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ヨーロッパのミサイル防衛を強化する米海軍の地中海派遣

                 地 中海が欧州のミサイル防衛の観点で重要性を増しているようです。スペインに米海軍がイージス艦を配備する事になったのは知りませんでした。エイビエーショ ンウィークは以下のように伝えています。それにしても革新的な設計のズムワルト級を犠牲にしてイージス艦とは言え、お手軽な既存設計艦の建造を優先しなけ ればならないほど国防予算に余裕がなくなっているのですね。 Navy Anchors European BMD Mission With Basing aviationweek.com Oct 7, 2011 米海軍はスペインとジブラルタル北西60マイルのロタをイージス艦配備基地として利用する合意が形成できたことで、いわゆる段階的適合アプローチPhased Adaptive Approachによる欧州ミサイル防衛(BMD)の基盤づくりに成功。 米国スペイン間の合意内容は実際にはタイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦USSモントレーが段階的適合アプローチの一環で地中海に配備されて5ヶ月が経過後に成立したものだ。 同艦のジム・キルビー艦長Capt. Jim Kilbyが本誌独占取材に対して性能向上型イージスシステムは期待通りの性能でBMD以外の任務にも有効な戦術を海軍は構築していくと語った。 ま たロタ基地の利用でイージス艦の配備は海軍の考える理想型になり米国の力を増強する形に働くとし、「北アフリカ、地中海地方の米国の政策目的の支援に役立 つ」とレキシントン研究所のローレン・トンプソンLoren Thompsonは分析する。「イージス艦は米国の戦域ミサイル防錆の中心であり、大陸間弾道弾対策においても重要な存在となるでしょう」 基地利用合意の発表に際し、レオン・パネッタ国防長官は「ロタにイージス艦4隻を配備し、地中海における同盟各国の海軍力は大幅に増強され、この重要地域の安全を確実にする能力が向上されます」と語った。 「各 艦はNATOのミサイル防衛の支援します。米国はルーマニア、ポーランド、トルコとも協定を結んでおり、今回のスペインの決定は欧州段階的適合アプローチ の実施で大きな進展となります。米国はNATO各国のうち欧州域内各国への完全な対ミサイル防衛能力の建設に全力で取り組んでおり、弾道ミサイルの脅威が 増している中そ

予算削減でISR機材はどう変化をせまられれるのか

USAF Weighs Which ISR Programs To Cut aviationweek.com Sep 27, 2011 By Amy Butler Washington     米 空軍の偵察監視情報収集(ISR)機材にはU-2、新世代無人機から ボーイング 707を原型とする各機種まであるが、9/11以後は緊急性を理由に予算計 上は特別扱いであった。そして10年がたち、空軍は情報収集装備の縮小により今後数十年にわたる各種の脅威に対応剃るまで追い詰められている。 空 軍長官マイケル・ドンレーによると空軍は今後の上昇収集・監視・偵察(ISR)機材の構成で選択肢を検討しているという。この検討は今後数週間のうちに完 了し、その結果次第で2013年度予算案が来年2月に議会に提示される際にどの情報収集活動を削減するかを伝えることになる。その結果次第では仮に議会が 赤字削減法案通過に失敗する事態を想定して、各種の選択肢を検討することになるという。 このような選択肢検討は情報収集機材だけに限らず、空軍全体で進められている。たとえば、F-35にかわる選択肢はないと言われるものの、ドンレー長官は同機計画も精査を免れることはできないと理解している。 た だし情報集機材の構成には多様な検討ポイントが組み込まれており、機材、搭載センサー、地上配備のデータ処理能力などあり、逆に内容の吟味が最も必要な分 野になっている。ドンレー長官は空軍協会主催の会議の席上「ISR関連で合計13もの近代化装備計画が別個に有ることを昨年発見した」と語る。「予算に余 裕が減っている現状を考慮して今後の選択ではより注意深くかつ書く選択肢の優劣を意識する必要がある」と述べている。 ISR 用機材の整理統合は空軍にとってつらい仕事になる。わずか数年前までゲイツ前長官がイラク、アフガニスタンの戦闘でISR支援が不足していると主張してい た。ゲイツ前長官は退任直前になり空軍のISR能力増強を評価しつつ、さらにMQ-9リーパー調達の増加を求める意見書を起草している。しかし、 ゲイツは去り、空軍内部にはこの問題提起に対する検討の自由度が高まると見る向きがある。ゲイツ長官在任中はISR機材の縮小案は即座に却下していたと証 言する関係者もいる。 ゲイツ前長官の影響が減少している証拠とし

米空軍次期高等練習機を巡る各メーカーの思惑

T-38C高等練習機の後継機種を巡り各メーカーがすでに動いていると、国防関連に詳しいAmy Butlerが以下報じています。                                 Contractor Teams Shaping Up For T-X Work aviationweek.com Sep 28, 2011                                    米空軍はT-38C高速ジェット練習機の後継機種(T-X)調達計画をまだ発表していないが、業界では米国内の高い失業率を考慮して後継機生産は米国内を前提とするものと見ている。 競 合メーカーとなりそうなのは三社でそれぞれが海外メーカーの機体を原型とする設計案を準備している業界では有力国会議員の各選挙区で雇用促進に貢献す る提案が出てくるのは時間の問題と見ている。空軍が通常の選定を行う際には雇用創出規模は考慮されることはないが、KC-135後継機を巡る争奪戦をボー イングとエアバスが行ったようにT-Xでも「もっともアメリカ的」なチームが米国内雇用創出を前面に訴える政治的な主張を展開すると見られる。 こ の中で BAE がまっさきに ノースロップブラマン と共に米国内生産を提案している。同社提案はホーク練習機を基本とするものだが、生産拠点をどこに置くかは 明瞭にしていない。ノースロップは同社レイクチャールズ工場(ルイジアナ州)の雇用を確保したいところだ。同工場は ボーイング 707をJSTARS空対地 監視機に改装する作業を行なっていた。予算削減の折、同工場は閉鎖に向かおうとしている。 ア レニアエアロノーティカ はM-346原型の提案をする見込みだ。ただ、同社社長ジョン・ヤングは「レイクチャールズ工場を活用するためノースロップが BAEとチームを組むのは予測範囲だ。当社は急いでパートナーを探すつもりはない」と語る。同社CEOジュセッペ・ジオルドは「米国進出も7念目となり、 当社は米国内で受け入れられる仕事の進め方を理解している」と米国メーカー提携先を模索しているようだ。 そ の候補先はボーイング、 レイセオン 、 L-3コミュニケーションズ だろう。ボーイングは空軍が短期間に開発できる既存設計の応用という当初の案を廃棄して、 完全な新型機の開発に変更するkとを

F-16生産ライン閉鎖の可能性、機体寿命の延長可能性

Possible F-16 Production Lull Stirs Worries aviationweek.com Sep 23, 2011                                F-16の生産開始は1976年でそれ以来世界20カ国に4,500機以上が販売されている。かつては「黙っても売れる」状態だった同機の生産が終了する可能性が出てきた。 ロッキード・マーティンは生産終了を回避したいところだが米空軍はF-35導入に注力しており、支援は見込み薄だ。一方、現存するF-16の飛行寿命を50%延長する案に空軍は注目している。 海 外販売ではイラクとオマーン向けの詳細がまだ決まっていない。オマーンには12から18機、イラクには18機の販売予定だが商談は成立していない。一方、 最近成立したモロッコ、エジプト向け販売でロッキードは57機の受注残を抱える。生産ペースは年間18機で、各機は30ないし36ヶ月の工期が必要。その ため今年末までにイラク・オマーン商談が未成立のままだと現有の生産ラインを維持するための資金段取りの決断が求められると同社は見る。 イ ラク・オマーン両国向け販売に議会の反対はないが、政府間交渉がまだ続いている状態だ。米空軍高官にはイラク向け販売に難色を示す動きがある。イラク空軍 のパイロットには高性能機を運行する準備がまだできていないというのが理由だ。さらに中東地域の不安定要因が販売を遅らせている。 そ の次に控えるのがルーマニア・台湾向け販売の可能性で、台湾は最大66機、ルーマニアは48機程度を検討している。ルーマニア高官の訪米が今月に予定さ れ、それを機に一気に進展するかもしれない。台湾向け販売は政治的に厄介な側面があり、中国の抗議を呼ぶが、ホワイトハウスは来月までに決断を下す見込み だ。ジョン・コーニン(共和 テキサス)とロバート・メネデス(民主 ニュージャージー)両上院議員が台湾向け売却を支援する法案を上程している。コーニ ン議員はF-16生産ラインを選挙区に持ち、販売の経済効果は87億ドルもあると主張する。 一方、1,000機以上のF-16を運航中の米空軍には調達予定はない。むしろF-35導入までのつなぎで現有機の飛行時間を延長する方法を検討中だ。 設 計仕様では飛行時間は最長4,500時間であ

2010年度の国防契約受注大手企業はどこか

Analysis: Lead Pentagon Contractors For 2010 aviationweek.com Sep 23, 2011                                                              本誌独自の分析で2010年の国防契約で最大の規模を獲得したのは ロッキード・マーティン と判明した。同社は総額125億ドル契約数6,334件で第一位。 続 く ボーイング は83億ドル1,756契約件数で、 ジェネラル・ダイナミクス が第三位で67億ドル5,604契約だった。 ノースロップ・グラマン は僅差なが ら第四位で63億ドル6,302件でここに最近同社から分離した造船部門(現社名 ハンティントン・インガルス・インダストリーズ (HII)を含むと66億 ドルになる。HII単体では64位の規模だ。 これら上位企業に共通するのは幅広い事業部門を有することで、その多くは近年の企業統合で傘下に入ったもので軍の幅広い部門でサービス・装備を提供している。 それ以外の主要契約社は専門性をもち、特定のサービス、機材等を提供している。 た とえば2010年には第五位の オシュコシュ・トラック・コーポレーション Oshkosh Truck Corpは車両製造を専門に行い54億ドル837件の契約規模であった。同社が契約額の規模拡大を開始したのは2000年代の後半になりペンタゴンがアフ ガニスタン、イラクの過酷環境で兵員、物資の輸送を拡大する必要に迫られた事態以降だ。 第六位の BAEシステムズ BAE Systemsもペンタゴンの車両需要の拡大の波に乗ってきた。同社の実績は41億ドル5,485件だった。 ペ ンタゴンは各計画の管理水準の向上に契約会社を使うことが多くなってきた。 ベクテル Bechtel,は第七位28億ドル79件だったが、プログラム管理業 務、エンジニアリング、建設で専門的な立場にある企業だ。その他 ケロッグ・ブラウン・ルート Kellogg, Brown and Rootも建設大手で2010年順位は8位28億ドル350件だった。 2010年に10大企業の座から脱落したのは ベル・ボーイング共同事業体 (27億ドル298件)と レイセオン (23億ドル、2,052件)だった。

リビア作戦の教訓:精密誘導ミサイル開発を重視する英仏

                              After Libya, Europe Eyes Precision Arms aviationweek.com Sep 22, 2011 NATO主導のリビア作戦ではっきりしたのは精密兵器の威力だ。だが同時に今回の作戦でヨーロッパ各国の精密兵器備蓄が不足していることも露呈した。 フランスは自国のAASM精密誘導弾に大きく依存し、英国空軍はデュアルモードのブリムストーンを大量に使用しており、ミサイルメーカー MBDA に増産を依頼している。 今回の作戦でヨーロッパの精密誘導兵器の大幅な見直しにはつながっていないが、実地使用の結果が現在分析中で、今後の改善につながる可能性がある。 欧州防衛機関(EDA)は欧州内兵装メーカーと共同で精密兵器の産業基盤の大規模評価をまもなく完成する。その目標は2020年目標で強い産業基盤を整備することにある。 同評価から先に出た内容では移動目標に対する弾薬生産で各国協力関係の強化が指摘されており、附随損害を避けて攻撃を最後の段階で取り消す機能が求められている。 同時にこの評価から現状の欠陥が指摘されており、高性能誘導弾の誘導制御に必要な技術の弱体化がその例。 技術ギャップにも注目があつまっている。欧州の防衛関連電子工業がそのひとつで、誘導弾の数千Gに耐える制御部分ハードウェア製造がその中心だ。また同様に過酷な条件に耐える電池製造能力も不足していることが露呈。 関 連する国の数、企業数のためその調整内容は現在の誘導ミサイル製造でフランスと英国が協力している事例をはるかにこえる規模になる。英仏両国は昨年にミサ イル開発の協力を確認しており、その理由には自国内産業技術の温存がある。合意されたのは将来型空対艦重量級誘導ミサイル(FASGW(H))でフランス ではANLと呼称される。 フランスも自国兵装メーカー支援に動いており、FASGW(H)向け予算は国防相合意のMBDA向け財政支援の一環として特別扱いになっている。業界筋によれば11月予定の英仏国防協力サミットでこれ以外の協力案件が成立する可能性があるという。 FASGW(H) 開発は昨年合意された技術基盤強化の一環である。弾頭部、推進モーター技術のそれぞれ成熟化、ミサイルのデータリンク試験、海上でのアンテナ試験

米空軍次期ISR機開発は新型爆撃機構想と同一方向になりそう

Bomber Discussions Template For USAF ISR aviationweek.com  Sep 20, 2011                                                                           次期情報収集・監視・偵察(ISR)機材の支出規模を再調整する米空軍案は長距離攻撃能力を基本とする「システムのファミリー」をめざした以前の案と同じ方向を たどると空軍長官マイケル・ドンレーは考えている。「予算規模が全体で縮小すれば、優先順位のつけ方でも差別化を図らねば、ISRの向上は実現しません」 と本誌に語っている。 ISR戦力構築の再検討作業は空軍情報本部の主導ですでに開始されている。ドンレー長官によると秋に完成し、予算配分の決断に間にあうという。2013年度予算案は来年2月に議会に提出される。 今秋の財政赤字削減策協議の結果次第でペンタゴンは5ないし10%の削減を余儀なくされるだろう。このため異例の予算検討作業が主要プロジェクト全般で国防総省内で進んでいる。 わ ずか三年前にはゲイツ国防長官(当時)が空軍に対しアフガニスタン・イラク両作戦でISR支援の対応が遅すぎると叱責していたのであり、同長官のもと ISR対応チームが編成され従来の調達方法に頼らず迅速な第一線配備をめざすことになった。同長官はこれまでになく迅速にISR機材を戦地に配備しようと していた。 そ の結果、空軍はジェネラルアトミックスのプレデターおよびリーパーへの支出を大幅に増やした他、MC-12プロジェクトリバティとしてL-3コミュニケー ションズによるホーカー・ビーチクラフト製キングエア350ERに電子光学、赤外線、情報収集センサーを装備させイラク、アフガニスタンに投入している。 「ISR は成長分野ですが、購入価格にも十分な考慮をして最新技術を早く戦地で利用できるようにする必要があります。国防長官とは昨年に次期爆撃機でやりとりがあ りましたが、空軍が全体包括的な考えをして選択肢の詳細評価に時間をかけてバランスのとれた判断をしようとしたためです。そのモデルをISR検討にも使っ ています」(ドンレー長官) ゲ イツ長官が空軍が選択肢を検討し終わるまでは棚上げしようとしている中で新型爆撃機の