スキップしてメイン コンテンツに移動

★オーストラリア潜水艦案件、続報、フランスの反応から何を読み取るか



今回のフランス受注は日本にとって痛い結果になりましたね。Defense Newsは以下、オーストラリアとフランスから伝えています。まずオーストラリアから


Australia Chooses French Design for Future Submarine

Nigel Pittaway, Defense News7:12 p.m. EDT April 26, 2016

DCNS Shortfin Barracude submarine(Photo: DCNS)
MELBOURNE, Australia – フランスのDCNSがオーストラリアの次期潜水艦建造契約を勝ち取った。マルコム・ターンブル首相が26日発表した。
  1. ショートフィン・バラクーダ型の選択に本件を見守ってきた外部関係者の多くが驚かされた。DCNSはドイツのティッセン・クルップマリンシステムズや日本政府に対して劣勢だった。だがここにきて日本案が負けたとの情報がリークされていた。
  2. ショートフィン・バラクーダ・ブロック1Aはフランス海軍で就役中の原子力潜水艦バラクーダ攻撃潜水艦をやや小型化する構想だが詳細設計はこれから開始する。
  3. ターンブル首相は「DCNSを国際パートナーとして選定し次期潜水艦12隻の設計案鵜を進める。取引諸条件は今後協議する」と発表し、選定の大きな要素はオーストラリアの求める長距離航行、通常動力型潜水艦の要求内容に一番合致したからと述べた。
  4. ターンブル首相は同時に「オーストラリア国内でまず1,100名相当の雇用が実現し、サプライチェーン含めるとさらに1,700名分の雇用が生まれる」と発表。
  5. 12隻はすべてアデレードのASC造船所で建造する。DCNSは当初一号艦だけあるいは二号艦まではフランス国内で建造する提案をしていた。
  6. 日本政府は不採択理由の説明を求めており、オーストラリア政府はこれに応じる構えだ。

一方、フランスはもちろん今回の受注を大歓迎していますが、その裏でこれまであれやこれやの政府支援があったことがうかがえます。

France Celebrates ‘Historic’ Submarine Win in Australia

Pierre Tran, Defense News7:10 p.m. EDT April 26, 2016
PARIS – フランスはDCNSが387億ドル相当の次期潜水艦建造で事業者に選定されたのを歓迎してフランソワ・オランド大統領自らがパリの同社本社を訪問した。オランド大統領は統合参謀総長、内務相、外務相を伴いDCNSを訪れ本件が政治的にも経済的にも重要な成果であることを示した。
  1. 「これは歴史的な事業、我が国歴史上最大の武器輸出だ」と大統領府は声明を発表。選定の理由として両国政府間の意思疎通がこの五十年間で「戦略的水準」になったことを挙げた。
  2. フランス国防相ジャン-イブ-ルドゥリアンはオーストラリア兵士が倒れたソンムの戦い(第一世界大戦)のアンザック記念日をオーストラリア総督とともに迎えたと伝えている。
  3. 選定により設計業務を期間三年で行う契約の協議がはじまり、2017年早々には締結されるとDCNS幹部は述べている。
  4. 今回の選定はタレスにとっても朗報だ。タレスはDCNSの株式35パーセントを保有する。(残り65パーセントはフランス政府保有 タレスの作業量は今回の事業で10億ユーロ相当になる。
  5. DCNS会長エルヴェ・ジローは仏政府兵器調達本部、海軍参謀総長ベルナール・ロジェル提督、シュナイダーエレクトリック(オーストラリアに相当のビジネス拠点を置くフランスエネルギー関連企業)に謝意を伝えている。
  6. 12隻建造契約によりDCNSは協力企業も含めて4千名の雇用につながり、ブレスト、シェルブール、ロリアンの各事業所が関与するとDCNSは発表。なお、ブレスト、ロリアンはそれぞれブリタニー地方にあり、ルドゥリアンは地域協議会の会長を務めている。
  7. 総選挙が来年に控えるフランスでは雇用は大きな要素で、失業率は10パーセントのまま推移しているからだ。■


コメント

このブログの人気の投稿

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本

LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。
Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/10012/japan-may-acquire-aegis-ashore-to-defend-itself-from-north-korean-missiles
日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。 THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。 イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP 日本の地理条件…