スキップしてメイン コンテンツに移動

北朝鮮の軍事行動に備える米韓軍

U.S. Experts Weigh North Korean Capabilities

aviationweek.com 5月28日烏山空軍基地にて

北朝鮮関連の情報収集は一筋縄ではいかない。人的情報源がわずかであることに加え、険しい地形、地下施設の分布、また上空飛行ができないことがその要因であると米軍専門家は明かす。だが、米国は韓国と共同でこの困難な作業にあたっている。「情報収集は通常兵力の対峙の最後の防御です。開戦が現実のものとならないことを祈るばかりですが、毎日の準備は怠りません。警告時間の余裕がなく、厳しい状況ですので、第一に考えているのは相手側対象の識別と警報発令です。」(ゴードン・イスラー米空軍大佐 第7空軍情報部隊司令官)
【ソウル攻撃の可能性】 北朝鮮軍のソウル攻撃態勢は均衡がとれておらず、1950年に成功した攻撃で米軍・韓国軍を釜山まで追い詰めた経験を再現することは不可能と見られる。韓国軍と米軍の最大の課題はソウルへの砲撃、ミサイル攻撃の阻止にある。北朝鮮は特殊作戦部隊、戦術ミサイル(スカッド改良型)、大量破壊兵器(化学弾頭)と多岐の作戦能力の維持に努めているようだ。
【北朝鮮の装備近代化】「装備の近代化もすすんでいます。テポドン2の追跡誘導はいっそう正確になっており、射程距離も伸びてきました。」(ジョー・ディヌオボ大佐 在韓空軍情報収集偵察監視グループ司令官)「コンピュータ利用による指揮命令能力が向上し、防空網のネットワーク化を進めています。ただ、資源に乏しいため演習経験が不足しており、作戦目標も限定しています。その結果、ソウル攻撃能力を示すことで交渉材料としようとしているのです。」(同大佐)
【開戦のシナリオ】 米韓連合軍の防空体制のあらましが本誌に判明した。大規模攻撃が北から開始の場合は、韓米軍は一日あたり3,000回の出撃を実施し、「非常に能力の高い防空網」に対処する。「北朝鮮の軍事力の多くを目標とする」(マイク・ケルツ准将 第7空軍副司令官)ものだという。「相手側の配備には旧装備としてSA-2、SA-3、(長距離の)SA-5がありますが、コンピュータと光ファイバーで非常にうまく統合しています。今や予想可能な周波数をもらすこともありません」(同准将)「控えめにみても北朝鮮は開戦24時間から48時間以内に25万発の重火器を発射する可能性があります。長距離射程の砲兵陣地を構成するトンネル構造を攻撃し、発射回数を減らす必要があるのです。また、系統だって目標を判別し、攻撃することになるでしょう」(同准将)
【開戦には至らない?】 ただし、軍上層部は金成日政権には失敗が許されない状況であるために開戦に一気に踏み込み、結果通常戦で米韓連合軍に敗北するとは考えていない。毎回崖っぷち状況の繰り返しが続いているが、確かなことは誰にもわからない。本当に北朝鮮政府が衝動的な行動に出るのか、実は裏でもっと大きなゲームを進めているのか見極めようとしている状況だという。

コメント:これから数週間あるいは数ヶ月は目を話せない状況が続くでしょう。イラク、アフガニスタンとは異なり仮に軍事作戦展開となると米軍は相当の量の集中的な作戦を実施するでしょう。開戦とならないことを祈りますが、平和は期待するだけでは実現できません。力には力で対応する冷徹なアプローチが必要です。それにしても冷戦構造の名残りのような古めかしい状況がまだこの地域に残っているのは残念でなりませんが、一気に片付けるのがいいのかもしれません。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ