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トップガン続編の撮影開始、テーマはドッグファイトの終焉?

日曜日ですから軽い話題にしましょう。トップガン続編を32年たって撮影ですか。ヴァル・キルマーも随分と時の流れで変化しているようですが、海軍航空戦力も大変化ですね。ドッグファイト命の海軍航空士官にとってRPA問題を真正面から取り上げるのは時代の流れなのか、あるいは逆鱗に触れることになるのか。来年の封切りが注目ですね。 The Return of “Iceman”: Val Kilmer to Appear in “Top Gun” Sequel 「トップガン」続編に「アイスマン」ことヴァル・キルマーが復帰 Jun 07 2018 By Tom Demerly https://theaviationist.com/2018/06/07/the-return-of-iceman-val-kilmer-to-appear-in-top-gun-sequel/ ハ リウッドのエンタテインメント関係ニュースサイト多数が映画「トップガン:マーヴェリック」(原題)に1986年の「トップガン」でヴァル・キルマーが演じた「アイスマン」・カザンスキ役で再登場すると今週水曜日一斉に伝えた。 新作でもヴァル・キルマーがアイスマンで登場するが本人は喉頭がんで二年間闘病生活をしていた。キルマーは1997年の「セイント」で主役サイモン・テンプラーを演じるなど活躍し、歌手としてもジム・モリソン役を演じた「ドアーズ」で注目された。 キルマーはトップガン続編出演を自らのフェイスブックで5月30日明らかにしたがわずか数時間後に削除されている。(理由不明) ハリウッド関係者によれば新作の主題は遠隔操縦機 (RPAs)の台頭とドッグファイトの終焉だとなる。最初に公開されたイメージでは米海軍F/A-18Fが大役を務めそうに見える。 第一作の「トップガン」監督のトニー・スコットは2010年月に「当時と大きく状況が変わって興奮しているが、リメイクはしたくない。作るなら全くの新作としたい」と語っていた。その後スコットは自殺していた。新作の監督はジョセフ・コシンスキで監督実績はトロン:レガシー、オブリビオン、 オンリー・ザ・ブレイブくらいいしかない。 第一作では大尉だったトム・クルーズふんする主人公ピート・「マーベリック」・ミッチェルは製作開始で発表され

F-117にみるステルス技術の「神話」と現実

よくあることなのですが、記事のタイトルと内容特に結論が乖離していますね。たしかにF-117は退役後も米国西部にこっそりと温存されていますが、投入できる範囲は限られるでしょう。戦闘機の分類ながら空戦能力が皆無で対地攻撃機に使うのが本領の同機ですがなぜF-117になったのでしょうね。戦闘機と言いながら爆撃機というのはF-105サンダーチーフの例が前にもありましたね。 Could the F-117 Nighthawk Make a 'Stealth' Comeback? F-117ナイトホークが「ステルス」カムバックする可能性はあるのか Dave Majumdar June 5, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/could-the-f-117-nighthawk-make-stealth-comeback-26139 ロ ッキード・マーティン F-117ナイトホークは伝説の機材だ。2008年に退役したF-117は今日でも有効な戦力になれるのか。 その答えはイランのような中距離程度の脅威を有する国相手なら間違いなくイエスだ。だがロシアや中国と言ったハイエンド脅威国が対象となると怪しくなる。F-117が「ステルス戦闘機」として開発が始まって以来の技術進歩には相当のものがある。 F-117の開発 1970年代に開発が始まり、秘密のうちに供用を開始した1983年、F-117は米国による戦闘の独壇場を開いた機体となった。皮肉にも米国がナイトホークを開発した出発点はソ連でピョートル・ヤコブレビッチ・ウフィムツェフが1962年に執筆した論文だ。折角の構想をソ連は非実用的と無視したが、ロッキードのスカンクワークスのデニス・オーバーホルサーがロシア物理学者の論文に実用的な意義を見出したのだ。 オーバーホルサーの研究からスカンクワークスで絶望のダイヤモンドと呼ばれたコンセプトが生まれた。だがすぐに不格好なダイヤモンド形状がレーダー断面積削減に大きな効果があることが判明した。そこでペンタゴンは直ちにロッキードに契約交付し実証機ハブブルーの作成にあたらせた。これは生存可能試験機(XST)事業の一環だった。ペンタゴンは当時ワルシャワ条約軍の防空体制が実効力を強める中で

北朝鮮侵攻作戦シナリオの最新検討内容から見えてくるもの

いよいよ迫った米朝首脳会談が吉と出るか凶と出るか世界が注視する中、シンクタンクRANDコーポレーションがウォーゲームで北朝鮮との開戦シナリオを検討し驚くべき結果がでました。しかしホテル代もなく、自国機材で会場移動もできない国がここまでこけおどしで各国をさんざん振り回したことの落とし前はどうつけたらよいと皆さんは思いますか。 A New Study Says a War with North Korea Could Be Hell (And Start a U.S.-China War) 北朝鮮との開戦になればこんな惨状になるとの新規検討内容が出た(米中開戦にもつながる可能性) Michael Peck June 8, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/shocker-new-study-says-war-north-korea-could-be-hell-start-26187?page=show 北 朝鮮と開戦になれば米軍は数々の問題に直面することがRANDコーポレーション実施の一連のウォーゲームで判明した。 北朝鮮へ進軍し金正恩の核兵器撲滅あるいはソウルを狙う砲兵陣地を制圧しようとすれば米軍韓国軍兵力を薄く延ばすだけではなく、中国の軍事介入のきっかけになりかねない。 今回のRAND研究では米軍特に発注元米陸軍の実戦能力に中心をおいた。北朝鮮の核兵器による脅威、北朝鮮通常戦力の実効力、北朝鮮外交による課題、さらに北朝鮮核兵器の制圧がどうなるかを北朝鮮体制崩壊、さらに国内が内戦状態になる場合を想定して検討している。 「北朝鮮各地に点在する核兵器を捜索制圧する兵力が足りませんしその他にも戦後処理あるいは政権崩壊シナリオでの各種ミッションでも人員不足です。さらに完全に任務を行うためには迅速に北朝鮮へ進軍する必要がありますが、これを行う能力がありません」とRAND研究員マイケル・マザーがNational Interestに語っている。 このうち核兵器について同報告では核兵器保有量が大きいため北朝鮮侵攻制圧が事実上不可能と指摘する。「5年から8年で北朝鮮がさらに核兵器製造に向かえば攻撃を受けても十分な核兵器を温存し、北朝鮮侵攻は画期的な核兵器対策手段が生まれない限り

F-35は現代によみがえったF-4になれるのか---ステルス機の想定する空戦とは

  Could the F-35 Stealth Fighter Be the 'New' F-4 Phantom? F-35ステルス戦闘機は現代版F-4になれるか Sebastien Roblin June 2, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/could-the-f-35-stealth-fighter-be-the-new-f-4-phantom-26086?page=show 相 矛盾する洞察が一般通念から生まれることがある。私たちは過去を忘れた挙句再び過去を繰り返す運命なのか。それとも次の戦争の姿を理解できずに前回の戦争のイメージで準備をするのが常なのか。 軍事戦略の視点では作戦上の経験から学ぶことがこれまでは重要とされ、将来の戦闘は過去と同じ形になるはずとされてきた。このことから米軍の三軍および少なくとも九か国が問題のある装備を大規模導入しようとしている。 多用途機材をめざしたF-35はその前に配備された第四世代機より鈍足かつ操縦性が劣る機材で、制空任務が主眼のF-22ラプター・ステルス戦闘機にも劣る。空対地攻撃に中心をおいたライトニングは機動性が優れた敵戦闘機に対して視程外距離beyond visual range (BVR)から空対空ミサイルで勝利を収める構想で視程内距離within-visual range (WVR)のドッグファイトは探知されやすく操縦性も劣るため避ける必要がある。 ただしこういうと米軍がF-4ファントムがヴィエトナム戦投入に期待した内容と同じように聞こえるという向きがあるはずだ。両機を比較するのは極めて自然なことだ。 F-4ファントムは強力なJ79ターボジェット双発の大型機でマッハ2を出し当時としては強力なレーダーを機首に搭載していた。武装は中距離AIM-7Dとスパローミサイルで単距離用にはAIM-9サイドワインダー、AIM-4Dファルコン熱追尾ミサイルがあった。 米空軍はファントムに数十マイル先で敵機を探知させ超音速移動しスパローミサイルを最大28マイル先で発射して撃墜する性能を期待していた。単距離のドッグファイル想定の訓練を行わなかったのはファントムが操縦性が優れた機体でなかったためだ

日本向けE-2D三号機調達にゴーサイン

Japan signs for third Advanced Hawkeye 日本向けアドバンストホークアイ三号機の調達契約が成立 Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly 06 June 2018 http://www.janes.com/article/80659/japan-signs-for-third-advanced-hawkeye    Japan has now signed for three of the four E-2D Advanced Hawkeye AEW&C aircraft that it is expected to procure. Source: Northrop Grumman 日 本が ノースロップ・グラマン E-2Dアドバンストホークアイ早期警戒統制機(AEW&C)の通算三号機調達契約に調印したと国防総省が6月5日に明らかにした。 機体単価153.2百万ドルで日本仕様のE-2Dを2020年3月までに納入する契約で、これより先に2015年11月、2016年7月に一号機二号機で同様の契約が成立している。日本は780百万ドルをE-2D調達事業に投入しており、一部はエンジニアリング及びインフラ関係の支出分だ。 防衛省は2014年にE-2Dを選定し、AEW&Cのニーズの一部にあてることとした。日本はすでに初期型のE-2Cおよび ボーイング E-767空中早期警戒機(AWACS)を導入済みだ。E-2Dが航空自衛隊で供用開始するとE-2C(13機)、E-767(4機)に加わる。■

米空軍OA-X軽攻撃機構想のめざすもの、ローエンド戦闘にはローエンド機材を

筆者一押しだった軽ジェット機スコーピオンは一次評価で落選ですか。OA-Xのめざす費用対効果では優秀だったのですが....F-22を無理やり投入したというのはゲイツ元長官がF-22ではアフガニスタン等の低甚度戦では無用の長物と発言して早々に調達を打ち切ったことへの腹いせだったのでしょうか。でも今から軽攻撃機を作っても今度は中ロといった互角の戦力を有する大国相手の作戦が中心となっており、やることが半周遅れですね。スコーピオンの芽がなくなりOA-Xにすっかり興味がなくなりました。 Wilson: Leave High-End Fighters Out of Low-End Fights ローエンド戦闘にハイエンド戦闘機を投入するのはナンセンス(ウィルソン空軍長官) May 30, 2018 Jen DiMascio | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/wilson-leave-high-end-fighters-out-low-end-fights USAF 2 017年11月、F-22ラプター編隊がアフガニスタンの麻薬工場を空爆した。だが空軍長官に言わせればこの攻撃は実施すべきでなかったことになる。 「何もハイエンドのステルス戦闘機で麻薬工場一か所を攻撃しなくてもいいのでは。コスト効果比が悪い攻撃の極致だ」とヘザー・ウィルソンは大西洋協議会の場で5月29日語った。 このため空軍は軽攻撃機実証を続けているのであり、目標は時間当たり$5,000-$10,000での作戦運用で、第五世代戦闘機ではこれが$30,000超となる。 空軍は軽攻撃機実証OA-XはホローマンAFB(ニューメキシコ州)で第二段階に入っており、 シエラネヴァダ/エンブラエル A-29スーパートゥカーノ及び テキストロン・エイビエーション AT-6Bウルヴァリンの二機種についてセンサー、兵装運用、長期運用の可能性について比較検証を続けている。 ウィルソン長官は空軍としては短期間での兵装調達能力を証明しつつ、軽攻撃機をネットワーク上で中継地点にできると証明したいとする。 「この軽攻撃機にもネットワークを搭載し地上部隊や前線航空統制官とつなぎ

日本向け新型レーダー警報措置の製造に向かうレイセオン

要領を得ない記事で申し訳ないのですが、日本から最新式警報装置の導入希望が出たため、今回の措置になったようです。ではどの機種に搭載するのか、いつ導入されるのかは不明です。E-767あるいはE-2DなのかKC-767で支援機材の安全性を高めようというのか、よくわかりません。それに単なる受信機能だけではないようですね。ヒントAESAレーダーによる電子攻撃機能。機材のようには注目はされませんが、こうした地味な装備の驚くべき機能が今後の戦闘に大きな意味をもたらすのでしょう。 Japan buys radar warning receivers that adapt to new threats 日本が脅威対象に適応可能なレーダー警報受信機を導入 By: Daniel Cebul     https://www.defensenews.com/industry/2018/05/30/japan-buys-radar-warning-receivers-that-adapt-to-new-threats/ レイセオンのAN/ALR-69A(V)完全デジタルレーダー警報受信機により高度脅威環境でも乗員の安全が高まる (Osakabe Yasuo/U.S. Air Force) レ イセオン が日本向けAN/ALR-69A(V) デジタルレーダー警報受信機(RWR)の製造を海外軍事販売制度を使い米空軍から受注したと国防総省が5月29日に発表した。 総額90百万ドルの契約には初の全デジタル方式RWRとレイセオンが呼ぶレーダーの製造、統合、試験評価、納入が含まれる。 だがこの受信機はどんな機能があるのか。 RWRとはレーダーが発する無線信号を探知し視認効果および音声効果で警告を出す装置だ。受信機はレーダー型式も識別でき、地上配備か空中にあるのかも区別できる。端的に言えばRWRは警察の取り締まり用レーダーに対抗してドライバーが使う探知機の発展形である。 レイセオンによればALR-69AはRWR技術の最新版だ。これまで不可能だった敵防空体制の制圧や各種機材搭載が容易になり、複雑な信号環境下での探知能力が向上している。 米空軍によるALR-69Aの779基発注について、レイセオンの電子戦システムズ副社長トラヴィス・スローカムは「ALR-69

日本の空母実現への決意は本物だ

東シナ海のみならず南シナ海での兵力投射や海上交通路確保を考えると一定の航空戦力運用能力は必要で米国型の超大型空母はともかく日本のニーズに応じた空母整備は理にかなっていると思います。ただし、F-35Bが選択肢になるのか、またそうであっても運用の知見を整備するのはそう簡単なことではなく数年かかりますし、プラットフォームのいずも級も習作におわるかもしれません。自民党の動きには野党が自動的に反発していくでしょうが、日本が抑止力を整備して困る国と同じ思考をしているのは何ともおかしなことだと思います。一方で自衛隊の中途半端な姿を放置してきたつけがまわりそうで改憲がなかなか進まないままそれより早く現実の姿を思い知らされル事態が発生するのを恐れます。「あるべき姿」に国民の意見が集約する、あるいは民意を問う決断が必要なのではないでしょうか。 Japan Wants Aircraft Carriers Armed with F-35s (And It Could Happen Fast) 日本はF-35搭載空母の実現を目指す(意外に早く実現しそうだ) Zachary Keck June 1, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/japan-wants-aircraft-carriers-armed-f-35s-it-could-happen-26077?page=show 日 本の政権与党が日本も航空母艦運用を再開すべきと主張している。 5月25日、自民党が固定翼機運用を可能にする大型ヘリコプター駆逐艦改修を求める提言を発表したとの日本国内報道が流れた。「同党は早ければ今月末にも提言を政府に渡し、年末の防衛大綱並びに中期防衛計画改訂への反映を期待する」とある。 自民党からは今年三月にも提言で概要の発表があったばかりだ。その時点ではいずも級強襲揚陸艦二隻を「多用途防衛航空母艦」へ改装すべきとあった。これに対し党内から異論が出たのは第二次大戦時に日本が空母部隊を運用していた記憶を呼び起こすとし、表現は多用途「母艦」に変更となった。ただし、目指す姿には変更がない。 National Interestでは以前からいずも級ヘリコプター駆逐艦でのF-35B共用打撃戦闘機運用に向けた改装構想