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心配なサイバー攻撃の増加傾向----米国が中国を名指しで非難

US Cyberwarrior Accuses China Of Targeting Pentagon aviationweek.com September 28, 2012 米国サイバー軍団U.S. Cyber Commandの情報将校トップが中国に対して、ペンタゴンのコンピューターに侵入する試みを繰り返し行っていると非難し、サイバー軍団の米軍事機構内での地位を高めるべく提案をしているとも発表した。 . 「中国から国防総省を狙う試みは絶えず続いています」とし、同時に企業の秘密事項も盗み出そうとしていると発言したのはサミュエル・コックス海軍少将(サ イバー軍団情報部長)Rear Admiral Samuel Cox, the command’s director of intelligenceだ。 国家防諜活動局Office of the National Counterintelligence Executiveは一年前に「中国は世界で最大の経済諜報活動の犯人」だとする報告書をまとめている。 「今も続いており、むしろ加速しています」とコックス少将は中国がペンタゴンの秘密を盗み出そうとしていると糾弾している。 実際に極秘の米国側ネットワークが侵入されているかについて、コックス少将は「その点はお話できない」と答えている。これまでに発生した事例は公表されていない。 これに対し在米中国大使館からのコメントはなかった。過去において中国側はこのような非難について否定してきている。 サイバー軍団の使命は国防総省下のネットワークの防衛ならびにサイバー空間での米側の攻撃を実施することにある。二年前に創設され、戦略司令部U.S. Strategic Commandの一部となっている。 コックス少将はサイバー戦部隊を合同戦闘部隊の地位に引き上げようという提案があると説明。これが実現するとサイバー軍団は戦略軍と同じ地位になり、国防総省にあるトップレベルの軍組織のひとつとなる。 本件は国防長官に送付ずみで大統領の決済がおそらく今年末に下るだろうと同少将はいう。 コックス少将はシンクタンク大西洋協議会 Atlantic Council開催の会合でサイバー脅威の技術水準と危険度は「加速しつづけており、その変化はすでに単純な直線的な増加を通り越している」と発言。 “

F-15の飛行時間を二倍に延長する動き

USAF Seeks Afterlife of F-15s aviationweek.com September 25, 2012 米空軍はF-15イーグルの稼働可能飛行時間を性能改修により二倍以上に延長する。 .「二年半前のことですが、米空軍からC型の疲労テストの要望がありました」(ボーイングのF-15ミッションシステムズ担当部長ブラッド・ジョーンズBrad Jones, F-15 mission systems director) 当時F-15部隊は総飛行時間合計限界に近づきつつあり、空軍は退役をどこまで先送りできるかを知りたかったのだとジョーンズは説明する。 同機の設計寿命は8,000飛行時間で最初に配備された機体では10,000時間を超えて飛行しているものもある。ボーイングは疲労試験を経てF-15C/D型で18,000飛行時間相当、E型で32,000飛行時間相当にまで延長する証明を出す準備をしている。 .「構造疲労の補強作業で現行型F-15の耐用年数を延長し、保守点検の頻度が減ります」とボーイングは説明する。 「F-15の最終稼働日はまだ決まっていません。」とジョーンズはいい、米軍および各国で稼働中の各型の耐用年数を増やすプログラムが複数あるという。 こ のうちレーダー近代化改修ではF-15E全機に2021年までにAPG-82(V)1 パッケージにAPG-79プロセッサーを組み合わせ搭載する案がある。これにより現行のAPG-63(V)3より信頼性、性能で5倍の能力増となる。この 改修の初期作戦能力は2014年初頭の予定。 高 性能ディスプレイ・コアプロセッサーII(ADCP II)プログラムでは米軍のF-15E全機の搭載コンピューターを更新して、今後の機材の基本形とする。この新型コンピューターでは計算能力が増強され、 ギガビット級イーサネットと光ファイバー接続が可能となる。11月にマイルストンBの決定が下る。 .ボーイングではコックピットシステムも用意しており、内容は大がディスプレイ、薄型ヘッドアップディスプレイ、エンジン燃料油圧ディスプレイの薄型、などでこれまでの23個のディスプレイや計器を置き換える。 「状況認識が改善されます」とジョーンズは言い、改善事項は購入時およびライフサイクルで機体価格を下げる効果があるという。 .

中国二番目のステルス機J-31の素性を考える

China Unveils Second Stealth Fighter By Bill Sweetman, Richard Fisher, Bradley Perrett   Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com September 24, 2012 中国が低視認性(LO)あるいはステルス性戦闘機の第二番目の機種の存在を明らかにした。 瀋陽航空機工業 で生産された同機はおそらくJ-31の呼称がつき、 成都航空機 製 J-20が2010年末に知られるようになったのとおなじ形だ。インターネット経由で同機の写真は米国防長官の北京公式訪問前日にリークしている。その メッセージはあけすけで、米国が太平洋に海空戦力を増強する政策を実行に移す中、中国は軍装備の近代化を着々と進めていることを示している。 写 真ではJ-31が先に出たJ-20とは大幅に違うことが明らかだ。J-31は小型で、J-20の三分の二程度だ。機体にはF-22との類似性も見られる が、機体寸法上はむしろF-35に近い。機体下部空気取り入れ口から後方エンジン手前は兵装格納庫になっている。J-20のような機体側面の格納庫はつい ていない。飛行制御は通常型を採用しており、方向舵と一枚構成のフラッペロンは統合されていない。 J-20と同様にステルス形状の技術面では ロッキード・マーティン 製 戦闘機と非常に似通っているのがわかるが、エンジンノズルは通常型だ。ノズル形状は成都JF-17戦闘機搭載のクリモフRD-93エンジンのノズルから胴 体にあわせるためについていた「首輪」をとっただけだ。推力方向制御は中国でも研究されているものの実際の飛行展示事例はない。 で はJ-20とJ-31で共通するのは実験機の段階を終了しているように見える点だ。両機ともに実寸大の実証機でありながら兵装格納庫があり、両機とも既存 機種の部品を流用していない。ただし、両機とも実戦型の開発および本格生産の開始がどうなるかは不明だ。中国は非ステルス戦闘機の生産を継続しており、一 方でいつになったら発動機のロシア依存を不要にする実用的な国産エンジンの生産が始まるのかは不明だ。(JF-17全機がRD-93を搭載しており、国産 の杭州WS-13エンジンは

音響探知不可能な潜水艦が出現する可能性

U.S. Navy Eyes Technology To Cloak Subs aviationweek.com September 03, 2012 米海軍は潜水艦のステルス化をさらに進めその存在を遮蔽化する技術研究に資金投入している。まるでトム・クランシーの軍事スリラー小説かスタートレック の映画のようだが現実の話である。 ウェイドリンジャー・アソシエイツ Weidlinger Associates(ニューヨーク)が海軍の中小企業技術革新研究Small Business Innovation Research (SBIR)予算で進めているこの技術開発ではアルミニウムを加工変形させて「弾力性」を持たせ、同社が「金属水」と呼ぶ形にすることができる。 国防アナリストはこの技術で水中戦が根本から変わり、探知されず海中で待ち伏せをすることができると見る。 潜水艦作戦では音響特性がすべてで静かな潜水艦が優位な立場になるものの、探知技術も進歩してきた。 そこで新技術では水中発生音の音紋を大幅に下げ、アクティブソナー音紋も小さくすることで高性能マル チスタティック探知機でも発見されにくくなる。 こ の音響回避技術を潜水艦および無人水中機UUVsに応用するのがSBIRフェーズIIの目標だ。その中で表面剤を新たに作り、広帯域 パッシブ導波管の機能を持たせ、音響エネルギーの方向を変えることができ、アクティブソナーにも「事実上探知不可能になる」と同社は説明する 現在使用中の表面剤には二種類あり、ひとつが「分離剤」で船体と海水の間に不整合を生じさせ放射雑音を抑えるもの。もうひとつが「吸 収剤」で、アクティブソナー音を吸収する。 隠蔽化技術は機能性素材を組み合わせて上の二つの機能を同時にねらう。ただし吸収より方向変化を重視する。理論的には理想的な遮蔽塗膜を使えば放射雑音とソナーの威力を同時に消滅させられる。 この表面塗布剤により水中振動も減衰できるので、パッシブソナーの音紋も下げることができると同社は説明。 この技術の鍵を握るのがメタマテリアル各種の開発。メタマテリアルは金属と他の固体をまぜて作るが、顕微鏡的な規模で整備さ れた構造(たとえば格子状)を有する特徴がある。 ウェイドリンジャーの技術はアルミに六角形のセル構造をもたせ、潜水艦の船体全体を包む円筒形

心配なKC-46Aのプロジェクト管理

Boeing Burns Through KC-46 Reserves Faster Than Planned By Amy Butler aviationweek.com September 18, 2012 ボーイング は米空軍向けKC-46A空中給油機開発で準備した予算等経営資源を予想より早いペースで消費していることが判明し、その原因をプログラム管理チームが調査中であり、新しい費用見積もりを議会に提出する、と空軍関係者が明らかにした。 ボーイングの言い分はリスク低減策の前倒し実施の結果として予算が早く支出されているが、管理予備費予算management reserve budget の総額に変化なし、というもの。 ボー イングは18ヶ月前に固定価格で報奨金なしの契約締結でEADSを破り、767-2-C原型の空中給油機179機を販売することになった。政府監査部門に よる直近の開発費用は53億ドルで、交渉上限価格の49億ドルをすでに超えている。(契約上限額を超過した場合にペンタゴンが負担する分も含む。) 政 府監査スタッフはボーイングが400百万ドル上限で開発費用の一部負担をすることを目ろんでいた。そのねらいは同社は生産が順調になり引渡し機数が増えれ ば当然利益を上げることができるはずと見ていたため。したがって準備した予算消費の早さはボーイングに取っては実際の支出なので問題視されるが、ペンタゴ ンにとっては痛くもかゆくもなく、資金がなくなれば同機開発が座礁するだけだからだ。 で はボーイングは欠損をどうやって埋めるかと言うと海外販売へ期待しているのである。シンガポールから真っ先に情報開示請求がありKC-46A購入の意志あ りと認められるとJ.T.トンプソン少将が明らかにしている。しかし、同国はA330ベースの給油機の購入も検討しそうだ。 管理予備予算とは開発期間中に発生する問題の解決に留保されたもので、プログラム管理者が使うもの。予定よりも早い支出ペースは日程管理のリスク評価の際に明らかになった。 にもかからずトンプソン少将は全体としてみれば同機開発チームは「コスト、日程、技術成果の観点から」KC-46の設計開発を順調に進めていると見ている。 ボー イングはシステム統合ラボsystem integration laboratories (SI

シリア介入のシナリオ:航空作戦は最大規模になる

Syria: Air-Only War Could Be Largest of its Kind by Daniel Trombly September 5, 2012 US Naval Institute シ リア内戦がエスカレートする中、政策立案にあたる人たちの中で「安全地帯」「解放地帯」「緩衝地帯」を空軍力の投入により実現する案が検討されている。安 全地帯を作ることで同国民の被害を軽減し、アサド政権の崩壊を加速することが代償が大きい直接地上介入実現できるなしでとトルコ政府は主張している。イラ ク復興支援の安寧提供作戦Operation Provide Comfort以後の西側による介入作戦に共通しているのは、また90年代のバルカン半島内戦事例でもあったが、安全地帯を設定することが内戦状態の解決 策に見えることだ。ただし戦略的にかつ兵站上の実務で深刻な課題が残る。リビア事例ではベンガジ近辺での安全地帯の執行は比較的容易であったが、シリアで 封鎖中の各都市を保護する場合はより代償も多く、難易度もあがることになろう。 前 回の小論で示したように飛行禁止地帯の設定とは航空、海上それぞれで作戦が必要となるものであり、シリアで安全地帯を設定するには双方の実施がともに必要 条件となる。敵の防空体制制圧suppression of enemy air defense (SEAD) が不十分なままだと航空優勢を確保しても我が方の戦闘機が飛行禁止区域での活動を展開するのに脅威が残るが、それ以上に脅威にさらされるのは地上攻撃に当 たる航空機であろう。        シリア作戦では攻撃ヘリコプターや攻撃用ジェット機が活躍を期待されるものの、シリア空軍力の撃滅を決定的に実施する手段として、あるいは安全地帯の維持をする分に十分な手段となることは実現しそうもない。 リ ビア航空介入作戦の成功はむしろ歴史上は異例だった。1993年NATOによるボスニア上空の飛行禁止区域設定は地上部隊による安全地帯攻撃を阻止する事 はできなかった。そのため地上爆撃が実施され、さらにクロアチア地上軍によりセルビア軍を攻撃することが必要となった。湾岸戦争終結後のイラクでは飛行禁 止区域や懲罰的爆撃を数年間継続してもサダム・フセインによるシーア派やクルド族への地上兵力による攻撃を止めることはできな

共和党大統領当選でF-22生産再開?

More F-22s To Be Built If Mitt Romney Becomes President                     Ottawa Citizen September 16, 2012. 10:30 am . 共 和党大統領候補ミット・ロムニーは空軍にはもっと多くのF-22を調達させるべきだと記者団に語った。当選すれば、F-22生産ラインを復活させるという のがロムニーの案だ。シンクタンクのレキシントン研究所はこの案を支持しつつも問題点を指摘している。ロッキード・マーティンの生産施設はF-22の中央 及び前方部分を生産していたが、現在はF-35生産用に改装されている。また、機体後部を生産していたボーイング社施設も787旅客機生産の一部に使用さ れている。F-22生産用の生産設備は保存されているが、作業員までもボスボール保存はできず、かつての従業員はそれぞれ別の仕事をしている。こうすると 生産再開には相当のコストがかかり、もう一度生産ラインを構築し、サプライチェーンを復活スすると、ロッキードが数年前に日本に提示した一機900百万ド ルという値札より相当高くなりそうだ。 コメント   共和党候補として勇ましい構想であるのですが、生産ラインの再開はそう簡単ではないでしょう。むしろ、そうなると再び日本、イスラエルの関与が期待される かもしれません。それもこれも11月に共和党大統領が誕生するかにかかっていますが、F-Xの本命であったF-22を日本が手に入れることができるかは多 分これが最後の機会になるでしょう。