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こんな人には大統領になってもらいたくない②ドナルド.J・トランプに国際安全保障で中身のある考えは期待できない

当然このシリーズ二回目はトランプ候補です。米大統領選挙史上で最も異彩な候補者と言ってもいいでしょう。正統派の共和党には受け入れられず、多数の既成共和党政治家が不支持を公然と表明しているのは異様ですが、世論調査ではまだヒラリー候補と大きな差がついていなのも異様です。どちらが当選しても過去の延長線の大統領にはなりそうもありませんね。その結果が安全保障面でこれからどう現れるかが懸念されます。 Donald J. Trump? Never. Does he have any real ideas about international security other than those he reads from his teleprompter? “Donald Trump speaking with supporters at a campaign rally at Veterans Memorial Coliseum at the Arizona State Fairgrounds in Phoenix, Arizona.” Photo by Gage Skidmore, CC BY-SA 2.0. Dov S. Zakheim August 8, 2016 http://nationalinterest.org/feature/donald-j-trump-never-17284 ドナルド・トランプに大統領選挙で一票を鼻をつまみながら投じても良いと一瞬思える時期が筆者にもあった。 今年4月末にNational Interest主催の機会で外交政策の所信表明をし、納得できる点があった。トランプはイスラエルとアラブ諸国の間に平和を実現するとの立場を見せ、他方でNATO同盟諸国にはGDP比2パーセントまで国防支出を増やさせ、アメリカの防衛政策のあるべき姿を従来より詳しく述べた。核兵器近代化を支持し、ミサイル防衛の実効性も高めるとした。また陸軍の増強、艦船数、空軍兵力の拡大も主張した。対ロシア姿勢では以前よりバランスが取れたものの言い方で力を背景にした交渉のみをすると言い切っていた。 筆者はずっと共和党員であり本選挙では共和党候補なら誰でも構わず投票してきた人物だが、トランプはこの筆者を完全に納得させられなかった。貿易

歴史に残る機体⑨ KC-135、60年にわたり飛行を続ける米空軍の働き者

KC-135 Stratotanker reaches historic milestone TAMPA, FL, UNITED STATES 08.09.2016 Story by Capt. Joseph Simms 927th Air Refueling Wing https://www.dvidshub.net/news/206524/kc-135-stratotanker-reaches-historic-milestone 1956年8月31日に初飛行したボーイングKC-135を見た人たちには60年たっても飛行しているとは想像できなかっただろう。 だが60年に渡りボーイング707を原型とした同機は米空軍きっての働き者として活躍し、空中給油、人員貨物輸送、医療搬送など世界中を飛んでいる。 1950年代中頃の戦略航空軍団はカーティス・ルメイ将軍の指揮のもとで当時の最新鋭戦闘機や爆撃機に追随できる食う中給油機を必要としていた。B-52は当時着陸装置をおろして抗力を増やし低速にしてプロペラ式のKC-97に合わせて給油を受けており、機体に負担となるばかりでなく貴重な燃料を無駄使いしていた。 KC-135の登場でこれは解決する。450マイルの速度で飛ぶ同機はKC-97の給油量の二倍を搭載可能だった。 KC-135Aが第93空中給油飛行隊(キャッスルAFB、カリフォーニア)に1957年から配備されるとKC-97と交代し高速で世界各地に空輸する能力が生まれた。1976年に空軍予備役にもKC-135が投入されると、予備役パイロットによる第63空中給油隊がマクディル空軍基地(フロリダ)に発足し、同隊は今日も同機を運用している。 「 KC- 135は空軍の空中給油の屋台骨を60年間つとめ衰えを知らないようです」とアダム・マクリーン中佐 ( 第63ARS指揮官 ) は言う 。 現在KC-135を操縦する一番若いパイロットの母親が生まれる前から同機が飛行を続けられるのは整備陣の技能があってこそだ。 「クルマなら毎日乗って60年も維持できないでしょうが、KC-135が毎日飛んでいまでもちゃんと動けるのは整備部隊の成果です」と語るのはメアリー・レント少佐第927航空機整備隊隊長だ。 ストラトタンカ

こんな人に大統領になってもらいたくない①ヒラリー・クリントンは古い政治手法でスキャンダルまみれ

ヒラリー・クリントンに人望がないのはなぜかかよく分かる記事ですが、オバマ政権の人気の無さ含め日本では米民主党がよく理解されていないのでこの記事そのものが理解しにくいのかもしれません。特にメール問題がさらに拡大している状況はほとんどの方がご存じないのではないでしょうか。敵失で大統領当選の可能性が高い同候補ですが、改めて安全保障関連での懸念が当選前から論じられるでしょう。 Hillary Clinton? Never. Stale ideas, with a whiff of scandal. Robert W. Merry August 8, 2016 http://nationalinterest.org/feature/hillary-clinton-never-17285 ビル、ヒラリーのクリントン夫妻がワシントンに大統領、大統領夫人として登場した1993年、ウォール・ストリート・ジャーナルは二人を攻撃し、ふたりと一緒にアーカンソー流の政治手法、つまり汚職、個人利益の追求が流入し政策決定の一部となると非難したが、夫妻の不誠実さの決定的な証明がないまま一斉に批判を受ける形となった。 そこに肉牛先物価格スキャンダルが発生し、わずか1千ドルの手持ち資金で始めたヒラリーは98,450ドルの利益を手にし、さらにアーカンソーの巨大企業タイソン・フーズ問題が発生しビル・クリントンは同州知事を務めていた。 このパターンが続いたヒラリー・クリントンが民主党大統領候補だが各種世論調査では全米の三分の二が本人の誠実さに疑念を抱き、信頼出来ないと回答している。クリントン大統領時代には肉牛先物スキャンダルにつづき「トラベルゲート」「ファイルゲート」さらにホワイトウォーター土地投機スキャンダルが発生し、後者では関連書類一式が行方不明とされていたものがどういう奇跡かホワイトハウス居住部分で見つかっている。ただしコピーでオリジナルは行方不明のままだ。クリントン夫妻はスキャンダルやスキャンダルらしきものにどっぷりとつかっているようで、倫理を疑われない発覚が表に出ないよう必死になってきた。 はるか前の出来事とはいえ、こういった事例とヒラリー・クリントンの公職での倫理面でのだらしなさが関連して、信頼できない人物、真実を語らない人物との評価を生んでいる

★★中国軍事力はどこまで米軍に追いつているのか、 特異な軍事思考は要注意

こういう記事がビジネス誌にも載るのがアメリカらしいところですね。もちろん背景には議会付属の調査機関があることがあるのですが。中国の理解はアメリカにとってもソ連時代とは違う難しさがあるのでしょう。そういうことを言えば日本も他人のことは言えませんが。東シナ海での情勢がまた懸念されるようになってきましたが、改めて中国の軍事思考を理解していく必要がありますね。 Business Insider How China's Military Stacks Up to the U.S. ALEX LOCKIE Yesterday at 11:34 PM http://www.scout.com/military/warrior/story/1693814-how-china-s- By Alex Lockie, Business Insider 米議会調査局による最新報告書は中国軍230万名体制のあらましとともに西側軍事分析の誤りに光を当てている。 端的に言えば、報告書は中国の戦争哲学、文化を知らずに中国の国防、外交面での決定に西側が勝手な解釈をすることを戒めている。 中国メディアが国家統制にある点が米国と異なり、必然的に中国の軍事報告には透明性が欠落しているのは報道の自由がないためだ。 また中国の侵略の定義も全く異なっている。中国人からすれば平時と戦時でサイバースパイ活動に違いはなく、米国等から軍事機密を盗むことも能力があるのだから当然と考えている。 報告書をまとめた議会調査局のアジア問題専門家イアン・E・ラインハートは議会と軍上層部に「中国式の戦争の進め方」のを検討するよう求めている。 以下報告書から中国が米軍事力に対抗できるまでに拡充してきた経過を見てみよう。 中国の戦力の全体像 Congressional Research Service 中国の人口は13億人と、米国の四倍以上の規模で、これを背景に中国軍は正規軍230万名、予備役及び武装警察110万名の陣容を誇る。これでも人民解放軍は1992年当時の3百万名規模から縮小している。 これに対し米軍正規軍は140万名で人数は低いが人口比では高い。 一点重要な点は中国の最後の戦闘はヴィエトナム相手の1979年で終わっている点だ。朝鮮戦争

北朝鮮はIRBMを民間空港から発射していた

North Korea launched Musudan IRBM from Kalma Airport in Wonsan, says report Gabriel Dominguez, London - IHS Jane's Defence Weekly 08 August 2016 http://www.janes.com/article/62827/north-korea-launched-musudan-irbm-from-kalma-airport-in-wonsan-says-report Source: Via Rodong Sinmun/Twitter 北朝鮮が6月22日に行ったムスダン中距離弾道ミサイル発射テストは国内空港で実施していたとジョンズホプキンズ大学のポール・H・ニッツェ高等国際研究所の米韓研究所US-Korea Institute が主宰する38 North ウェブサイトで発表した 。 北朝鮮国営メディアはムスダンミサイル(別称Hwasong-10)の発射地点を報道していなかった。「公表された地上写真と商用衛星写真を比較して発射地点は東海岸のカルマ 葛麻 国際空港だと判明した」と38 Northが8月5日述べている。 同空港は元山市の東側の半島に位置し、当初の元山空軍基地を近代的な民間空港に転用する工事が最終段階にある。 ただし、同空港の東側には小規模施設がありこの数年間は砲兵隊の展示や弾道ミサイル関連につかわれていたと同サイトは述べており、TEL輸送起立発射機の発射拠点が最近構築されている。 北朝鮮はどう地点を今後もテストに使うと同サイトは見ている。「北朝鮮が今後も同地点とHodo半島をともに実弾発射、ロケットやミサイルのテストに利用しそうだ。またカルマ空港は大々的に公表するイベントに、Hodo施設は通常の訓練やテストに使うのだろう」 6月22日に北朝鮮はムスダンIRBM二発を東海岸から発射している。一発は失敗したが、二発目が北朝鮮のムスダンで最も成功した飛翔をし、高度1,000キロへ到達し400キロ離れた地点へ到達している。■

AI搭載無人機に手も足も出ない戦闘機パイロット:シミュレーターの世界は現実になるのか

記事にある PSIBERNETIX(サイバーネティックスと呼ぶんでしょうね)はシンシナティ大卒業生のようです。オハイオ州は空軍との関係も深いのでしょう。AIが進化すれば養成に何億円もかかるパイロットが失業するとの恐れで米海軍の現職パイロットは一致団結して無人機の導入を阻止したのでしょうが、空軍はどうなのでしょうか。さらに航空自衛隊は?日本ではまだヒトの優位性を信じる向きが多いのでしょうね。 Artificial Intelligence Drone Defeats Fighter Pilot: The Future? By COLIN CLARK  on August 08, 2016 at 4:01 AM http://breakingdefense.com/2016/08/artificial-intelligence-drone-defeats-fighter-pilot-the-future/   退役米空軍大佐ジーン・リーがフライトシミュレーターで人工知能と対戦している 。 民間企業 、 米空軍 、 シンシナティ大学が連携してAIを開発した 。 写真 UCMagazine ペンタゴン関係者の興味を引くこと必至のペーパーで一民間会社が人工知能を使った無人機が有人操縦機を繰り返し、かつ確実に「打ち負かす」結果を空軍研究所 (AFRL)のシミュレーションで得たと発表している。 豊かな経験を持つ元空軍のジーン・リーが何度も試したが一度も撃墜できず、「毎回敵軍に撃墜された」という。ミサイル交戦は視程外距離で行われた。 「こちらの意図は読まれていたようで飛行中の変化やミサイルに即座に反応していました。こちらの発射したミサイルをどうかわすかを理解してました」と2011年まで航空戦闘軍団でF-35A、F-22、グローバルホークを担当していたリーはシンシナティ大学学内誌に述べている。 ソフトウェアALPHAを開発したPSIBERNETIXは小企業で、ソフトウェアの性能のカギはアクションの速さだという。同社はヒトの意思決定サイクルに対抗する際の人工知能の従来の限界を克服したようだ。つまり膨大な量のデータを各種センサーから受け取り、処理の上、すばやく決定することだ。同社CEOのニコラス・アーンストが開発した「ファジーロジ

★2030年代に空母は無用の長物になるのか

海軍航空戦力の将来像がピンチという話題の続編です。なるほどこれだけの巨費をかけながら期待するような攻撃力を加えられないのなら空母は不要だ、というわけですか。短絡気味ではありますが、確かに10万トンの巨艦はかつての戦艦と同様に予算ばかり食う存在になっているのでしょうか。そこに空母=ステータスシンボルと勘違いなことを考える国があらわれているわけですが。 We go to war so you don’t have to 共用基地パール・ハーバーに到着したUSS ジョン・C・ステニスAugust 2016. U.S. Navy photo Aircraft Carriers Could Be Obsolete in the 2030s Even With F-35s That is, if flattops continue to lack long-range strike capabilities by DAVE MAJUMDAR https://warisboring.com/aircraft-carriers-could-be-obsolete-in-the-2030s-even-with-f-35s-ea883b0f509f#.2szz1ikd5 ハイエンド戦の初日にもし米海軍に空母航空隊投入するつもりがない、あるいは投入できないとしたら、納税者の130億ドルもの巨費を投じたフォード級空母の意味がなくなってしまうではないか。 ワシントンの海軍関係アナリストたちがこう問いかけており、海軍には選択肢が多数あると強調し、ステルス長距離無人攻撃機や潜水艦部隊の増強もそのひとつだとする。 だが現行のボーイングF/A-18ホーネット中心の航空戦力は航続距離が短く、2030年代には適応できなくなる。たとえ若干長距離のロッキード・マーティンF-35C共用打撃戦闘機が加わったとしても。 「開戦初日に空母がA2/AD内で有効な攻撃ミッションを実施できないのなら130億ドルで何が手に入ったと言えるのでしょうか」と新アメリカ安全保障センターのジェリー・ヘンドリックスが The National Interest 取材で述べている。 「こんな主張をする人がいますよ。『一日目にできる仕事はない』というのなら、値段にあった仕事