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米空軍: 調達方法を見直すべきか

USAF ISR Chief Calls For Procurement Changes aviationweek.com Aug 3, 2010 デイビッド・デプチュラ空軍中将・空軍副参謀長(情報収集・監視・偵察担当)は装備調達のスピードを上げて、前線指揮官のニーズに呼応すべきと発言。  取得が早くなると次世代無人機システム(UAS)の配備がまず恩恵を受ける。   ペンタゴンの現在の装備調達は要求内容作成・精査の長いプロセスである共用能力統合開発システム(JCIDS)を経ないと購入ができない仕組みになってい る。JCIDSの承認に数ヵ年かかり、その後やっと契約者を選定して設計が始まる。                   デ プチュラ中将は退役前の記者会見で「JCIDSそのものは善意」で要求性能を実現する手段として構築されたと解説。しかし非正規戦闘と技術が急速に変化す る現在の状況では「そんなに待つ余裕がない」(同中将)。空軍の最新型ISR装備にはプレデター無人航空機、MC-12Wプロジェクト・リバティー有人情 報収集機があり、双方ともにライトパターソン空軍基地(オハイオ州)のビッグ・サファリ事務局が開発・導入をまとめた。この事務局は求められる性能水準を 迅速に実現し、伝統的な調達手順の制約を回避することで知られている。 グローバルホークは従来型の調達方法で導入をしており、コスト上昇に悩まされている。ペンタゴン関係者の言によると国防長官官房は費用がこのまま上昇し続けると上院決議の内容に反する事態に陥るのを懸念している。 デ プチュラ中将はビッグ・サファリ方式を「例外措置ではなく標準方式に」すべきと考える。例として次世代UASの実戦配備は最短で2020年で、かつ調達手 続きが適正に行われ、実際の製作が即座に開始された場合だという。「アルカイダにはJCIDS手順はない」と同中将は新型装備の第一線配備が一刻も早く必 要であることに注意を喚起している。前線に一刻も早く新しい装備を届けるためには調達手順を簡素化するしかない。 同 中将は次世代の攻撃・ISR用の無人機開発が高価になるという国防関係者の主張に反論している。次世代爆撃機の呼称もある同機の機能には自動再目標捕捉が あると同中将はほのめかしている。このためジャミングの対象になる再確認用の通信のやり取りが

アヴェンジャーUAVの開発状況

Avenger UAV Will Come in Two Variants aviationweeek.com Jul 21, 2010     ジェ ネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システム(GA-ASI)はアヴェンジャー/プレデターC無人戦闘航空機を二型式で提供する。そのうちの一型式 にはレーダー吸収素材、共用打撃戦闘機と同様の電気光学センサー他の装備を搭載し、防御堅固な空域出の生存性を高める設計だ。. アヴェンジャーの最初のモデルは「対戦環境」(敵対勢力が存在するが、友軍がおおむね制空権を確保している)を想定。これに対し二番目のモデルは引き込み式の電気光学センサーを搭載する等の変更点があり、2011年早々に初飛行の予定。        た だしプレデターCはレーダー断面積(RCS)    テストは未実施だ。GA-ASIの技術開発本部は米国最大級のRCSテスト施設と文字通り隣接しており、コンピュータ上のRCS判定は良好なものの機体一 部にホットスポットが見つかっており、実際のRCSテストはステルス設計が完成してからになりそうだ。    同 社によると米海軍が話題にしているのは完全ステルス性能よりも「バランスのとれた生存性」を無人空母発進空中偵察攻撃機(UCLASS)の仕様に取り入れ ることであり、一方で米空軍のMQ-X仕様はそこまではっきりしていないようだ。ただ空軍筋によると    空軍にとって優先順位が高いのはUAVのシステム設計を固めることであり、将来の多様な機体要求にこたえるものとすることであるという。■ m

PAK-FAの運用は2015年開始か

T-50(左)とF-22 PAK-FA Will Be Operational In 2015: Executive aviationweek.com Jul 21, 2010            スホーイT-50PAK-FA戦闘機の実戦部隊配備は2015年から開始となると同社はファーンボロ航空ショーで明らかにした。西側ではこれまでの例と比較して同機開発のテンポを懐疑的に見る向きもある。 「これまでの知見の蓄積があるし、準備状況の進捗と解決方法の選択があってこそ可能です。新型エンジンを待たずに、既存エンジンを改良しますし、総合すれば達成は可能です」(同社幹部ミハイル・ポゴシヤン) 「過去10年間に当社は合計4機種の機体を開発しました。Su-30MKI、Su-34,Su-35およびT-50ですが、海外メーカーでこれだけの実績がある会社はないでしょう」 また、T-50の本格生産が始まってもSu-35の生産も2020年までは平行して維持されるという。レーダー探知距離が400Kmと長い同機の有用性がその理由だ。 ポ ゴシヤンは同時に西側報道で中国・パキスタン共同開発のFC-1/F-17戦闘機用のRD-93エンジンの輸出をロシアが禁止したことにもコメントしてい る。この禁輸は中国がSu-27を不正コピーしたJ-11を生産していることへの対応策とされる。「エンジンの引渡しには反対というわけではないが、本件 は二国間合意により決めるべき問題だ。軍事技術協力は長期間の戦略的なプロセスであり、両者が合意内容を遵守する必要があるし、一方がそれを守らないと秩 序が失われます。」■

2011年導入に向けて準備進むタイ空軍グリペン部隊

Thai Gripens To Be Operational In 2011 aviationweek.com Jul 19, 2010                                        タ イ空軍のパイロット、技術要員の第一陣がスウェーデンで訓練中で同空軍はグリペンで編成する701飛行隊を来年から運用を開始する。 タイが購入するグリペンは当初6機で、その後 12機まで拡充する予定。さらに増強する可能性もあるが、まずは初期導入機体の運用経験からの判断となるはずだ。 現在訓練中のパイロット4名が教官となる予定。 現時点で使用しているのはグリペンA/B型だが、今後C/D型も投入して訓練は12月に完了する。 タイ空軍F-5およびF-16 のパイロットにグリペンへの機種切り替えは比較的容易とのことで、飛行制御システムは「とてもスムーズ」でマン・マシンインターフェースは「うまくできて いる」とのことだ。 グリペン各機体の引渡しは来年3月までに完了する。タイ空軍は当初はAIM-9M  サイドワインダーおよびAIM-120 Amraamミサイルを搭載するが、IRIS-Tドッグファイトミサイルを別途導入するだろう。 グリペンはタイ空軍の通称グリペン統合防空シス テムの一部で、同空軍はErieye早期警戒機もあわせて導入する。このシステムも来年から稼動する。■ コメント なかなかよく考えた選定のようです。AEWまでサーブ製でまとめたのは、コストを一番に考えた結果と思いますが、グリペン が熱帯の気候の中、どのような働きをするのか、その他多数派の米製戦闘機とのインターフェースはどうなるのか、来年以降の運用の中で実態を知りたいもので す。

高高度情報収集UAV運用で米海軍、空軍が共同運用に動く

Navy, USAF Coordinate High-Altitude UAV Work aviatonweek.com Jul 15, 2010     米空軍-海軍が覚書を交換し、高高度偵察無人航 空機(UAV) の開発で協調することにしたが細部では問題が残っている。 6月12日に取り交わされたこの覚書では空軍の グローバルホーク、海軍の広域洋上監視(Broad Area Maritime Surveillance (BAMS))双方の運用上、予算上の効率性を求めるのを目的としている。両プログラムともに開発段階にあるが、グローバルホークが先行している。 運用基地を共有し、メンテナンス、指揮命令系 統、訓練、ロジスティクス、データ活用でも共用するすることで効率化向上の余地が大きいと空軍情報収集・監視・偵察(ISR)担当のデプチュラ中将は考え る。 例えば両機をイタリアのシゴネラ海軍航空基地に配備すればヨーロッパに加え中東地区も情報収集の対象に加えられる。同様にグアム配 備が想定されており、現実に空軍がグローバルホーク運用の準備をしているところだ。 グローバルホーク初期型各機およびグローバル ホーク洋上運用実証機はアルダフラ基地(アラブ首長国連邦)で運用中。海軍用の機体はアラビア洋上での情報収集に従事しており、一年間の現地運用が決まっ たところだ。ホルムズ海峡上空の監視活動ならびにイランを出入する艦船の把握に同機は重要な手段となっているというのが専門家筋の見方だ。空軍所属の各機 体はアフガニスタン、イラク及びアフリカ上空で各地の司令官の求めに応じ情報を収集している。 これとは別にパイロットとメンテナンスの訓練が 両軍を対象にカリフォルニア州ビール空軍基地に準備されつつある。ただし、海軍の運用管制官向けに360度をカバーする多機能アクティブセン サー(Multifunction Active Sensor ,MFAS)の訓練場所は未定。空軍のセンサー類では電子光学、赤外線、レーダー、通信傍受装置の種類が海軍と異なっている。 今回の協定はペンタゴン内部で一層の共同事業を 行う一歩になる。これまで各軍は独自に計画づくりを伝統的にしてきたが、それは共同で同時に開発する試みが特に武装関連で失敗してきたためだ。海軍は共用 空対地スタンドオフミサイルの取得に熱

ボーイング・ファンタムアイUAVが公表されました

Boeing Phantom Eye Preps For Ground Testing aviationweek.com Jul 13, 2010                                           ボーイングの水素動力による高高度飛行無人機(UAV)の実証機ファンタムアイはNASA ドライデン飛行研究施設(エドワーズ空軍基地内)に移送されて、地上テストの準備を進める。 ボーイングは7月12日に同機を初めて従業員向 けにセントルイスで公開した。 初飛行は2011年初めに約8時間の予定で計画 されているが、その前に地上・タキシーテストを実施する。最終的な目標は96時間の連続飛行を高度6万5千フィートで実施することだ。 動力はフォード・レインジャートラック用の 2.3リッター4気筒エンジン二基で、長時間飛行を目指す。同機の製作はボーイング・ファンタムワークスである。お披露目の席上、ファンタムアイは24時 間連続、一週間連続の地域上空飛行を4機交代で行う構想であることが発表されたれが実現できれば前線に航空機を配備したり、世界中に基地を確保したり、世 界的な規模の補給網が不要になると同社は発表。 ファンタムアイは実寸の60%から70%相当の 縮小サイズで、巡航速度150ノットでペイロード450ポンドを搭載。 競合機にはエアロバイロンメントのグローバルオ ブザーバーがあるほか、ロッキード・マーティンとオーロラフライトサイエンシズAurora Flight Sciencesも長時間飛行体の市場参入をめざしている。すべて高高度飛行により現在はグローバルホークが担っている情報収集任務を実現することが目標 だ。グローバルホークは24時間運用が可能だが、米空軍は運用コストが高いことに不満がある。 ファンタムアイの縮小モデルは来週のファーンボ ロー航空ショーのボーイング無人機コーナーで展示される。同時にファンタムレイ戦闘用無人機、スキャンイーグル、スキャンイーグルインテグレーター、 A160Tハミングバードの各モデルも展示となる。■

EADSがKC-X入札に単独で参加

EADS KC-X Bid In, Tanker Rhetoric Heats Up aviationweek.com Jul 9, 2010                                        EADSノースアメリカはA330-200を改装する同社のKC-X提案が米空軍入札で採用とな ると自信満々である。同社会長ラルフ・クロスによると競合するボーイングの支持者による同社への攻撃は取るに足らないものと一蹴する。    同社は合計8,819ページ全17巻の提案書を 提出。入札締め切りは7月9日。提案の給油機設計はオーストラリア空軍仕様を大幅に流用している。一方、ボーイングは767原型の提案だが日本、イタリア 向けの設計とは異なり、現段階ではまだ原型機は存在していない。代替の対象となるKC-135は現段階で179機が稼働中。 米空軍は採択結果を11月12日に公表の予定。 契約規模は350億ドル。EADSは7月8日の記者会見で入札の意向を表明した。 両社はこれまで非難中傷の応酬を繰り返してきた が、ボーイングの支持者は世界貿易機関WTOの見解でエアバスが不正な形で政府補助金を受けて民間機を開発した経緯を今回の選定で考慮すべきと主張する。 この補助金を理由にEADSには一機あたり5百万ドル相当のペナルティを国防総省は課すべきだと主張する議員もいる。 ペンタゴン関係者はWTO規則ではペナルティの 上乗せはできないと言い、EADSも一蹴する。 一方WTOも紛争解決委員会の活動は9月まで延 期するとし、その理由はEU側が米国に対してボーイングは不公正な補助を受けているとしているためだとする。 EADSはKC-X事業の本拠地をアラバマ州 モービルに7月12日に開設し、以後の空軍との交渉を続けると発表。もともと同地は2008年の落札時にA330-200タンカー・貨物型の最終組立工場 として当時の提携先ノースロップ・グラマン主導で選定されていた経緯がある。この落札が無効とされたのはボーイングの抗議がきっかけであり、ノースロッ プ・グラマンが事業から降りてしまった。EADSはその後単独で応札する意向を公表していた。 KC-X開発用の最初の三機はツールーズで製作 し、スペインのエアバスミリタリーで軍用の改装を施す。4号機からモビールで改装をする。

F-15サイレントイーグルの開発は順調に進んでいます

F-15 Silent Eagle scores two firsts with export license, flight test flightglobal.com Jul 10,2010 ボーイングはF-15サイレントイーグルの韓国 向け輸出ライセンスを7月8日に取得した。また、同機のステルス性能実現のために必要になる性能向上策のひとつを飛行テストしている。 米国務省は非公表の輸出方針に基づき二ヶ月間の 審査後にライセンスを交付した。韓国からはこれに基づき2011年第一四半期にもF-X3同国次期主力戦闘機調達契約の公示が発表される見込み。F- 15SEと競合関係になるのはロッキード・マーティンF-35およびユーロファイター・タイフーンになるだろう。 ボーイングが提案している性能改修策はF-15 の空中戦闘での生存性を高めるためのもので、xバンドレーダーに対して前面レーダー断面積(RCS)の縮小が含まれる。ボーイング社内ではF-35の「国 際提供版」のRCSと同等程度まで縮小する目標を掲げていた。ただし、ボーイングは同機の輸出許可内容にこの水準の実施が含まれているかの確認をしてい た。 顧客 の要望によってはF-15SEにはその他の性能向上策を盛り込むことができる。パノラマコックピットディスプレー、BAE製のディジタル電子戦システム (DEWS)およびテールフィンを外側に15度傾斜させることがその内容。RCS縮小には一体型武装格納庫(CWB)の採用が効果的だ。 F-15E1は実証機で7月8日に初飛行し、 CWBと してミサイル発射または爆弾投下用に改装した一体型燃料タンクの効果を示した。今回はデータ収集だけにとどまっているが、来週に初のミサイル発射テストを ポイントマグー射爆場(カリフォルニア州)で実施する。 ミサイル発射実験は7月14日および15日の二 回予定されており、高度1万5千フィートから速度 250ノットで発射する。実験用にコックピットにはコントロール装置が取り付けられパイロットがCWBを開閉できる。ボーイングは以前にも機体内部の兵装 庫から投下したことはあるが、あくまでも展示用だった。次回のフライトでCWBからミサイル発射に成功すれば、同社は次の課題をCWBを生産モデルに取り 入れる改装となる。

LEMV: 無人監視飛行船の実証実験をアフガニスタンで

Northrop Grumman To Fly Surveillance Airship aviationweek.com Jul 2, 2010 飛行船は航空技術の黎明期から存在してきたが、 新しい役割でその存在が再注目されようとしている。今回の任務は長時間監視警戒だが、無人飛行船の今後の役割が定着することになるのだろうか。 ノーロップグラマンは長時間滞空多目的情報収集 機体(LEMV)を総額517百万ドルで開発に着手。米陸軍がアフガニスタンで2012年から運用を開始する同機は無人飛行船で国境警備や災害救難に、ま た通信中継用や監視用に長期間の運用が可能。 この飛行船は15,000から20,000ポン ドの燃料を搭載して、三週間から四週間にわたり監視空域に留まることができる。この間の運行費用は2万5千ドル程度であり、MQ-9プレデターを同じ任務 に投入すると合計12機に相当し、その運用に必要な地上人員も別途必要だ。 LEMVは広範囲区域を継続して監視することが でき、その間にビデオ映像、レーダーや通信情報収集をして地上部隊に送信できる。センサー類を取り除き追加燃料タンクを装備すれば、20トンの貨物を運搬 することができる。 さらにノースロップグラマンはLEMVに合計3,500ポンドの装備を載せて21日間上空 20,000フィートの監視手段を維持できると見ている。    ノースロップグラマンの提携先Hybrid Air Vehicles (HAV)社が LEMVを設計した他、全長300フィートの有人でも運航可能なハイブリッド飛行船コンドル304も製作した。                             新世代飛行船の浮力の6割がヘリウムによるものであり、残りの4割は空力学的な浮力によるもの。 離着陸時には搭載する4基のエンジン推力を利用する。 米陸軍は18ヶ月以内の納入を希望しているの で、ノースロップグラマンは低リスクの機体設計と経験のある提携先を選択した。HAVは商用スカイシップ500と600の開発実績がある。 一号機はアフガニスタンに2011年末までに フェリーされ、2012年初頭に45日から60日の運用評価試験を実施してから5カ年契約で同地で任務につく。同契約では陸軍は予算手当がつけばあと2機 の飛行船を導入するオプション条

F-35開発で一歩後退するオランダの役割

Dutch May Pull Out Of Next F-35 Phase aviationweek.com Jul 1, 2010     共用打撃戦闘機開発本部はオランダが同機の初期 作戦能力獲得テスト及び評価段階への参加取りやめを可能にするオプションを検討中。 オランダ代表団がこのたび米側と本件を検討し た。オランダの参加が危うくなったのは総選挙前の議会情勢に加え、選挙後の組閣の行方がわからないため。 選挙を控えて議会は初期作戦能力獲得・評価テス トへの参加を中止する決議をしたが、計画推進派は選挙結果が出る前には同機開発に関する決定は行わないという政党間の合意を盾にして同動議に疑問を呈して いる。 ミッデルクウプ国防相は議会にて現状を米側に通報し、初期作戦能力評価用の機体一機の発注取り消しおよび二号機の先行予算支出を取 り消すので対応願いたいと伝えたと報告した。 また同相は今夏中にJSFの費用総額を点検しな おしF-16 後継機種の検討・決定に役立てたいと発言した。■  ● コメント これにはオランダ固有の国内政治問題が絡んでいるようですが、今後共同開発パートナー諸国の中に公約通りの支出を辞退する動きが出てくれば、一層F-35の開発は困難になりかねません。その中で日本がFX候補に同機を入れること自体どうなのか。かねてからF-35に疑問をもつ当方はますます懐疑的になっています。一方、海上自衛隊が計画中の22DDH(満載排水量2万トン超といわれます)の運用を見越すとF-35C(垂直離着陸可能)の採用も視野に入っているかもしれませんのであまり先鋭的なF-35批判は弱める必要があると思います。

各国別の要因に振り回される戦闘機商戦

Further Twists Emerge In Fighter Competitions   aviationweek.com Jun 30, 2010 アジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ各国の次期 戦闘機選定では政治敵理由や選定手続き上で変動が続いているためアメリカとヨーロッパの戦闘機メーカーは対応を迫られている。 その例が日本。ボーイング、ロッキード・マー ティン、ユーロファイター各社はF-4EJ 後継機調達の提案公募発表を待っている。しかし、政権交代につながった政治混乱、、普天間基地問題等に関心が集中しており、次期戦闘機の選択は来年あるい はもっと後にならないと開始されない可能性があるとボーイング防衛部門の国際ビジネス開発担当副社長マーク・クロネンバーグは見ている。 来年は韓国の戦闘機調達も開始になる。ボーイン グの見方はF-15サイレントイーグルが最有力候補になる可能性ありとしている。ユーロファイター共同開発諸国も韓国では40機から60機の需要を見込ん でいる。であればユーロファイターにも十分勝算ありと見る。 ブラジルのF-X2選定は混迷が続いており、 ボーイングF/A-18E/F、サーブ・グリペン、ダッソー・ラファールが競り合っている。ブラジルは国政選挙を10月に控えており、それまではアクショ ンは考えにくいと欧州の産業筋は見ている。 ただし、ブラジル空軍の評価作業は完了してお り、国防省は選挙前に選定結果を公表する可能性があるという。 同国産業界には選挙後に新政権発足すれば一度決 定した選定が仕切りなおしになるとの観測があるがそれではあまりにも高価な選択になると懐疑的な見方もある。    スイスの戦闘機選択でも変化が出てきた。同国政 府は昨年に機種選択は2010年に先送りにする決定をしたが、ここにいたり選定そのものが前に進まないのではという疑問が出ている。スイス国防省は予算を 他の優先事項に支出すると公言しているからだ。 スイス政府が機種選択に動くのは9月だろうと産 業界は見ている。その際に、現有のF-5後継に加えてF/A-18 の一部後継を求める内容に変更となる可能性はある。 ボーイングミリタリーエアクラフト社長クリス・ チャドウィックは「スイスは国民投票を実施するのではないかと思います。その後要求内容は改定され当社にも再度参加

スホーイT-50飛行テスト状況をプーチン首相が視察

Sukhoi T-50 Prototype Demonstrated For Putin                     aviationweek.com Jun 29, 2010 ロシア初の「低視認性」航空機をウラジミール・ プーチン首相が視察した。モスクワ郊外のジューコフスキー飛行テストセンターでスホーイの試作機T-50のコックピットまで同首相は乗り込んだ。 T-50はロシア空軍のPAK FA開発計画に より開発中の多用途戦闘機でSu-27フランカーの後継機種となる。1月29日初飛行以来、米側関係者によると同機のこれまでの飛行回数は16回。初期段 階の開発は2012年に完了の予定。 スホーイの予測では全世界で今後40年の市場規 模は1,000機程度。プーチン首相によると同機の価格はF-22の三分の一。また、米議会により海外販売が禁止されたF-22と違ってスホーイは最初か ら輸出を念頭に設計されている。 インドは同機開発にすでに「参加」しており、複 座型に関心を示している。 T-50試作一号機はレーダーを搭載していないと推測されるが、機種と後尾に合計2基の固定アク ティブ電子スキャンアレイレーダーを搭載し、前後各120度の探査範囲を確保する設計だ。 搭載エンジンはNPOサターン117S二基で、 これはフランカー各型で採用されたAL-31Fエンジンを改良したものだ。■ ● 同機の行方には注視が必要です。いわばチープな ステルス機として今後多くの新興国が採用すれば、西側にとって厄介な存在になりかねませんし、F-22/F-35 の配備数は少数にとどまり、数では優位性が確保できる可能性が少ないためです。

次期哨戒機P-8A開発の近況

Second P-8A Moves To Pax River Testing Site aviationweek.com Jun 23, 2010 ボーイングは次期洋上哨戒機P-8Aの二号機を パタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に移動させた。また、三号機の完成もまもなくだ。飛行テストはこの三機で実施する。 二号機はT-2と呼称され基礎的なミッションシ ステムが搭載されている。初飛行は6月8日に実施されたばかり。パタクセントリバー基地への移動は6月19日に完了した。 三号機T-3の飛行テスト開始は本年第三四半期 の予定。兵装の認証を得ることが大きな目的だ。P-8Aは魚雷に加えボーイング製のスタンドオフ陸上攻撃ミサイルを搭載する。 ボーイングは同機開発の進捗を良好と見ており、 2013年の初期作戦能力(IOC)獲得目標は達成可能としている。IOCまでに合計6機の購入が必要で、T-4 から6の三機は乗員訓練に使用される。 その一方で海軍はP-8A の性能向上型(Increment 2)の2016年配備をめざし、企画案を完成させつつある。改良の中心は潜水艦探知に向けた機体の音響特性の向上だ。輸出についてはオーストラリアがイン ドにつぐ第二の導入国になる可能性があり、現在両国間で協議中。その次の改良(Increment 3)は2019年となる。 米国とインドは来月に最終設計審査を予定してい る。インド向け改良型の生産開始は2012年に予定され、米国向けの機体と一部が異なっており、磁気異常探知機、洋上捜査レーダーの追加装備で360度探 知が可能、および空中捜索能力の追加が主な点。■

F/A-18E/Fの調達は当分継続される

  Boeing Eyes F/A-18E/F Long-Term Production aviationweek.com Jun 24, 2010                                                    ボーイングはF/A-18E/F スーパーホーネットの生産ラインを2020年まで稼動させる見込み。 を4年間で124機調達する現行計画だが、変更 はありうると同社は見ている。複数年度調達方法で年間5億ドルが節約できるという。 平行してボーイングは米海軍または海外購入者向 けの将来の性能向上需要に向けた技術の開発を進めている。海外市場での性能向上型機種へ関心は高く、例としてインド空軍はGEの改良型F414エンジンで 20%の推力増加画可能となることに関心を示している。 一方、米海軍の目下の関心は追加兵装システムの 統合、センサー統合能力の向上および追加電子装備にある。 これに対応してボーイングは新型9x11インチ のディスプレー(三次元表示にも対応)の導入改修を進めているが、実証飛行を来年に開始して顧客の関心度を探り、求められる性能を確認する予定だ。 その結果で予算がつけば性能向上型は4年で実用 化される。 新型ディスプレーに対応した新設計のHUDヘッドアップディスプレーも導入されるが、パイロットにはセンサーを利用して各種情報を 統合する余裕が生まれるはずだ。 なお、予備用の3.5x3.5インチがあわせて 準備される。 そのほかの改善点としては赤外線探知追跡センサーが外部燃料タンクの前面に2016年までに取り付けられる。 そのほか海軍が導入を予定しているのが、新型 IFF(敵味方識別装置)、データリンク能力向上、目標補足情報の共有能力で、電子攻撃の脅威に対抗する手段となる。これ以外に戦闘管理能力の向上、電子 戦統制能力、自機防衛装置として開発が遅れている360度対応ミサイル接近警告機能がある。ただ、後者についてはレーダーまたは赤外線技術のどちらを採用 するかが未定だ。■

空軍のABL開発状況、海軍もレーザー兵器実験へ

Airborne Laser Demonstrating Increased Range aviationweek.com Jun 22, 2010     ボーイング747-400を改造した空中レー ザー(ABL)テスト機は高出力化学レーザーの発射射程が従来の3倍から4倍に延びていることがボーイングにより判明した。 同機は毎月2回の飛行をしており、そのうち一回 は実際にレーザーを発射し、実際の標的を使用することもあると、ボーイング・ネットワーク・スペースシステムズ社長のロジャー・クローンが明らかにした。 同機のレーザー照射撃墜実験は2月に始めて成功しており、引き続き今年中の実施が予定されている。現在の重点はレーザーシステムの性能向上にあり、単に射 程距離だけでなく、照射角度の改善も視野に入っている。 ABLについては有効射程が 短すぎ、747をあらかじめ脅威の所在地近くに配備する必要があるとして ペンタゴンから 批判があった。 テスト機の予算手当ては来年も継続される。ミサ イル防衛庁(MDA)は数週間のうちに今後のテスト内容を決める。 クローン社長によるとボーイングはMDAとテス ト機に固体レーザー装置の追加搭載の可能性を協議している。747機内には既存の化学レーザー装置に追加搭載するスペースは十分ある。 一方、海軍は自由電子レーザー開発でレイセオン とボーイングのいずれかを採択する予定を来月に控える。海軍の計画では採択後15ヶ月で設計審査を完了し、次の段階は100キロワット級のレーザー実証実 験をしたあと、第三段階で海上公試に移る。■ コメント ミサイル防衛では技術の進展が早いのと、技術手段が多様になったほうが選択の幅も広がることもあり、レーザー開発状況には日本も注視しておくべきでしょうね 。

次期大統領ヘリ選定は仕切りなおしに

Presidential Helo Competition Complicated aviationweek.com Jun 14, 2010 大統領専用ヘリコプター調達が仕切りなおしとな る中、複雑なメーカー間の関係はより大きな防衛産業メーカーの動向をそのまま反映する形になってきた。 ボーイングは6月8日にアグスタウェストランド よりAW101ヘリコプターの知的財産、技術データおよび製造権を完全に買い取るとの発表をし、今後は同機は完全にボーイングの製品となると付け加えた。 アグスタウェストランドはこの取引で相当の額の 収入を得ることになる。同社にとっては大西洋の両岸でビジネスを展開する重荷がなくなることで安堵できるが、今後はボーイングがこのリスクを負うことにな る。 その逆のことがボーイングにあてはまる。ボーイングはCH-47チヌークの知的財産権をアグスタウェストランドに販売し、同社がイ タリア向けの製造販売を行う。その他世界各地では両者はAW-101とCH-47で競合関係にある。なお、アグスタウェストランドはベルテクストロンの BA609ティルトローター開発で小規模の出資をしていることから、ここでもボーイングとのつながりがある。 次期大統領専用ヘリコプターVXX計画に話を戻 すと、ボーイングはベルヘリコプターと共同でV-22オスプレーを提案している。 一方、アグスタウェストランドが以前に提携して いたロッキード・マーティンは提携を解消し、新たにシコルスキーと組みS-92を候補機として売り込む構えだ。 シコルスキーもボーイングも生産分担の話には入 らないだろう。ボーイングによるとAW101の生産場所は未定とのこと。 「国産品採用」の声がワシントンで高まってお り、今後の企業連合の決定にも影響を及ぼすだろう。アグスタウェストランドが第一回目の入札で苦労したのが純粋な米国企業とみなされなかった点だ。そこで AW101をボーイングに引き渡せば、その点はクリアできる。なぜかボーイングも「アメリカ製品採用」キャンペーンをしているなか、逆にボーイング101 がどれだけアメリカ製品と呼べるのかを証明する立場になっている。ヨーロッパ製の部品もあるためだ。 一方海軍も代替選択検討仕様(AOA)の作成に 苦労しており、VXX落札の行方が大きく変わることもありう

米海軍新世代空母に搭載される新技術

Carrier Launch System Passes Initial Tests aviationweek.com June 4, 2010 全電動カタパルトのテストがレイクハースト海軍航空基地(ニュー ジャージー州)で成功したことで、新型空母USSジェラルド・フォード(CVN-78)の建造関係者は安堵しているはずだ。海軍は伝統的な蒸気カタパルト に決別する賭けをしている。 電磁誘導式航空機射出システム(Emals)の開発が遅れていたことで同空母の建造には黄色信号がついてい た。蒸気式カタパルトに復帰するには遅すぎた。フォード級空母は発電配電システムがニミッツ級より強力でEmals搭載を念頭においている。このため艦内 では暖房、厨房、ポンプはじめ延長10キロメートルの蒸気配管を全廃している。 予算115億ドルの同空母の就役は予算上の理由で二回に わたり遅れている。そこで予定通りにEmalsが進展してきたことと建造日程が合致してきたのだが海軍は同システムの開発を注視している。 レ イクハーストのEmalsは陸上配備で荷重なしの高速度テストを4月に開始しており、バラストを乗せた状態で50ノットから180ノットに加速していく。 主契約事業者はジェネラルアトミックスで、試作品が同社工場で加速試験を受けており、6,800回のライフサイクルに耐えれるかを点検中だ。これまでのと ころ航空機、兵装、脱出シートに深刻なサージ電流による電磁干渉の兆候は見つかっていない。レイクハーストでは最初の航空機発進テストを年末に実施予定 だ。 2011年5月にフォード向けのEmals部品の第一陣が造船所に到着する予定。特に関心が集まるのは発電装置合計12基で、各 80千ポンドの重量ではずみ車でエネルギーを保存、提供する設計である。この製作日程に余裕がない。 Emalsは蒸気カタパルトより柔 軟性が高い運用が可能だ。F-35C共用打撃戦闘機にはF/A-18E/Fよりも大きな発進エネルギーが必要で、EmalsはF-35Cを完全装備のまま 発進させることができる。 逆にEmalsの設定を蒸気カタパルトよりも低くすることも可能で無人機のような軽量機の発進にも対応でき る。 フォード級空母には新型の高性能着艦装置もあり、これもジェネラルアトミックス社製品であり、従来の油圧式