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イラク、シリア、アフガニスタン航空作戦の最新データから見えてくる戦略上の失敗とは

これもオバマ政権の失敗では。イスラム国をもっと早く叩くべきであったのに小出しに航空兵力を投入して貴重な時間を空費したこと。米地上軍の投入をためらい、イラク他の地元兵力武装勢力を主役に立てた分、訓練や整備に時間がかかっています。砂漠や高地で酷使された各種機材の更新が今後たくさん必要になりますがF-35やLRSB等の大型案件に予算が吸い込まれ、結果として米空軍は戦力減少に向かうでしょう。イスラム国ははやく消滅させたほうがいいのは自明の理なのでせっかく勢いのついてきた作戦を今後も継続してもらいたいですね。日本も貢献できることがあるはずですね。   Airstrikes Up In Iraq & Syria, Afghanistan Eats ISR: CENTCOM By SYDNEY J. FREEDBERG JR. on July 20, 2016 at 4:00 AM http://breakingdefense.com/2016/07/airstrikes-up-in-iraq-syria-afghanistan-eats-isr-centcom-data/feed/ 月別兵器投下量(緑シリア-イラク、赤アフガニスタン) US CENTCOM data アメリカは全く違う戦争を2つ同時に実施している。国防総省発表の最新データからイスラム国向け航空作戦はほぼ四ヶ月の小康状態からふたたび激しくなっていることがわかる。一方でアフガニスタンでの空爆はイラク、シリアと比べればごく小規模であるが、アフガニスタンの荒れた広い国土に驚くべき量の偵察活動が展開されている。 米中央軍CENTCOMの最新データを分析し、双方の戦闘状況を把握した。CENTCOMが昨日公表した報告書で月ごとに爆弾が何発投下されミサイルの発射本数もわかる。6月が極めて活発で記録に並ぶ量が投下されている。 圧倒的多数の97.1%がダーイシュ(自称イスラム国のアラブ語頭文字による蔑称)向けで、6月に米軍はイラク、シリアで合計3,167発を投下しているのに対しアフガニスタンでは62発だった。 近接航空支援ソーティー数 US CENTCOM data アフガニスタンでの交戦規則が厳格になったことに注意が必要だ。国境なき医師団の病院への誤爆で42名

★★★A-10の主力装備GAU-8機関砲とは

A-10の存在意義であるガトリング砲GAU-8について詳しく解説しています。もともとがガン専門誌の記事なのでややマニアックかもしれません。また訳にも一部おかしなところがあるかもしれません。ご存知の方はご指摘ください。   We go to war so you don’t have to U.S. Air Force photo. All other art via Wikipedia Everything You Ever Wanted to Know About the A-10 Warthog’s Big-Ass Gun The GAU-8 is a fearsome shooter by MATTHEW MOSS https://warisboring.com/everything-you-ever-wanted-to-know-about-the-a-10-warthogs-big-ass-gun-54796e1b5b81#.8cmdsn1x8 ジェネラル・エレクトリック の30ミリGAU-8アヴェンジャー機関砲は米空軍A-10サンダーボルトII対地攻撃機の主要兵装として40年に渡り使用されている。同じ砲は海軍の近接防空システムであるゴールキーパーにも採用されている。巨大で畏怖感を与える銃だ。 GAU-8は銃身7本と円形ロック機構付きボルトで構成する。動力に油圧モーター2基を使い理論上は戦車を貫く劣化ウラン弾を毎分4,200発発射できる。 1960年代に空軍は対地攻撃専用機材として導入可能な低価格で装甲車両や固定陣地を破壊できる近接支援機が必要と結論づけた。ソ連装甲師団が大量に西ヨーロッパに流れ込む脅威から主力戦車や装甲兵員輸送車を破壊できる機体が必要となった。 1966年9月に米空軍は試作攻撃機事業、別名A-Xで新型近接航空支援機の開発を始めた。 A-Xでは安価な機体に低速での操縦性、長時間の空中待機性能を付与し残存性と火力を重視した。空軍はA-1スカイレイダーのパイロットからヴィエトナム実戦体験を求め、提案内容を1970年夏に修正した。 また提案書では30ミリ回転式自動砲に毎分4千発の発射性能を要求した。空軍はM61を以前に開発したジェネラル・エレクトリック、成功しなかった25ミリGAU

★★A-10後継機種の検討が米空軍内部で始まったのは健全な方向

Replacing, Not Just Retiring, the A-10 Defense News editorial 3:25 p.m. EDT April 11, 2016 http://www.defensenews.com/story/defense/commentary/editorial/2016/04/11/replacing-not-just-retiring--10/82773382/ (Photo: Airman 1st Class Luke Kitterman/Air Force) 一機種ですべての用途を任せると結果は悲惨だ。だが費用節約策として多用途機の配備が推進されてきたのも事実だ。 広く愛着を呼ぶA-10ウォートホグを引退させ近接航空支援(CAS)ミッションをF-35共用打撃戦闘機に任せる構想には批判が多く集まっており、ピカピカの新型機には戦場で実証済みのA-10と同等のCAS能力はなく、地上部隊を守ることはできないとされる。 A-10を退役させ、F-35実用化まではF-16とB-1でCAS任務を行えばよいとしてきた空軍だが、先週に上層部はこれまでの方針を緩和する動きを見せた。マイク・ホームズ中将(空軍参謀次長、戦略立案担当)が空軍は次期CAS機材の要求性能を検討していると報道陣に明らかにした。 これは賢い選択で全体調和につながる動きだ。近接航空支援はセンサー性能の向上、指揮命令機能の進歩、精密誘導兵器の導入で大きく変化している。CAS専用の新型機は新技術を活用し、アフガニスタンやイラクでは見られなかった強力な防空体制にも有効に対抗できるだろう。 要求性能諸元の検討はA-10後継機開発につながる第一歩で、後継機構想はA-Xと呼ばれ、空軍は専用機材の導入を一年以上かけて検討するほか、2015年には三軍代表を招きCAS任務の方向性を探るサミットを開催している。 ホームズ中将によれば米空軍は選択肢三つで性能と価格をはかりにかけている。A-Xを新型機として導入する、既存機材を改造してCAS任務にあてる、A-10の供用年数を延長する、の三つだ。現在開発中の機材や稼働中の機材でCAS任務に投入できそうなのはA-29スーパータカーノ攻撃機、AT-6練習機、テキストロンエアランドのスコー

米空軍>A-10後継機を検討か、でもそのまま実現するとは思えません

混迷していますが、水面下ではA-10後継機を目指す動きがあるようです。ただし原資がないと先に進めないということでT-Xと一緒にすれば良い、という主張ですが、こうなると前から話題に出ているテキストロン・エアランドの常識を破る小型機スコーピオンが注目されないかなあと思いますが、いかがでしょうか。 Amid Pressure To Keep A-10 Alive, USAF Explores Close-Air Support's Future By Lara Seligman 7:08 p.m. EDT August 25, 2015 http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/air-force/2015/08/25/amid-pressure-keep--10-alive-usaf-explores-close-air-supports-future/32109249/ WASHINGTON — 米空軍はA-10温存を求める圧力と厳しい予算削減の中で近接航空支援(CAS)の将来像を検討中だ。 A-10退役を目指す空軍の動きを憂慮する議会は代替機種の手当がないことを問題視している。空軍の主張はA-10を全機退役させれば今後5年間で42億ドルの予算節約になるというもの。これに対しA-10擁護派は地上部隊を見殺しにするつもりかと空軍に食って掛かっている。 広がる懸念の声に空軍はついに将来型のCAS機材の開発案があることを示した。航空戦闘軍団の2015年戦略方針がCAS機材の「開発可能性」を求めている。 「バランスのとれたCAS能力がすべての機材で必要で、将来のCAS機材の開発をめざすべきである。またCASの伝統の火を消してはならない」と同案にあり、8月10日に公表されている。 空軍関係者からはA-10後継機をA-Xとして検討中であるとの方向性が示されている。ACC司令官ホーク・カーライル大将は「検討中だ」と空軍協会主催シンポジウムで2月に記者団に答えている。 「将来の戦力構造を考えると抜けがないようにウェポンシステムが必要になり、まさしく現在進行中だ。すべての方向性を検討している」(カーライル) 一方で空軍は3月にCASミッションを考える会議に

ISIS空爆は長期化し空の塹壕戦になるのか 

高価な戦闘用航空機でこれも高価な弾薬類を投下してトラック一台を破壊する、という作戦が根本的におかしいのは明らかです。が、代替策がない、というのが偽らざるところなのでしょう。大規模な地上戦でCASが主体の作戦なら話は違ってくるのですが。面倒な相手を選んでしまったようですね。 Trench Warfare With Wings: Can ISIL Airstrikes Go Beyond Attrition? By SYDNEY J. FREEDBERG JR.  on April 09, 2015 at 2:25 PM http://breakingdefense.com/2015/04/trench-warfare-with-wings-can-isil-airstrikes-go-beyond-attrition/feed/ 図1.2月4日以降の航空攻撃目標分類 戦闘員>車両他>橋梁 航空戦力といえば高速で目標だけを正確に攻撃するイメージだが、実態は空の塹壕戦の様相を呈することもある。今週初めにティクリット奪回に成功した直後に米中央軍CENTCOM から詳細なデータで空爆作戦が自称イスラム国(ISISあるいはISIL)にどう展開されているかが示された。その内容を精査してみたところ、8ヶ月におよぶ空爆は消耗戦であるのが明らかになった。 一回の空爆で目標はトラック一台を目標、ときには戦闘員一名単位で、イラク部隊の近接航空支援が中心だ。空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将はF-22はCASに投入していないと言う。 2月発表の成果と比べると、戦略目標としての敵指揮官や石油関連施設が減っている。石油関連施設は合計151箇所で空爆対象5,457箇所の3%未満に相当するだけだ。 ISISに戦略級の目標そのものが少ないと思われがちだが、空軍力に深い知識を持つBreaking Defense 寄稿陣のひとりデイビッド・デプチュラ David Deptula退役空軍中将は空軍力を有効に使うべきなのに米国は機会を無駄にしていると主張。 「たいていのひとはこんな罠にひっかかる。『ここは工業化が進んでいないな』、確かにプロエスティ(ルーマニア、1943年に米軍が空爆)よりも精製施設の規模は小さいが、シリア国内の油田が連中の資金源になっている

☆ 米空軍の考える近接航空支援の新しい姿とは

空軍が必要か、との議論もこのCAS任務に端を発しているのではないでしょうか。またここではA-10引退か否かの問題もからんでいます。一方で空軍とすればデビューしても当面は期待通りに使えないF-35を抱えてしまうのは大変との思いもあるのでしょうね。 USAF Eyes New Era Of Close Air Support U.S. Air Force’s campaign to reinvent CAS Mar 30, 2015 Amy Butler Aviation Week & Space Technology - Defense Technology Edition http://aviationweek.com/defense/usaf-eyes-new-era-close-air-support 2001年秋、ペンタゴンは史上最大規模の機体開発になるロッキード・マーティンF-35にゴーサインを出したが、その時点で近接航空支援(CAS)は任務の前面に掲げられていなかった。 契約交付の数週間前に9.11のテオロ攻撃が発生しており、CASミッションはイラク、アフガニスタンで普通のことになっていた。その時点ではF-35AにCASを激戦空域で実施させるのは補足的な扱いで空軍は同機にF-22と組んで深部侵攻をさせようと考えていた。現在は議員の側から空軍のA-10退役案に異議が入っており、F-35対A-10の単純な議論ではなくなっている。空軍はA-10全機退役を実施できなくなり、議論の「活性化」に追い込まれていると参謀総長マーク・ウェルシュ大将は語り、将来のCAS機材として各種戦闘機や爆撃機を投入し、F-35だけには任せないことになっている。 この問題は空軍で喫緊の課題。財政圧力の中で国防予算削減が計画されており、空軍は再度A-10退役案を提示して、単一任務しかできない機材の維持にあてる予算はないと主張。 JTACチームがA-10パイロットに航空支援ミッションで敵味方の区別を教えている。A-10の低高度低速度飛行特性と強力な火力は地上部隊には安心感を与える。 Credit: USAF Airman First Class Chris Massey 将来のCASを検討すべく空軍はサミット会合