Boeing Burns Through KC-46 Reserves Faster Than Planned
By Amy Butler
aviationweek.com September 18, 2012
ボーイングは米空軍向けKC-46A空中給油機開発で準備した予算等経営資源を予想より早いペースで消費していることが判明し、その原因をプログラム管理チームが調査中であり、新しい費用見積もりを議会に提出する、と空軍関係者が明らかにした。
- ボーイングの言い分はリスク低減策の前倒し実施の結果として予算が早く支出されているが、管理予備費予算management reserve budget の総額に変化なし、というもの。
- ボー イングは18ヶ月前に固定価格で報奨金なしの契約締結でEADSを破り、767-2-C原型の空中給油機179機を販売することになった。政府監査部門に よる直近の開発費用は53億ドルで、交渉上限価格の49億ドルをすでに超えている。(契約上限額を超過した場合にペンタゴンが負担する分も含む。)
- 政 府監査スタッフはボーイングが400百万ドル上限で開発費用の一部負担をすることを目ろんでいた。そのねらいは同社は生産が順調になり引渡し機数が増えれ ば当然利益を上げることができるはずと見ていたため。したがって準備した予算消費の早さはボーイングに取っては実際の支出なので問題視されるが、ペンタゴ ンにとっては痛くもかゆくもなく、資金がなくなれば同機開発が座礁するだけだからだ。
- で はボーイングは欠損をどうやって埋めるかと言うと海外販売へ期待しているのである。シンガポールから真っ先に情報開示請求がありKC-46A購入の意志あ りと認められるとJ.T.トンプソン少将が明らかにしている。しかし、同国はA330ベースの給油機の購入も検討しそうだ。
- 管理予備予算とは開発期間中に発生する問題の解決に留保されたもので、プログラム管理者が使うもの。予定よりも早い支出ペースは日程管理のリスク評価の際に明らかになった。
- にもかからずトンプソン少将は全体としてみれば同機開発チームは「コスト、日程、技術成果の観点から」KC-46の設計開発を順調に進めていると見ている。
- ボー イングはシステム統合ラボsystem integration laboratories (SILs) として開発時のリスク低減を狙う三箇所のうち最初の施設を一ヶ月前倒しで開設している。トンプソン少将は空軍協会主催の会議でこれを発表している。この SILは基本形の767-2C民間型と関連するシステム各種の実証に使われる。残りの二箇所のSILもまもなく稼動開始する予定で、ひとつは空中給油関連 の軍用サブシステム各種、もうひとつはパイロット・ブーム操作員向けのハードウェア包括テスト用に使う。一方、トンプソン少将によるとウィチタ工場の給油 用ブーム組立てラインを閉鎖し業務をワシントン州エヴァレットに移転するボーイングの方針は「リスク要因ではあるが、この時点では実施可能な内容と思われ る」とのこと。移転は来年1月に完了するという。
- 一方で事業進展の兆しもある。767機体への実弾発射テストが開始されたとトンプソン少将が明らかにした。さらにスピリットエアロシステムズSpirit AeroSystemsはボーイング協力企業としてKC-46Aのブーム生産を開始した。トンプソン少将はこうした進展および契約上の政府による「厚遇」 もいったん予算執行の強制中止手続きが1月に実行になればすべて徒労に終わると注意喚起している。手続きは議会が政府の赤字削減案に同意しない場合、国防 予算全般を一律に削減することになる。
- KC- 46Aはこの手続きで打撃を受ける公算が大だ。トンプソン少将も固定価格で同機開発予算を計上できなかった政府の失態により、契約行為を全部やりなおすこ とになり、条件面で大きく変更になる可能性があると指摘している。「固定価格契約を破れば、同機に盛り込もうとしているものを全部実現できなくなるかもし れません」■
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