とても一年でテストが完了するとは思えませんので、防衛装備庁も予算構造を意識した説明に終始しているのでしょう。今後は航空自衛隊岐阜基地が同機のホームグランドですね。着実なデータ収集に期待しましょう。写真はすべて航空自衛隊撮影のものです。
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PICTURES: Tokyo plans 50 X-2 flights in coming year
26 APRIL, 2016
BY: GREG WALDRON
SINGAPORE
日本は三菱重工X-2技術実証機のテストに一年間合計50回程度のフライトを想定している。
- 同機の初飛行は4月22日に約25分間行われ高度12,000ftまで到達し最高速度は200ktだったと防衛装備庁(ALTA)が明らかにしている。
- 天候によるが二回目の飛行が今週実施されそうだ。次回は降着装置を引き込ませ高速度へ加速する。
- 予定通り一年間のテスト期間となれば防衛装備庁はステルス性、推力偏向、データリンク他の高性能技術のデータ収集が可能となる。テスト期間は必要により延長もありうる。
- 同機では斜めにとりつけた尾翼や空気取り入れ口の工夫などで低視認性を目指しているが、機体表面にステルス塗装は施されていない。ただしキャノピー表面のみに特殊ステルス加工がしてあると防衛装備庁は述べている。
- X-2は旧称ATD-Xとして1990年代から日本が進めてきた第五世代あるいは第六世代戦闘機に必要な技術を確立する事業の一部分である。合計15の案件あるうちでX-2が一番目立つ存在だ。その他には兵装庫の形状、データリンクなど高性能戦闘機に求められる要素に関連する技術の研究がある。
- 最終目標は得られた成果をF-3(仮称)新型戦闘機につなげることだ。新型機の製造決定は2018年に予定され、国産開発あるいは国際共同開発にするかの分かれ道となる。
- 日本がF-3を外国と共同開発すると決めた場合、共同開発国はX-2で集めたデータやほかの研究成果を共有できる。単独開発、国際開発と関係なく、F-3は相当高額な機体になりそうだが、それだけの価値はあると防衛装備庁担当官はみている。
- 日本はロッキード・マーティンF-35の導入を決めており、三菱重工業がライセンス生産するが、最も重要な戦闘機技術そのものは移転されない。このため国内開発により技術力の向上、製造技術の進展を図ろうとしている。■
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