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フランス強襲揚陸艦のロシア引き渡しを凍結

よく読むとフランスはロシアへの引き渡しを凍結するのであって、取り消すわけではないようです。何か裏があるのでしょう。引き渡しになればウラジオストック配備となり、太平洋の安全保障にとって懸念材料になりかねませんね。報道ではヘリ空母などと言っているようですが、立派な強襲揚陸艦です。 France Suspends $1.53 Billion Russian Amphibious Warship Deal Over Ukraine Conflic t By: Sam LaGrone September 3, 2014 4:05 PM ロシア向け揚陸強襲艦ウラジオストックの想像図 DCNS Photo フランスはロシア海軍向け強襲揚陸艦二隻合計15.3億ドル相当の商談を取り消す。ウクライナでロシア支援を受ける分離派と政府軍の戦闘が激化する中での対応とフランス政府が3日に発表。 大統領府からは「状況は深刻で、ロシアによる最近のウクライナ東部を巡る行動は欧州安全保障の根本原則を破るもの」との声明文が出ている。 「フランス大統領は休戦の可能性も見えてこない状況ではフランスはヘリコプター空母の一隻目引き渡しは認可できないと判断した」 . ただし声明文では二隻(ウラジオストックとセパストポリ)を将来にわたり引き渡すことがないとは言っていない。 これに対しロシア国防関係者も声明を出し「内容は楽しいものではないが、悲劇ではない。我が国の装備整備計画に影響はない。今後も国際法と成立済み契約の精神に則り行動していく」とユーリ・ボリソフ国防副大臣 Russian Deputy Defense Minister Yuri Borisov は国営メディアRussia Todayの番組で語っている。 . 各種報道によれば今回のフランスの動きは米、欧による制裁措置の拡大とは別だが、艦艇2隻の引き渡し凍結は米国とウクライナから数か月にわたり批判を受けての決定だ。 . ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコ Petro Poroshenko は7月にマレーシア航空17便の撃墜事件後にもかかわらず商談が進展していることに「非常に失望」していると発言している。 米国政府は繰り返し艦艇売却に反対の意見を表

中国 空母運用テスト中にパイロット二名を失う

Two PLA Pilots Have Died Testing Fighters for Chinese Carrier By: Sam LaGrone Published: September 5, 2014 5:44 PM Updated: September 5, 2014 6:25 PM 中国の空母「遼寧」, PLAN Photo 人民解放軍空軍のパイロット少なくとも2名が空母遼寧で運用予定の機体テストで死亡したと中国国営メディアでひっそり報じている。 「パイロット二名がテスト中にその生命ををささげた」と8月27日報道で瀋陽J-15の空母運用テスト中の事故を伝えている。記事ではそれ以上の詳細は伝えておらず、機体がどうなったかも不明だ。 9月5日付の Jane’s Defence Weekly では「少なくとも二機を喪失したようだ」と結論づけている。 海軍問題の専門家エリック・ワーゼイムEric Wertheim(米海軍協会発行「世界の戦闘艦艇」 U.S. Naval Institute’s Combat Fleets of the World 著者)によれば今回の事故は異例ではないという。 「驚くにあたらない」とUSNI Newsに5日答えている。「空母航空隊には危険がつきもの、とくに初心者にはそうだ」 中国はソ連時代の技術に大きく依存して空母中心の打撃群の整備に乗り出した段階で、遼寧は技術実証の手段の色彩が強く、国産空母がこの後続くとみられる。 遼寧艦上で運用中のJ-15、日付不明写真 PLAN Photo J-15はライセンスを無視したスホイSu-33フランカのをコピーで中国はロシアが設計しウクライナが建造した遼寧から運用中。 中国は空母からの航空運用をブラジル海軍パイロットから学んでいると伝えられている。ブラジルは1960年代からフランス製中古空母を運用している。 それでもPLAは空母での航空運用を素早く学びつつあり死傷者は米海軍実績を下回る。 2013年時点で当時の大西洋航空部隊司令官テッド・ブランチ中将 Vice Adm. Ted Branch (現海軍情報部長)は「中国は我々より早く学び、我々の得た教訓を活用するだろう」

F-35エンジン火災事故の問題解明進む ただし根本原因はまだ不明

ここにきてエンジンの構造問題が出てきたのですが、代替エンジン案を却下してまでプラットにかけたF-35開発がこのままではプラットと心中してしまいかねません。どこまで同機の開発は不運につかれているのでしょうか。F-35導入を決めた各国は本件の進展を神経質にながめているのでしょう。 F-35 Fire: In Search Of A Solution JSF engine fire blamed on seal friction Sep 8, 2014 Guy Norris, Bill Sweetman and Amy Butler | Aviation Week & Space Technology . 遅れている ロッキード・マーティン F-35共用打撃戦闘機の運用開始がさらに遅れる可能性が浮上してきた。 プラット&ホイットニー F135エンジン火災事故で決定的な原因が未解明のためだ。6月23日にエグリン空軍基地でのAF-27号機火災「偶発事例」とか言われてきた。しかし、Aviation Weekは 少なくとも5件のエンジンが機体から取り外されており、予想外に早く摩耗が発生していることを知るに至った。 今月末までにトラブル回避策をみつけシステムズ開発実証(SDD)機材21機を制限なしで飛行させるはずだった。これが時間どおりにできないと、初期作戦能力獲得の日程が実現できない、とJSF開発室長クリス・ボグデン中将が3日に認めている。 F135エンジンの外寸と重量6,500‑lb.により飛行中は高い荷重とたわみが発生する プラット&ホイットニーもエンジン部品の再設計で事故再発を防止しようとしており、JSF訓練の飛行制限解除を目指している。ボグデン中将によれば原因究明は当初の138要素を4つまでしぼりこんでいる。プラットは根本原因の究明を待っている。 ただし再設計の所要時間数、費用はまだ不明で製造中のエンジンを改装するのか、完成済みエンジンの改修になるのかも不明。ペンタゴンの調達業務トップ、フランク・ケンドール次官は9月3日に「莫大な費用にならないと確信している」と語っている。 JSF開発室はAF-27号機の事故詳細で情報開示を拒んでおり、単価 205百万ドル (事業調達コスト、2013年度選

米韓合同陸上機械化部隊が創設される

今回発表となった新部隊は北朝鮮崩壊時に大量破壊兵器を制圧し、流出を防ぐ意味があるのでしょう。集団安全保障ともからみ日本も静観できない構想ではないでしょうか。 Report: US, South Korea Set Up Wartime Unit To Destroy North's Nukes Sep. 4, 2014 - 04:23PM   |   By AGENCE FRANCE-PRESSE   |    Comments 韓国海兵隊が模擬上陸作戦を三月の米軍合同演習で実施している (Master Sgt. Michael Schellenbach / US Marine Corps) SEOUL, SOUTH KOREA — 9月4日に韓国から合衆国との合同部隊創設の発表があった。報道によれば開戦時に北朝鮮の大量破壊兵器に対応するものだという。 米軍少将が指揮する機械化部隊として来年上半期中に編成されると韓国国防省が発表。 「両国合同部隊として戦時の作戦部隊のな初の試み」と国防省報道官は述べたが任務内容には触れていない。 同部隊には北朝鮮の大量破壊兵器の排除が認められているとの聯合通信報道は報道官に確認を拒否された。 国防省によれば新部隊の米韓合同司令部はソウル南方の議政府Uijeongbuに置く。同地は北朝鮮による侵攻への抑止力として米陸軍第二歩兵師団が防護している。 全面戦争となれば、韓国の機械化一個旅団が米第二師団に合流すると発表。 両国は休戦したままで、平和条約はないので、技術的に交戦状態のままだ。 軍事協定により約3万の米軍部隊が韓国に駐留しており、有事には米軍司令官が韓国軍640千名も指揮下にいれることになっている。 米国による戦時統制権が有効なのは2015年までだが、韓国は統制権返還の先送りを希望しており、北朝鮮の核とミサイル開発の脅威をその理由としている。 一方で韓国と米国は恒例の軍事演習を8月に実施しはじめて核攻撃の脅威への対応が訓練に取り入れられたと韓国国防省は発表しており、両国協議で決まった「個別調整ずみの」抑止力戦略に沿ったものだろう。 韓国は合衆国の核の傘で守られており、有事の際は韓国内の米軍部隊は本国並びに東アジアの米軍部隊で祖増強されるはずである。

F-35Aエンジン火災事故(6月)の原因解明に近づく

F-35 Blade Microcracking Began Three Weeks Prior To Engine Fire Sep 3, 2014 Amy Butler | AWIN First 6月23日にF-35AエンジンF135で発生した火災事故を発生させたのは第三段ローターの微小亀裂 microcracks と判明した。この亀裂は事故の三週間前から、ヨー、ロール、gストレスを組み合わせつつ安全にパイロットが操縦した際にに広がったと開発責任者が明らかにした。 わずか2秒間の操作でブレイドのチタン合金エンジン外部を補強する摩耗性条片が「激しく摩擦」し、エンジン温度は1,900F(約1.038C)と想定の1,000Fを大きく上回ったと米空軍クリストファー・ボグデン中将が9月3日に明らかにした。 微小亀裂はその際に発生し、その後三週間で成長しブレイドが分解し燃料タンクに穴が開いた。 F-35共同開発室はF135エンジンブレイドの摩擦が火災原因であり、全機飛行停止の原因となったとつきとめた。F135メーカーの プラット&ホイットニー はブレイド摩擦を発生させない条片を使う新設計にとりかっており、10月にテストを開始とボグデン中将が明らかにした。 一方で、「焼き付き」措置を別個に検討しており、一定の制限下の飛行実施で条片を摩耗させる現象で、これが確立されれば改修せずに厳しい条件でも飛行再開が可能になるのではと期待がある。現在の飛行は厳しく制限された形で実施中だ。またブレイドのチタン合金の冶金特性も調査中だ。 . テスト機材は21機になっており、各エンジンはボアスコープで三時間の飛行後に毎回点検を受けている。これが迅速なテスト実施の妨げになっている。 プラット&ホイットニーは納入済エンジン156基すべての点検費用を負担する。 「プラット&ホイットニーの本問題への対応はとても良好」とボグデンは述べ、「技術的観点から同社はAチームをあてている。営業の観点からは同社はこの問題を絶対解決しなければと考えている」 . 調査チームは原因となりうる要因を4つまで絞り込んでおり、今月中に真の原因を解明との期待がある。 エンジン火災事故でテスト日程は30

ソマリア空爆でテロリスト集団最高指導者の排除を図った米軍特殊作戦部隊

公安調査庁によれば今回の標的となった組織もイスラム国樹立を目指しており、場所は違いますが、イスラム国への対応の一環とみることもできます。ペンタゴンからの歯切れの悪い情報開示は特殊作戦であることに加え、ソマリアが米国には忌まわしい記憶が残る地でもあり、結果報告で配慮しているのでしょう。 Pentagon Targeted Al-Shabaab Leader in Somalia Strike By: Dave Majumdar Published: September 3, 2014 8:27 AM Updated: September 3, 2014 8:27 AM アーメド・アブディ・アルムハマッド別名アーメッド・ゴダネ 撮影時期不明 ソマリアでテロリスト組織アルシャバアアブ Al-Shabaab を狙った空爆を月曜日に実施したペンタゴンだが、指導層を排除できたのか不明のままだ。 空爆の標的は組織の最高指導者アーメッド・アブディ・アルムハマッド Ahmed Abdi al-Muhammad 別名アーメッド・ゴダネ Ahmed Godane で2013年のウェストゲートモール(ケニア・ナイロビ)襲撃事件を実施したと自ら認めている。 「作戦結果は評価中で、追加情報は適当となった時に提供する」とペンタゴン報道官ジョン・カービー少将は9月2日に報道陣に述べている。「作戦の具体的情報は、部隊名、情報の出所、戦術、方法など含め一切お知らせできない」 ただカービー少将によれば空爆には米陸上部隊も加わり、首都モガデシュで実施されたという。空爆でゴダネ含むアルシャバアブ指導部がいたとされる野営地が破壊された。 「昨日東部標準時間11:20ごろ、米特殊作戦部隊が有人機無人機を使い、野営地1と車両をヘルファイヤミサイルとレーザー照準弾で破壊した。」(カービー) ただ作戦に投入した機種や所属はあきらかにしていない。たださい、米特殊作戦司令部 Special Operations Command (SOCOM)  には米空軍所属の ジェネラルアトミックス MQ-1プレデターとMQ-9リーパー無人機が配属されている。 SOCOMは特殊作戦用ヘリコプターやガンシップに改造した輸送機も運用中。 カ

黒海で増強されつつあるNATO艦船の動き

ウクライナでロシアが真っ先に狙ったのがクリミヤ半島です。黒海を裏庭と考えるロシアにはNATO艦船の動きは神経をいらだたせていることでしょう。国内では黒海の動きは報道されていないと思いますので、今後も動静をフォローしていきます。 Four NATO Ships Due in Black Sea Ahead of Maritime Exercise By: Sam LaGrone Published: September 3, 2014 3:24 PM Updated: September 3, 2014 3:26 PM アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USS ロスRoss (DDG 71) 乗組員が小舟艇の訓練を8月3日に行っている様子 US Navy Photo NATO艦船4隻が黒海に数日以内に移動し、ウクライナ含む国際演習に臨むことが米海軍発表から判明した。今回の4隻を加え、NATO艦船は黒海に9隻、過去最大規模になる。 誘導ミサイル駆逐艦USSロス Ross (DDG-71) がボスポラス海峡を通過したと米第六艦隊から発表あり、フランス海軍フリゲート、コマンダン・ビロ Commandant Birot (F796)も通過するという。 ロスの派遣はNATO加盟国ならびに域内提携国の集団的安全保障への米国の真剣さを示す目的があると第六艦隊は発表している。 カナダ海軍のハリファックス級フリゲートHMCSトロント Toronto (FFH-333) 、スペイン海軍誘導ミサイルフリゲート艦アルミランテ・フアン・ド・ボルボーン Almirante Juan de Borbón (F-102) も9月7日までに黒海に移動するとロシア通信社イタル-タスが報道している。 各艦は演習シー・ブリーズが9月8日から10日にかけ実施されるため派遣されたとペンタゴン報道官スティーブ・ウェーレン大佐が報道陣に3日発表している。演習では海上阻止行動、防御、航法、人道災難救援humanitarian and disaster relief (HADR) を実施する。7月には機雷対応を主眼とした海軍演習が行われている。 フランス海軍の情報収集艦デュピュイドローム Dupuy de Lôme (A759)は