Replacing, Not Just Retiring, the A-10
Defense News editorial3:25 p.m. EDT April 11, 2016
一機種ですべての用途を任せると結果は悲惨だ。だが費用節約策として多用途機の配備が推進されてきたのも事実だ。
- 広く愛着を呼ぶA-10ウォートホグを引退させ近接航空支援(CAS)ミッションをF-35共用打撃戦闘機に任せる構想には批判が多く集まっており、ピカピカの新型機には戦場で実証済みのA-10と同等のCAS能力はなく、地上部隊を守ることはできないとされる。
- A-10を退役させ、F-35実用化まではF-16とB-1でCAS任務を行えばよいとしてきた空軍だが、先週に上層部はこれまでの方針を緩和する動きを見せた。マイク・ホームズ中将(空軍参謀次長、戦略立案担当)が空軍は次期CAS機材の要求性能を検討していると報道陣に明らかにした。
- これは賢い選択で全体調和につながる動きだ。近接航空支援はセンサー性能の向上、指揮命令機能の進歩、精密誘導兵器の導入で大きく変化している。CAS専用の新型機は新技術を活用し、アフガニスタンやイラクでは見られなかった強力な防空体制にも有効に対抗できるだろう。
- 要求性能諸元の検討はA-10後継機開発につながる第一歩で、後継機構想はA-Xと呼ばれ、空軍は専用機材の導入を一年以上かけて検討するほか、2015年には三軍代表を招きCAS任務の方向性を探るサミットを開催している。
- ホームズ中将によれば米空軍は選択肢三つで性能と価格をはかりにかけている。A-Xを新型機として導入する、既存機材を改造してCAS任務にあてる、A-10の供用年数を延長する、の三つだ。現在開発中の機材や稼働中の機材でCAS任務に投入できそうなのはA-29スーパータカーノ攻撃機、AT-6練習機、テキストロンエアランドのスコーピオン。
- 中将はA-Xの行方は議会と予算環境に左右されると一言付け加えている。予算については強制削減が2018年度、2019年度に再度発生するかがポイントだ。一方で議会内のA-10支持派は温存を求めており、その裏に選挙区にある基地が閉鎖されることを防ぐ意図が見える。
- 空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将は要求性能内容を今春に精査する予定だ。最適な選択はCAS専用機材開発でウォートホグの持つ残存性と性能を維持しつつ新技術の恩恵を利用できる。無駄な支出は寛容できないが、費用節約が大義名分となっては意味がない。
- なんといっても地上部隊の防御以上に重要なミッションはない。地上部隊には専用機材を投入してあげたいし、そこで妥協は認めるべきではない。■
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