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★米国は北朝鮮攻撃に踏み切るのか 考えるべき4つの要素



キチガイに刃物。北朝鮮が常軌を逸した行動に出ているのはそれだ危険を感じているからでしょう。人類史上の汚点、とよくぞ言ってくれたと思いつつ、トランプが強い姿勢を見せつつ対話に金正恩を引きづりおろせるのかきわめて疑問です。本人は米軍攻撃を恐れて逃げ回り、過食でストレスを解消しているとのことですが、オサマ・ビン・ラディン同様に仮に特殊部隊が狙えば、個人崇拝をたちきるためにも写真を撮影した後遺体は処分されるでしょう。当然北朝鮮攻撃に踏み切れば日本も無傷ではいられないはずですが、これまで放置してきた代償と考えるべきかもしれません。


The National Interest Would America Really Invade North Korea?


March 3, 2017


  1. トランプ政権は北朝鮮攻撃を本当に検討中なのか。
  2. どうもそうらしい。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば「ホワイトハウス内部で対北朝鮮戦略の見直しが進んでおり、軍事力行使あるいは政権交替により核脅威を取り除く可能性が浮上していると内部事情に詳しい筋が語っている」
  3. 国家政権の交替を始める方法はいろいろあるが、こと対北朝鮮軍事作戦に関する限り、選択肢はひとつしかないようだ。平壌は世界経済とつながっておらず、制裁措置で屈服させるのは不可能で、国際社会が非難を強めたところで効果は薄い。そうなると現時点では効果の上がる手段は軍事力しかないようだ。
  4. ではDPRK相手の軍事作戦はどんな形になるか。現代戦で確実なことはないのが事実だが、一つ確かなことがある。北朝鮮を攻撃し、世界最悪の政権を除去しようとすれば大災害発生はあきらかだ。
  5. 2014年に指摘しているが、政権転覆を目指し北朝鮮を攻撃すれば正気の沙汰ではない4つの理由がある。
  6. まず、金正恩はこの20年の歴史を勉強しているはずだ。
  7. ワシントンが平壌の悪漢を処分する決定をしたらどんな進展になるだろうか。北朝鮮の軍事装備の大規模破壊で始まるだろう。空母打撃群複数が投入されるはずだ。地上侵攻を狙い、韓国に部隊が集結するはずだ。地上運用の航空機が増強され、韓国、日本、米軍基地のミサイル防衛が強化される。多くの点で1991年の湾岸戦争の前例が注目され、攻撃部隊を増強してから敵を圧倒する。いかにも簡単である。
  8. 問題はこれだけの規模の軍事力は秘密裏に集結出来ないことだ。北朝鮮は即座に状況を知るはずだ。平壌は生存をかけ猛攻撃を仕掛けてくるはずだ。サダム・フセインの愚かさは連合軍が世界最強の軍事力を自分の足元で編成するのを許したことだが、金正恩は唯一の可能性は軍事力増強の事実を知った段階で全力で攻撃することだとわかっているはずだ。
  9. 二番目に北朝鮮が核攻撃に踏み切るのは必至だ。
  10. エチオピアより貧しい国が巨額予算で核兵器取得に走る理由は何か。答えは単純だ。政権転覆を狙う勢力にリスクを感じさせることだ。ワシントンが真剣に北朝鮮転覆を狙うのなら、平壌がそのまま静観するはずがない。北朝鮮ミサイルに米本土を確実に攻撃できる性能や精密度があるのか議論があるが、ソウルや東京なら十分攻撃できるとみられる。そうなれば原子の惨状が生まれる。金正恩は連合軍侵攻には勝てないことを十分承知しており、できるだけ多くを道連れにする決定に走るだろう。
  11. 三番目に金正恩は我々が忘れている別の大量破壊兵器を投入する可能性がある。
  12. 米国防総省の2012年度報告では「北朝鮮は化学兵器(CW)開発を長年に渡り進めており、神経ガス、びらん剤、血液剤、窒息剤の製造備蓄能力を有している。北朝鮮は通常兵器に手を加えCWを投入できるはずで火砲、弾道ミサイルを利用するだろう」 一部報告書では北朝鮮の化学兵器備蓄を5,000トンと試算している。
  13. では生物兵器はどうか。評価はわかれるが、同報告書は可能性が高いと指摘しており、「北朝鮮はバクテリア、ウィルス研究を続けており、攻勢の際に投入することを想定している。同国には必要な施設と軍需産業がすでにあり、生物戦の実施能力は高い」
  14. 悪夢のシナリオとなる化学兵器あるいは生物兵器の投入可能性が皆無とは言えない。少量でも投入されればソウルではパニックが発生し、その規模は9/11どころではない。民間人相手に恐ろしい攻撃が加えられることは回避しなければならない。
  15. 四番目に予知出来ないことがあまりにも多すぎる。
  16. 北朝鮮潜行工作員がシャルリ・エブドのような襲撃事件をソウルにとどまらず日本でも実行することがある。あるいは軍部が核ミサイルで対象地区を汚染することだ。北朝鮮再建の費用推定は考えるだけで恐ろしいが、中国には事態に介入する強い理由があるはずだ。
  17. 北朝鮮は人類史の汚点であり、抹消すべき存在だ。だが北朝鮮政権はこれまで60年以上も侵攻に備えている。このことは忘れてはならない。
  18. 公正な立場で言えば、トランプ政権は以上の選択肢を示してなんらかの対話を金正恩に求めるべきだと思う。まさしく取引を目指す「ドナルド流」だ。これにはアジア各国も異論はないはずで、朝鮮半島の緊張緩和はだれもが望むところだ。2017年にこれが実現するよう祈る。北朝鮮で危機状況が発生すれば考えるだに恐ろしい。
Harry J. Kazianis (@grecianformula) is Director of Defense Studies at The Center for the National Interest and Fellow for National Security Affairs at the Potomac Foundation. Kazianis also serves as Executive Editor of The National Interest.


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