スキップしてメイン コンテンツに移動

★東レ炭素繊維素材密輸で逮捕された中国人、国土安全保障省おとり捜査




おとり捜査で摘発されたのは氷山の一角かも。中国側も今後はより巧妙に動くかもしれません。自力開発より金の力で他人の成果を奪えばよい、という中国式の価値観がここにも見られますが、対象となる製品は日本製でもあり、お金に苦しむ日本人がいつ中国に良心を売るか(売ってしまっているか)わかりませんね。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------

Chinese National Arrested for Carbon Fiber Theft Attempt

Wendell Minnick, Defense News 5:27 p.m. EDT April 21, 2016
司法省発表資料によれば、中国国籍フイ・「フランク」・スンは東レのM60JB-3000-50Bカーボンファイバーをおとり捜査官から入手しようとした。国土安全保障省の捜査部門国土保全捜査隊(HSI)がスンを逮捕した。同容疑者は航空宇宙、軍事分野で使われる高品位カーボンファイバー素材を密輸しようとしていた。
  1. スンはHSIのおとり捜査官にカーボンファイバーを「バナナ」の暗号で連絡するよう指示していた。4月11日に中国からニューヨークに到着し、カーボンファイバー買い付けを図った際にHSI捜査官に用途は中国の軍事装備用だと語った。スンは同時に中国のミサイル開発に関係し、上海にある中国国家航天局の職員であると身元を明かし、軍との関係も深いと述べたと公訴文書にある。
  2. 「スンは潜入捜査員に現金23千ドルがカーボンファイバー代金として手渡した。さらにカーボンファイバーを中国に非合法輸出するリスク補償として2千ドルが潜入捜査員に支払われた」と政府文書は述べている。
  3. HSIおとり捜査では偽企業を立ち上げ、オンラインで各種製品販売用の「ショールーム」をオンライン上に開く。今回のおとり企業の正体は不明だが、ニューヨーク市内にあるようだ。
  4. スンは今回の取引は第三国を介して行うとし、オーストラリア、ベルギー、韓国の名前を挙げている。スンは以前の取引で韓国業者からカーボンファイバーを入手しており、その際は韓国の輸出管理体制を出し抜くため、その韓国業者と共謀してカーボンファイバーを「アクリル繊維」と偽ったという。カーボンファイバーとアクリル繊維は視覚上は区別しにくい。スンは今回の潜入捜査官に「バーコードはすべて消す」よう求め「該当商品の所在を追跡できなくし、生産地をわからなくしろ」と指示したと文書は述べている。
  5. これ以前のおとり捜査官との連絡でスンは東レの M55JB-6K カーボンファイバーを「米国内の知人」から入手したいとも伝えていた。
  6. 司法省はスン逮捕を4月13日に公表した。スン事件はHSIの対テロ工作・麻薬・高度不正行為・サイバー犯罪部門が担当している。
  7. 中国はこれまでも米国内で兵器転用可能なカーボンファイバーの入手を図っている。
  8. 2013年に連邦裁判所は中国国籍Ming Suan Zhangもカーボンファイバーの国外持ち出しを図り懲役57か月の禁固刑を受けている。この際のおとり捜査はニューヨーク市内で展開した。司法省資料によればZhang被告が米側当局に浮上したのはカーボンファイバー数トンを台湾バイヤーに調達させようとしたためで、東レM60もその一部だった。Zhan被告は「新型戦闘機」に使用するためと述べ、中国北方工業が開発中の機種とした。同社はハイエンド軍事装備製造で知られる。
  9. 別の中国国籍Lisong Maは2014年に「兵器級」の東レT800-HB12000-50Bカーボンファイバーを中国に持ち込もうとして摘発され46か月の禁固刑判決を受けている。MaはT800を米おとり捜査官からニューヨークで買い付け上海へ送るつもりだった。Ma被告は5トンのファイバーを入手しようとしたと陳述している。
  10. ワシントンDCに本拠を置く科学国際安全保障研究所の上級政策研究員アンドレア・スティッカーによれば今回のおとり捜査は「ミサイルやミサイル用カーボンファイバーの拡散予防および輸出統制の実効性向上に有益な効果を上げる」意味があるという。スティッカー研究員はさらにT300基準以上のカーボンファイバーのM60(Mファイバー)はガス遠心分離機の回転部分にも使えると指摘する。「今回の事案から中国密輸業者が引き続き政府取り締まりを逃れて活動中であり、中国政府が直接関与しているのも明らかになった」という。■

コメント

このブログの人気の投稿

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本

LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。
Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/10012/japan-may-acquire-aegis-ashore-to-defend-itself-from-north-korean-missiles
日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。 THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。 イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP 日本の地理条件…