スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

インド海軍の次期哨戒機はP-8に決定

Aviationweek.com 1月5日 インド海軍がボーイングP-8i型多任務航空機合計8機を1月2日に発注し、同数の老朽化すすむTU-142と代替する。これはボーイングによるインド向け軍用機の初の直接販売となる。 今回の取引ではボーイングが30パーセントの実質値引きを提示。同社は引渡し予定ではコメントをしていない。 P-8Aは長距離、対潜哨戒、対艦攻撃、情報収集、監視、偵察機能を有し、戦闘空域における共同作戦能力を最大限発揮できるミッションシステムを搭載。 同機のオープンアーキテクチャアにより国内開発センサーの統合、機能向上アップグレードが簡単にできる。国産センサーを搭載可能と言うことはインドが今後海外(例としてイスラエル)との共同開発を進める余地があることになる。 高成長を続ける同国経済のエネルギー供給路がアフリカ沿岸まで延びており、インド海軍の洋上監視手段は大きな課題に直面している。さらに、南西アジアの安全保障体制の変化により、洋上でも軍事即応体制が必要になってきた。この関連でP-8I型機は今すぐ必要な選択と見られている。インドがP-8を導入すると、アクティブ電子スキャンアレイレーダー搭載のF/A-18E/FあるいはF-16とのネットワーク化の相乗効果には関心が寄せられよう。 一方で、インドはハープーンミサイル20基(ブロックII)をアメリカから購入し、インド空軍・海軍の対艦攻撃能力を近代化したいと考えている。 ハープーンミサイルの主契約先もボーイングとなる。今回の商談ではボーイングからの価格相殺ないといわれており、オプション全部含めると同契約成立時の価格は1.7億ドルとなるだろう。 同ミサイル導入でインド海軍もアメリカとの共同作戦能力を高めることができる。米国国防安全保障協力庁はインドによる同ミサイル導入に問題なしとの見解だ。ボーイングP-8I型にはハープーンミサイルの搭載が大きな変更なしで可能と予想される。 コメント 実質3割引、と言うのはインドとの商売のつらさを感じさせるくだりですね。日本はXP-1(P-X)の開発を進めており、P-8導入の余地はまったくありませんが、双発機で洋上低空低速ミッションができるのかと言う根本的な不安がありますね。運用上はUAVを低速監視に使うとのことですが、こちらも初飛行が大幅に遅れ、機体価格が初飛行まで進んでいるXP

イタリア空軍向けKC-767が就役へ一歩近づく

FlightInternational電子版1月2日 配備が遅れているイタリア空軍向けKC-767A空中給油・輸送機だが、ボーイングが同型機からの空中給油の実証実験に成功し、就役が一歩近づいてきた。 ボーイングのウィチタ工場(カンザス州)上空において12月17日にイタリア発注のKC-767一号機が4,540キログラム(1万ポンド)の燃料を二号機へ空中給油した。飛行中に同機の給油ブームを用いて合計7回のコンタクトに成功したボーイングは発表している。 KC-767のローンチカスタマーとなったイタリアは2005年から2008年までに4機の受領を想定していたが、飛行テストで判明の技術問題で大幅に遅延。ボーイングは昨年2月に2機を2008年末までに引き渡すと発表していたが、これも実現できなかった。発注済の残り2機はまだ製作中。 イタリアに続き同機を発注した日本は発注4機のうち2機を運用中。 コメント: すべてのモデルで引渡しが遅れているというのはそれはそれですごいこととしかいいようがありません。それはいいのですが、空中給油機に空中給油させるというのはイタリア空軍がアフリカ、西アジアはじめグローバルに輸送力を提供する作戦構想を持っているからでしょうね。

B-2 レーダー改修へ

あけましておめでとうございます。 今年も防衛産業の話題をターミナル2で扱っていきます。 最初に少し遊び心もあり、いつも当方がニュースソースとしている二つのサイトで同じ話題を同扱っているかを比較してみました。今年もよろしくご愛読ください。 まず、FlightGlobal http://www.flightglobal.com/home/default.aspx です。 B-2レーダーの改修の生産が始まる FlightGlobal.com 12月30日 米空軍はB-2のレーダー近代化改修(RMP)の開始を初期低レート生産でノースロップ・グラマンに総額468百万ドルで発注した。B-2のレーダーアンテナは新しい周波数帯の電子アクティブスキャンアレイ(AESA)に更新される。 本契約はノースロップによるアレイの再設計が米空軍の要求水準を満たしていることを意味する。米空軍は再設計が必要な理由については言及していない。ノースロップ関係者は米空軍発表についてのコメントをしていない。 米空軍がB-2のアンテナ改修を必要とするのは現在使用中の周波数帯が民用使用に切り替わるため。アンテナが切り替わるが、レーダー性能はレーダー・プロセッサーの更新がないため現状のまま。ノースロップの共同事業者はレイセオン・スペース・アンドエアボーン・システム、ロッキード・マーティンシステムインテグレーションおよびBAEシステムズの各社。 なるほど、コツを抑えた報道ですね。次はおなじみAviation Week and Space Technology (エイビエーションウィーク)http://www.aviationweek.com/aw/awhome.jsp です。 米空軍がB-2レーダーの改良型生産契約を交付 AviationWeek.com 12月30日 ノースロップ・グラマンはB-2のレーダー改修計画(RMP)契約を受注した。米空軍によるとレーダー改修はB-2ステルス爆撃機の「作戦運用性を持続する」ものという。同改修が必要となったのは商務省から米空軍に対しB-2で使用中のレーダー周波数の停止を求められたため。 改修の中心はアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)アンテナ。レーダー信号とデータ処理の変更はなく、性能の追加もない。ただノースロップグラマンによるとRMPは将来の性能拡張の基礎となるという。

お知らせ

ターミナル1にオバマ次期政権におけるビジネス航空、航空管制への影響についての観測記事をviation Weekより紹介しましたので、ご関心の向きはご覧ください。

F/A-18合計2千機のシステム改修

AW&ST 電子版 12 月 24 日 ボーイングは合計 2 千機の F/A-18 各型、 8 カ国で稼働中の機体のミッション・システムの改修契約を総額 9.053 億ドルで米海軍から獲得した。 F/A-18 A/B, C/D, E/F および EA-18G 各型の米国、カナダ、オーストラリア、スペイン、クウェート、スイス、フィンランド、マレーシア各国で運用中の機体は 2013 年 12 月完了予定の性能向上改修を順次受けることになる。今回のアップグレードは同型機を「今後 30 年間に出現する脅威に立ち向かえる」(ボーイング社スポークスマン)地位にとどめるためのもの。 今回の受注はボーイング社には大きな意味を持つ。同社はこれまでロッキード・マーチン F-35 共用打撃戦闘機やサーブ・グリペン NG を待つ米国および同盟国空軍には F/A-18 がつなぎとなるばかりか代替選択肢となると宣伝してきた。オーストラリア空軍、米海軍、米海兵隊がそろっていわゆる戦闘機ギャップをどうやって埋めるかで頭を悩ましてきた。 ボーイングはミッション・システムの改修をソフトウェア、ハードウェア両面から進める。その中には分散処理による目標設定プロセッサ やアクティブな電子スキャンを使うレーダーの改良が含まれ、改修効果が相乗効果を生むと同社は語る。 改修作業の 95 %は同社セントルイス工場(ミズーリ州)で実施、残りは海軍航空戦闘センターのウェポン部門(カリフォルニア州チャイナレイク)で予定。後者は今回の契約管理部門でもある。これだけの大規模契約であるが、予算は会計年度を繰越できないことになっている。 コメント : なかなかしたたかなビジネスです。新鋭戦闘機は当分ものにならないので、現有機の性能向上で運用能力の維持向上ができますよ、ということですね。こうなると、F-35等次世代戦闘機の導入がまた一歩遅れることにもなりかねません。F-35はお世辞にも美しい機体ではありませんので、当初は批判を受けながら順次成長してきたF/A-18(この表記をする機体も同機が最後?)の魅力的な姿が当分見られるのはうれしいことです。

空母運用に向けて準備進むX-47B

AW&ST 電子版 12 月 18 日 カリフォルニア州パームデール発 ---- ノースロップ・ グラマンと米海軍はX -47 B無人戦闘航空システム(UCAS) 実証機用に、 航空母艦の飛行甲板あるいは空中から同機を管制する制御装置、 視覚上の工夫、コンピュータ・ プロトコールの一連のデバイスを開発中。 その一部が 12 月 16 日に当地の同社施設でのX -47 Bロールア ウトで発表された。飛行可能な機体第一号AV -1 は 2009 年 1 1 月 11 日に初飛行する。二号機AV -2 は 2009 年 12 月に完 成予定。両機で無人戦闘航空機の空母運用の可能性を実証する。 初飛行後は一年間の性能限界向上テストをエドワーズ空軍基地( カリフォルニア州)で行い、 その後パタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州) に移る。カタパルト発進テストをレイクハースト海軍航空技術部( ニュージャージー州)で実施後にノーフォーク(バージニア州) でニミッツ級空母に搭載され、 2011 年 11 月に洋上の空母着艦 試験で終える。使用する空母はハリー・S・トルーマン(CVN 7 5 )を予定。 空母運用の適合性試験では無人機の空中・ 艦上での管制方法を評価する。 UCAS部隊関係者は飛行甲板上で「イエローシャツ」 と呼ばれる航空機運用関係者の後ろにたち、 リモコン装置で同機を操る。 イエローシャツの役目は混雑した空母上で円滑な運用と安全の確保 。標準的な空母の飛行甲板上に 12 人から 15 人のイエローシャツ がいる。 X -47 Bの状況は機首車輪に装着のライトの組み合わせで飛行甲 板乗員に表示される。緑のライトは甲板要員が同機を制御中、 青は同機がミッション要員の制御下にあること、赤は障害を示す。 UCASは空母への接近・ 着艦を自動で行うがその際に利用するのが共用精密接近着艦システ ムの母艦連動GPS着艦システムである。 UCASも着艦信号士官(LSO)が飛行士の経験を生かし、 最終接近で視認責任を果たすことになる。 アプローチが正しくない、 あるいは着艦位置が不明の場合にはLSOはインターロック・ スイッチを入れて着艦を「拒否」できる。 このスイッチでデジタル信号をUCASに送り、出力増で一気に 1 200 フィートまで