Northrop Preps LEMV Airship For Next Flight
aviationweek.com August 27, 2012
ノースロップ・グラマンの長時間飛行多目的情報収集機Long Endurance Multi-intelligenc Vehicle (LEMV)の初飛行が実施されたことで、米陸軍の期待と必要性には底堅いものが裏付けられた。
8月8日の初飛行を完了したハイブリッド飛行船はレイクハースト基地(ニュージャージー州)のハンガー内で機体内外部を点検中だ。
- 平 行しノースロップはペイロード用の配線を設置中で、飛行テストの途中で作業は完成する予定だ。「初飛行はペイロードなしだったが、機体には必要なハードポ イントはすでについており、ペイロードベイもあります」 ノースロップ・グラマンのアラン・メツガーAlan Metzger,(LEMV担当副社長)は語る。「有人飛行モードで必要な装備も全部搭載済みです」
- . 初飛行で三項目を達成できたとメツガーはいう。離陸、上昇および機体操作など基本機能、着陸だ。「滞空時間は90分で大きな問題は見当たりませんでした」 ただし初飛行には空気より重い同飛行船は垂直離陸に搭載するエンジンvectoring thrustersを使用している。
- ハイブリッド飛行船としてLEMVは空力特性、浮力、エンジン推進を組み合わせる。空気より重いため離着陸時には制御が容易だ。ペイロード満載の場合は短距離の滑走で離陸するが、メツガーによるとレイクハーストではハンガーが近接しているため滑走に制約があるという。
- 動力にはセンチュリオンエアクラフトエンジンCenturion Aircraft Engines のターボディーゼル4基を前後二基ずつ搭載する。各エンジンに発電機があり、必要な電力を供給する。
- .LEMVは無人モードで高度22,000フィートで連続21日間飛行でき、合計2,750ポンドの情報収集監視偵察(ISR)装置を搭載できる。
- レ イクハーストで有人操縦飛行を10回から15回実施するとメツガーは説明しており、その後ペイロード搭載した無人飛行テストに入るという。遠隔操縦システ ムはまだ完成していないが、「初飛行では無人操縦ソフトウェアを利用しており、そのデータからシミュレーションに活用できる」という。
- LEMVはノースロップの既存無人機のシステムを流用しており、「90%は他の機体の再利用」とのこと。AAI Corp.が同機運用のための地上操作ステーションを製作しており、SAICからフルモーションビデオ映像技術を提供受けている。
- ノー スロップが2010年6月に154百万ドル相当の契約を交付された際にはLEMVの飛行を12ないし13ヶ月以内に実施し、アフガニスタンで運用を18ヶ 月以内に開始することになっていた。「システムが予想よりも複雑でした。大きさではA380に匹敵しますが、回転エンジンを装備しています。コンセプトか ら初飛行までは25ヶ月でした。これでも驚くべき成果なのですがね」
- 陸 軍情報参謀副部長メアリー・レジェ中将Lt. Gen. Mary Legere, Army deputy chief of staff for intelligenceによると初飛行で「25ヶ月間の重労働」が報われる形がノースロップと飛行船設計でパートナーの英国企業ハイブリッドエアヴィー クルズHybrid Air Vehicles、および「偉大なる中小企業各社が一緒となり、パワーポイントのプレゼン内容から長時間監視機材の必要性を理解し、実現にこぎつけた」と 評した。
- 遅延の原因は追加設計と制作上の問題および初飛行準備に影響を与えた悪天候だという。「堅牢性を高め、一部は二重三重に冗長性をもたせました。機内の装置類で追加設計が必要となり、配線、統合、テストが追加されました」(メツガー)
- .ノースロップの契約はオプションも入れると517百万ドルに増える可能性がある。オプションであと2機の製作が可能だ。「陸軍式の調達戦略では一号機をまず作り、『技術的可能性』をチェックすること。このチェックは満足させれたと思っています」(メツガー)
- 「陸軍の想定は高度2万フィート上昇し、相当の搭載物を二三週間滞空させる発想です。第一号機は要求水準の数点で満足させられません。二号機では改良を加え、三号機ではすべてがいまくいくでしょう。機体構造には今後の変更点を生かす余地を残しています」
- ノースロップは陸軍と共同して同機の性能向上ロードマップを作成中だ。
- 「センサー類の統合作業が残っていますが、楽観視しています。この機体の性能は実戦でのニーズに答え、情報収集結果をいっそう有効に活用する途を開くと感じています」(レジェ中将)
- LEMV は国防総省のISRタスクフォースの構想を陸軍が採用したものと同中将は説明する。「地域紛争で地上部隊が戦略ISR手段の予約が取れない状況に直面する かも知れず、また陸軍だけで長時間にわたり交戦する可能性があるので、持続的情報収集手段を求めているわけです」■
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