
USAF 2010 Request Lacks Major New Initiatives
aviationweek.com 5月7日
米空軍の2010年度予算概算要求総額1,605億ドルは毎回新規プロジェクトを加えてきた例年に比してさびしい内容。C-17およびF-22の生産終了で空軍予算案には新規プロジェクトはわずか二つとなり、439百万ドルでKC-135空中給油機の後継機種選定を再開することと、9.5百万ドルで共用垂直離陸輸送機計画(CVLSP)を開始することのみ。後者は空軍宇宙軍団が核兵器運送の支援およびアンドルース空軍基地で要人輸送任務の支援に使用中のUH-1Nヒューイの後継機。
【予算の全体構造】 2010年度要求額は前年度査定額の1、614億ドルを下回る。ただし、後者は補正予算分を含む。2010年度分には戦闘作戦の追加予算160億ドルを期待。空軍がブルートップラインと称する自由裁量予算総額は約20億ドルの増加で、インフレを考慮すると実質減額とパトリシア・ザロキーウィッツ空軍予算局長は説明。同局長によると今年の空軍予算は人員削減の動きが止まり、来年度は総員331,700名体制となることもあり「均衡がよくとれている」とのこと。
【F-22の将来は未決】 C-17生産ライン閉鎖費用として91百万ドル、F-22生産ラインの閉鎖には64百万ドルが必要としている。ただし、F-22生産設備を「使える」状態で保存するのか、生産を完全に停止するかは未決定。(同上予算局長)
【ISR機】 概算要求が強調するのが情報収集・監視・偵察(ISR)用機の予算ならびに核兵器体系の維持管理予算。後者は空軍内部で核兵器取り扱いの不祥事が頻発したため。ISR向けにはセンサー開発も含め9億ドルが要求されているとのこと。
【CSAR-X先送り】 次期戦闘捜索救難ヘリ(CSAR-X)調達および次世代爆撃機提案競技は先送りとするとゲイツ国防長官が4月6日に発表ずみ。CSAR-Xの延期でH-60M合計2機とHH-60Gペイブホーク合計95機を追加購入する。
【輸送機】 空軍は共用貨物輸送機(JCA)開発の管理を陸軍から引き受けるが、詳細は未整理。また、C-27J輸送機合計8機を購入する。
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