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リン少佐情報流出事件の続報 国家安全保障警報が出ていたほどの深刻な内容か



Early Results of Edward Lin Espionage Investigation Triggered National Security Alert

April 13, 2016 10:40 AM • Updated: April 13, 2016 7:43 PM

Lt. Cmdr. Edward C. Lin
大尉時代のエドワード・C・リン

中国および台湾へ極秘情報を流した疑義の海軍航空士官の捜査から国家安全保障上の警報が海軍とペンタゴン上層部へ発出されたことをUSNI Newsは海軍関係者二名から確認した。
  1. エドワード・チー・リアン・リン少佐(39歳)は昨年9月に任務を解かれヴァージニア州チェサピークで拘束されたままだ。少佐はVPU-2特殊プロジェクトパトロール飛行隊(ハワイ)で勤務していた。軍事法廷開廷前の身柄拘束措置を受けている。
  2. 拘束開始の三か月後にペンタゴン及び海軍上層部に極秘情報流出の可能性があるとの警告が出たと関係者二名が確認している。
  3. 警告の発出は海軍法務部編のハンドブックで国家安全保障事例の訴訟事件で必要としている。
  4. 同ハンドブックによれば法務部の国家安全保障情報法務課は「海軍省法務顧問(DON GC)に重大な職務違反事案で極秘情報が流出している場合に通達をすること」とある。
  5. さらに同課は海軍長官及び海軍作戦部長の両名に対しあるいは必要に応じ海兵隊総監に対し該当事案の状況を常時伝える責任を有する。
  6. 海軍上層部以外に上下両院の軍事委員会にもリン少佐が9月に拘留された時点で本人に関する疑惑が伝えられていたと委員会関係者からUSNI Newsに明かしている。
  7. 海軍から事件の詳細が発表されていないが、国防関係者複数から先週金曜日にUSNI NewsへNCISとFBIが共同で捜査中と伝えてきた。
  8. リン少佐の配属場所は海軍で最も機密度の高い信号情報電子情報偵察部門で敵に回る可能性のある国つまり中国やロシアの防衛システムの性能・弱点を確認するのが任務だ。
  9. リン少佐が中国や台湾に回した情報の機微性により、本件に「国家安全保障事案」として、追加規程が適用されるのは証拠類が機微な内容になっているためだ。
  10. リン少佐が開廷前の拘束扱いを延長され、海軍上層部に警報が流れ、ペンタゴンや議会も同様に警報を受けたのは、検察側がリン少佐が極秘情報を外国に手渡したとの確証を得ているからだろう。
  11. だが疑問は残る。なぜ本件を法務省に任せず海軍は自ら処理しているのか。法務省は安全保障関連の立件で十分な知見を有している。
  12. 法務省はペンタゴンと1984年に覚書を交わし、事案別に担当を決めている。覚書では初期捜査の72時間後にスパイ活動の発生が判明した場合はNCISが捜査機関に連絡を入れるものとしている。今回の場合はFBIとなる。
  13. リン少佐が8か月にわたる異例の身柄拘束措置を受けていること自体が海軍が法務省に代わり本件の捜査を主導する理由だろうと海兵隊で法務官の経験があるロブ・ブラックネルは解説する。
  14. 「一つの可能性は本人を解職して海外連絡を中止さえたかったのだろう。連邦制度だと本人が起訴処分で逮捕されても保釈の可能性が高い」
  15. 「民事法では保釈に根拠が必要だ。反対に軍事法では開廷前の身柄拘束にさしたる要件は不要だ」
  16. 軍事法廷の陪審員は提示証拠の技術的な意味を理解できる立場にあり、すでに極秘情報を見る許可を得ているはずとブラックネルは言う。また統一軍事法典では罪状追加ができる点で連邦法廷とは異なる。リン少佐の場合は淫行や買春が該当する。
  17. さらにブラックネルは軍事法廷の審理は連邦訴追事件より簡単と指摘する。
  18. 「軍は報道機関へ情報提供を大きく制限し、社会へのメッセージ機能をうまく管理できる」という。
  19. 4月11日の統一軍事法典第32条に基づく審理を受けてフィル・デイビッドソン大将(艦隊総司令官)が本事案を精査し、軍事法廷を開廷すべきかを決定する。■

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