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VH-71中止方針に異議高まる

Objections To VH-71 Cancellation Grow Louder aviationweek.com 6月5日 ゲイツ長官が次期大統領専用ヘリコプターVH-71調達の中止を発表したことへ各方面から反対の声が高まっています。 【議会から】 直近で反対の声を出したのはモーリス・ヒンチー下院議員(民主 ニューヨーク州)で選挙区にはロッキード・マーティンのVH-71プロジェクト本部があるオウェゴがある。同議員の反対意見の主な点はペンタゴンが議会に相談せずに中止を決めたことにある。「憲法では明らかに連邦予算の支出を決定する権限と責任が議会には与えられております」とヒンチー議員は話す。国軍の最高司令官たる大統領およびホワイトハウス関係者が搭乗するヘリ機種の決定は議会が最終的に行うべきと同議員は主張する。産業界寄りのレキシントン研究所主催のテレビ会議でロスコー・バートレット下院議員(共和 メリーランド州)はゲイツ長官方針への批判として海軍による中止決定の法的根拠ならびに道徳的根拠に疑問を呈した。「国防長官が本計画を中止するのは長官の権限外の行為ではないか」と同議員が発言。「ペンタゴンとホワイトハウスとはパートナーですが、われわれを差し置いた今回の決定を遺憾に思います」 【イタリアから】一方、イタリアの国防相イグナシオ・ラ・ルッサはゲイツ長官への書簡で、同国の懸念はアグスタウェストランドが機体を供給しており、イタリアおよび英国内の雇用が危機に瀕することであり、大臣自身の「解決策」を教示している。また、アグスタウェストランドも広範な協力を惜しまず同計画の進行につながるための最良の選択肢を見つけることができるとも伝えている。同相はアメリカとの共同航空開発プロジェクトが多数あることとしてF-35JSFをレイとしているものの、報復は考えていない点を伝えている。VH-71がイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相とオバマ大統領の初の首脳会談の議題に上る可能性がある。 【業界の見方】アグスタウェストランドと親会社のフィンメカニカは引き続きVH-71中止はオバマ政権の政治上の決断ととらえており、運用上あるいは予算上の問題からではないとの立場。代替案結局保安上は弱く、費用は高くつくと専門家は指摘している。

CSAR-Xは仕切りなおしへ

DOD To Get CSAR Requirements By September aviationweek.com 6月4日 国防総省は戦闘捜索救難(CSAR)ヘリの要求性能水準を9月までに再作成する。調達責任者アシュトン・カーターは5月末に150億ドル規模のボーイングHH-47 CSAR-Xヘリコプター計画を中止とし、カーターは「国防長官は計画評価分析部長と統合参謀本部に対し、各軍と協力の上、CSAR-X要求性能水準の再評価を命令した。」とメモを配信した。 【中止に戸惑う空軍】 空軍の主張は長年にわたりこれまでのCSAR-X要求内容は徹底的な調査開発の結果であり、各軍部隊の共通ニーズを考慮の上、正しくまとめあげられたというもの。例を挙げると、空軍は代替案検討内容は電話帳の厚さになったと指摘している。 【ペンタゴンの考え方】 カーターの前任者ジョン・ヤングはCSAR-Xの空軍評価結果に対して疑問を呈しただけでなく、この任務に専用機がそもそも必要なのかという根本的な質問をしている。ヤングの要点はCSAR-X計画の前提に対する疑問だ。V-22オスプレイでCSAR任務が実施できるではないかとしている。同機はCSAR-Xコンペで価格が高いことと下降流が問題として対象から早期に外れていた。ヤングの見解はCSAR関係者の中に反論を引き起こしたが、これがペンタゴン上層部で反響を呼んでいるようで、CSAR-Xが調達リストから外れることになった。 【困るのは前線部隊】 CSAR運用部隊は現行機材の老朽化が進む中で各機の修理、改修を続けながら任務の要求にこたえることになるが、専用機は不要という考え方をペンタゴンから払拭したいと考えている。 コメント:  オバマ政権の財政再建のしわ寄せが救難ヘリ開発にも及んできました。人員の救難を優先して実施するのは人命重視だけでなく、志気の維持に大きく作用しますから本来後回しにできないのですが。当面はHH-60等を使いまわすのでしょうが、前線は大変でしょうね。(写真 結局飛行する姿を見られなくなったHH-47)

ABL 空中発射化学レーザー実験の今後

ABL Laser Gets MDA Nod Thus Far aviationweek.com 6月3日 ミサイル防衛庁(MDA)長官は空中搭載レーザー(ABL)のミッションシステムズの性能実績にこれまでのところ満足しているものの、搭載機体の 747-400Fに耐空性で問題が生じている。 米陸軍中将パトリック・オライリーはABLのレーザー発射試験で100キロメートル先を対象に大気中補正で実施した回数合計が12回となり、直近では先週末に行われていると明らかにした。大気中の分子を補正してレーザーの持つエネルギーが拡散されないようにすることがシステム機能の大きな鍵だという。この大気補正を100分の一秒単位で決定することがシステム上可能と同中将は語る。この結果が将来のABLシステムにも応用される。ABLの基本任務は打ち上げ後の加速段階にある弾道ミサイルの動力部にレーザー光を照射しミサイルを破壊することにある。オライリー中将はABLには「スリーストライク」の考え方で対処していると話す。一番にシステムをスカッドミサイルと同等の目標を対象に試験し、早くて今年9月になるが10月の可能性が高いという。これが失敗に終わると、年末に再度実施される。最後の予定は来年春で、仮に毎回失敗するとゲイツ国防長官に対してこれまで数十億ドルを支出してきた同計画の今後について相談しなくてはならなくなるだろう。ミサイル撃墜テストに先立ち、技術陣はABLの光学システムに手を加え、「第二世代」光学系装置として汚染への耐性がつよいものに換装するという。ただし、この計画の障害となりそうなのが使用している 747-400F母機の「調子が悪くなっている」ことだと中将は説明。同機の油圧系統とブレーキで問題が生じており、その理由の大きな部分は同機にレーザー装置を搭載する際に同機が地上待機となる時間が長かったことにある。「飛行開始直後の問題発生を経て同機は飛行可能状態に戻り現在は定期的に飛行しています」(ボーイングABL担当副社長 マイケル・リン)「先週も数回の飛行を実施しました。初期段階の問題は急速に解消しつつあることがわかりました。」  2010 年度国防予算要求ではゲイツ長官はABLは研究プロジェクトとしてのみ維持し、今後の実戦配備の可能性を排除している。オライリー中将もこの方針に同意しており、化学レーザーシステム

F-22を求める日本の動きはこれからか

Japanese F-22 Campaign Lives On aviationweek.com 6月3日 【なぜ日本にF-22が必要か】日本の防衛関係者はF-22導入を断念しておらず、日米の実務者サイドは中国の戦闘機能力向上と巡航ミサイルの脅威に注意を喚起するとともに、将来は尖閣諸島近辺での石油ガス開発をめぐり、領有権を主張する各国との外交対立が武力衝突に発展する可能性も予測している。同地区への飛行距離が長いことと近隣に有効な航空基地が不足しているので航空自衛隊には固有の運用上のニーズが生じている。KC-767空中給油機とE-767空中早期警戒機で該当諸島のパトロールは可能なものの、日本と中国の間の広大な海洋上空に十分対応可能な速度、高度、ステルス性、攻撃精度、小型目標を捕捉可能なレーダー性能を持つ戦闘機を上空に配備する必要がある。小型目標の捕捉能力は巡航ミサイル対抗手段に必要で、精密攻撃能力は該当諸島が仮に敵勢力に占拠された際に必要だ。 【導入計画は】 日本側関係者は一貫して装備規模の拡大は否定しているのでより高性能な機体を導入する必要に迫られている。FーX計画でF-22クラスの高性能機合計20機から60機を購入するのが目標。その後のF-XXでF-35クラスの機体をもっと多く導入する目論見だ。ともに既存機体を差し替える予定。 【輸出禁止決議をどうするか】米国議会がF-22の外国売却を禁止している点が引き続き障害だ。ロッキード・マーティンが米空軍装備の外国向け販売をめざしたロビー活動はしていないと否定しているものの、議会内には米空軍にF-22に輸出可能なタイプの生産をすることで生産コストを下げる可能性を求める決議の動きがある。米国航空宇宙関係者は海外販売の可能性は不確実でF- 22生産ライン閉鎖の日程が未確定であることから考えられるいろいろなオプションとそのコスト効果について混乱が生じているという。「オプションのうわさがあがっていますが、輸出禁止方針を変更できるのは議会であり、今のところだれも60機の追加生産契約が有効になっているのか見えていません。補正予算での追加4機購入が確実でないとなると、ロッキード・マーティンもラインを完全に閉鎖するのか、生産再開を前提に製造停止するのか決めかねるでしょう。」  【空軍も否定的」 米空軍高官も先週開催された空軍参謀総長ノーマ

グローバルホークが不時着

Global Hawk Emergency Prompts Hard Landing aviationwek.com 6月1日 米空軍所属グローバルホーク無人航空機システム(UAS)が飛行中に緊急事態に遭遇し、エドワーズ空軍基地に5月28日不時着する事態になっていたことが空軍関係者から明らかになった。緊急事態は同日夜間に発生し機体は乾湖に着地したという。該当機はブロック20の機体で主翼を延長し、3,000ポンドのペイロードを搭載可能。空軍はこの型にゆくゆくはU-2が実施している高高度監視活動の実施を期待している。飛行は同機の離発着重量増加を目指した限界テストの一環と思われる。 ただ、事故発生のタイミングが悪い。アシュトン・カーター(新任ペンタゴン調達トップ)が国防調達委員会(DAB)の検討の一環としてグローバルホークを取り上げる予定の前夜に発生したのだ。米空軍関係者がカーターに対し同事件を説明したが、調査結果未着につき結論は伝えていないという。DABはブロック20/30のグローバルホークの初期作戦能力試験および評価方法を作成中。

北朝鮮が開戦に踏み切ったらどうなるか

North Korea's Annoyance Campaign aviationweek.com 5月31日 ご注意 以下は昨日のエントリーの続きです。 北朝鮮が大規模な戦闘行為に突入する可能性は低いが小規模な行動は起こりうると米軍情報関係者は見る。 【北朝鮮のロジック】 一見すると支離滅裂な北朝鮮だが、同国が平和な状態を受け入れられないのだと考えると理解できる。完全な平和が実現すれば、同国は第3世界の一ヶ国にすぎず世界に対する影響力はなくなってしまう。かといって開戦に踏み切っても勝利の可能性はない。「北朝鮮は国際社会から無視されることは甘受できないのです。これまでは西側の反応をみて同国も行動してきました。ばかげた話ですが、同国の思考方法は合理的です。戦略論からは相手方の行動に対応するのではなく、こちらから行動を選択すべきなのは明らかなのですが。北朝鮮の次の行動を予測するのは困難ですが、予想はできます。合衆国が過剰反応することはむしろ危険です。」(朝鮮半島情勢を長年にわたり見てきた空軍関係者) 【警戒態勢引き上げ】 休戦状態を停止するという北朝鮮発表のあと米韓連合軍は警戒態勢を引き上げている。空軍の分析専門家は今後もミサイル発射実験、核実験の追加、核開発計画再開、ミサイル・核技術の輸出復活、サイバー攻撃ならびに非武装地帯での軍事衝突を予測。 【対艦ミサイルの脅威】 国際的に懸念が広がっているのは北朝鮮が対艦ミサイルの開発と試射に成功していることだ。西側情報筋がKN-01と呼称する同ミサイルはソ連時代のスティックスを原型としつつ、ロシア製のSS-N-25「スイッチブレイド」に類似している可能性がある。中距離射程で海面をすれすれに飛ぶ同ミサイルが本格生産に入り、相当数が配備となると侮りがたい脅威となるだろう。 【核実験の影響①】 あたかも戦争状態のような宣伝文句が流布しているが、国連安全保障理事会決議で北朝鮮船舶の臨検を認める可能性が出てくると、韓国が「核兵器輸送拡散対策」を支持する姿勢を示した。北朝鮮はこれを宣戦布告とみなすと警告。 【核実験の影響②ミサイル防衛の整備】 今回の核実験で日本と韓国はそれぞれ北朝鮮ミサイル迎撃の体制整備を早めると予測される。北朝鮮がミサイル搭載可能な弾頭兵器を実用化するにはまだ数年かかると見られるが、韓国はその間に弾道ミサイル

北朝鮮の軍事行動に備える米韓軍

U.S. Experts Weigh North Korean Capabilities aviationweek.com 5月28日烏山空軍基地にて 北朝鮮関連の情報収集は一筋縄ではいかない。人的情報源がわずかであることに加え、険しい地形、地下施設の分布、また上空飛行ができないことがその要因であると米軍専門家は明かす。だが、米国は韓国と共同でこの困難な作業にあたっている。「情報収集は通常兵力の対峙の最後の防御です。開戦が現実のものとならないことを祈るばかりですが、毎日の準備は怠りません。警告時間の余裕がなく、厳しい状況ですので、第一に考えているのは相手側対象の識別と警報発令です。」(ゴードン・イスラー米空軍大佐 第7空軍情報部隊司令官) 【ソウル攻撃の可能性】 北朝鮮軍のソウル攻撃態勢は均衡がとれておらず、1950年に成功した攻撃で米軍・韓国軍を釜山まで追い詰めた経験を再現することは不可能と見られる。韓国軍と米軍の最大の課題はソウルへの砲撃、ミサイル攻撃の阻止にある。北朝鮮は特殊作戦部隊、戦術ミサイル(スカッド改良型)、大量破壊兵器(化学弾頭)と多岐の作戦能力の維持に努めているようだ。 【北朝鮮の装備近代化】「装備の近代化もすすんでいます。テポドン2の追跡誘導はいっそう正確になっており、射程距離も伸びてきました。」(ジョー・ディヌオボ大佐 在韓空軍情報収集偵察監視グループ司令官)「コンピュータ利用による指揮命令能力が向上し、防空網のネットワーク化を進めています。ただ、資源に乏しいため演習経験が不足しており、作戦目標も限定しています。その結果、ソウル攻撃能力を示すことで交渉材料としようとしているのです。」(同大佐) 【開戦のシナリオ】 米韓連合軍の防空体制のあらましが本誌に判明した。大規模攻撃が北から開始の場合は、韓米軍は一日あたり3,000回の出撃を実施し、「非常に能力の高い防空網」に対処する。「北朝鮮の軍事力の多くを目標とする」(マイク・ケルツ准将 第7空軍副司令官)ものだという。「相手側の配備には旧装備としてSA-2、SA-3、(長距離の)SA-5がありますが、コンピュータと光ファイバーで非常にうまく統合しています。今や予想可能な周波数をもらすこともありません」(同准将)「控えめにみても北朝鮮は開戦24時間から48時間以内に25万発の重火器を発射する可能性があ