トランプの勢いはとどまるところを知らず、大統領選はトランプ対ヒラリーの様相に落ち着いてきました。毒舌は相変わらずですが、閉塞感のある中職業政治家にはうんざりしている層が熱烈に支持しているのでしょう。国防政策で具体的な内容がまだ見えてきませんが、どれだけ有力な顧問がつくのかもう少し時間が必要なようです。ヒラリーがどんな国防観を持っているのかも注目ですね。米国の有権者が外交安全保障を上位の重要事項と考えているのは健全なしるしでしょう。
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Trump promises to rebuild the military, make allies pay more
共和党大統領候補でトップを走るドナルド・トランプが「アメリカ第一」の外交政策の基本方針を27日発表し、米軍を拡充する一方、同盟各国へ防衛支出増を求めている。
- 「冷戦終結後の米外交政策は大きく進路を誤っている」とワシントンDCで演説し、「時間の経過とともに我が国の外交政策はずれを大きくしている。論理の代わりに愚かで傲慢な態度が表に出ており、次々と失態が生まれている。外交政策は全くの失敗だ。構想力がない。目的意識がない。方向性がない。戦略がない」
- トランプは国際関係や安全保障で自らの考え方をちりばめた総論を述べたが財政支出や外交では各論を避けている。選挙戦で詳細を避ける傾向が批判の的となっているが、今のところ有権者に悪影響は出ていない。
- 例外として詳細に踏み込んだのはオバマ大統領の軍事支出戦略方針で、トランプは民主党でトップを行くヒラリー・クリントン候補に関連付けようとした。
- 「我が国の常備軍は1991年の二百万人が今や130万人にまで減っている。海軍は500隻が272隻へ同時期に縮小した。空軍は1991年の三分の一規模だ。B-52が戦闘任務に投入されているが、聴衆の皆さんよりも古い機体だ」
- 解決策は軍に「十分な予算を与える」ことだが同時に「節約すべきところは節約して予算を賢く使う」ことだとし、国防総省だけでなく「貿易、移民、経済政策すべてで米経済を再び強力にする」のだという。
- トランプはNATO同盟各国は自国防衛に十分支出していないと強い調子で批判し、各国に公平な負担と責任をさせると約束した。
- 「こちらが守ってやっている各国は相応の自国防衛の費用負担をすべきであり、従わなければ米国は各国に自分で防衛させる。選択の余地はない」
- またオバマ大統領とクリントン候補は外交政策への国民の信頼を損なったと批判した。イラン核合意は安全保障に悪影響を与え国の尊厳を傷つけ、中東各国で米国の信用が下がったと述べた。
- トランプは最高司令官になればNATOやアジアの同盟各国を集めたサミットを開催し、「財政負担の仕切り直し」を討議し、「共通する課題の数々に新しい戦略をどう活かすかを新しい視点で見る」という。
- 課題のひとつがイスラム国で、トランプはそのせん滅を確約している。「イスラム国へのメッセージは簡単明瞭だ。彼らに残さされた時間は少ない」とし、「その方法や攻撃対象を伝えるつもりはないが、彼らは消え去る運命だ」
- ここでもトランプは戦略方針の内容を伝えず、軍の動向や戦略案は教えるつもりはないとだけ述べた。
- 「動きを察知されないようにする。すべて伝える。軍を派遣する。そのほかも送る。報道会見は行う。だが手の内を読まれないようにする。予測不可能にすることは今から始める」
- CNBCの世論調査が今月初めにあり、「外交とテロ対策」は有権者の考える二番目に重要な争点と判明している。最上位は「経済と失業問題」だった。■
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