Russian Flyby of USS Donald Cook Highlights International Tension in the Baltics
By: Magnus Nordenman
April 15, 2016 10:34 AM
ロシアのスホイSu-24攻撃機が低空飛行でUSSドナルド・クック(DDG-75)上空を通過した。2016年4月12日。US Navy Photo
バルト海でUSSドナルド・クック(DDG-75)へロシアのスホイSu-24フェンサーが危険な接近飛行をしたことで、同海がロシア、米国、NATO加盟国のせめぎあう場所になっていることが浮き彫りにした。
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今回の事件では同時にロシアが軍事戦略上で広い地帯を想定し、米軍・NATO軍を有事の際には排除することを考えており、平時でも米軍、NATOの作戦行動を可能な限り困難にさせようとしていることがわかる。
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バルト海での米ロ遭遇事件は今回が初めてではない。2014年には米空軍の偵察機が飛行を中断しスウェーデン領空に退避せざるを得なくなった。ロシア戦闘機が危険な接近飛行をしてきたためだ。バルト海各国はロシア軍に不愉快な思いを何度となくされており、ロシアのフリゲート艦がスウェーデン・フィンランド合同の海洋調査船に接近してきた事態もあった。ロシアのバルト海艦隊の説明では同船がロシア海軍の演習地に近づいたためだとする。スウェーデンとフィンランドの間に海底ケーブルを敷設する際にロシア海軍艦艇が近くにいるため作業を中断するのは日常茶飯事だ。またロシアのものと疑われる潜水艦がスウェーデンやフィンランドの領海に忍び込んだ事件も記憶に新しい。
ロシアのSu-24攻撃機がUSSドナルド・クック (DDG-75) へ低空通過飛行をしてきた。2016年4月12日。 US Navy Photo
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ドナルド・クックへの嫌がらせやその他海上での遭遇がこの数年間続いているのはロシアが接近阻止領域拒否l (A2/AD) の姿勢をバルト海で示しているためだ。カリニングラード飛び地領を中心にS-400対空ミサイルやイスカンダー弾道ミサイルを展開している。有事にはロシアはバスティオン対艦ミサイルを持ち込むだろう。ただしロシアのl A2/ADは政治的なメッセージと軍事演習をNATOに見せつける意味もあり、米国をバルト海に入れたくないのだ。そのため同海での米軍の作戦行動はロシアには不快に映るものになっている。
二機のロシアのスホイSu-24攻撃機がUSSドナルド・クック上空を飛行している。2016年4月12日。同艦はスペインのロタに前方配備され、当日はヨーロッパにおける米国権益の保護のため第六艦隊担当海域で作戦行動中だった。
U.S. Navy photo/Released
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デンマーク海軍のフリゲート戦隊がNATOのミサイル防衛ネットワークに加わるとの発表に対しロシアはデンマークのフリゲート艦はロシアの標的になる、核攻撃も辞さないとの声明文で対応した。ロシア国防相はフィンランドもNATOに接近すれば重大な結果を招くと警告をしている。
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アジア太平洋だけで米海軍や同盟国側を緊張を高める海域ではない。ヨーロッパ周辺の海でも軍事力拡大とA2/ADは当たり前になっている。ドナルド・クックは黒海でもロシア機に頭上通過飛行を2014年に受けている。バルト海では今回のような接近遭遇による危険事態が今後も発生するだろう。今年の夏にはBALTOPS海軍演習が予定されており、大規模な対潜演習が展開される。さらに、NATOサミットが7月初旬にワルシャワで開催される。ロシアが何らかの動きを示すのは必至だ。■
今回の事件では同時にロシアが軍事戦略上で広い地帯を想定し、米軍・NATO軍を有事の際には排除することを考えており、平時でも米軍、NATOの作戦行動を可能な限り困難にさせようとしていることがわかる。
バルト海での米ロ遭遇事件は今回が初めてではない。2014年には米空軍の偵察機が飛行を中断しスウェーデン領空に退避せざるを得なくなった。ロシア戦闘機が危険な接近飛行をしてきたためだ。バルト海各国はロシア軍に不愉快な思いを何度となくされており、ロシアのフリゲート艦がスウェーデン・フィンランド合同の海洋調査船に接近してきた事態もあった。ロシアのバルト海艦隊の説明では同船がロシア海軍の演習地に近づいたためだとする。スウェーデンとフィンランドの間に海底ケーブルを敷設する際にロシア海軍艦艇が近くにいるため作業を中断するのは日常茶飯事だ。またロシアのものと疑われる潜水艦がスウェーデンやフィンランドの領海に忍び込んだ事件も記憶に新しい。
ドナルド・クックへの嫌がらせやその他海上での遭遇がこの数年間続いているのはロシアが接近阻止領域拒否l (A2/AD) の姿勢をバルト海で示しているためだ。カリニングラード飛び地領を中心にS-400対空ミサイルやイスカンダー弾道ミサイルを展開している。有事にはロシアはバスティオン対艦ミサイルを持ち込むだろう。ただしロシアのl A2/ADは政治的なメッセージと軍事演習をNATOに見せつける意味もあり、米国をバルト海に入れたくないのだ。そのため同海での米軍の作戦行動はロシアには不快に映るものになっている。
デンマーク海軍のフリゲート戦隊がNATOのミサイル防衛ネットワークに加わるとの発表に対しロシアはデンマークのフリゲート艦はロシアの標的になる、核攻撃も辞さないとの声明文で対応した。ロシア国防相はフィンランドもNATOに接近すれば重大な結果を招くと警告をしている。
アジア太平洋だけで米海軍や同盟国側を緊張を高める海域ではない。ヨーロッパ周辺の海でも軍事力拡大とA2/ADは当たり前になっている。ドナルド・クックは黒海でもロシア機に頭上通過飛行を2014年に受けている。バルト海では今回のような接近遭遇による危険事態が今後も発生するだろう。今年の夏にはBALTOPS海軍演習が予定されており、大規模な対潜演習が展開される。さらに、NATOサミットが7月初旬にワルシャワで開催される。ロシアが何らかの動きを示すのは必至だ。■
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