T-38C高等練習機の後継機種を巡り各メーカーがすでに動いていると、国防関連に詳しいAmy Butlerが以下報じています。
米空軍はT-38C高速ジェット練習機の後継機種(T-X)調達計画をまだ発表していないが、業界では米国内の高い失業率を考慮して後継機生産は米国内を前提とするものと見ている。
Contractor Teams Shaping Up For T-X Work
aviationweek.com Sep 28, 2011米空軍はT-38C高速ジェット練習機の後継機種(T-X)調達計画をまだ発表していないが、業界では米国内の高い失業率を考慮して後継機生産は米国内を前提とするものと見ている。
- 競 合メーカーとなりそうなのは三社でそれぞれが海外メーカーの機体を原型とする設計案を準備している業界では有力国会議員の各選挙区で雇用促進に貢献す る提案が出てくるのは時間の問題と見ている。空軍が通常の選定を行う際には雇用創出規模は考慮されることはないが、KC-135後継機を巡る争奪戦をボー イングとエアバスが行ったようにT-Xでも「もっともアメリカ的」なチームが米国内雇用創出を前面に訴える政治的な主張を展開すると見られる。
- こ の中でBAEがまっさきにノースロップブラマンと共に米国内生産を提案している。同社提案はホーク練習機を基本とするものだが、生産拠点をどこに置くかは 明瞭にしていない。ノースロップは同社レイクチャールズ工場(ルイジアナ州)の雇用を確保したいところだ。同工場はボーイング707をJSTARS空対地 監視機に改装する作業を行なっていた。予算削減の折、同工場は閉鎖に向かおうとしている。
- ア レニアエアロノーティカはM-346原型の提案をする見込みだ。ただ、同社社長ジョン・ヤングは「レイクチャールズ工場を活用するためノースロップが BAEとチームを組むのは予測範囲だ。当社は急いでパートナーを探すつもりはない」と語る。同社CEOジュセッペ・ジオルドは「米国進出も7念目となり、 当社は米国内で受け入れられる仕事の進め方を理解している」と米国メーカー提携先を模索しているようだ。
- そ の候補先はボーイング、レイセオン、L-3コミュニケーションズだろう。ボーイングは空軍が短期間に開発できる既存設計の応用という当初の案を廃棄して、 完全な新型機の開発に変更するkとを期待している。ただし、その可能性は少ないので、同社としてはアレニアとの共同開発の可能性を残している。ボーイン グ・アレニアの共同事業の直近の例はC-27J輸送機の米国内導入提案だったが、両者間の作業分担率を巡る意見不一致で不発に終わっている。
- ヤング社長はフロリダ北部のセシルフィールドが生産候補地だという。同地はC-27Jの最終組み立て拠点として選択されていた経緯がある。アレニアはサウスカロライナ州とも提携先ボーイングの787事業で関係がある。
- ロッ キード・マーティンは韓国航空宇宙工業とチームを組み、T-50原型の提案をする構えだ。どうチームの提案内容は米国部品メーカーを多数巻き込み、生産拠 点も国内に設定するものになりそう。その場所はジョージア州マリエッタが最大の候補だ。同地ではC-130Jが年産33機生産されているが、F-22生産 ラインは閉鎖に向かっており、余力がある。同工場出の生産案は同州選出の有力国防サクスビー・チャンブリス上院議員Sen. Saxby Chambliss (R-Ga.)(共和党)の強い支持を受けている。
- た だ、競争提案がいつ開始されるのかは不明だ。空軍教育訓練軍団を指揮するエドワード・ライス大将Gen. Edward Riceは遅延をほのめかしている。「機体の構造寿命が残り少なくなっているわけではない。まだ安全な飛行は可能です」と同大将は2009年に発言してい る。調査の結果、既存機の余命は予測より長いことが判明している。
- T- 38Cの平均機齢は40年超だが、飛行制限なしに戦闘機パイロット向けの高等練習機の役目を果たしている。空軍はその中で次期高等練習機計画をどこまで遅 らせるかを慎重に検討している。2008年にT-38墜落事故が発生したことで同機の運航に不安が広まったのは確かだが。
- ペンタゴンはこのT-X調達計画を巡り国防装備取得検討委員会を10月21日に開催する。その結果で競争提案日程と契約への道筋がつくだろう。
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