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バルト海上空でロシア空軍がRC-135に異常接近、米ロが言葉の応酬

Russia and US trade blows over Baltic interception Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly 12 April 2015 http://www.janes.com/article/50590/russia-and-us-trade-blows-over-baltic-interception The Pentagon claims that a recent interception of one of its RC-135 surveillance aircraft (pictured) by a Russian fighter was so dangerous as to put the lives of its crew at risk. Russia denies this, saying its pilot was trying to visually identify the US aircraft that, it alleges, was flying with no transponder. Source: US Air Force 米空軍の偵察機がバルト海上空でロシア戦闘機に迎撃され米ロ間で言葉の応酬が続いている。米側は「無謀、危険かつプロらしからぬ行為」とtロシアを非難した。 事件は4月7日に発生。米空軍ボーイングRC-135をロシア空軍Su-27「フランカー」一機が国際空域で迎撃した。国防総省によればロシア機は米軍機から7メートル間隔で飛行し、乗員の生命を危険にしかねない行為だったという。 米政府はロシア政府に「適正な外交公的チャンネルを経由して」正式に抗議ずみとペンタゴンは米報道陣に伝えている。 ロシアからは米軍機はロシア領空に向け飛行し、トランスポンダーを切っていたと説明が入った。 イゴール・コナシェコフ中将Major-General Igor Konashenkov はSu-27を緊急発進させ、未知の機体を迎撃し、数回にわたり接近飛行し機種と国籍を確かめたとロシア国防省で説明。「強調しておきたいがRC-135はロシア国境に向け飛行しており、トランスポンダーのスイッ

ISIS空爆は長期化し空の塹壕戦になるのか 

高価な戦闘用航空機でこれも高価な弾薬類を投下してトラック一台を破壊する、という作戦が根本的におかしいのは明らかです。が、代替策がない、というのが偽らざるところなのでしょう。大規模な地上戦でCASが主体の作戦なら話は違ってくるのですが。面倒な相手を選んでしまったようですね。 Trench Warfare With Wings: Can ISIL Airstrikes Go Beyond Attrition? By SYDNEY J. FREEDBERG JR.  on April 09, 2015 at 2:25 PM http://breakingdefense.com/2015/04/trench-warfare-with-wings-can-isil-airstrikes-go-beyond-attrition/feed/ 図1.2月4日以降の航空攻撃目標分類 戦闘員>車両他>橋梁 航空戦力といえば高速で目標だけを正確に攻撃するイメージだが、実態は空の塹壕戦の様相を呈することもある。今週初めにティクリット奪回に成功した直後に米中央軍CENTCOM から詳細なデータで空爆作戦が自称イスラム国(ISISあるいはISIL)にどう展開されているかが示された。その内容を精査してみたところ、8ヶ月におよぶ空爆は消耗戦であるのが明らかになった。 一回の空爆で目標はトラック一台を目標、ときには戦闘員一名単位で、イラク部隊の近接航空支援が中心だ。空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将はF-22はCASに投入していないと言う。 2月発表の成果と比べると、戦略目標としての敵指揮官や石油関連施設が減っている。石油関連施設は合計151箇所で空爆対象5,457箇所の3%未満に相当するだけだ。 ISISに戦略級の目標そのものが少ないと思われがちだが、空軍力に深い知識を持つBreaking Defense 寄稿陣のひとりデイビッド・デプチュラ David Deptula退役空軍中将は空軍力を有効に使うべきなのに米国は機会を無駄にしていると主張。 「たいていのひとはこんな罠にひっかかる。『ここは工業化が進んでいないな』、確かにプロエスティ(ルーマニア、1943年に米軍が空爆)よりも精製施設の規模は小さいが、シリア国内の油田が連中の資金源になっている

中国提唱の一帯一路、AIIBの本質を見抜け

AIIBの話題ではバスに乗り遅れるな、あるいは様子を見る、という状況にどううまく反応するのかという小手先の議論が中心になっていますね。覇権をめぐる争いは軍事量だけの話ではなく、ソフトパワーも重要な要素で一路一帯=AIIB=中国の考える新世界秩序につながっていくのですが、ばらばらな議論をしていては中国の思いのつぼです。Holisticに物事を見られないのは学校、職場、社会で教えられてきた要素還元主義の「科学的思考」の弊害ですかね。せめてこのブログの読者には発想を広げて大きな視野で物事を考えていただきたいですね。ご関心があれば「ブレイクスルー思考」で検索してみてください。 China's 'One Belt, One Road' Strategy By Wendell Minnick 4:53 p.m. EDT April 11, 2015 Modern-day Silk Road Effort Could Challenge US Influence in Asia, Africa, Mideast http://www.defensenews.com/story/defense/2015/04/11/taiwan-china-one-belt-one-road-strategy/25353561/ (Photo: Parker Song-Pool/Getty Images) TAIPEI — 中国の提唱する「一帯一路」政策が実現すれば中国は押しもされぬ地政学上の大国になるというのが専門家の多数意見だ。 構想ではアジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ新しい回廊を複数開発し、「新シルクロード経済通路」で中国とヨーロッパをむすぶべく、中央アジアの山岳地帯を直通する。「海のシルクロード」は中国の港湾部をアフリカ沿岸と結び、さらにスエズ運河経由で地中海に出る。習近平主席は3月28日海南島でのボアオアジアフォーラムBoao Forum でこの構想を公表。 「一帯一路構想は経済が出発点だが、政治的戦略的な意味もある」と上海交通大学Shanghai Jiao Tong Universityの国家戦略研究院副所長 庄建中Zhuang Jianzhongは解説する。「エネルギー安全保障では共同開発による互恵を目指す」

☆ 米空軍の主力機が大型機に統一される日が来る?

第六世代戦闘機の開発に乗り出そうというところで、冷水をかけるような報告書ですが、大きなインパクトが出そうです。戦闘機命のヒエラルキーに支配された空軍の成り立ちが変わってしまうかもしれませんが、やはり価値観の違いを理由に黙殺されてしまうのでしょうか。なお報告書の著者は米空軍出身(ただし戦闘機パイロットではない)でRAND研究所でも仕事をしていた人とのことです。 Should Future Fighter Be Like A Bomber? Groundbreaking CSBA Study By COLIN CLARK  on April 08, 2015 at 3:46 PM http://breakingdefense.com/2015/04/should-future-fighter-be-like-a-bomber-groundbreaking-csba-study/feed/ WASHINGTON: 米空軍の次世代主力機は小型戦闘機ではなくステルス長距離爆撃機に近い機体になるかもしれない。 これは予算戦略評価センター Center for Budgetary and Strategic Assessments がこのたび発表する報告書  TRENDS IN AIR-TO-AIR COMBAT: IMPLICATIONS FOR FUTURE AIR SUPERIORITY の結論部分であり、このたびBreaking Defenseは同センターとは無関係の筋から写しを入手した。 報告書の主な所見は以下のとおり。「包括的結論として電子センサー、通信、誘導兵器で相当な技術進歩が過去数十年で発生しているので航空戦闘の形態がすでに根本的に変化している可能性があることへ注意喚起する」 上記結語は報告作成者ジョン・スティリオン John Stillion が世界各地で1965年以降の「1,450件以上の勝利実績」を集めたデータベースを精査して得たものだ。 スティリオンの研究では敵機を探知、待ちぶせ、攻撃し、かつ防空体制をスピードと操縦性で出し抜く航空機の製造は、航続距離、速度、性能それぞれ物理的な限界に近づいているという。 「電子センサーに加え、物理的な痕跡の削減、RF(電波)・IR(赤外線)対抗

イエメン空爆作戦に米軍が支援提供を開始

サウジアラビア主導で空爆作戦を開始したのはいいのですが、やはり戦闘継続には米軍の支援が必要になったようです。シリア、イラク、からイエメンまで空爆作戦の展開が広範囲に中東で見られますが、特にサウジ主導の湾岸諸国がどのように今回の作戦の経験を今後活用するのかが注目されますね。それ以前に何をもってイエメン作戦を終結できるかが課題ですが。イランの動向には要注意ですね。 U.S. launches aerial refueling mission in Yemen By Andrew Tilghman, Staff writer 5:59 p.m. EDT April 8, 2015 http://www.militarytimes.com/story/military/pentagon/2015/04/08/refueling-mission/25461213/ サウジ主導の有志連合によるイエメン空爆作戦で米軍は空中給油機を毎日飛ばす支援を開始した。中東地区での米国の関与がさらに拡大していることの現れと受け止められる。 米空軍のKC-135ストラトタンカー一機が4月7日夜、サウジ空軍所属F-15イーグルとUAE空軍のF-16ファイティングファルコンに空中給油したとペンタゴン報道官スティーブ・ウォーレン陸軍中佐Army Col. Steve Warrenが8日発表した。 米中央軍CENTCOMは毎日一機の給油機を飛ばし有志連合を支援するが、給油機はイエメンの領空に入らないとウォーレン中佐は説明した。 ペンタゴンは限定的ながら兵站支援、情報支援も承認しており、サウジ主導の航空作戦用の弾薬補給も認める。サウジアラビアほかアラブ諸国はイランが支援する戦闘員を標的に作戦を展開している。 CENTCOMは米軍関係者10数名を「融合センター要員」としてサウジ他湾岸諸国が加盟の湾岸協議会に派遣し、限定的ながら米軍と調整作業を行っている。 派遣要員は限定的な情報提供は行っているが攻撃目標の個別情報は共有していないとウォーレン中佐は説明。 兵站支援の範囲もイエメン国外に限定しており、米海軍が3月27日にアデン湾で機外脱出したサウジのパイロットを救出している。 イエメンは米国による対テロ作戦の成功例ともちあげられてきた。米軍は少数の

☆ 米空軍の考える近接航空支援の新しい姿とは

空軍が必要か、との議論もこのCAS任務に端を発しているのではないでしょうか。またここではA-10引退か否かの問題もからんでいます。一方で空軍とすればデビューしても当面は期待通りに使えないF-35を抱えてしまうのは大変との思いもあるのでしょうね。 USAF Eyes New Era Of Close Air Support U.S. Air Force’s campaign to reinvent CAS Mar 30, 2015 Amy Butler Aviation Week & Space Technology - Defense Technology Edition http://aviationweek.com/defense/usaf-eyes-new-era-close-air-support 2001年秋、ペンタゴンは史上最大規模の機体開発になるロッキード・マーティンF-35にゴーサインを出したが、その時点で近接航空支援(CAS)は任務の前面に掲げられていなかった。 契約交付の数週間前に9.11のテオロ攻撃が発生しており、CASミッションはイラク、アフガニスタンで普通のことになっていた。その時点ではF-35AにCASを激戦空域で実施させるのは補足的な扱いで空軍は同機にF-22と組んで深部侵攻をさせようと考えていた。現在は議員の側から空軍のA-10退役案に異議が入っており、F-35対A-10の単純な議論ではなくなっている。空軍はA-10全機退役を実施できなくなり、議論の「活性化」に追い込まれていると参謀総長マーク・ウェルシュ大将は語り、将来のCAS機材として各種戦闘機や爆撃機を投入し、F-35だけには任せないことになっている。 この問題は空軍で喫緊の課題。財政圧力の中で国防予算削減が計画されており、空軍は再度A-10退役案を提示して、単一任務しかできない機材の維持にあてる予算はないと主張。 JTACチームがA-10パイロットに航空支援ミッションで敵味方の区別を教えている。A-10の低高度低速度飛行特性と強力な火力は地上部隊には安心感を与える。 Credit: USAF Airman First Class Chris Massey 将来のCASを検討すべく空軍はサミット会合