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米MDAが地上配備型ミサイルで弾道弾迎撃に成功

U.S. Missile Defense Intercept Test Succeeds aviationweek.com Jun 22, 2014 Michael Fabey | AWIN First 米ミサイル防衛庁(MDA)が地上配備型中間コースミサイル防衛Ground-based Midcourse Defense (GMD) による迎撃実験に成功した。GMDの迎撃成功は2008年以来はじめて。 6月22日の演習では 長距離地上配備迎撃ミサイルがヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォーニア州)から発射され、マーシャル諸島共和国ノクェジェリン環礁にある米陸軍レーガンテスト施設から発射された中距離弾道ミサイルの迎撃に成功した。 今回のテストで米本土防衛に供する各種弾道ミサイル防衛手段の評価に必要なデータが入手できた。 テストには米空軍第30宇宙部隊U.S. Air Force 30th Space Wing、合同部隊本部Joint Functional Component Command,、統合ミサイル防衛部隊Integrated Missile Defense、米北方方面司令部U.S. Northern Command 、米海軍も参加している。 標的になった中距離弾道ミサイルは海軍のDDG-70ホッパー(イージス艦)のAN/SPY-1レーダーで探知、追尾され、GDM発射管制室に指揮・統制・戦闘管理・通信システムCommand, Control, Battle Management and Communication (C2BMC) によりデータを送った。海上のXバンドレーダーも追尾し、GMD発射管制システムにデータを送ってきた。 標的ミサイル発射からおよそ6分後に地上配備迎撃ミサイルがヴァンデンバーグ空軍基地から発射され、三段式ブースターロケットが大気圏外迎撃体 Capability Enhancement II Exoatmospheric Kill Vehicle (EKV) を標的の予想宇宙軌道に運んだ。迎撃体は標的に位置修正され、識別ののち、目標の弾頭部分に衝突破壊した。これはEKVの第二世代機による初の迎撃となった。 なお、迎撃ミサイルは米陸軍第100ミサイル防衛旅団(コロラド州シュリーヴァー空軍基地内)が

第5世代、第4世代機間の通信でステルス性の維持が課題

5th-To-4th Gen Fighter Comms Competition Eyed In Fiscal 2015 aviationweek.com Jun 18, 2014 Amy Butler | AWIN First 米空軍は第五世代機と第四世代機間の通信接続手段の提案を業界に求める模様。 空軍は「第5から第4へ」と通称する通信能力が必要だとしてきたが、F-35の配備が近づく中、技術的な課題と予算制約で先送りにしていた。またF-22の調達規模が縮小して各機を空軍のネットワークに接続させ作戦の協調が実施上の課題となっていた。 「第5から第4へ」と言う名称だが、F-22とF-35でLink 16を使わずに通信させる方法の確立が課題だ。Link 16を使うとステルス性に支障が出るためだ。両機種はロッキード・マーティン製だが、設計年代が違っており、F-22は基本的に僚機のF-22に「話す」ことを専用の低探知性・低妨害可能性のシステムを通じて行うことしかできない。これに対し、F-35は多機能高性能データリンク Multi-function Advanced Datalink (MADL) を使用しており、波形を変えつつ通信が可能だ。F-35の空軍での実戦化は2016年8月予定。 空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将が2月の空軍協会主催会合で第5から第4戦闘機への交信能力の必要性を訴えていた。しかし、航空戦闘軍団Air Combat Command は具体的な必要条件を明確に示しておらず、同軍団は本件について取材に応じていない。 特にF-22を実戦投入する際に通信が制約条件になっている。同機をリビア作戦(2011年)に投入する案があったが、F-22が集めたデータを友軍に送信する手段がないことがわかり企画はとん挫してしまった、と業界筋が明らかにしている。 そこで空軍が提案しているのは多分野適応性処理システムMulti-Domain Adaptable Processing System (MAPS) といい、ステルス戦闘機間の通信のゲートウェイとなるポッドをつくることだ。これをF-16はF-15と言った第四世代戦闘機に搭載すれば、旧型機でも通信のやり取りが可能となる。 作戦概念ではステルス戦闘機を敵防空網の脅威がある「バブ

ロシア原潜建造が活発化、新型攻撃原潜ヤーセン級・ミサイル原潜ボレイ級

USNI Newsより Russian Navy Accepts First in New Class of Nuclear Attack Submarine By: Dave Majumdar Published: June 19, 2014 7:04 PM Updated: June 19, 2014 7:16 PM Russian submarine Severodvinsk ロシア国内のテレビ報道によるとロシア連邦海軍がプロジェクト855 ヤーセン級 Yasen-class 原子力攻撃潜水艦の一号艦を今週受領したという。 艦名はK-560セヴェロドヴィンスク Severodvinsk  で1993年からセヴマシ造船所で建造が始まっていた。完成が遅れたのはロシア経済の不振が理由で、2010年までロシアでは新造潜水艦は一隻も進水していない。 セヴェロドヴィンスクはロシアの攻撃原潜で静粛度が最も高く攻撃能力も高いとみられる。ただ米海軍のシーウルフ級、ヴァージニア級原潜と同等の静粛性は実現していないとみられる。 ロシア官営メディアによると同艦の潜水時排水量は13,800トン、全長119メートル、速度31ノットで600メートルまで潜航できるという。乗組員は90名でうち32名が士官。武装はオニキスOniks(SS-N-26)巡航ミサイルおよびカリバーKalibr (SS-N-27)巡航ミサイル24発に加え533㎜魚雷と機雷を搭載する。またソナーアレイを球状船首に初めて採用するロシア潜水艦となった。 ヤーセン級ではあと2隻の建造がはじまっており、カザン Kazan とノボシビルスク Novosibirsk の各艦は一部改修された設計のためプロジェクト855MヤーセンーM型と呼称されている。さらに四号艦の建造が8月に開始されるとロシア放送は伝えている。 855M仕様の潜水艦はさらに3隻発注され、最終的にヤーセン級は8隻の陣容になる。さらにヤーセン級の次の艦も設計が始まっているという。 その一方、ロシア海軍はボレイ級Borei-class 戦略弾道ミサイル原潜の建造も続けており、タイフーン級(プロジェクト941)とデルターIV(プロジェクト667BDRM)ミサイル原潜と交代させる。

同盟各国のサイバー戦対応能力強化を支援する米国防総省

DoD Bolstering Cyber Warfare Capabilities in at Risk Nations USNI News By: Carlo Muñoz Published: June 12, 2014 4:25 PM Updated: June 12, 2014 4:26 PM 2011年のサイバー戦演習での米軍と独軍関係者。 US Army Photo . ペンタゴンのサイバー戦専門集団がサイバー攻撃に脆弱とみられる各国向けにテコ入れをしている。 サイバー政策担当国防次官補代理のジョン・デイビス陸軍中将Maj. Gen. John Davisによるとサイバー攻撃の脅威が比較的高い国があるという。 そこで米国関係者は同盟国の関係者とともにサイバー戦の能力向上にとりかかっており、たとえばマルウェアへの防御策や、ネットワーク防衛他の戦術、技法、手順を強化していると同中将は明らかにしている。 デイビス中将は対象国の名前を明らかにはしていないが、米国の支援対象が東欧およびアジア太平洋の数か国である可能性が高く、中国やロシアによるサイバー攻撃のリスクが高い国である。 ホワイトハウスとペンタゴンはこの両国が同盟各国への悪意あるサイバー活動のみならず米国内ネットワーク侵入にも関与していると非難している。 今年初めにロシアはウクライナの軍民ネットワーク多数をハッキングしており、ウクライナ東部およびクリミア奪取の軍事行動の一部であった。同じように2008年にグルジア侵攻でもサイバー作戦をおこなっている。 司法省は5月に中国国籍5名を連邦刑法で訴追しており、米国ネットワークを対象とした中国のサイバー諜報活動の実行犯だとした。米政府が中国のサイバー戦行為に対して正式な法手続きをとったのはこれが初めて。 デイビス中将はロシアや中国が今回のサイバー戦対応力強化の元凶だとは名指ししていないが、同盟各国の強化は米国の安全保障戦略の一環であると強調。 各国別対応とは別にNATO加盟国用にも対応能力向上策が用意されている。また今秋にはNATO本部でサイバーサミットを開催し対策を協議する。 さらに加盟各国と「サイバー事案対応センター」を創設するとデイビス中将は紹介。

自衛隊の対艦ミサイル前方配備で中国が反応を示す

China Reacts to Japanese Anti-Ship Missile Positioning USNI News By: Sam LaGrone Published: June 18, 2014 11:43 AM Updated: June 18, 2014 11:43 AM 自衛隊が尖閣諸島を視野に入れて地対艦ミサイルを配備視する計画を進めていることに対し、6月16日中国外務省は「断固として効果的な行動」を取る用意があると発表している。 自衛隊は12式地対艦誘導弾を九州と宮古群島に配備し、尖閣諸島を防衛する計画と地元紙が報道していた。 , 「日本の動きは地域内の安全保障環境に影響を与えかねないもので、日本は真の意図を責任ある形で公表すべきである」と中国外務省報道官華春蛍Hua Chunyingは記者会見で発言。これは今回のミサイル配備が中期防衛計画として昨年12月に発表されたものの一部で特定の国家を意識したものではないとの報道が出たことへの反応。 . 日本側からはその翌日に12式誘導弾配備の動きがあることを Jane’s Defence Weekly に認めている。 12式誘導弾の射程は62マイルであり、以前の88式対艦誘導弾(同じく三菱重工製)より性能が向上している。 12式の特長は中間段階のGPS誘導で地形照合による精度向上と目標識別能力があるいわれる。また再装填時間が短縮され、ライフサイクルコストが下がっていると Jane’s は伝えている。■

イラク急変への対応(2)航空戦力でISIS打倒は無理---現役米海軍士官の見解

Opinion: U.S. Air Power Won’t Defeat ISIS USNI News By: Cmdr. Daniel Dolan Published: June 17, 2014 7:28 AM Updated: June 17, 2014 7:29 AM An F/A-18E Super Hornet prepares to launch from the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN-77) on June 15, 2014. US Navy Photo イラク・シリア・イスラム国家 Iraq and Syria Islamic State (ISIS)の非正規軍がバグダッド目指し進軍する中、アメリカの政治指導層とくにジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ) Sen. John McCain (R-AZ) とリンゼイ・グラハム上院議員(共、サウスカロライナ) Sen. Lindsey Graham (R-SC)中心に空爆でイラク国内の治安回復を求める声が高まっている。 航空兵力が効果的かつ政治上甘受できる選択肢としても、空軍力でISISの打倒は不可能だ。 歴史上も空軍力だけで決定的な結果を得た例がない。あえていえば1999年のNATOによる対セルビア懲罰的攻撃だけが政治目的を達成した唯一の事例と言える。 その事例から今回のイラク・シリア事例への教訓が二つある。まず、ISISに交渉相手となる政治指導部が存在していない。つまり全滅させないとイラク現政権の復権はままならない。二番目に、仮にISISが敗退しても結局は地上兵力がないと平和維持は不可能だ。イラク国連大使ルクマン・フェイリ Lukman Failyは6月16日に「イラクは米国陸上兵力を必要とせず、来てほしくない....イラク国内で兵力を確保する」と語っている。さらにイラクにビン・ラディンのような人物が千人も出現させないためには米国による航空優勢、空軍訓練、援助が必要だと語っている。 ISISは米国が空母打撃群 carrier strike group (CSG) をペルシア湾に移動させても気にもかけていない。もし米国がISISが実効支配する人口稠密地区で攻撃目標を決定すれば、ISISI

イラク情勢急変に対応した米海軍の動き(1)

イラクの国内治安が不安定になってきました。米海軍はそれに対応し艦艇配置を変更しています。今後も情勢変化に対応した動きが出てきそうです。合わせてイランの動きにも注意が必要です。原油価格の上昇の引き金にならないことを祈るばかりです。 U.S. Moves Amphibious Warship Closer to Iraq, Four U.S. Ships in the Gulf USNI News By: Sam LaGrone Published: June 16, 2014 9:38 AM Updated: June 16, 2014 9:38 AM USS Mesa Verde (LPD-19) is underway in the U.S. 5th Fleet Area of Responsibility. US Navy Photo スンニ派のISIS(イラク・シリア・イスラム国家)武装組織の進撃がイラク国で進んでいることへの対応し、米海軍は揚陸艦艇の配置をイラクに近づけているとUSNI Newsへ国防関係者が16日明らかにした。 USSメサヴェルデ(LPD-19)が現在第五艦隊作戦海域にあり、本日中にペルシア湾に入る。同艦は海兵隊員550名とLCAC揚陸用ホーバークラフト2機およびMV-22を5機搭載している。 . 同艦は空母USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)、誘導ミサイル巡洋艦USSフィリピンシー(CG-58)よび誘導ミサイル駆逐艦USSトラクストン(DDG-103)に加わりペルシア湾内4隻目の合衆国艦艇になる。ブッシュおよび他の2艦は先週土曜日に湾内入りしていた。 メサヴェルデはバターン揚陸即応集団 Amphibious Ready Group (ARG) の一部を構成しており、他にUSSガンストンホール(LPD-44)およびUSSバターン(LHD-5)で編成された第22海兵隊遠征部隊Marine Expeditionary Unit (MEU)に属する。なおバターンは東地中海に展開中。