EADS KC-X Bid In, Tanker Rhetoric Heats Up
aviationweek.com Jul 9, 2010EADSノースアメリカはA330-200を改装する同社のKC-X提案が米空軍入札で採用とな ると自信満々である。同社会長ラルフ・クロスによると競合するボーイングの支持者による同社への攻撃は取るに足らないものと一蹴する。
- 同社は合計8,819ページ全17巻の提案書を 提出。入札締め切りは7月9日。提案の給油機設計はオーストラリア空軍仕様を大幅に流用している。一方、ボーイングは767原型の提案だが日本、イタリア 向けの設計とは異なり、現段階ではまだ原型機は存在していない。代替の対象となるKC-135は現段階で179機が稼働中。
- 米空軍は採択結果を11月12日に公表の予定。 契約規模は350億ドル。EADSは7月8日の記者会見で入札の意向を表明した。
- 両社はこれまで非難中傷の応酬を繰り返してきた が、ボーイングの支持者は世界貿易機関WTOの見解でエアバスが不正な形で政府補助金を受けて民間機を開発した経緯を今回の選定で考慮すべきと主張する。 この補助金を理由にEADSには一機あたり5百万ドル相当のペナルティを国防総省は課すべきだと主張する議員もいる。
- ペンタゴン関係者はWTO規則ではペナルティの 上乗せはできないと言い、EADSも一蹴する。
- 一方WTOも紛争解決委員会の活動は9月まで延 期するとし、その理由はEU側が米国に対してボーイングは不公正な補助を受けているとしているためだとする。
- EADSはKC-X事業の本拠地をアラバマ州 モービルに7月12日に開設し、以後の空軍との交渉を続けると発表。もともと同地は2008年の落札時にA330-200タンカー・貨物型の最終組立工場 として当時の提携先ノースロップ・グラマン主導で選定されていた経緯がある。この落札が無効とされたのはボーイングの抗議がきっかけであり、ノースロッ プ・グラマンが事業から降りてしまった。EADSはその後単独で応札する意向を公表していた。
- KC-X開発用の最初の三機はツールーズで製作 し、スペインのエアバスミリタリーで軍用の改装を施す。4号機からモビールで改装をする。ただし、各号機の製作予定は同社は明らかにしていない。
- EADSはモビール生産施設はBPの原油事故で 大幅に経済が落ち込んでいる同地にはよい効果をもたらすと強調。
- ただし、それだけでは空軍の選定理由にはあたら ない。両社ともに合計372項目にわたる要求項目を満たする必要があり、選定は大きくは価格で決定となるだろう。EADSには不利な条件となるのはエアバ ス機がボーイングよりも大型で重量も大きいためだ。
- カリフォルニア州のU.S.エアロ スペース U.S. Aerospaceが証券取引委員会に対して同社が主契約社となりアントノフ製の三型式でこの入札に参加する意向を書類で示した。既存の競合他社からはこ の動きは相手にされていない。
- ペンタゴンは7月9日午後2時という提案書提出 締め切りを守るとしていおり、U.S.エアロスペース社の動向とは関係ないとしている。
- ボーイングも7月9日に提案書を届ける予定。
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