
AW&ST電子版12月24日 ボーイングは合計2千機のF/A-18各型、8カ国で稼働中の機体のミッション・システムの改修契約を総額9.053億ドルで米海軍から獲得した。F/A-18 A/B, C/D, E/F および EA-18G各型の米国、カナダ、オーストラリア、スペイン、クウェート、スイス、フィンランド、マレーシア各国で運用中の機体は2013年12月完了予定の性能向上改修を順次受けることになる。今回のアップグレードは同型機を「今後30年間に出現する脅威に立ち向かえる」(ボーイング社スポークスマン)地位にとどめるためのもの。 今回の受注はボーイング社には大きな意味を持つ。同社はこれまでロッキード・マーチンF-35共用打撃戦闘機やサーブ・グリペンNGを待つ米国および同盟国空軍にはF/A-18がつなぎとなるばかりか代替選択肢となると宣伝してきた。オーストラリア空軍、米海軍、米海兵隊がそろっていわゆる戦闘機ギャップをどうやって埋めるかで頭を悩ましてきた。 ボーイングはミッション・システムの改修をソフトウェア、ハードウェア両面から進める。その中には分散処理による目標設定プロセッサやアクティブな電子スキャンを使うレーダーの改良が含まれ、改修効果が相乗効果を生むと同社は語る。 改修作業の95%は同社セントルイス工場(ミズーリ州)で実施、残りは海軍航空戦闘センターのウェポン部門(カリフォルニア州チャイナレイク)で予定。後者は今回の契約管理部門でもある。これだけの大規模契約であるが、予算は会計年度を繰越できないことになっている。 コメント:なかなかしたたかなビジネスです。新鋭戦闘機は当分ものにならないので、現有機の性能向上で運用能力の維持向上ができますよ、ということですね。こうなると、F-35等次世代戦闘機の導入がまた一歩遅れることにもなりかねません。F-35はお世辞にも美しい機体ではありませんので、当初は批判を受けながら順次成長してきたF/A-18(この表記をする機体も同機が最後?)の魅力的な姿が当分見られるのはうれしいことです。 |
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