大違い、ISISのねらいをよく見据えることが必要との主張ですね。戦術と戦略を混同しないように注意が必要ですし、予算が厳しい中で米軍も大変なことになるかもしれませんね。 Opinion: Searching for a Strategy to Defeat ISIS By: Cmdr. Daniel Dolan, USN (Retired) Published: September 8, 2014 3:21 PM Updated: September 8, 2014 3:21 PM イラク・シリア・イスラム国(ISISIまたはISIL)関連のニュースは急速に展開しており、前週の報道は過去の歴史のように聞こえるほどだ。先週は世界各地でISIS打倒の戦いに踏みきれば合衆国はバシャー・アル・アサド政権のシリア支援につながると報道していた。 ただし専門家の誰も口にしていないことがある。短期的にはその通りなのだが、ISISを打倒できれば西側支援対象となる穏当な自由シリア軍がアサド政権に対抗する余地ができる。アサドの政府軍も凶悪とはいえ、他のアラブ国家を打倒する動きはとっておらず、ましてや合衆国や西側同盟国を攻撃する構えもない。端的に言えばISISが合衆国の権益に対抗する最大の脅威勢力であることは間違いない。 カール・フォン・クラウゼヴィッツの戦争論では「敵のうち一つを打倒すればすべての敵を打ち負かすことになるので、戦闘ではこの一つの敵の打倒を大目的とすべきである。この敵への攻撃が紛争全体の重心点に打撃を与えことになる」としている。 ISISこそ今回の衝突の重心だと主張する向きがあろう、またISIS撲滅により穏当勢力が最終的にアサド政権を打倒する機会が生まれると見る向きもあろう。望ましい結果がシリアに生まれるほうがISIS打倒よりも可能性は高いと言うのが戦略論の考え方である。 アメリカ内部ではISIS対策の開始を望む向きがあるが、その先として地域内の長期戦略の策定のみならず合衆国の権益をどう保護するかを構想しておくべきである。端的に言って我が国はアサド政権を支援しているのではなく、将来における自由シリア国発足

アメリカはISISを打破できるか 

ISISの勢力がここ数週間で急増しています。さらに米国を対象としたテロを計画している兆候があり、この数年間で最大の脅威となってきました。また、イラク、シリアという既存の国境区分けを否定していることでISISへの対応も地政学的に構築しなければならないようです。米国ではシリアも含めた現地への対応、しかもエスカレートしそうな規模での攻勢が必要との議論が出てきました。以下AFPが簡潔にまとめています How can the US defeat IS jihadists? Aug. 23, 2014 - 01:08PM   |   By Agence France-Presse   |    Comments WASHINGTON — バラク・オバマ大統領はイスラム国聖戦派を中東のみならず世界にとって「ガン」だとまで表現しているにもかかわらず、これまでは限定的な航空攻撃にとどまっている。 合衆国が真剣にイスラム国(IS)を打破するとしたら、外交、軍事でどんな手段が想定されるだろうか。 オバマ大統領はイラク、シリアでの空爆を大幅に拡大し、西側諸国とアラブの同盟国に大義名分を共有させ現地軍の装備を強化して聖戦派に戦わせる必要があると専門家は見ている。 【軍事作戦はこうなる】 イラク、シリア両国内のIS部隊に対し大規模航空攻撃が必要となり、地上戦はバグダッド中央政府、クルド人部隊、スンニ派部隊が展開するのがよいと司令官経験者たちは語る。 ここ数週間で米軍が実施した空爆は数十回程度だが、IS壊滅には米軍の全力を投入する必要がある。おそらく数百機、数百回の空爆を連日実施することになる。 「空軍力を投入するのであれは集中豪雨のように投入しなければ意味がない、小雨ではだめだ」とデイブ・デプチュラ退役米空軍中将Dave Deptula, a retired US Air Force lieutenant general (アフガニスタンとイラクの航空作戦を統括、現ミッチェル航空宇宙研究所所長)は言う。 2001年のアフガニスタンで米軍機が空爆で、北部連盟が地上でそれぞれタリバンを追い出したのがこの構想の実際例、とデプチュラは言う。 航空攻撃を慎重に行うために特殊作戦部隊が必要だと主張するアナリストがいるが、デプチ

イラク情勢に注目が必要 イラク軍は反攻しても失地回復は不可能との米国防トップの見方

Dempsey: Iraqi Forces Will ‘Probably Not’ Be Able to Retake Lost Territory Alone By: Sam LaGrone Published: July 3, 2014 1:41 PM Updated: July 3, 2014 3:05 PM An undated photo of Iraqi Security Forces 米統合参謀本部議長からイラク治安維持隊Iraqi Security Forces (ISF)によるバグダッド防衛は可能だが、イラク・シリアイスラム国家が占拠中の各地点の奪還は不可能との見通しが明らかになった。 「イラク軍が反攻に出て失地を回復できるかどうか。これは大規模な作戦になります」とマーティン・デンプシー大将はペンタゴン内の記者会見で話している。 「おそらく単独では不可能だろうが、だからといって当方から動的な支援をすぐに提供することにはならない。ただし、これは既定の方針ではありません」 同議長によればISFはイラク北部で再編成中だが、ISIS部隊の前に後退していた。「ISFは戦力を強化している。バグダッドは防衛できるだろうが、攻勢に回のは困難だろう。物資補給がネックだ」 物資補給はISISにも課題で、現在占拠中の地区から南進しバグダッド包囲網を形成する狙いがあるとみられる。 「反乱分子は現在はスンニ派と協力して急速に進軍している」「現在は広い範囲に広がっており、占領地区の統制にかかりきりになっている間、補給線・連絡回廊も伸びきっている」 ただし米国が国内治安回復ならびにイラクへの義務をどう果たすのかはまだ見えてきていない。 デンプシー議長とチャック・ヘイゲル国防長官からは米国の義務はアメリカ国民の生命と財産の保護であり、イラク軍へは助言を与えることとの認識が示されている。 「約200名の軍事顧問団が現地入りしており、イラクと合同作戦本部をバグダッドで立ち上げている。第二本部はエルビルにおき、すでに初期作戦能力を獲得している」(ヘイゲル長官) 軍事顧問団は戦闘に参加していないが、今後の関与方針は未定のままだ。 デンプシー議長はISISを地域内安全

イラク情勢急変に対応した米海軍の動き(1)

イラクの国内治安が不安定になってきました。米海軍はそれに対応し艦艇配置を変更しています。今後も情勢変化に対応した動きが出てきそうです。合わせてイランの動きにも注意が必要です。原油価格の上昇の引き金にならないことを祈るばかりです。 U.S. Moves Amphibious Warship Closer to Iraq, Four U.S. Ships in the Gulf USNI News By: Sam LaGrone Published: June 16, 2014 9:38 AM Updated: June 16, 2014 9:38 AM USS Mesa Verde (LPD-19) is underway in the U.S. 5th Fleet Area of Responsibility. US Navy Photo スンニ派のISIS(イラク・シリア・イスラム国家)武装組織の進撃がイラク国で進んでいることへの対応し、米海軍は揚陸艦艇の配置をイラクに近づけているとUSNI Newsへ国防関係者が16日明らかにした。 USSメサヴェルデ(LPD-19)が現在第五艦隊作戦海域にあり、本日中にペルシア湾に入る。同艦は海兵隊員550名とLCAC揚陸用ホーバークラフト2機およびMV-22を5機搭載している。 . 同艦は空母USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)、誘導ミサイル巡洋艦USSフィリピンシー(CG-58)よび誘導ミサイル駆逐艦USSトラクストン(DDG-103)に加わりペルシア湾内4隻目の合衆国艦艇になる。ブッシュおよび他の2艦は先週土曜日に湾内入りしていた。 メサヴェルデはバターン揚陸即応集団 Amphibious Ready Group (ARG) の一部を構成しており、他にUSSガンストンホール(LPD-44)およびUSSバターン(LHD-5)で編成された第22海兵隊遠征部隊Marine Expeditionary Unit (MEU)に属する。なおバターンは東地中海に展開中。