ファンタムレイ:ボーイング自社開発UAV



Boeing Unveils Phantom Ray Combat UAS


Aviationweek.com May 8, 2009


無人戦闘航空機ファンタムレイPhantom Rayは中止となったX-45からボーイングが自社資金で開始した短期試作プロジェクト。2010年にホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)での初飛行をめざす。ファンタムレイはX-45を単純に復活させるものではない。同機は政府の要求水準に具体的を満足するために作られておらず、他社と競合するものでもない。また、政府による指導監督の対象でもない。ボーイングは飛行実証後に兵器搭載、電子戦、情報収集、偵察、また指向性エネルギー兵器運用含む同機の運用可能性を実証する予定。

【ボーイング戦闘航空機の将来】 2001年に共用打撃戦闘機提案協議をロッキード・マーティンに奪われ、2007年には海軍向けの無人戦闘機システム(UCAS)をノースロップ・グラマンのX-47の前に敗北を喫し、ボーイングは戦術航空機事業の戦略を構築に苦労してきた。セントルイスが戦闘機生産の拠点であり、現在は韓国・サウジアラビア・シンガポール向けにF-15E派生型、米海軍向けにF/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18グラウラーを生産中。この先の将来は未定だ。

【ボーイングの目論見】 国防予算が伸び悩む中、ボーイングにとってはファンタムレイ他のプロジェクトで世代機開発に技術陣を従事させる。また、設計スタッフも予算削減で人員削減となっているため従来の方法にとらわれない方法で航空機開発に挑戦せざるを得ない状況だ。海軍は再度提案競技を開催する予定で、おそらくX-47の飛行試験が終了する2013年より後となると見られるが、空母運用の次世代無人ステルス機を開発となる。ボーイングのファンタムレイ開発はその際には大きく生かされるだろう。

【社内開発】 ファンタムレイプロジェクトはボーイング社内では「リブループロジェクトProject Reblue」の呼称で2007年にコンセプトがまとまったもの。本格的開始は2008年6月。今月までは社内でも少数の幹部とエンジニアを除きその存在が秘密となっていた。

【ファンタムワークス】 以前は先端航空機システムズと呼称されていたファンタムワークスが2月に再発足された。旧名称の復活により、試作機製作の伝統も復活するとしている。同部門はこれまで新規プロジェクトの実現、将来技術の先取りをめざしてきた。同社は試作機製作を続け、技術を成熟させることでペンタゴンが今後必要とするニーズにこたえようとする。

【無人機への挑戦】 ファンタムレイはロッキード・マーティンが2007年に発表したポールキャットPolecat 無人機(同社スカンクワークスによるステルス三角翼の技術実証機)と形状がかけ離れているとはいえない。ただ、ポールキャットは三回目の飛行試験で墜落している。両社とも大型無人機市場でのノースロップ・グラマンの優位性に挑戦しようとしており、プレデターとリーパーの開発元のジェネラルアトミックスに対しても同じである。

【X-45を利用】 ファンタムレイの原型X-45Cは合計3機が空軍向け地上配備無人機運用の実証用に発注されていた。完成した一機をファンタムレイとするほか、ボーイングは二号機となるはずだったX-45Cの機体を保管している。ただし、エンジンは売却済みであり、同機はエンジンなしの状態で工場内に残っている。来年初めまでにジェネラルエレクトリックF404-GE-102Dエンジンを装着する予定。X-45の経緯は複雑だ。空軍主導のX-45と海軍の共用無人機(J-CAS)が統合されたものの、長くは続かなかった。空軍の要求水準は敵の防空体制の制圧にありボーイング案がこれに近く、一方で海軍案は長距離情報収集ミッションを空母発進で行うものであり、ノースロップX-47がこの目的にあっていた。空軍は2006年に同計画への予算支出を停止し、共同開発は頓挫。2007年にノースロップが海軍向け実証機製作契約を獲得。空軍が煮え切らない態度を示す一方、国防総省はボーイングの開発作業を支持。

【自動空中給油機能】 また自動空中給油の開発が重要だ。海軍もノースロップX-47にこの機能を追加要求した。原型のX-45機には給油受入装置のスペースが機体左側に確保してあった。ボーイングは開発当初から空中給油機能を計画していた。

写真 。形状が似ているというロッキード・マーティンのPolecat無人機。。原型のX-45B

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