空軍参謀総長に指名受けたゴールドフェイン大将は今年57歳、戦闘機でキャリアを築いた人のようです。空軍が今後の世界にどう対応するのか、特に無人機、AI、宇宙装備、サイバー、ISRと多様なミッションを抱える組織として組織内価値観も変動する中でどういうリーダーシップを発揮するのかお手並み拝見ですね。
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Battle-tested general tapped to be next Air Force chief of staff
http://www.airforcetimes.com/story/military/2016/04/26/goldfein-nominated-next-chief-staff/83542108/
デイヴィッド・ゴールドフェイン空軍大将は戦場で鍛えられた戦闘機パイロットで湾岸戦争、アフガニスタン、コソボ紛争で戦闘ミッションをこなしてきた。同大将が空軍の次期参謀総長に指名されたとペンタゴンが26日発表した。
- 議会承認を受ければ、ゴールドフェインは7月1日にマーク・ウェルシュ大将の後任となる。ゴールドフェインは2015年8月から空軍参謀次長の職責にあった。
- 「空軍第二十一代参謀総長の指名を受け恐縮の至り」とゴールドフェインは語っている。「承認受ければ空軍隊員、その家族にしっかりと仕え、空軍の伝統と団結の遺産を守ることを誓いたい」
- 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズはウェルシュ大将とこの人選を称賛している。
- 「ゴールドフェイン大将には経験と構想力が備わり、揺れ動く世界での課題の中で増大する軍事力への期待にこたえる必要な資質がある。大将は重要な協力関係の構築と維持の仕方がわかっており、戦闘経験もあり、空軍の人員と資源のバランスの中で必要かつ的確な判断を下し、明日の空軍づくりに貢献できる。空軍力の優位性を次世紀へつなぐためにこれ以上優れた人物はいない」(ジェイムズ長官)
- 「ゴールドフェインは空軍兵士として戦場でのリーダーの模範であり、だからこそ空軍に必要な人物だ。空軍隊員と深く結ばれており、家族もともに応援することをためらわず、正しく空軍の任務の重要性を理解している。だがなんといっても本人は妻のドーンとともに国に尽くす大きな名誉の意味を理解している」(ウェルシュ大将)
- ゴールドフェインは飛行時間4,200時間超でF-16ファイティング・ファルコンのC型D型、F-117Aナイトホーク、無人機MQ-9リーパーを飛行させており、そのほかにT-37、T-38、MC-12Wの操縦経験がある。
- セルビア上空を飛行中の1999年には乗機F-16に地対空ミサイルが命中し撃墜されている。
- ゴールドフェインは機外脱出し、農地を横断し敵のパトロール部隊から逃れ救難ヘリコプターを待った。だがヘリの救難隊員が地上に降りゴールドフェインを機内に収容するところで発砲を受けている。機体に5発の銃弾が帰還後に見つかった。
- 2007年にエルパソタイムズ紙に当時の救難隊員には毎年スコッチウィスキー瓶を送り敬意を表していると語っている。「シングルモルトの極上品」だという。
- 今回の人選は国防長官アシュ・カーターが戦闘機での従軍体験がある人物に参謀総長の職を希望した事で実現した。イスラム国過激派に集中的な空爆作戦を実施中だからこその人選だろう。
- 2月にMilitary Timesの取材でゴールドフェインは空軍の中核任務は技術が進歩して世界情勢の変化があっても不変だと語っている。
- 「1947年の国家安全保障法で与えられたミッションは五つ。それぞれ時間がたったが大きく変わっていない。形は変わっても意味を改めてよく考えていく必要があるが、空と宇宙で優位性を確保するのが空軍の中核的な任務でありそれにより国に仕えるのだ」
- またゴールドフェイン人事でA-10ウォートホグにはISIS戦で耐用年数を伸ばすことになりそうだ。
- 「A-10全機退役の決定時はISIL出現の前でした。イラクから撤退し、アフガニスタンで大幅な兵力削減に取り掛かっていた時点です。ロシアが力を盛り返す前で、A-10退役を話題にしていたのですが、前提が変わり、素早い状況対応を迫られています」とゴールドフェインはMilitary Timesに語っている。
- ゴールドフェインが最初に直面するのはジョン・マケイン上院議員だろう。強力な上院軍事委員会の委員長のマケインは空軍上層部とは空軍上層部とはぎくしゃくした関係で知られており、先月もA-10退役案で空軍を叱責していた。
- だがゴールドフェインもマケイン議員も戦闘中に撃墜された経験で共通し友好的な関係が生まれるもしれない。
- 上院軍事委員会はゴールドフェイン指名の公聴会日程を決めていないが、マケイン議員は大きな問題や遅延は発生しないだろうと述べている。「本人の経歴には非の打ち所がないし、評判もすこぶるよい。耳にした派内ではきわめてすごい経歴の持ち主のようだ」
- ゴールドフェインは空軍士官学校を1983年に卒業し、パイロット養成課程をシェパード空軍基地(テキサス)で受けている。順調に昇進し第555戦闘機隊の指揮官をアヴィアノ航空基地(イタリア)で、第366作戦集団の指揮をマウンテンホーム空軍基地(アイダホ)で、第52戦闘機団司令をスパンダレム基地(ドイツ)、さらに第49戦闘機団をホローマン空軍基地(ニューメキシコ)の司令を務めた。
- 戦闘航空軍団の作戦立案責任者をラングレー・ユースティス共用基地(ヴァージニア)で2009年に、空軍中央軍の指揮を南西アジアで2011年から2013年にかけて、さらにこの二年間はペンタゴンの統合参謀本部で統括官を務めてきた。
- 昨夏に大将に昇進し空軍ナンバー2となった。国防功労章、勲功章、殊勲飛行十字章他を受けている。
- ゴールドフェインは軍人の家系で父は空軍、兄も空軍中将で退役している。娘が一人おり、現在は空軍勤務中。妻ドーンは学校教師で世界各地の空軍基地でで将校配偶者クラブの運営に携わった。
- 2001年には著書"Sharing Success, Owning Failure: Preparing to Command in the 21st Century Air Force."「成功を共有し、失敗を受け入れる。21世紀の空軍の指揮に備える」(空軍大学出版会)を刊行している。■
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